キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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上質な知るための映画
揺れる心と痛む尻
(予告編に出て来る程度のネタバレがあります。予告編すら見ずに真っさらで鑑賞されたい方はスルーしてくださいね)
仕事帰りにレイトショーで見た『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。長尺と疲労による眠気を危惧したけど、引き込まれっぱなしでその隙はなかったな。
予告編で見て取れた通り、レオ様がいつものように眉間に皺を寄せ、口をへの字にしながら堕ちて行く姿を愛でる、いつもの調子のディカプリオ作品だった。
もちろん、それだけでは終わらない。
他国の出来事なので精神性や文化性に心からの同調と理解が難しいけど、恐らく今作に類する内容の邦画『福田村事件』の鑑賞に、気持ちの覚悟的な要因で躊躇している今の自分には、これ位の距離感が有難い。(『福田村事件』はいつか気持ちが落ち着いたら絶対見ます)
スコセッシ作品らしく、全編通してエンタメ的な小細工はあまりなく、映画の基本に忠実な印象。それでいてけして平板にならないのは、演技や演出の骨太さが物を言ってるからだと感じた。(一映画ファン目線の感じ方の為的外れご容赦)
プロレスに例えて申し訳ないけれど、少ない技で長時間客を沸かせ続けるベテランレスラーを見ているかのような220分(企業CM&予告編込)だった。
ディカプリオやデニーロらの凄味に揺さぶられる度に、彼らが伝えたい、訴えたい事の大きさが垣間見えて圧倒されるのだけど、それを明確に受け取り消化するには、こちら側に何かが圧倒的に不足していた気はする。
あまり見た事がない、ちょっと不思議で不穏なエンドロールが流れ終わった時、理解しきれなかった諸々へのモヤモヤと、「久々に映画らしい映画を見れたな」という映画通気取りな満足感が、ぐるぐるとしばらく止まらなかった。
(あとお尻が痛かった)
人物関係が分かりにくい
スコセッシ節の到達点。
マーベル映画は映画ではないというスコセッシ監督の発言が物議を醸したのは記憶に新しいが、私は本作もまた映画ではないと感じた。本作はスコセッシ監督にしか作れない、3時間30分におよぶ壮大なスコセッシ監督の芸術作品である。スピルバーグ監督のシンドラーのリストが、映画というジャンルを超えた3時間を超えるスピルバーグ監督にしか作れない芸術作品だったのと同じように、本作もまたスコセッシ監督にしか作れない、映画というジャンルとは別の壮大な芸術作品なのである。
はっきり言って本作に、マーベル映画のようなハラハラや、スターウォーズのような驚きや、あらゆるハリウッド映画のようなワクワクを期待してはいけない。
なぜなら本作は、巨匠マーティン・スコセッシ監督にしか作れない、監督にしか出せない、監督による、監督の芸術的感性の到達点のような、そんな歴史的キーストーンの作品だからである。
究極なまでに鮮麗された鋭いナイフのようなスコセッシ節は、我々常人があーだこーだ言わずに、ただスコセッシ監督の新作を味わえるだけで嬉しいと思わないといけないレベルにまで達しているとも言えるだろう。
私はマーベル映画が好きだ。
スコセッシ監督の映画も大好きだ。
すべての映画が好きだ。(ウーヴェ・ボルの映画以外は)
そんなあらゆる映画の共存を許すハリウッド映画がわたしはやっぱり大好きだと実感できた。
血と金と蝿の羽音
大事な記録
3時間半という長さが気にかかっていましたが、本当にあっという間のエンディングでした。多くの映画では字幕のみになってしまう「あとがき」部分も楽しい仕掛けが凝らされていて嬉しかったです。
アメリカの歴史の一部になった3人の中心人物を通じて、普遍的なテーマである「愛と欲望」「人間の愚かさ」を見せられた気がします。キングにも歪んでいたかもしれないが地域への愛みたいなものがあった気がしますし、モーリーにも疑いつつも信じてしまう愚かさみたいなものが見えました。途中のキングとアーネストのやり取りは、「何でそーなるの?」ってコントみたいにも見えたりしました笑。
また、デ・ニーロの髭剃りは、「アンタッチャブル」を思わせてくれて最高でした。
「原作に惹かれて創ることが多い」と監督がコメントしているものを読みましたが、アメリカだけでなく世界の大事な歴史を切り取って残そうという監督と出演者の強い意欲を感じました。似たようなことが起きないように、いろんな人に観てもらいたいと思いました。
アメリカ合衆国が世界で一番恐い存在である証明‼️❓
アメリカの異国、白人以外への迫害の歴史のルーツとなるインデアン迫害の実話。
スコセツシ、デイカプリオ、デニーロのイタリア三羽烏が、アメリカの原罪を剥き出しにする。
あんまり恐れているから、三時間以上にわたり、人間ドラマで薄めて、少しテーマが曖昧になる。
米国の歴史は、一部ではなく、こんなことの繰り返し。
中国、ロシア、インド、アラブなんて内弁慶で可愛いもんです、一部分だけでも、ベトナムと日本だけでも民間人一千万人殺されてる。
ところで、殺人がエゴだけでなされて、良心のかけらもないのは、異次元の存在なんだろう、米国とゆう存在、英国の植民地時代の歴史と重なる面が大きい。
米国を憎むのではなく、理解するために、是非。
本物の「映画」ってやつはこういうものかと。
1920年代のアメリカ、先住民と白人の話し、実話。
上映時間、3時間26分。長っ、、観に行こうかな、どうしようかな、といういつもの葛藤。
しかしそんな考えは一瞬の杞憂に終わり、本物の「映画」というものを全身に浴びて痺れた3時間半、いや、体感1時間半。
まずこれが実話だったという事が驚きだが、言われてみれば歴史はこのような事が世界中にたくさんあったのだろう。もしかしたら近代でも未だ行われてるのではないかとも思った。
デニーロ、ディカプリオの顔面演技は円熟味の極みに達しており、永遠に観てられるほどの迫力。
80歳を超えた監督とは思えない画面の迫力と、恐ろしいほどにゆっくりと流れて行く時間軸に対するその不思議なスピード感、テンポは終わってみればスコセッシの術中にハマり、見事に陶酔してしまった。
そして地味にエンドロールが、もしかしたら過去イチに痺れてしまった。エンドロールに於いてこんな表現が可能だったのか、と暗い劇場の中でただただ感動してしまった。これに関しては音響の良し悪しが影響するので、是非音響設備の良い劇場をオススメします。(※私は信頼と安定のTOHOシネマズ六本木で鑑賞)
誰もが観て、RRRのように面白い!となる映画では無いかも知れませんが、これこそが映画にして後世に遺すべきフィルムだと思いましたし、映画好きの人には間違いなく劇場で体験して欲しい、濃密な、ガチの映画体験を感じました。
私はこのガチ映画作品をとてもオススメ致します。
フラワームーンに招かれざる者
フロンティアスピリッツが原動力のアメリカ。そこに石油がある限り、何でもやります。国外の出来事は「アルゴ」を観るとして、国内は本作ですね。
慈悲深い笑みを浮かべて、邪魔者は始末させる大悪党のいる町。王には逆らえない、でもそれ以上に、自分の欲に逆らえない小悪党。している事は、どちらも一緒ですが、小悪党に気持ちがなびくのは、きっと私も小悪党だからでしょうね。
私は家族を愛している…。あれは、言い逃れでしょうか?。それとも、本心でしょうか?。その両方だった気もしますが、私としては、キングの家臣であり続けるよりも、勇気を出して、家族を愛する小悪党になってほしいと思いたいわけです。お金を愛する悪党と、ボスには逆らえないけど、家族を愛する悪党。どちらと暮らしますか?…って、どちらも嫌ですけどね!。
もちろん、悪党には悪党の酬いがありますが、目先の欲に溺れるくせに、家族を愛する、その浅ましくもあり、健気でもある姿こそ、スコセッシ御大が描きたかったものか、と…。そういう意味では「タクシードライバー」より、ストレートな映画ですかね。デ・ニーロ兄貴は、相変わらず屈折してますけど。
「ゼア ウィル ビィ ブラッド」
欲望の赴くままに、地球の裏側まで掘り抜きそうなヤバい石油王の一代記。「ギャング オブ ニューヨーク」でも、かなり危なかった、ダニエル・ルイスが、さらに危険!。本作と併せご覧下さい。
「J.エドガー」
「キラーズ オブ…」の連続不審死事件。実際には分かっているだけで、60人近い不審死が起きたとか。オイルマネーに吸い寄せられたヒトの欲望が、歪んだフロンティアを作り出したみたい。
この捜査に、FBIが関与していたようですが、そのFBIの創始者であり、初代長官だったエドガー・フーバー。さも正義感溢れる好漢と思いきや…。変態ディカプリオに、優しく包まれて下さい。これまた、要チェックです。
3時間半をしっかり釘付けにさせる厚みのある物語
劇場で観た映画の中では確実にもっとも長い映画です。
とはいえ、テンポのいい、それでいて無駄のない展開で長さは感じさせません。主要キャストの演技は素晴らしく、物語もその帰結も圧倒的なものでした。
自らの欲望に忠実でそのために手段は選ばない男、その男に感化されて常に間違った選択をする男、その男を愛してしまい最後まで信じようとする女。
脚色されているとはいえ、これが事実であることが何よりも衝撃です。
このコンビと予告編の雰囲気から、金まみれの「ウルフ・オブ・ウォール...
インディアンと白人
石油の発掘で富を得たインディアンとそれに目をつけた白人。
キングの儲け話に乗ってやってきた甥のアーネスト。インディアンの娘と恋に落ち、結婚。でもこの出会いもキングの策略のように思える。後にアーネストは偶然出会って純粋に彼女が好きで結婚した、妻を愛していたと裁判で語っていたが、どうなんだろう、確かに愛はあっただろうが、愛だけではなかっただろう。
キングが本当に悪いヤツだな。それに加担する周りの人間も悪いが。気の毒なモーリーだったが後に別の男性と結婚して、幸せになれたようで良かった。実際にあった殺人事件のようで、もともと居た先住民のインディアンに対して、白人って酷いことするよな〜。
もともとはFBIの側からの脚本だったものをディカプリオの一言で犯人側を主人公に書き直されたらしいが、正解。ただFBI側からの脚本だとどんなだったのか?観てみたい。
レオナルド・ディカプリオが、昔のようなカッコよさは無くなったけど、実年齢らしい脂ののったいい味が出てきている。やはり上手い。彼が出ているとやはり観たくなる。ディカプリオの怒っている演技はすごいっと思う。
ただ今作、ちょっと長い、、、諸事情で3時間も寝られなかった寝不足状態だった事もあり、途中軽い睡魔に襲われた。不覚、、、。それと長い映画はトイレ休憩の為ハーフタイムが欲しいなあ。私の場合、3時間が限度かも😣
病み上がりに3時間超えを選ぶ自分はかなりドM
久々にインフルエンザに罹りました😷
昨年の新型コロナに比べたらまだ堪えようはありましたが、それでもしんどかったぁ😭 熱下がりにくいし悪寒が治らない。頭痛も止まず食欲も無く、エライ目に合いました😩
漸く出歩ける様になって、
真っ先にスコセッシを選んだ私。
いや、ディカプリオかな❓
いやいやデニーロだからだよ。
兎に角この3人居たから、3時間超えても行かねばという使命も生まれ、朝イチで向かいました。
「ゼアウィルビーブラッド」を思い出す、オイルマネーに塗れた人々の物語。
オイルマネー自体はオーセージたちにあったが、そこに白人たちが暗躍し始める。
暗躍する白人のボス、デニーロ‼️
やっぱりこの人、登場するだけで全てを持っていく❗️
正に千両役者。
FBIが調査しに来た時、
「フーバーの命でやって来た」
とか言うのは、
「J・エドガー」との小ネタコラボか❓
気にしすぎですね😅
正直予想以上の事は起こらなかったが、
映画でしか観られないドラマ。
少なくとも、
デニーロとディカプリオは
映画でしか観られないキャストに違いない。
意外と206分平気でしたね。
勿論、何も口にしませんでしたが😜
さすがスコセッシ、そしてディカプ
長いけど長くない、あっとゆう間
1920年代石油を堀当てた先住民とそれを狙う一族の実話を元にしたサスペンス。
お互いの繁栄の為かと思いきや、やるかやられるかの心理戦。それだけじゃなく、愛や信頼とはなんぞやとか考えたりして。
レオ様、ダメ男だけどオデコの皺もちょっとぽっちゃりなかんじもいちいちかっこいい。いぶし銀のレオ様はもうタイタニックのレオ様じゃない。これからのレオ様が楽しみ。
そして、デニーロの笑顔は神様みたいなのにその分ラスボス的な恐ろしさ。その傲慢さもあの笑顔にだまされちゃう。
さらに、レオ様の奥様を演じたリリーグラッドストーン。凛として一見クールだけど、実は奥底にいちばん熱いものを秘めているんじゃないかと。
レオ様とデ・ニーロ、二人の駆け引きやラストの展開に驚きながらも206分あっとゆう間だった。
エンドロールは、耳を澄ましてほしい。
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