劇場公開日 2023年12月8日

「誰にも感情移入できなかった」マエストロ その音楽と愛と ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0誰にも感情移入できなかった

2023年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

バーンスタイン、その名前と偉大な音楽家であることは知っていたが、生きてきた時代も生涯も知らなかった、その方の伝記になる作品なのですね。
冒頭は良かった!時代軸をモノクロとカラーで使い分けてはっきりさせる。「おーおー、最近観た花腐しでも使われていたな」、人物の動きを俯瞰で捉えたカメラワーク。「おーおー、ジョンウィックの格闘シーンでも使われていたぞ」しかもステージに戻ってくると空だったはずの客席には満員の聴衆が!うーん、なんてワクワクさせてくれるんだよ!
だったのに……
カラーになってからの展開には、登場人物の誰の感情・行動にも寄り添えず疑問だらけになってしまいました。
愛しているとの言葉が口から出ているのに、その手は若い男性と絡み合っているじゃないの、おい、レナード・バーンスタイン!
とっくに愛想尽かしていたはずなのに、何故夫にしがみ付いた?フェリシアよ!
両親に強く気持ちを伝えられないでいる長女を始めとする子供たちよ!
などとモヤモヤが募るし、ラストの方、妻を亡くしたバーンスタインが次なる獲物に定めたであろう若手の指揮者と密着して恍惚の表情を浮かべながら踊るシーンでは、我が国をざわつかせた性加害問題を想起してしまい鳥肌が立ちました。

とは言え、「アリー スター誕生」は見ごたえがあったブラッドリー・クーパー、それに加えての豪華すぎるほどの制作陣を見ると、とても魅力的な題材だったのだろうな、自分の理解が追い付かなかっただけなのかも、なんてそれほど宣伝もされていない作品なのにほぼ満席のスクリーンで、敗北感に包まれてしまいました。
ちょっとワタシには難しかったかなぁ。

ニコラス
サプライズさんのコメント
2023年12月11日

コメントありがとうございます😊
モノクロからカラーになってからが雑でしたよね...。映画は余計なものは要らない!モノクロこそ、究極の映画の形なのだ!と言いたかったんじゃないかと思ったり思わなかったり。。。

サプライズ