オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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日本人にしか分からない涙
面白かった!! 内容からして「重いわ…こうゆうのためらう…」 と思ってましたが、気持ちが暗くなることは無いです。 こんなことあったんだ!という興味と、天才達の思考を覗かせてもらう面白さと、最後に戦争は絶対ダメだと思わせてくれるところがとても良かったです。 原爆のことなので、他の国の人が絶対泣かないであろう場面で涙がでました。だからこそ、日本人は観たら良いと思います。
非常にストレス値が高い
日本人としては、そんなんで済むわけないことなんて最初から予想できたじゃないか!と言いたくて堪らんのですが。 最初はみんな抑止力っていうのよ。ドラえもんでもやってたもん! あの実験をみた人達は、あれで戦争がなくなる、平和になると本当に思っていたんだろうか。 自分の成果や主張がいつの間にか自分の手から擦り抜かれている感じがもの凄く怖い。原爆の表現が大層軽いのも、日本が選ばれる会議の軽さもすごく怖い。 そしてそれに追い討ちをかける音響演出。あぁー削られるー さらに現実の軍拡路線も相まって、大変にストレスフルな鑑賞なのでした。 5/10.追記
アメリカを知るには?
原爆の開発者オッペンハイマー博士の苦悩を描くというより、彼の半生を通じて、第二次世界大戦とその後の世界に対するアメリカの世論と揺れ動き、それは冷戦後の世界にも影響している事を改めて知る映画だったのでしょうか? クリストファーノーラン監督はさすが、1秒も飽きさせません。が、それは内容の素晴らしさや共感でなく、巧みな演出や音響・音楽の緊張感によるものだったのか? 食わず嫌いせず、日本人として向き合うべきテーマ(アメリカや連合国からの目線と認識、当時の日本の得体の知れない気味悪さ?)を扱った映画でした。
アホなんで理解できたのか?できなかったのか?
タイトルの通りです。 時代も場面も違うシーンが変わるので、前半????って感じで、ついていけなかった気がします。 後半は前半よりは引き込まれました。 バイオリンの奏でる音が感情を逆撫でする感じは、とても効果があったと思います。 IMAXで観た訳ではないのに、爆発のシーンや足音を鳴らすシーンでは、とても効果的に音が攻めてきます。 頭の良い方なら、一回で理解できるのかな?
「自分の研究に自信を持つ」
今年77本目。 自分の研究に自信を持つ。 エミリー・ブラントの質問に対する受け答えの凄さ。原爆と水爆どちらにするかの攻防も目が離せない。原爆を作るまでと戦後の取り調べ2つが重なって、映画見てから翌日に3時間に気づきました。長いのは知っていましたが中盤から話がどんどん展開して行っていい。
「日本人が観るべき」「映画館で観るべき」は正しい
この映画は日本人とそれ以外では大きく印象が違ってくるだろう。日本人としては言葉では表現できないような悲しい場面が何回かあるが、これを映画館で目を背けず観ることが、我々にとって大事なことのような気がする。映画だから脚色されたり史実と異なる部分もあるのだろうが、それは些細なことかもしれない。 彼は1960年に東京や大阪を訪問したらしい。広島や長崎への訪問の意思があったのかは知りたいと思った。
どんなものであっても作ってしまうのは人の業なのか
「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーの半生記。 結構、難しい映画だと思います。NHKの朝ドラみたいに見て楽しい、気持ち良い話ではありません。しかし、それでもなお、何か心に訴えてくるものはあります。 私が見て感じたのは、オッペンハイマーには原爆開発に対する後悔はないだろうということ、赤狩りの時代に理不尽な目に遭っているということ(ただ、それが彼自身の女性関係、人間関係によるところは大きいです)、原爆投下に関しては少しばかりの後悔と自責の念をもっていそうということ。主にはその3つです。 ナチスよりも早く原子爆弾を持つという目標に向けて科学者軍団を指揮して成功に導いたこと。実験成功の瞬間は誇らしいものだったと思います。世界で初めての新型デバイス(彼らにとっては原子爆弾というよりも実験デバイス)が動作したことは素晴らしい経験だったでしょう。私自身も技術屋でしたから、世界初の新型デバイス開発はスリリングですごいプロジェクトだったことはよくわかります。 しかし、それができたのはナチス壊滅後でした。その後、日本に対してそれが投下されたこと。多分、この時まではオッペンハイマーに何ら良心の呵責はない。実際に被害を知った時には多少は後悔を感じたかもしれません。でも多少です。彼の水爆開発反対の姿勢は原爆被害のことを考えてのことではないと思えますし、そういう自責の言葉も出ているようには思えません。ただ、これはあくまで伝記。実際に遺された言葉や著書ではどう言っていたのか、少し気になりました。 映画の構成は、プロジェクト時代、機密アクセス権(?)についての聴聞会、そしてとある政治家(?)の役職任命に対する公聴会の3つの場面がほぼ同時進行で、登場人物も多く少々わかりにくい。それでも最後まで3時間しっかり見れたので、一応、及第点は取れていると思いました。もう少しだけ予習しておいた方がわかりやすかったかもしれませんが、予備知識はなくても全体の雰囲気として見るなら問題ないでしょう。ただ、出てくる人が多いので、こいつ誰だっけとなるのは仕方ないです。 この映画における「プロジェクト」のようなものは、今でも起こりうる可能性はあると感じます。実際オッペンハイマーらの反対など関係なく水爆は開発されました。幸いなことに水爆が軍事的に使用された例はありませんが、大気圏中の爆発実験で放射能汚染事故(第五福竜丸事件)を引き起こしています。開発テーマなどいくらでもあります。AIを使ったロボット兵器(ターミネーター)、新型コロナのような細菌の類、人間を強化するような遺伝子改良(ガンダムの強化人間)、そして私たちが知らないような未知の技術領域など・・、こういうものが現代でもどこかで秘密裏に行われているかもしれない。オッペンハイマーたちのように使命感に燃えた科学者・技術者によって・・・。そう考えると、とても空恐ろしい。そういうものをやらずにはおれない「人の業」のようなものに怖さを感じてしまいます。我々の住む世界は、思っているほど安全ではなく、結構危うい状態にあるんだと改めて感じてしまいました。
鑑賞後復習が必要、予習もすれば尚理解が深まる
史実を元した作品なので、事前にオッペンハイマーについて予習をしてからの鑑賞がおすすめ。 予習は科学の知識等では無くその時代の共産主義についてと、原爆開発後のオッペンハイマーについてを調べてから鑑賞すると3時間の長編の後半もダレる事なく鑑賞出来るのではないかと感じた。
★4.1・・・4.2・・・で迷うくらい
基本的にネタバレが嫌いで人の感想(面白かった、怖かった等)すら観る前は知りたくないタイプなので何も予習せずに観て大失敗。 これだけは絶対に予習してから観に行くべきだった。 必ずリベンジしたいと思う。
この映画の評価も賞賛も数年後でいい
天才、神、悪魔・オッペンハイマーを人間社会に引きずりおろしたところが評価される。ただ、今も兵器が生み出され続けていることについて考える材料は、観客自らの手で探すほかないようだ。見事にスカした、悪い映画だ。
ついに観てきました
クリストファー・ノーラン監督による原爆を開発したオッペンハイマーの栄光と苦悩と没落を描いた作品。当初は日本公開が危ぶまれていましたが無事日本でも公開され、ようやく観ることができました。アカデミー作品賞受賞作。 公開して1ヶ月も経ってしまいましたが、3時間という長尺、また事前に私の友人から登場人物が多く少々わかりづらいという情報もあり、気合いを入れないと観れないなあと思い、後回しにしてきましたがついに鑑賞してきました。 確かに登場人物が多く、時間軸もシャッフルされ、情報量も多く、正直理解が追いつかない部分もあり難しかったです。 唯一の被爆国である日本に住む私たちから見れば、あの実験の描写(強烈な光と爆音)だけでは原爆の本当の恐ろしさが伝わってこないと感じるかもしれません。 しかしこの映画はあくまでもオッペンハイマーという人物にスポットを当てた映画であることを踏まえるとやむをえないのでしょう。 自分の開発した兵器によって大量の死傷者が出れば、怖くなってさらに強力な水爆の開発に反対の立場をとるのは人間の心をもっていれば当然といえば当然かもしれません。 そしてそうなれば国家からするともはや用済みの人間として扱われるのも頷けます。 赤狩りの名のもとにあらぬ疑いをかけられ、結局は一線から追放される彼は時代に翻弄されたある意味国家に都合よく利用されたに過ぎないのかもしれません。 ただ反戦映画かと問われるとそれも少し違うような気がしました。 核の恐怖を描くにしては放射線が人体に障害を及ぼす描写が皆無であるし、結局ノーラン監督はオッペンハイマーという天才物理学者の数奇な人生を見せて、あとは観る者の心に委ねたのでしょう。 火花が散るような核のイメージ映像と重低音が時折挿入され不安感をあおりますが、原爆の本当の恐ろしさは日本人にしか描けないような気がしました。 ストーリーと全然関係ありませんが、裸の愛人が突如オッペンハイマーの前に現れる幻想シーンに一番ノーラン監督らしさを感じてしまいました。
アメリカで作られるから意味がある
原爆の話として見た時に日本人が得られるもの、考えさせられるものはほとんど無いと思う。 作った側にもこういうドラマがあったのだなと知れることが最大の収穫で、心が動かされるような何かはない。 それは日本人が原爆について何があったかを繰り返し学び知っているから。 でも、それをアメリカが作り、アメリカで見てもらうことに意義があると思う。 日本でも原爆を研究開発していた人がいて、そのドラマを見た時は感情移入して応援してしまった。この話もアメリカの人たちはオッピーと共に原子爆弾の完成を祝う気持ちになるだろうし、そしてその後の詰問で現実に還るのだと思う。 ただ、映画としての構成は非常に良く、飽きさせない絵作り、音作りで、3時間全く退屈に思わせない力はありました。後から見るのかというとなかなか見ない気がするし、有意義な時間だったと思います。
光る言葉はともかく人類の課題とは
バービーの件があったり、クリストファーノーラン撮影であったり、いろいろ話題なオッペンハイマー そんな事はともかくどうでもいいんだよ。この映画のレビューをしましょう。 映画は、彼が組織を退任して、公聴会に呼び出されきつもんされ、それらの回顧録的に物語は進展する。 まずオッペンハイマーと言う人は、物理学に対してすごく純粋な人だったと思う。純粋が故に葛藤したんだと思う。 それを見越したアインシュタイン。彼は哲学者としても立派だったんだなぁっていうのが映画でさらにわかった。 簡単に言うと、名誉欲に駆られ、しかも量子力学の水と言ってもいい原子力爆弾がどのように証明できるのか、それだけを追いかけていた人。彼は原爆の父と言われながらも、彼もまた先の戦争の犠牲者だと思う。この状況って似てるのが、オウム真理教のあの事件。幹部はやはり純粋な科学者。それがいろいろな状況で変化した。やっぱりこの辺は考えさせられるところではある。 彼は実験がしたかっただけ。その先の不幸は正直思いつかなかっただろう。それを追っかけていった時は。ただ完成して世に出たときにかなりの呵責はあったんだろう。その自分の責のために、不利な公聴会にも出席したんだろう。 それはアインシュタインとの話が元になってるのかな。 確かに日本に原子力爆弾は2回落とされました。 この事実は日本人としては艱難辛苦なことだと思う。 それは、オッペンハイマー自身もそうだったと思う。 これは希望的観測ですけど。 なんでもそうですが、使い方によって悪くもなるし良くもなる。 原子力爆弾の開発があったからこそ原子力発電所ができたわけだし、それによって私たちの暮らしが良くなった。今回みたいに使い方を誤ると何十万人の命に危害を及ぼす。 日本人として、憎むべきはトゥルーマンであってオッペンハイマーではない。もっと言えば、戦争を諦めきれなかった日本の軍部にも責任はある。海外の目からすると、映画でも言ってたけど、あきらめの悪い日本に対して降伏カードで、自国民衆の生命を救った。そういう見方も言える。物事は見る角度によって正義も悪にもなる。また、ここでもやはり、リーダー次第で組織は変わる。この部分はトロッコの問題な難しい選択。 そういうのが再度認識できた映画です。 これは、人類の答えの出ない宿題。 いろいろな思想とかその時の政治権力とかやはり人間は利己的でお馬鹿さんなんですよね。うん千年前に韓非子が諭した通り。この映画を見ないとか公言する 視野の狭い人たちはトゥルーマンと一緒じゃない。 色々感じて違う角度から物事見られる柔軟性は持ちたいと改めて感じた。 私自身オッペンハイマーの事はあまり知らなかったので、いろいろな書物を読んでみたくはなりました。 映画としても、そこはノーラン監督描写の仕方がすごく上手かったと思った。3時間でも良く詰まった重厚な物語。 やっぱり何かをやるには、エゴ丸出しで突き抜けないと事は起こせないんだなぁと言う事は改めて実感しました。 この映画は何回か見て噛み締める映画だと思います。 動画アップしたら何度か見たいと思います。
前知識は絶対に必要な映画。無しで見ると、とんでもなく長い拷問の時間になる
「ひょんなことから薬で体が子供になった俺は・・・」みたいに予備知識0でも 冒頭で説明をそれなりにしてくれるタイプの映画に慣れていたため、 この映画も「原爆を作った人の映画かぁ・・・それなりに説明してくれるんだろうな。」 と思ってみたら 「オッペンハイマーのことくらいわかってるだろう?説明は省くゼ」 というスタイルでガンガン進んでいくため、予備知識のなかった自分はかなり置いてけぼりに、、、 伝記映画のため派手なアクションもなく生々しい不倫やセックスシーンを挟み込みつつ専門用語の嵐でどんどん進んでいく。 時代背景もとくに知らないので正直わからなくてつまらない。眠くなり眠気との戦いに… 原爆の実験シーンの部分だけは自分もなんとなく知っていたので眠気は飛び、そこそこ見れたけど、ヒロシマ長崎の原爆投下シーンがびっくりするくらいライトに消化されてて、(そこを期待してたんだが) その後の裁判っぽいシーンは正直よくわからずにもう自分の中ではいつこの映画終わるんだ・・?とスマホの時計を見てしまうほど。 見終わったけどこれは予備知識ないとかなり拷問みたいな映画だなぁと思ったかな・・。予備知識あってもそんなに面白くないかもしれない。なんでこれが米国でヒットしたのだろうか・・。 見識のある人にはおもしろいかもしれないけど同じ3時間映画ならタイタニックやRRRのほうが100倍おもしろかったっす。この映画はキツイ。 ていうか3時間もいらんわと思う。以上。
科学者の使命と葛藤
科学者が与えられた役割を全うするため、使命感を持って任務遂行したが、その結果の影響力に自身が葛藤し苦悩する、というストーリーでオッペンハイマーという人物を描きたかったのだとすれば、日本での公開を躊躇う必要はなかったのではないか。事実は事実として伝えればよい。
力作でした
時間軸を交差させて物語を紡ぐ編集と音像の洪水の併せ技で単調さを回避したドラマチックで見応えのある伝記映画として楽しめたし、原爆の扱いに関してもアメリカ映画としては思慮あるものになっていた。あまり冗長さも無いので、ノーランらしくない…という気にもなるぐらいだった。オッペンハイマー自身の心裡を描く軸と、政治劇としての展開のクライマックスが乖離していて、どちらかを削ったほうが映画としての完成度は高かったとは思うが、全体を描こうとした真摯さゆえの結果とも考えられる。俳優陣では個人的にはキリアン・マーフィーを楽しみに観に行って、当然良かったんだけど、社長のイメージが張り付いてたロバート・ダウニー・Jr.を改めて役者と認識させられたのが印象的だった。
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