オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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映画としては大いに評価されるべき作品だが…
さすがアカデミー賞13部門ノミネート作品、全てにおいて観ごたえあり。 クリストファー・ノーラン監督らしく歴史ものでも普通に時間操作しているため、やはりストーリー把握には四苦八苦させられるが、俳優陣の熱演や凝った映像、そして授賞は逃したものの常に緊張感漂う研ぎ澄まされた音響には圧倒される。個人的には「録音賞」授賞にもじゅうぶん値すると感じる。 ただし、映画としては当然大いに評価されるべき作品だとは思うが、やはり日本人としてはとてもつらく悲しくなる作品でもある。
若い人にはお勧めしない
夜暇だったのでフラッと観ました。全体的に時系列が前後しててよく分からないし内容も何言ってんのか全く分かりません。恋人と観に行ったけど、営みシーン出てきて若干気まずかったです。あのシーンいらないです。つまらなすぎて途中で寝てしまったのですが、爆音の爆発音でびっくりして起きました。心臓に悪いです。心臓の弱い方にはおすすめしません。
日本視点でみてしまうと面白くない
「長い、無駄にのばしている」「論点が違う、ズレている」「原爆の被害をちゃんと描写してほしい、腹が立つ」などのコメントを読んでから映画を観た。それでこのようなコメントは日本視点で映画を観てしまっているからだと思う。何よりこの映画は、原爆への謝罪や弁論のために作られたものでは無い。また監督の焦点は「オッペンハイマー」であり、原爆ではない。 まず、この映画自体オッペンハイマー視点と、オッペンハイマーを客観視した映像しかないから、オッペンハイマーに焦点として作られたものである。論点が違うとかではなく、この映画の論点はここなのである。原爆を投下したシーンがないのも、オッペンハイマーの視点では実際見ていないので当然。実際のシーンがなくてもそれはオッペンハイマーの視点から十分に描写され、表現されている。 長いという意見も、日本視点でしかないと思った。原爆が落ちたことは通過点にしか過ぎない。大事な部分ではあるが、それも踏まえて通過点と言いたい。オッペンハイマーが原爆を作るまで、そしてその後という彼の研究を主とする映画なのでこれらを説明するには適切な尺。日本への核攻撃にて、「日本に?あ、そうなんだ」というシーンに怒りを示すコメントもあったけど、むしろそれが狙いというか、何十万人と人が死ぬような出来事をそんなアッサリという残酷さや冷淡さを一言で示すセリフで淡々としてるあの雰囲気を上手く表現出来たシーンだと思った。もちろん、怒る気持ちもわかるが、この映画自体論点はそこでは無いと思ったため、そこを別にしないときっと楽しめない。オッペンハイマーは物理学者であり、政治家でも、軍人でも無い。しかし、研究にて誕生させた爆弾が戦争で使用されることや、原爆の父という名で知られるその心情をおもうと色々考えさせられる。日本の視点とオッペンハイマーの視点を行ったり来たりしてみると何度も涙が流れた。 確かに一般的な映画に比べると長いが、蛇足のようには思えなかった。 個人的にノーラン監督が好きであるので、映像全体としては、少し難しい設定や、複雑な構成から彼らしさが出ていてまたやってくれましたねという感想だった。難しいとか分かりずらいという意見にはそれが見どころだと言いたい。 事前知識は必須。
若かりし時代の彼の頭に浮かぶ核反応イメージと焚火の炎の揺らめき、プ...
若かりし時代の彼の頭に浮かぶ核反応イメージと焚火の炎の揺らめき、プロメテウス云々の逸話と宇宙が幾重に描写され、物理や自然科学、人類史の永劫性、普遍性を感じながらのスタート。 余談だが、設定の時代が近いこと、原野を夫婦二人が馬に乗っているシーンや焚火と宇宙の交差(交信)表現は昔の映画「ライト・スタッフ」にも重なり、原子爆弾と大気圏外という「神の世界」に人類が脚を踏み込んだというテーマの観点でも同じくで興味深い。 原子爆弾投下時が物語のクライマックスと思っていたのだが、その時の彼含めた周りはその程度かと思うくらい緊迫感がなく、それもそのはず実験時の爆発の衝撃描写が弱くて、もしこれが事実だとするなら、立ち会った多くの人間が広島や長崎をまさかあれほどまでの惨事に招くとは思わなかったのではなかろうか。一方でその淡々とした描写によって「兵器」ではなく「物理学研究」の成功か失敗かという科学者視点の物語に挿げ替えることができたのだが。 とはいえ、原爆の被害者をイメージさせるシーンが出てくるが、R15だけにもっとインパクトある史実に近い演出をして欲しかった。あまりに弱く、あれでピンとくる(被害想像できる)のは日本人だけだと思う。 後半は終戦後のオッペンハイマー及び関係者の詰問シーンが続き、これはアメリカ人にとっては大事なことかもしれないが、私にとってみればもうどうでもイイことで、唯一、「J・F・ケネディ」に耳がピクリと動いた。彼はやがて暗殺されるのだが、暗殺したのも原子爆弾を作って落としたのも科学者でも政治家でも国民でもなく、アメリカと言う名の「概念」みたいなものがそうさせるのだ。やる前に理由をこじつけ、終わった後にその歪みの責を他人に負わす。現在も続くその危うさをこの映画は伝えているように思う。
メメントに一番近い
ついに観る。個人的にはメメントに一番近い構造だと思う。つまり、自身によってでも、また第三者によってでも、過去の行動の意味や記憶は書き換えることができるということだ。 またこの複雑な構造の映画を日本人の視点で観ることができたのは特別な体験であったと思う。 人は受けた教育や置かれた立場でものを言う。新たな知識を得たり立場が変わったりすれば違うことを言う。過去の行動の意味は変わる。製作者はそのからくりそのものを描こうといていたのではないかと思う。
原爆製造までの過程とその後を淡々と描く
ノーラン監督の過去作『バットマン』『テネット』などとは一線を画し、単に楽しめる作品としては描かれていなかった。 科学と政治、両者がお互いを利用した結果、何万もの人々が一瞬にして犠牲となった。科学の進化の末、人類を破壊する矛盾。 原爆の発明の過程はそこまで詳細に描かれない。 どちらかというと政治と科学の関係性に多くの時間が割かれている印象を受けた。 観る前にオッペンハイマーを取り巻く人物相関図を、誰が誰の役をするのか含めて調べておいた方が、映画がより理解できるかと思う。
わかりづらい
予備知識を入れずに観に行ってしまい、そこはもったいなかったのですが、見てよかったと思える作品でした。 ただ、登場人物と、並行して進むストーリーがわかりづらくマイナス。理解した上でもう一度見たいです。あと、聴聞会の場面が長すぎるように感じました。 戦争物は避けてきたのにこの作品を見ようと思ったのは、3時間かけるのはどういう作品なのか気になったのと、アメリカ側の視点を見てみたかったからです。 実験や原爆投下の後人々が喜ぶシーン、爆弾が運ばれていくシーンはあんまりだと思いましたし、原爆の被害を人数だけで示すのはあっさりしすぎか。オッペンハイマーを描くには実験だけで十分という判断だったのかもしれませんが。実験で結果はわかっていたのに、なぜ止められなかったんだろうなとも。 オッペンハイマーがピカソの絵を見る場面の意味も気になったところでした。
力作だが、情報量が多い
学生時代から原爆完成、投下までのオッペンハイマーの半生を断片的に描きつつ、彼がその後スパイ容疑を受け審議を受けるシーン、 そして原子力委員会メンバーであるストローズが商務長官指名の承認をかけて審理を受けているシーンが同時平行で描写されていきます。 この三つのシーンの時系列をあらかじめ把握しておかないと理解が難しいかもしれません。 そして登場する人物も膨大であり、二つの審議ではそれらの人名がどんどんと出てくるため正直一度の視聴で全てを理解するのは困難な気がします。 表現は等身大的で、オッペンハイマーという人物を特に善としても悪としても描いていない印象を受けました。それは受け手の判断に委ねられているというか いかにして原子爆弾が生まれることになったのか、その学びにはなると思います。
グロなしでわざわざR15にする必然性が感じられない
2024年映画館鑑賞32作品目 4月29日(月)イオンシネマ石巻 ハッピーマンデー1100円 「原爆の父」と呼ばれたアメリカの理論物理学者のJ・ロバート・オッペンハイマーの伝記映画 ロスアラモス国立研究所初代所長としてマンハッタン計画で原子力爆弾開発に指導的役割を果たしたオッペンハイマー オッパッピーではなくてオッピー チントンシャンテントンではなくてピカドン 演出もBGMも役者の芝居も悪くない ただ脚本が酷い わかりにくい 難しい ウッティ・アレンの映画を観てるよう 広く一般に全世界の老若男女に対するメッセージとしては難解 一流有名大学出身の映画評論家やアカデミーやカンヌの審査員にターゲットを絞ったのか 自分は理数系特に物理が苦手だったからかもしれない もう少し短くても良かった気もする 女性問題はどうでもいいよ 「ノーモアヒロシマ」「ノーモアナガサキ」といった反戦活動家ではないがなんだかとても言い訳がましいなあと感じた アインシュタインはよく似ていた しくじり先生の中田の授業ならもっと面白おかしくわかりやすい解説をしてくれると思うがなあ 原爆がらみで面白おかしくやったらバービーみたいに炎上しそうだけど
科学者の責任は如何に
歴史の解釈は時代ごとに如何様にも変化し続けるのだなと思いました。 科学への探究心と倫理性の間で揺れ続けたオッペンハイマーの葛藤が上手く描かれていてとても面白かったです。 特に大気引火の可能性を否定できないにも関わらず実験を敢行したシーン。 段階では世界を滅亡させるかもしれないと憂慮していたオッペンハイマーが、証明できないことはもはや検証してしまえというある種最も科学者らしい考えでスイッチを押してしまうという恐ろしさにゾクゾクしてしまいました。 色々と考えさせられる良い作品でしたし、 色々な時代背景や世界の繋がりを学ぶ良い機会となりました。 世界中の人々が自国だけでなく、他国の情勢にもっと目を向けることが一番の戦争の抑止力になるのだろうと思います。
人間の愚かさよ
人物相関など難しくてなかなか一度では理解できなかったですが、誰が良くて誰が悪いとか何が正義で何が悪かという一元的な見方を排したノーランらしい描写が印象的でした。 オッピーが女たらしで八方美人で感情移入もしづらいし、ストロースも悪徳政治家と思いきや正論もかますし…… 一番のメッセージは強大な宇宙のパワーを正しく扱える程人類は賢くないということかと。プーチンとかキムみたいな奴見てると実感できますね。 ただクライマックスが法廷劇に終始していてドラマの軸がブレている気がしたのでレートは厳しめです。
これまで観た映画で最もムカつく映画
この映画の脚本が通ったのが、不思議なくらいこの映画の脚本は、日本人にとって極めて不愉快な脚本だった。 この脚本を書いたノーランは、この脚本は、日本人には良くないと思わなかったのか何故日本人に配慮しなかったのかノーランには、深く失望した。この映画は、もう二度と観ない。
二度見。 スピーチシーンがすんごい。 絵作りもすんごい。 ノーラン...
二度見。 スピーチシーンがすんごい。 絵作りもすんごい。 ノーランが人物を描いた傑作。 一度目ではちゃんと理解できなかったのでマイナス星一つ。
日本人として
観る前からあまり好きなタイプの映画ではないと想像していたけれど、やはり好きではなかった。 アカデミー賞受賞もあり、一応見ておこうかなと思って映画館へ。 被爆国の日本人として、映画とはいえ、原爆が実際に作られていく経緯を知ることができて良かったと思う。 オッペンハイマーは、原爆が戦争の抑止力になると、本当に信じていたのだろうか? 残念ながら、現在も戦争は続いている。 そんな世の中のことを考えるきっかけにもなる映画だった。 私が好きなタイプの映画ではないというだけでの個人的な感想と評価であるけれど、俳優陣の演技は素晴らしく、見せ方もとても上手だと思った。 長い時間の映画なので、家のテレビで観ても、きっと飽きるし、集中力も続かなかったと思う。なので、映画館で観ることができて本当に良かった。
殺す側の言い分 殺される側の言い分
この映画が公開される国でよかった ギリギリのところで公開されたことに御礼と安堵 映画の感想は色々あれど、この映画が公開されない国になってほしくないと思う 日本人としては、爆発の下にあっただろう 多くの人と当たり前の毎日の生活のことを考えずにはいられないので、その描写がないことには物足りなさもどうしても感じてしまったが、それは殺される側の言い分でもある この事実を、映画という形で今世の中に出してくれたことに感謝せずにはいられない 殺す側の言い分や状況を知ってもなお 多くの人が核戦争のない平和を望んでいると信じられる気がするので
オッペンハイマー
今まで見てきた中で、不快な気持ちをさせるつまらない、憤りを感じる映画だと思った。そういう人もいるんだなと肯定的に思うようにしていたけど、全体を通して、この人の人生は闇の人生だと思ったし、頭脳は優れているかもしれないけれど、人としては尊敬できない。
アカデミー賞
ユナイテッドシネマズとしまえんIMAXで 見てきました。 満席できはないけど結構入ってました。 余談ですが座席がペソペソで尻が死にました。 また、コナン、ゴジラコング、SUGA公開の影響で 都内唯一のIMAX公開劇場に。 としまえん公開続けてくれてありがとう! 事前知識なしで見に行ったので、 時系列、白黒パート、登場人物の多さから常に 頭フル回転、ノーラン流に振り落とされないように 集中して見られたので3時間長く感じませんでした。 アカデミー賞作品賞受賞映画なのでエンタメでは ありません。人間ドラマです。 あらすじには「オッペンハイマーの栄光と挫折、 苦悩と葛藤を描く」とありますが、 苦悩は割とあっさりと感じました。 感情移入はしずらいかも。 原爆がドイツ降伏前に完成していたら、 本当にドイツに投下されていたかは 疑問に思いました。実際どうなんでしょう? 核兵器が作られる前には戻ることはできない。 広島長崎の後に核が使用されていない点においては、 まだ希望が持てる。人類、科学はまだ大丈夫だと 思いたい。
人類の滅亡が決まった日
オッペンハイマー個人が核を開発したとはいえ、これはもう人類全体の、いや全ての生命体への冒涜の問題なのだ。開発してしまったものは仕方がないが、核が開発された時点で人類が滅亡するのは既定路線なんだと思わされた。なぜなら、本作の様に沢山の人間の思惑が重なり核を使う理由なんていくらでも誰でも作れるし、歓喜ですらできる。私が原爆で黒焦げになった人間の方を知りたくなるのは、日本で生まれ育ち沢山の広島と長崎に触れてきたからなのか?敗戦直前のあの日あの場所にいたのは当然ながら子供が多かったというのをNHKの番組で知った。アメリカもきっとそれを知っていたに違いないと思う。 本作を鑑賞してみて、むしろアメリカ映画には《はだしのゲン》の様な焼かれた側の目線の作品はあるのかということを知りたくなった。アウシュビッツものはたくさんあるけれど。鑑賞中、原爆投下で歓喜する人々と現状のパレスチナの状況に歓喜する人々が重なってしまって、虚しさでいっぱいになった。ガザで殺されているのはおそらく子供達が多いのだろうと思う。
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