過去映像を一切使わずに感動させることに成功してみせた傑作
連続ドラマとして多くのファンの支持を得ていた「Dr.コト―診療所」が、16年ぶりとなる続編を映画として製作したことに、まずは驚きを禁じ得なかったのと同時に敬意を表したい。
吉岡秀隆の日本映画界のレジェンドたちから学んだエッセンスが卓越しており、スクリーンにその姿が映り込むだけで妙な説得力を作品にもたらしてくれる。
芸能界を引退した富岡涼が今作のためだけに復帰するなど、話題に事欠かない。
連ド... 続きを見る
実存はどこにあるのか
タイトルが地味だけど、こう言うしかない。自分は何者か、肩書や人種や国籍や、色々なものをはぎとって本質を見つめた時、残るものは何だろう。戸籍を入れ替えて過去も名前も捨てた男が死んで、彼が本当は何者だったのかを追いかける弁護士は国籍を日本に帰化した在日3世。自分は日本人か在日か、アイデンティティはどこにあるのかと問わざるを得なくなる。個人を個人として規定するものは、内面なのか、社会的な立場や評価... 続きを見る
愛の物語としては、熱量が足りない
ミステリーとして捉えれば、想定の範囲内の真相で特に目新しさはない。盛り上がる箇所が少なく、愛の物語として消化しようにも熱量が足りない。
韓国籍日本在住の人を揶揄する『在日』という言葉が出てくるが、ネトウヨはともかく、エスタブリッシュメント層の人間が、あからさまに口にしたり、面と向かって差別するなんてことはまずない。もっと巧妙に排除する方法をとっているのが現実で、ステレオタイプな差別主義... 続きを見る
バーフバリさえ超える物凄い満足感
レビュータイトル通り。バーフバリは神話の世界、ある意味なんでもありだった。本作は現実世界を背景にしているだけ身近に(戦前現実的ヂャないんだけど)感じられる。3時間の長尺ながら全くダレる時間帯がなく、スジも混乱させない力技。何度も登場するスペクタクルシーンも画面が豊かで満足感を底上げする。
インド映画というと想像するダンスシーンも筋にきっちり組み込まれた前半部も素晴らしいが、何と言ってもエ... 続きを見る
がんばった!がんばった!
予告からコメディかと思いきや、その要素は実は控えめで、主人公・牧本の真摯な生き方が胸を打つ、心に染みる良作でした。
ストーリーは、身寄りのない孤独死をした遺体の火葬から納骨までを請け負う、市役所の「おみおくり係」として働く牧本が、自身の信念に基づき、精いっぱいのお見送りをする中で、多くの人と繋がっていくというもの。人の心をうまく察することができず、相手の理解を得られない時もある牧本ですが、... 続きを見る
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