リアルな台詞にこだわった是枝裕和監督の最新作「歩いても 歩いても」
2007年8月20日 12:00
[映画.com ニュース] 「誰も知らない」「花よりもなほ」に続く是枝裕和監督の最新作「歩いても 歩いても」(08年初夏公開)が7月19日にクランクイン。8月19日、東京・成城の東宝スタジオにて製作発表会見が行われ、是枝監督のほか、主演の阿部寛、樹木希林、夏川結衣、原田芳雄、YOU、高橋和也、田中祥平が出席した。
是枝監督のオリジナル脚本による本作は、ある一家の2日間を描いた人間ドラマ。元医師(原田)と妻(樹木)が暮らす家に、子供を連れた長女夫婦(YOU、高橋)、失業中の次男(阿部)と嫁(夏川)が久しぶりに帰ってくる。彼らの何気ない会話の中から、やがて亡き長男をめぐる複雑な感情が浮かび上がってくるというストーリー。是枝監督は「すばらしいキャストに恵まれ、とても充実した作品になっている」と、確かな手応えに自信を見せた。
「日常的な言葉にこだわり、セリフはすべて3行以下」(是枝)という脚本を、樹木希林は「力のある、いいホンだと思う。監督は将来、銅像になる人だ」と絶賛。一方で、「役者として脚本を超えるだけの力量があるか試される」(樹木)、「本来の自分の喋り方に近いセリフ。脚本に負けないよう、しっかりやりたい」 (阿部)、「実人生とだぶるような感じ。“普通”を演じることの難しさがある」(高橋)、「心身ともに疲れ果てている」 (夏川)、「つらい。非常につらい」(原田)、「監督のワガママ(笑)に応えるのが大変」(YOU)と、演技指導の厳しさがうかがえた。
撮影は現在、8割ほどが終了。毎日、編集作業をしているという是枝監督は「キャストのアンサンブルがすごくいいので、ワンカットが長くなってしまう。すごくいいものが撮れている。ぜひ応援して下さい」とアピールした。
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