ダンサー イン Paris

劇場公開日:

ダンサー イン Paris

解説

「スパニッシュ・アパートメント」のセドリック・クラピッシュ監督が、挫折した若き女性ダンサーの第二の人生を描いたヒューマンドラマ。

パリ・オペラ座バレエ団でエトワールを目指すエリーズは夢の実現を目前にしたある日、恋人の裏切りを目撃して心が乱れ、足首を負傷してしまう。医師から踊れなくなる可能性を告げられた彼女は、失意の中で新しい生き方を模索しはじめる。そんな折、料理のアシスタント係の仕事でブルターニュを訪れた彼女は、世間から注目を集めるダンスカンパニーと出会い、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される瞬間を目の当たりにする。誘われて練習に参加した彼女は、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を見いだしていく。

パリ・オペラ座のバレエダンサーとして活躍するマリオン・バルボーが映画初主演を務め、コンテンポラリーダンス界の奇才ホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。

2022年製作/118分/G/フランス・ベルギー合作
原題または英題:En corps
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2023年9月15日

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(C)2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE STUDIOCANAL FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON ROQUES

映画レビュー

4.5バレエダンサー兼女優、新“二刀流スター”誕生。鍛え抜かれた身体の躍動と表現に心も踊る

2023年9月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

幸せ

萌える

世界最高峰の4大バレエ団の1つとされる、パリ・オペラ座バレエ団。5段階の厳格な階級制でも知られ、最高位エトワールに次ぐ第2位のプルミエ・ダンス―ルに2019年に昇格したマリオン・バルボーが、本作で映画初主演デビューを果たした。ダンサーとしてのバルボーは実際、クラシックバレエとコンテンポラリーダンスの両ジャンルで輝かしいキャリアを築いており、本作にコンテンポラリーの振付家として参加し本人役で出演もしているホフェッシュ・シェクターの演出作品にも参加したとか。

「スパニッシュ・アパートメント」や「ロシアン・ドールズ」で知られるセドリック・クラピッシュ監督は、2010年にエトワールのオーレリ・デュポンのドキュメンタリーを手がけて以来、パリ・オペラ座から定期的に撮影を依頼されるようになり、ダンス作品の映像化はお手の物。そんなクラピッシュ監督がバルボーという逸材を得て、ある女性ダンサーの挫折と再起を追うストーリーの中にクラシックとコンテンポラリーそれぞれの魅力を効果的に組み入れた劇映画を完成させた。

冒頭のバルボー演じるエリーズが主役を踊る「ラ・バヤデール」の台詞を排した15分のシークエンスと、シェクターの既存作品をベースにした終盤の舞台のパートがいずれも、ダンサーの躍動のみならず演者の表情から照明に至るまで緻密かつダイナミックな映像に収めており、劇映画のフォーマットでありながら本物の舞台芸術を目にした感動をもたらす。ただし、ショーアップされたダンスだけではなく、たとえば、ブルターニュの練習場兼宿泊施設で調理アシスタントとして働くことになったエリーズが、カジュアルな服装のまま友人2人と一緒に余興で踊ってみせるなごやかなシーンからも、踊ることの喜びが生き生きと伝わり、ダンスを見る楽しさと高揚感を共有できる。

マリオン・バルボーの踊る身体はもちろん素晴らしいが、理学療法士のもとでリハビリに取り組む場面での、素足の甲から指先までの鍛え抜かれたしなやかさにも見惚れてしまう。長年ダンサーたちと仕事をしてきたクラピッシュ監督だけに、一流ダンサーの特権的な身体が持つ美しさも収めたかったに違いない。

ひとつ難点を挙げるなら、バレエ一筋だった女性ダンサーがコンテンポラリーに出会い再起するという大筋が、近年のダンスと女性を題材にした「ポリーナ、私を踊る」(2017)や「裸足になって」(2022)といった映画とかなり似てしまったこと。物語自体にも新鮮な驚きがあればなお良かったのに、その点が惜しい。

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高森 郁哉

4.0人生って面白い

2024年9月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

失意の底にある時は、
全てを無くしたように感じる時もある。
でも諦めなければ、
また笑える日がきっと来る。
面白い人生だったと思いたい。

一生懸命踊ってる人々は、バレエであれコンテンポラリーてあり、
美しい。

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上みちる

4.5素晴らしいエトワールの躍動

2024年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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fool

5.0けがの功名

2024年8月4日
PCから投稿

みんながみんな、希望していた道を突き進められるわけじゃない。
むしろ、けが=挫折をしたことで振り返られる道がある。

合宿所のマダムが実にいい味。
お父さんとの和解も、いい塩梅。

若いっていいよねえと思える、スッキリする1作。

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ゆき@おうちの中の人