星くずの片隅で

劇場公開日:

星くずの片隅で

解説

コロナ禍の香港を舞台に、都会の片隅で誰にも気づかれずに生きる人々の姿を丁寧な人物描写と美しい映像でつづったヒューマンドラマ。

2020年、コロナ禍で静まり返った香港。「ピーターパンクリーニング」を経営する中年男性ザクは、車の修理代や洗剤の品薄に頭を悩ませながら、消毒作業に追われる日々を過ごしていた。そんな彼のもとに、職を求める若いシングルマザーのキャンディが現れる。幼い娘ジューのため慣れない清掃の仕事を頑張るキャンディだったが、彼女が客の家から子ども用マスクを盗んだために、ザクは大事な顧客を失ってしまう。

「燃えよデブゴン TOKYO MISSION」のルイス・チョンがザク、「宵闇真珠」のアンジェラ・ユンがキャンディを演じた。「少年たちの時代革命」で共同監督を務めた香港の新鋭ラム・サムが単独でメガホンをとった。

2022年製作/115分/G/香港
原題または英題:窄路微塵 The Narrow Road
配給:Cinema Drifters、大福、ポレポレ東中野
劇場公開日:2023年7月14日

スタッフ・キャスト

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(C)mm2 Studios Hong Kong

映画レビュー

4.0香港の夜景はいつどこで見ても目に沁みる

2023年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

幸せ

新鋭ラム・サムが単独でメガホンをとり、コロナ禍の香港の片隅で生きる人々の孤独な心を、やさしい眼差しと美しい映像で紡ぎ出したヒューマンドラマです。カンフーの達人や凄腕の刑事、マフィアのボスや殺し屋たち、そして滑稽な小市民や幽霊も出てきません。本作の主人公は、不器用でやさしい中年男と、ずる賢くも憎めない若いシングルマザーなのです。 誰にも気づかれずに街の片隅で生きていた中年男が誰かのヒーローとなり、幼い娘のためにも生き直そうとする若い母がヒロインとなる。こんな時代だからこそ、一歩近づいてお互いを見つめ、助け合う姿が、小さな希望を与えてくれます。中年男を演じたルイス・チョン、若いシングルマザーを演じたアンジェラ・ユンが素晴らしい。 あることがきっかけで窮地に追いやられてしまうふたりが眺める香港の夜景は、「男たちの挽歌」(1986)でチョウ・ユンファ演じるマークが「いつどこで見ても目に沁みる」と呟いたように、コロナ禍であっても、やっぱり美しい。

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和田隆

4.0コロナ禍のドラマ

2024年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

ドキュメンタリーみたいな映画だった。 健気に生きるシングルマザーと娘。清掃業の社長はかなり良い人だ。ついでにキムタクと憲武を足して2で割ったような顔だった。 最後の抱き合うシーンは泣けました。当たり前なんだけど万引きしなかったことは成長しました。 貧乏でも小さな幸せな家族になるといいな。 お金は大事に!改めて痛感しました。

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ノブ様

4.0【”俺たちは塵より小さい。けれど、不幸は永遠には続かない。”貧富の差が顕著になったコロナ禍の香港で支え合い生きる善良なる心を持つ清掃員の男とシングルマザーの関係性の変遷を優しき視点で描いた作品。】

2024年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■2020年、コロナ禍で静まり返った香港。  清掃会社”ピーターパンクリーニング”を営むザク(ルイス・チョン)は消毒作業に追われる日々を送っていた。  ある日、若いシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)が職を求めてやって来る。  幼き娘ジューのために慣れない仕事を始めるキャンディだったが、富裕層の客の家でマスクを盗んでしまい、一度は馘首されるが、貧しさ故にまともに暮らせないキャンディを見るに見かねてもう一度チャンスを与える。  キャンディも心を入れ替え真面目に仕事に打ち込むが、ジューが溢してしまった洗剤を補填するため、ザクに内緒で洗剤を薄めて使ってしまう。 ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・今作では、”ピーターパンクリーニング”に清掃を頼む富裕層は一切出て来ないが、ザクとキャンディが清掃する部屋を見れば、富裕層の家だと直ぐに分かる。  そして、頻繁に出て来る”欧米への移住”と言う言葉も、香港の貧富の差を示している。 ・ザクは、老いた母の面倒を見ながら忙しくも真面目に清掃業務をする日々を送っている。そんな彼が、幼き娘ジューを育てるキャンディを見る眼が変わるシーン。  ”何で、シングルマザーになったんだ?妊娠したら彼が逃げちゃって。家にもいられなくって。けれど、ジューを産んで良かったと思ってる。” ー この辺りから、ザクは心根の優しいキャンディを気遣うようになるのである。- ・特殊清掃のシーンも印象的である。 ー キャンディが呟く”何で、生きて居るんだろう・・。”と言う言葉。孤独死は世界共通なのかな。切ない。だが、そんなキャンディをザクは焼き鳥屋に誘って元気づけるのである。   だが、ザクの母親も部屋で事切れている・・。- ・けれども、キャンディがザクに内緒で洗剤を薄めて使ってしまった事から、ザクは起訴され、会社は倒産。  ザクは経理作業をしていたキャンディを”友達だ。”と小さな会社の部屋から追い出し、一人で罪を被るのである。 ー そして、ザクはバンを売りディーゼル車廃棄補助金と併せ、罰金を払う。彼はキャンディの働くアダルトビデオ屋に行き、そこにジューが居る事に気付き、キャンディを”何で、こんなところに連れて来るんだ!”と一喝し、誕生日だというジューに御馳走をしてあげるのである。   そして、ジューに”お母さんと一緒に開けるんだよ。”と言いながら渡した茶封筒。   そんな、ザクにジューは抱き付くのである。   このシーンを見ると、ザクは実はキャンディとジューを支えつつ、彼も二人の存在に支えられている事が分かるのである。- ■茶封筒の中には、おそらく罰金を払ったあとのザクのほぼ全財産と思われる大金と、”これが精一杯だ。ジューをキチンとした学校に入れてくれ。”と言うメモが入っている。  その後、ザクとキャンディは出会い、キャンディはザクに抱き付くのである。 <今作は、フライヤーによると、ラム・サム監督の単独デビュー作だそうである。人間の善性をベースにしたストーリーテリングの上手さが際立つ作品である。  そして、孤独な心を抱えつつ、支え合う若き男女の姿を優しき視点で描いたヒューマンドラマの逸品でもある。>

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NOBU

4.5誠実さは誰のために

2023年9月30日
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sow_miya