ジョージ・クルーニーとライアン・ゴスリング降板劇の真相は?
2007年10月26日 12:00
[映画.com ニュース] 先週末、ジョージ・クルーニーとライアン・ゴスリングがそれぞれ、ジョー・カーナハン監督の「ホワイト・ジャズ」、ピーター・ジャクソン監督の「ラブリー・ボーン」を降板した。米ロサンゼルス・タイムズ紙が10月22日付けの紙面で、その降板劇の真相を分析している。
クルーニーの場合、彼の製作プロダクション“スモークハウス”のパートナー、グラント・ヘスロフが声明を発表しているように「スケジュールの問題」で間違いなさそうだ。ジェームズ・エルロイ原作の「ホワイト・ジャズ」に対しては、プロデューサーを買って出ているように、出演することも楽しみにしていたという。
だが、先頃公開されたクルーニーが製作・主演したワーナー映画「マイケル・クレイトン」(08年日本公開)は批評家受けは抜群だったが、世界興収が現在までわずか2900万ドル(約33億円)と、興行的には完全な失敗に終わり、彼は相当ショックを受けたという。「映画記者への取材などを精力的にこなしたのに、この成績なのでパニックになったんだ。『映画ファンの好みが分からない』と自嘲気味にこぼしているよ」と関係者は証言している。
また同紙は、最近の50年代を舞台にした映画、「ハリウッドランド」や同じエルロイ原作の「ブラック・ダリア」が軒並みコケていることも、出演を尻込みさせた理由ではないかと分析している。ちなみに、オスカー候補になったエルロイ原作の「L.A.コンフィデンシャル」でさえも世界興収は6000万ドルにすぎない。
一方、ゴスリングの場合、彼が降板したのではなく、ジャクソン監督が彼をクビにしたというのが真相のようだ。彼が演じる役柄は、アリス・シーボルドの原作では14歳の娘を持つ父親という設定で、まだ26歳のゴスリングは老けて見えるように、9キロ体重を増やし、ヒゲを伸ばして役作りに励んだのだが……。
LAウィークリー紙によると、米ペンシルベニア州ピッツバーグで撮影の準備をしていたゴスリングとジャクソン監督が演技論を戦わせたようだ。ゴスリングは想い描いたさまざまな演技プランをまくし立てたが、それはジャクソン監督が想像していた父親像とは全く違っていたという。事情通は「ジャクソンはもはやこの男と仕事をしたくないと思ったようだ。ライアンは勝手に没頭し過ぎて、太ってしまったのさ」 と語っている。
結果、代役に立てられたのは、36歳のお腹の出ていないマーク・ウォールバーグ。約30キロの減量に成功したジャクソン監督が、役作りのために太った男をクビにするという、何とも皮肉な結果になった。