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初来日ハビエル・バルデムが、オスカー受賞作「ノーカントリー」を語る!

2008年3月14日 12:00

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素の笑顔は…怖くありません
素の笑顔は…怖くありません

[映画.com ニュース] ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の監督・脚本作品「ノーカントリー」(3月15日公開)で、スペイン人俳優初のオスカー(助演男優賞)を受賞。今週初来日を果たしたハビエル・バルデムに、滞在先の東京のホテルで直撃した。

80年代のテキサスを舞台にしたクライムスリラーの同作で、バルデムが演じるのは、麻薬取引現場から大金を強奪した男(ジョシュ・ブローリン)の殺しを依頼される殺し屋アントン・シガー。 “おかっぱ頭”の冷血な殺人鬼だ。「あのアイデアを思いついたのはコーエン兄弟で、トミー・リー(・ジョーンズ)が持ってきた80年代テキサスを写した写真集にあった髪型を採用したんだよ(笑)。撮影中は毎日あの髪型で、鏡を見るのが大嫌いだったが、あの髪型のおかげで笑いをかもし出し、恐怖が増幅されたのだと思う。それがコーエン兄弟の才能だ」

夜になるまえに」(アカデミー主演男優賞候補)や「海を飛ぶ夢」など、静的な演技が印象的なバルデムにとって、初めてに近い本格的なアクション。「非常にセリフが少ないので、コーエン兄弟と議論を重ね、ボディランゲージで表現することになった。僕が登場した時に、観客には、驚きと脅威や居心地の悪さを感じてほしかった。だから、シガーは人殺しの時は迅速機敏かつ適確に行動する。ところが、水を飲むようなごく普通の行動の時はスローで、その鈍重な行動パターンが今回のアクションでは面白いと思ったんだ」

コーエン兄弟作品の大ファンだと公言しているバルデムは、オスカーを獲れたのは2人のおかげだと感謝している。「あの兄弟には矛盾がなくて、ほとんど会話を交わさないのに双子みたいに意思が通じ合っていて不思議だった。また、映像感覚については驚きの連続だった」

シガー役について撮影中は、「毎日24時間あんな男のことを考えたくないので、撮影が終わると“身体から追い出して”いたね。彼には共感できないが、理解はできるものさ」とバルデム。アカデミー作品賞受賞作となった今、映画史上に残る“最凶”のキャラクターになりつつあるようだ。「自分で(シガーを)見て怖いと思うことはないんだけど、日本に来る飛行機の中で、毛布を被ったある乗客が、目をキョロキョロさせて、小さな画面で『ノーカントリー』を見ていたんだ。みんな、怖いんだろうね、恐る恐るって感じだった。だから、僕がニ~ッと愛想を振りまいたら……彼は余計怖がった(爆笑)」

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