マエストロ その音楽と愛とのレビュー・感想・評価
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まったく知らなかったバーンスタインがいた
レディー・ガガとタッグを組んだ5年前の感動作「アリー スター誕生」に続くブラッドリー・クーパーの監督・主演作。 ここにあるのはレナード・バーンスタインと妻・フェリシアの激動の人生、そして音楽。まったく知らなかった二人がいた。そもそもバーンスタインがバイセクシャルだということも知らなかった。 70年代に出会ったバーンスタインは「ウエスト・サイド物語」の作曲者であり、何よりニューヨーク・フィルの厳格な指揮者だった。カラヤンのライバルであり大スターだった。 そう、彼らの私生活をまったく知らなかった。 妻に対して同性愛を包み隠すことがない。 残酷だった。 夫を愛し清濁を併せ呑むかの如きフェリシアを演じたキャリー・マリガン💕彼女の存在がこの作品を特別なものにした。彼女に感情移入した。 てか、スコセッシとスピルバーグに監督を任されたブラッドリー。今年のベストの一本となる素晴らしい作品をものにした。
あっさり
いくらチェーンスモーカーだったにしてもあんなにいつでもタバコじゃ観ているこっちはイヤになる。 ちなみに、アタシはタバコ吸い。 キャリー·マリガンは観るたびにキュンとなってしまいます。 話はあっさりしていて、とくにでした。 ブラッドリー・クーパーのメイクをした人には惜しみない拍手をしたいです。
魂掴まれた!今年の最高傑作👏
ブラッドリー・クーパー!!やっちゃって下さいましたね⭐️ 彼の監督力、演技力は常々評価しておりましたが この作品に賭ける熱量と想いがガシガシ伝わる 「俺様感」がたまりません! まだまだ震えと興奮が止まらず 上手くレビューが書けませんが… 「観るべき!」作品である事は間違いありません! 心の中で大拍手を送った後半のオーケストラ演奏シーンは圧巻! このシーンを劇場で体感出来た事に感謝です! 妻役の大推しキャリー・マリガンの神業的な演技とぶっち切りの美しさにも大興奮でした⭐️ 間違いなくクーパー共々、賞レースを賑わせてくれる事でしょう! ネットフリックスでの配信もありますが 是非!劇場でこの音と愛を! …メイクの魔術師カズ・ヒロさんの手腕に唸るばかりです👏
思っていたより深かった こういう、『全人類愛』みたいなの持つ人、 ...
思っていたより深かった こういう、『全人類愛』みたいなの持つ人、 好きです どんな人も蔑ろにすることなく、 深く気持ちを込めて接するんだろうな そんなのすぐ疲れちゃいそうだけど、 それがきっと当たり前だし楽なんでしょうね
誰にも感情移入できなかった
バーンスタイン、その名前と偉大な音楽家であることは知っていたが、生きてきた時代も生涯も知らなかった、その方の伝記になる作品なのですね。 冒頭は良かった!時代軸をモノクロとカラーで使い分けてはっきりさせる。「おーおー、最近観た花腐しでも使われていたな」、人物の動きを俯瞰で捉えたカメラワーク。「おーおー、ジョンウィックの格闘シーンでも使われていたぞ」しかもステージに戻ってくると空だったはずの客席には満員の聴衆が!うーん、なんてワクワクさせてくれるんだよ! だったのに…… カラーになってからの展開には、登場人物の誰の感情・行動にも寄り添えず疑問だらけになってしまいました。 愛しているとの言葉が口から出ているのに、その手は若い男性と絡み合っているじゃないの、おい、レナード・バーンスタイン! とっくに愛想尽かしていたはずなのに、何故夫にしがみ付いた?フェリシアよ! 両親に強く気持ちを伝えられないでいる長女を始めとする子供たちよ! などとモヤモヤが募るし、ラストの方、妻を亡くしたバーンスタインが次なる獲物に定めたであろう若手の指揮者と密着して恍惚の表情を浮かべながら踊るシーンでは、我が国をざわつかせた性加害問題を想起してしまい鳥肌が立ちました。 とは言え、「アリー スター誕生」は見ごたえがあったブラッドリー・クーパー、それに加えての豪華すぎるほどの制作陣を見ると、とても魅力的な題材だったのだろうな、自分の理解が追い付かなかっただけなのかも、なんてそれほど宣伝もされていない作品なのにほぼ満席のスクリーンで、敗北感に包まれてしまいました。 ちょっとワタシには難しかったかなぁ。
作曲家でもあったのか。
今なぜレナード・バーンスタイン? なぜ1週間限定公開? 急遽ピンチヒッターから大御所へのサクセスストーリー。でも私生活は色々あったようですね。今で言えばBLですか。 流れる音楽も馴染みがない曲が大半、 「運命」とか「新世界」使って欲しかった。
性愛を超えた魂の共鳴
かの『TAR』が師事したというバーンスタイン。音楽の才を天から授けられた人というのは、感性が溢れるあまりバイセクシュアルになってしまうのであろうか。フレディ・マーキュリー、デヴィット・ボウイなどなど。 とにかく音楽シーンは、素晴らしい。自身が作曲したミサ曲を教会で披露するシーンでは、神々しくもあり、心地良くもある。演奏後の感動的な抱擁は、一番のお気に入り。配信されたら、何度もリピートしたい。 指揮メソッドを音楽院の学生に指導しているシーンもいい。指揮棒を振っているようにしか見えない自分でも、なるほどこういうことか。と合点のいく説明をバースタインが学生にする。 バーンスタイン曰く、指揮をしたりピアノを弾くことは、外向きにエネルギーを使う振る舞いであるが、作曲というのは内なる自分との対話である。2つの方向をこなすうちに自分がわからなくなるらしい。 フェリシアとは紆余曲折がありながらも、最後には、性愛を超えた魂の共鳴をお互いに感じたはずである。
盛大な
ブラッドリークーパーの自慰行為にしかみえなかった。 破天荒な巨匠の人生と、家族や取り巻きの愛が美しく描かれているものの、芝居やストーリーの見せ方が上品過ぎて実在との距離が大きいと思った。 バーンスタインのファンも音楽ファンも満足するかどうか 音楽シーンのサウンドはよかったが、指揮についてのツッコミは多いと思う。 スピルバーグは音楽絡みに関わっちゃダメ。 バーンスタインはもっと凄いんだよ。
俺を見てくれ、世界!
レナード・バーンスタインの伝記映画というよりも、ブラッドリー・クーパーの自慢映画にしか見えなかった。「アリー スター誕生」で世間に高く評価されたからと、天狗になっているのかな。演出力は高いし、映像も素晴らしかったけど、脚本がお粗末過ぎる。監督としての才能はあるかもしれないけど、執筆は向いてないんじゃないかな。 この映画はレナードの何を伝えたかったのか。 最後まで見て彼に抱いた感想は、男とタバコを手放すことが出来ない、音楽センスは一流でも人としては二流の人間。実際は違うんだろうけど、本作からはそんな風にしか見えなかった。そもそも、ブラッドリーは彼に愛があったのか?レナードの何が凄かったのか、この映画をわざわざ作ったのにはどんな意味があったのか。脚本からはその答えが見い出せなかった。 中身は酷いけど、映像や音楽は最高品質。 モノクロ映像からカラーになる瞬間はグッと引き込まれる。とにかく見せ方が上手い。ビジュアルに全振りしているだけあって、映像に関しては大きな拍手を送りたい。Netflixで配信されるのに、映画館で観た甲斐がありました。音楽だって、これ以上ないほどカッコイイ。肝心なところのカメラワークがイマイチだから、もっと心揺さぶられるものを作れたと思う。でも、すごい。 今年の映画で例えるなら、「TAR」×「ナポレオン」。 指揮者として頂点に立ちながら、それ以外のことはとても不器用。その世界の前線を走る人間にしか分からない、孤独が描かれているという部分でTARと共通している。しかしながら、TARほど人物描写が細かくないし、主人公の才能を感じなかった。また、ナポレオンとは歴史に名を残す人物の恋模様を描く作品として、酷似している。だが、こちらも色々と浅はか。ナポレオンほど追求されている作品でもない。同じテーマを扱っているのに、どれも下位互換。求めすぎちゃったかな。 映画のテイストはめちゃくちゃ好みなだけに、すごく残念。同じキャストでスコセッシかスピルバーグが撮ったらどうなったか気になる。ストーリーとは別の要素でクオリティが高いので、ハマる人にはハマるかと。そんなことより、ブラッドリー・クーパーが年々ハリソン・フォードに近付いているように見えるのは自分だけ?
孤独とたばこ
2023年。ブラッドリー・クーパー監督。アメリカの指揮者、作曲家のバーンスタインとその妻の出会いから妻の死までを描く。好奇心旺盛で心優しく気が散りがちな天才肌の夫と、芯が強く愛情豊かな妻が、それぞれの孤独を抱えながら、求めあったり傷つけあったりする。 なんといっても、二人が始終たばこを吸っているのがすばらしい。それだけでいくら一緒にいてもベースにあるのは人間の孤独なのだということが一目瞭然となっている。根柢の孤独がしっかり描かれているからこそ、求めあうときの歓喜が盛り上がる。 事前の宣伝で公開されていた二人が背中合わせに座るシーンも、孤独でありながら一緒に生きる姿が伝わってくる名場面だった。
最後は御本人登場
全編を通じて台詞を同時に喋る場面が多いのは、西洋音楽では複数の旋律を併存・対立・融合させながら曲を進めていくのが定番である事を連想させ、製作者の音楽愛・素養を感じる。 実際のバーンスタイン晩年のマーラー(特に9番)や「トリスタンとイゾルデ」などの録音を聴くと、その没入ぶりから音楽との情交(或いは心中?)を見せつけられているような気分になってしまうのだが、これはつまり「俺ほど音楽と相思相愛の奴なんかいないぜ」と自慢しているようにもみえる。この事は、夫婦喧嘩のシーンでフェリシティが「観客に音楽を投げつけて自分の高みを誇示している」とレニーを難詰する気持ちとどこか繋がっていると思う。
映画とコンサートを楽しめるような至福な2時間でした
バーンスタインのことを知るきっかけになればと鑑賞 婦人フェリシアとの話がメインで陽気な前半は当時の雰囲気も相まって楽しかった 後半は重苦しくジリジリさせられるのだが、素晴らしい音楽がそんなことを吹き飛ばしてくれた 全部の音楽がいいけど、特にオーケストラの曲は全身に降り注いでくるようで心地よく、音楽の凄さを再認識した ウディ・アレン『マンハッタン』を映画館で観たくなった
内容はともかく音楽は裏切りません
マエストロなのだからあの時代から始まるのは至極妥当だと思いますが、結果、もう少し深くても良かったんじゃないかなぁと─個人的にはもう少し前も見たかったと思ってしまいました。 誠に勝手ながら、ブラッドリー・クーパーは、なんか苦手かも─なんとなくそう思っていたのですが、この作品で確信しました。恐る恐る見たのは、なんか似てるかも─、と思ってちょっとした興味本位からなんですが、実際結構似ているような気がしたし、その要因が結構この作品の肝になっているような気もしました。たばこを手にしている姿なんかはまさにそれ!なのでしょうけど、にしても加えたばこ含めあまりにも表現が過剰な気がします。まるでスポンサーのためであるかのように、どこにでもたばこたばこ・・・。実際超ヘビースモーカーだったのかもしれませんが、真実であれ演出であれあまり良い表現とは思えません。何度も、邪魔だなぁあれと思ったし、そう思わせてしまうデメリットのほうが大きかった気がします。終いには、たばこが無ければ本当に似てるのか疑惑なるものも芽生えたし─。 焦点が色恋沙汰に向いていたところもちょっと・・・まぁそこが面白いところだったんでしょう、実際、夫婦の複雑で悲しい愛なんかは見ていて感情がくすぐられましたが、もっとマエストロ的表現を・・・と思ったり・・・マーラー2番を指揮するところなんか最高だったなぁ─演技は過剰すぎると思いましたが─あそこで終わっても・・・などと思ったりしました。それで足りなかったらプロローグ的に・・・とか。そこから始まる物語は、確かに感動的なんですが、ちょっと筋違いなんじゃないかなーと思ったりして、やっぱ苦手だと相成った次第です。
需要は?
「アリー スター誕生」で監督ブラッドリー・クーパーの手腕に疑いは持っていなかったが、ディレクションの意図を掴みかねている。 「ター」にも登場したテレビのクラシック番組がまったく描かれなかったり、演奏シーンもかなり少なめ。一方で、妻フェリシアとの愛情だったり確執だったりの描写は多め。 エンドロールでキャリー・マリガンが先に登場するあたり、偉大な音楽家としてよりも、理解しがたい愛情を持ったとにかく愛やエネルギーの過剰な天才と振り回される妻の物語を描きたかったんだと解釈した。 そういう意味でものまね映画ではないが、この作品にどんな需要があるのかはよく分からない…
キャリー・マリガン💗⚔️💗ブラッドリー・クーパー
キャリー・マリガンが出るのだから(クレジットでも彼女の名前が最初)愛妻ものではないだろう!は裏切られなかった。 前半のモノクロシーンは、急遽代役として主席指揮者の役割を成功させたバーンスタイン(クーパー)と女優フェリシア(キャリー)との出会い、互いにアーティストでありユダヤ系の家庭で生まれ育った二人の関係、子どもに恵まれ、夫妻共に微妙な釣り合いの上で「幸せ」いっぱい。幸せに笑うフェリシアの正面からのアップがとても印象的だった。 後半はカラー映像に。もはや正面からの幸せ顔ではなくフェリシアの後ろ姿から始まる。鮮やか色の映像なのにその頃の二人の関係は複雑で辛い。 この映像になって思い出したのは、白黒映像の時のフェリシアの言葉。バーンスタインに対して。「あなたは才能があり運に恵まれている。素晴らしい。そしてあなたは男だから」この台詞はすごく効いた。才能があり運があっても男でないからできないこと、認められないことが山ほどあった時代(今も)。彼女はラジオ・インタビューで女優だと言われつつ、子どももいるし家のことが色々あるので、と言葉を濁す。続けてバーンスタインの言葉「僕のスケジュールを把握(マネージメント)してくれているし(彼女は忙しいんだ)」。胸が痛かった。二人とも創造的な仕事をしている。バーンスタインは天才だろう、でもなんだかくにゃっと妻(女性)はそんな答えをしたり夫も悪気なくそんなこと言う。 この映画はTARのアンサー・映画なんだろうか?Tarは本当か嘘か知らないが、自分の師匠はバーンスタインだと言っていた。作曲も指揮もする。平行するようなシーンがいくつかあった。学生のへの指導場面など。とにかくこの映画みながらTARが頭の中で進行していた。 まだよくわからない。とにかくキャリー・マリガンがよかった。そしてバーンスタインの若い時から老いてまで全てにわたってカズ・ヒロさんによる特殊メイクが自然で素晴らしかった。
わぁー、レニーだ。本当なのか?
映画館に「マエストロ」のポスターが貼ってあり、どうみても若い頃のレナード・バーンスタインにしか見えない。レナード・バーンスタイン(通称レニー)は、私をクラッシック音楽へ導いてくれた人だ。検索してみると、レニーとその夫人の女優フォレシア・モンテアレグロとの愛情物語とあった。主演の俳優はレニーに良く似ている(似せている?)。 レナード・バーンスタインは本当の意味での天才だ。昨今、巷に溢れる「天才だ」とのふれこみは売らんかな主義の宣伝文句になってしまった。考えてみるがいい、百年、二百年後もその作品や業績が残っている人などそんなにいるわけがない。私がちょっとかじった日本文壇で、戦後(第二次世界大戦)天才の名に値するのは三島由紀夫だけだ。 大江健三郎も村上春樹も100年後にその作品が残っているか、私は断言することが出来ない。逆に今はそれほど評価されていないが、後世に名が高まる人はいるだろう。 生前、レニーは指揮者としての評価が高かったが、これからは作曲家として評価が高まっていくと私は思っている。ミュージカル「ウエストサイドストーリー」は彼の作曲。 彼はバイセクシュアル(夫人との間に3人の子どもあり)として、一部の人間には良く知られている。 この映画でも多分その面は描かれていると思うが、またレニーは紛れもなく愛妻家でもあった。天才は私達の凡人とは、測る尺度が違うのである。 公開前の映画なので、鑑賞してみないと中身は分からない。音楽にマーラー5番のアダージョが使用されているらしい。大衆受けを狙った選択に思えてしまうが、レナード・バーンスタインを知らない人のために我慢しよう。作品評はまた追加して書き加えます。 前半は白黒映画、後半をカラーと使い分けている。二人の関係が仲睦まじかった頃とそれにヒビが入ってしまった頃と分けている。使い分ける必要があるのだろうかと疑問に思う。 メインは後半のアメリカ出身の指揮者として世界的名声を得てからの夫婦関係だろう。ヒビを入れたのは、レニーの同性愛だ。結局、二人は離婚せず妻の病死より終わりを迎える。何故この夫婦は別れもせず、添い遂げることとなったのか。肝心の部分が説得力を持たないので、感動できない。 私がこの映画で一番感動したのは、マーラーの交響曲「復活」の最終楽章の部分だった。指揮ぶりもレニーそっくりだ。
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