天才クリエイターが集う「Genius Party」に参加した湯浅政明監督に聞く
2007年7月3日 12:00

[映画.com ニュース] 7人の監督が短編で競作する、STUDIO4℃(「鉄コン筋クリート」「アニマトリックス」)のオムニバス・アニメーション「Genius Party/ジーニアス・パーティ」に参加した湯浅政明監督が、自分の作品「夢みるキカイ」について語った。
湯浅監督は、“絵を動かす”というアニメーションの最も基本的な部分を支えるアニメーター出身。その手腕には業界からも厚い信頼が寄せられているが、長編初監督作品の「マインド・ゲーム」(04)が国内外で高評価を受け、今や1人の監督として注目を浴びる存在だ。今回の「夢みるキカイ」は、突然、不可解な荒野に投げ出された無垢な赤ん坊が、手探りで世界中を歩くという少しシュールなファンタジー。泣いていたかと思えば笑い出したり、興味の対象があちらこちらに目移りしてしまう様子が、なんとも本物の赤ん坊らしくて楽しい作品だ。
「前から赤ん坊を描いた作品をやってみたかったんですよ。赤ん坊って、どこか“人間以前”みたいで、脳が段階的に発達していくような感じがありますよね。例えば、物を“持つ”ことは覚えたけど“離す”ことを覚えていないので、手から物が離れなくて泣きながら振り回していたり。アニメーターとして客観的に見ていると、動作1つとっても無駄な動きが多くて、そうしたことがちょっと面白いんですよね」
そんな、ちょっとした「面白いな」という“発見”を描くことに興味があるという湯浅監督。「例えば立ち上がる動作を描くとき、自分で実際に立ち上がってみて、『あ、意外とこういう動作が入るんだ』っていう発見が面白いんです。そうした発見は、他の人と共有できると思うんですよ。それまで気がついていなかった人は『面白い』と思うかもしれないし、気がついていた人は『そうそう!』って共感できる。今回の作品も、子持ちの人には『そうそう、赤ん坊ってこんな感じ』と言ってもらえました」
「Genius Party」の企画を聞かされたとき、「『何かをやってやろう!』なんて意気込みもなく割と軽い気持ちで参加したんで、宣伝をしっかりやると後から知って、ちょっとビビってるんですけど(笑)」と、気さくに笑って答える監督だが、他の人が気がつかない何気ないことを“発見”をしてみせる観察眼と、それを表現する演出力や描写力は、やはり“天才”と名を冠するプロジェクトに招かれる所以だろう。
「Genius Party」は7月7日より全国公開。なお、15日には代官山AIRにてテクノミュージシャン、KEN ISHIIらが登場するクラブイベントが開催される。詳細はオフィシャルサイトにて。
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