ナタリー・ポートマンがブロンテ「嵐が丘」を離脱!製作の危機へ
2008年5月12日 12:00
[映画.com ニュース] これまで映画とTVで実に14度も映像化されてきたエミリー・ブロンテの古典的名著「嵐が丘」を、「ジャケット」のジョン・メイバリー監督が映画化する15度目のリメイク作品の主人公キャシーに決まっていたアメリカ人女優ナタリー・ポートマン(イスラエル出身)が理由は不明ながら離脱することになった。
同作は、孤児として虐げられて育った男ヒースクリフが、主人の娘キャシーに対して愛憎と復讐を抱くという物語で、世界的に評価が高い「真珠の耳飾りの少女」(主演スカーレット・ヨハンソン)のオリビア・ヘトリードが脚本を執筆するから、平凡な“古典的コスチューム劇"とは一線を画すリメイクになると期待を集めていたが、今回のポートマン降板はプロジェクト自体を危機に陥れそうだ。
というのも、ファイナンス(資金集め)と国際配給を担当するハンウェイ・フィルムズは、世界中からバイヤーが集まるカンヌ国際映画祭(5月14日から開催)で各国の配給会社に大々的に売り込む予定でいたが、主演女優の不在によりセールスが成立しないという最悪の事態も懸念されるからだ。
同社は、カンヌ映画祭までのわずか数日間の間に代役を決定する意向だが、状況は非常に厳しそうだ。ロンドンの地元紙からは、キャシー役に英国人女優を充てて賢くお金を使うべきとの論説記事も出しているが、メイバリー監督自身も「英国人役は英国人俳優が演じるべきだ」と同意する発言をしており、そのようになる可能性が高い。
ブロンテ3姉妹と言えば、先日も、長姉シャーロット・ブロンテの古典的名著「ジェーン・エア」がBBCフィルムズによる映画化が発表されたばかり。こちらも英国人以外の、「JUNO/ジュノ」(6月14日公開)のカナダ人女優エレン・ペイジが主役に抜擢されている。