劇場公開日 2023年12月8日

「最後は御本人登場」マエストロ その音楽と愛と ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最後は御本人登場

2023年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

全編を通じて台詞を同時に喋る場面が多いのは、西洋音楽では複数の旋律を併存・対立・融合させながら曲を進めていくのが定番である事を連想させ、製作者の音楽愛・素養を感じる。
実際のバーンスタイン晩年のマーラー(特に9番)や「トリスタンとイゾルデ」などの録音を聴くと、その没入ぶりから音楽との情交(或いは心中?)を見せつけられているような気分になってしまうのだが、これはつまり「俺ほど音楽と相思相愛の奴なんかいないぜ」と自慢しているようにもみえる。この事は、夫婦喧嘩のシーンでフェリシティが「観客に音楽を投げつけて自分の高みを誇示している」とレニーを難詰する気持ちとどこか繋がっていると思う。

ひろちゃんのカレシ
talismanさんのコメント
2023年12月10日

コメントありがとうございます。「ふたりのマエストロ」は予告編見て、いっかなあと思って見ていません。そうですか、浅かったですか。Tarとの関連、バーンスタインの忙しさ(外について向かう指揮、内に向かう作曲、そしてその他もろもろ)も関係ある、そうですね。私達は忙しさを誇るのはもうやめましょう、ゆったりしましょうと自分で勝手に思っています

talisman
talismanさんのコメント
2023年12月10日

同時セリフとポリフォニーの関連性!なるほど!素晴らしいご指摘だと思いました。歌舞伎だと一人の朗々セリフ、でなければゴチャゴチャした捨て台詞でそれは全然ポリフォニーでありませんね。色々考えるきっかけ頂きました。ありがとうございます

talisman