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黒澤組大活躍!小泉堯史監督作「明日への遺言」クランクアップ

2007年7月4日 12:00

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軍事法廷の藤田まこと演じる岡田中将
軍事法廷の藤田まこと演じる岡田中将

[映画.com ニュース] 「博士の愛した数式」の小泉堯史監督の新作「明日(あした)への遺言」が、7月3日クランクアップした。同作は、太平洋戦争終戦直前の45年5月、名古屋で無差別の絨毯爆撃を行った米爆撃機B29の搭乗員捕虜38名を処刑した罪を問われたB級戦犯、岡田資(たすく)海軍中将(藤田まこと扮演)の軍事裁判を通した誇り高い生き方を描いたもの。

14、5年前に「野火」「レイテ戦記」で知られる大岡昇平の戦争文学「ながい旅」と出会ったという小泉監督は、「(実在する)岡田資さんの高潔な生き方に感銘し、岡田中将に会ってみたいという一念で映画化を思い立ち、『雨あがる』の前に、ロジャー・パルバースさん(『戦場のメリー・クリスマス』助監督)と共同で脚本を執筆しました。私の主人公はみんな、私が会ってみたいと思う人物なんですね(笑)」と語る。

物語の主な舞台は、軍事法廷が行われた横浜地方裁判所法廷や、受刑者を収容したスガモ・プリズン(巣鴨刑務所)。黒澤明監督の助監督だった小泉監督は、黒澤監督ゆかりの、東京・砧の東宝スタジオの中でも最大の第8スタジオ(400坪)に、総工費7000万円で裁判所法廷と刑務所のセットを再現。常時2~3台のカメラによる“黒澤流”マルチカム撮影に挑んだ。小泉監督は「東宝第8スタジオというと、『まあだだよ』の還暦の祝宴“まあだ会”の撮影が行われた懐かしい場所。広いスタジオなので、軍事法廷の場面では俳優さんにカメラを意識させないように3台のカメラの位置を工夫して、望遠カメラで人物を狙い、裁判の臨場感を出すように努めました。撮影している時、黒澤さんを意識はしなかったが、何かヘマをしたら、黒澤組だったカメラの上田(正治)さんや録音の紅谷(愃一)さんから必ずクレームが来ると思って、信じるままに撮っただけです。“このシーンでズームを使ったら黒澤さん怒るだろうな”とは思いましたけど(笑)」とスタジオにまつわる思い出を語った。

東宝スタジオでの撮影最終日の6月30日。スガモ・プリズンのセットで、感動のクライマックスシーンが撮影された。別の独房へ収監される、藤田まこと演じる岡田中将が手錠につながれたまま、「南無妙法蓮華経」と唱題を唱えながら刑務所の廊下を歩いていくシーンは、2台のカメラでとらえられ、カメラ位置やアングルの変化により照明のセットも次々と変えられ、わずか2シーンなのに、朝9時に始まった撮影は午後7時終了という長丁場になった。「望遠レンズで狙っているから照明が一番大事で、準備に時間がかかるんですよ」と説明した小泉監督は、光と影を演出する映画的な撮影現場で、トレードマークのサングラスの奥からスタッフの動きを見守っていた。

同映画は、岡田中将の命日(49年)である9月17日に特別試写会を予定。08年3月に公開される。

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