ボーはおそれているのレビュー・感想・評価
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アリ・アスターの思う壺
「みんな、どん底気分になればいいな」 なりました。気分悪〜。 主人公が次から次へと災難に見舞われる。 本人にとっては悲劇でも他から見れば喜劇。 普通は、こういうのは、笑わせて、最後にはほろっとしたり、小さな希望があったりして、終わるんだろうけど、全く普通じゃない。 笑わせようなんて思ってないんだろうし、突き放される。 繰り返し見ると、その度に面白さに気づくんだろうけど、何回も観たいような映画じゃない。観ないくせにソフト買って大事に取っておくような作品でもない。 でもなんか癖になるというか好きな人は好きなんだろうな。 エマ・ストーンに続いて、ホアキン・フェニックスが惜しげもなく裸体を晒して、まさに体当たりのはまり役。 (つい最近、ナポレオンだったのに。好きな俳優さんじゃないけど、良い俳優さんなんだな)
コメディだったのね
前情報無しで観たがホアキン・フェニックス演じる被害妄想がひどい男が様々な災難に見舞われていくというコメディ? 『8 1/2』みたいに現実、妄想、夢がごちゃごちゃしていてアリ・アスターの頭の中を観てるようだった 前半は大笑いしてたけど、中盤以降はもうちょいテンポが欲しかった
コレは妄想なのか?現実なのか?
こんなひどいこと起こる?ってくらい無茶苦茶なことが起こって そんなとこ早く引っ越せばいいのに えらいもん見ちゃったなぁ 逃避か、睡魔が襲って来た と、ある村に逃げ込んだ辺りから一変 ちゃんと対峙してこなかった これは自分の物語だと気づく 物語は語り手によって違う物語になる ここだけはなんかいい感じ が後半はまた訳わからん様になって行く ママ怖い でパパ誰なん? 変な映画、よくもまあこんなストーリー思いついたなぁ 2度は見ないだろうな 好きな映画とは言えないけど嫌いではない自分がいる
【"独占監視欲の強い母性の猛毒。そして母の豪奢な家の屋根裏に居たモノ。”今作はアリ・アスターの猛毒コミカルスリラーである。ママ、NOBUはこんな変な映画を観て、きがへんになりそうです・・。】
・ボー(ホアキン・フェニックス)は良い年乍ら、ボロッチイアパートで一人暮らし。町は荒れていて、全裸で人殺しをする男や路上に倒れている男など明らかにオカシイ世界に住んでいる。
ボーはセラピストのフリール医師(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)から精神治療を受けており、”必ず水と一緒に呑むように”と言われ”ジブノチクリル”と言う薬を処方される。
・ボーは父が腹情死した日に企業家の母モナ・ワッサーマン(パティ・ルポーン)に久しぶりに会いに行こうとするが、夜中に訳のワカラナイ手紙(音楽の音量を下げてくれ!)を扉の下から何度も入れられ、寝過ごしてしまい、慌てて部屋を出ようとしたときに忘れ物を取りに戻った瞬間に部屋の鍵と荷物を盗まれてしまう。
- 呆然とした情けない表情のボーを演じるホアキン・フェニックスの姿が可笑しいし、今作品はホラー要素だけではないぞ!と確信する。-
・更に、ボーは”ジブノチクリル”を呑んだ際に、アパートが断水になり慌てて向かいの店に行き水を買うのだが、その間に自分の部屋の中には路上の人達が入り込んでいる。
荒らされた部屋に戻り、呆然とする中、母に電話をすると運送会社の男が電話に出る。彼は慌てた様子で、”シャンデリアが落ちて、お母さんと思われる人の頭と首が潰れてしまった・・。”と語るのである。
・その後もボーが呆然と入浴していると天井に男が必死の形相で、張り付いている。男の顔には毒グモがおり男が落ちて来て、ポーは全裸で男ともみ合い(脳内、大爆笑。)そのまま路上に出たものだから、警官に殺人犯と間違われ、逃げ出したところで車に轢かれる。<暗転>
・気が付くと、ポーは彼を轢いた外科医のロジャー(ネイサン・レイン)とグレース(エイミー・ライアン)夫婦の娘トニのピンクの部屋のベッドに寝ている。(全体的に凄く変なシーンである。)ロジャーとグレースは戦争で亡くなった息子の部屋ではなく、娘の部屋を使っているからである。
・そして、グレースがボーの耳元で囁いた言葉、”チャンネル78”。ボーがチャンネル78を付けると、そこにはボーの姿が映っていた・・。
ー 何となく、先が見えて来たぞ・・。クスクス。-
・ロジャーとネイサンの家には息子の同僚で精神を病んだジーヴス(ドゥニ・メノーシェ)もキャンピングカー内に住んでいる。
自分が両親に愛されていない事を知っているトニは、兄の部屋にペンキをブチマケ、序でにペンキを呑んで失神。怒ったグレースはボーが”僕じゃない。”と言っているのに、ジーヴスに逃げ出したボーを追わせる。
ー ドゥニ・メノーシェに追いかけられたくないなあ・・。クスクス。-
■ボーは、家に電話すると弁護士から”貴方が帰って来ないと、埋葬できない。”と告げられ更に焦るのである。
そして、森の中であった不思議な劇団の少年少女や父らしき男と会ったり(この辺りはボーの妄想の様な気がする。)しながらようやく母の家に着くと式は既に終わっている。
首のない棺の中の死体。
(この後、この死体はモナ・ワッサーマンのメイドのマーサだったことが分かる。殺したのは、勿論モナ・ワッサーマンである。)
・そして、何故か式の様子がボイスレコーダーから流れる中、女性が遅れてやって来る。彼女はボーが少年時代に旅先の船上で知り合ったエレイン(パーカー・ボージー)だった。彼女は母モナ・ワッサーマンの経営する会社の社員だったのである。
ー モナの且つて息子に近寄った女を雇うモナの独占欲が伺える。-
・ボーはエレインと母のベッドで情を交わすが、且つての父の様に腹情死になりそうな感じがして情けない声を出すが、気が付くとエレインは騎乗位のまま死んでいるのである。
そして表れた死んだ筈の母モナ・ワッサーマンがドドーンと登場する。
脇には、フリール医師もニヤニヤ笑いながら座っている。
・全ては、彼女が仕掛けた事だった事が判りオロオロするボーを、母は彼を屋根裏に追い込む。そこで彼が見た鎖に繋がれた自分の双子の兄弟とデカい男根のお化け。
ー 再び、脳内大爆笑。ジーヴスが男根のお化けにナイフを刺すも効かず・・。-
■ボーは、全てを仕掛けた母の首を絞めてしまい、母は崩れ落ちる。
ボートで逃げるボーだが、いつの間にか大観衆が見ている湖の様な場所で、過去彼が母にして来た少年時代からの数々の行いを弾劾されるのである。
母は、そんな息子を冷たい目で、見下げている。
そして、ボーの乗ったボートは転覆し、誰も居なくなった湖の上で船腹を上にして漂っているのである・・。
<今作は、独占監視欲の強い母性が発する猛毒をベースに、それにより情けない男になってしまったボーの姿をコミカル且つスリラー要素も絡めて描いた作品である。
壮大なスケールの、アリ・アスター監督のぬ遣りたい放題ワールドを堪能したい作品でもある。>
「母性」と「ユダヤ」と「強迫神経症」と
A24プレゼンツのアリ・アスター監督作品というと「ミッドサマー」が思い浮かびますが、同作が世間的に話題なった割には個人的にあまりしっくりこない作品でした。それでも今回本作を観に行ったのは、主役がホアキン・フェニックスだったから。直近で観た「ナポレオン」は、物語の方はちょっと残念でしたが、ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしかったし、何と言っても「ジョーカー」の時の驚愕の演技力が脳裏に焼き付いており、相当な期待と漠とした不安を抱いて本作を鑑賞しました。 結論から言うと、内容が盛りだくさんで、一筋縄では理解が難しい作品でした。そこでキーとなる要素をいくつかピックアップして、それぞれの観点から本作を振り返りたいと思います。 まず本作の物語の軸となっているのが、主役のボーが離れて暮らす母親に会いに行くというものなので、「母性」というものに焦点を当ててみます。ボーの母は物語終盤に姿を現しますが、一代で大企業を作り上げた敏腕経営者。ボーに対する愛情も勿論あるようですが、支配欲が強く、半ば従業員に対してパワハラ的に接するような態度でボーと接してきたようで、そんな母親を「ボーはおそれて」育った模様。一方父親が生きているのか死んでいるのか、何故いなくなったのかなども不明な状態で物語は進んで行きました。 こうした展開は、まさに母と息子の葛藤の物語な訳で、良くある物語と言えば良くある物語です。終盤になって母と息子が対峙する場面では、ボーが長年の葛藤を乗り越えて自立できるのかが焦点になります。一方で置き去りにされていた父親は、字義通りシンボル化されて天井裏に閉じ込められており、あえない最期を迎えることに。この辺り、父権の失墜と女権の隆盛と言う今の社会状況のメタファーと解することも可能なのかも知れませんが、ジェンダーギャップ指数が世界146か国中125位と、依然として男権が強い日本にいると、あまり響かない展開ではありました。 ただ母子の葛藤の物語を自分に当てはめて考えてみると、今や年老いてしまった我が母が、かつて強かった当時を思い起こすことになり、それなりに懐かしさを覚えたところです。まあ我が母はボーの母同様に意志強固ではありましたが、息子のセックスにまで口を挟まなかったので、その点ボーよりも遥かに幸運だったのでしょう。 続いてキーとなっていたのは「ユダヤ」ということ。アリ・アスター監督はユダヤ人なので、自らの出自となるユダヤ人の受難の歴史を、ボーに背負わせていたという解釈も可能でしょう。アパートの隣人から言われなき嫌がらせを受け、鍵を盗まれて自室を得体の知れない連中に乗っ取られるボー。この辺りの物語序盤の展開は、まさにユダヤ人の歴史と重なるもの。そして「約束の地」たる母の元に苦難の旅をするボーの姿も、彼らの歴史に重ね合わせて描かれていたように(勝手に)解釈したところです。 そして3つ目のキーが「強迫神経症」。本作は、とにかくボーが苛められ続けるというお話ですが、これらの受難はボーの強迫神経症と思しき症状から来る想像の産物だったと言っても良いかと思います。街にはヤバい奴が溢れている、外に出ると奴らに襲われるかも知れないという恐怖心は、特に治安の良くない場所に住んでいる人なら共有している感覚でしょうが、それが強くなり過ぎると何も出来なくなります。本作のボーはまさにそんな負のスパイラルに陥った状態でした。 そして「悪夢」の連鎖と言うべきか、こんなことが起こったら怖いなといった強迫観念が生まれた次の瞬間に、想像通りに最悪なことが発生する。誰しも「悪夢」を見ることはあると思いますが、それが延々と続くのですから、まさに「ボーはおそれている」となるのは当然でしょう。ただ実際にそれが起こったことなのか、ボーの心の裡にのみ起こったことなのかは、観た者の解釈次第でしょう。 余談ですが、昨年10月にガザ地区を支配するハマスの武力攻撃に端を発して、イスラエルとハマスとの間で紛争が続いています。緒戦ではハマスの奇襲が成功したものの、その後は圧倒的な戦力を持つイスラエルが反撃に転じており、それが行き過ぎてジェノサイドをしているのではないかという批判すら国際社会で起こっています。本作のアメリカ公開は2023年4月なので、今般のパレスチナ紛争より前に創られている訳ですが、本作の最終盤にボーが「最後の審判」を受ける際に、自分が飼っている魚には餌をやるのに、貧しいホームレスは拒絶するどころか(偶然にも)痛めつける結果となったことなどの罪状で裁かれてしまいます。アリ・アスター監督が今回のパレスチナ紛争を予見していた訳ではないでしょうが、第三者的に観るとボーの運命は中々に暗示的だったと感じたところでした。 以上、いくつかのキーワードで本作を振り返ってきましたが、それが正解なのか不正解なのかは勿論分かりません。ただ様々な切り口で自分の置かれた状況と異なる世界を描いた作品であり、正直然程には感情移入できなかったというのが正直な感想です。 あと物語の展開とは別に、期待していたホアキン・フェニックスの演技は期待通り。不安に苛まれつつ都会で暮らすボー、そして艱難辛苦を掻い潜って母の元に旅するボーの姿を、悲劇的でありつつもどこか喜劇的に演じた姿は、流石だと思わずにいられませんでした。 そんな訳で本作の評価は★3.5とします。
終始意味不明を貫き通した創造美?
ホアキンのビジュアルだけを信じて観賞しましたが、それはそれで間違っていないとは思いました。ただ、内容があまりに雑多で、率直に戸惑うところが多すぎる印象でした。 ミッドサマーを見たとき、確かにあのイメージや装飾的な映像をもっとと思ったし、あんなひどい内容(←あくまで個人的な感想)を見せられるくらいだったらもっとあの美的感覚を見せてほしいなんて思ったりもしましたが、あそこまで自由気ままなイマジネーションの連なりを見せられると、嫌気を感じてしまう・・・というか3時間というのはさすがに苦痛です。この半分でまとめてくれたら、たとえ意味不明でも全く印象が違ったような気がしますが、そんな意味不明なことを言っても仕方がないので、あくまでこの3時間もある大作はミッドサマーとはまた違った苦行といった感じでした。 かといってオチをつけてーなんて言えるような作品でもないし・・・それなりに楽しめるし見応えはもちろんあるので、単に面白くなかったと済ませていいのかも─としばらくあれこれ作品を思い返してみて、そう思うに至りました。もっと深く追求すればかなり面白いのかもと思わなくはないのですけど、疲れます。これを深ぼりするのは嫌だなぁ
なんなん、これ?
多分この監督とは私合わない(笑)
三時間飽きずに観れたけど、終始違和感が消えなかった。
そもそも日本人と外国人とは感性の土壌が全く違うと思ってる。それは多分宗教だと思う。根っこにそれがあるかどうか?エクソシストとか怖くないし。
で、これ。毒親の話ですよね?
日本では娘と母親の確執みたいのはあるけど、息子と母親ではこうはならないと思う。これ、娘だったらわかるんだけど。世代が違うからかなぁ。
あ。でも日本でも漫画ありますね。血の轍。やっぱ世代だね。
私世代までは息子だったら溺愛の対象で自分の傷をぶつけない。多分。
だいたいしたら死んじゃうって刷り込む?だったら自分がいたします(笑)
そして旦那の姿はアレなの?いや、この人男性嫌いなんじゃないの?彼女のトラウマこそが知りたい。
ボーはADHDかアスペルガー?だからあそこまでいろいろ刷り込まれちゃったのでしょうか?
私もADHDぽいので、あの強迫観念はわかりますが。
水もいっぱい出てくる。羊水?
そして最後まで解放されない?
ブラックコメディとして観ればいろいろ面白いんだけど、
やっぱなんなん?という思いが消えませんでした。いや、ホアキン頑張ってたし、よくできた映画だとは思います。
一発一中家系
シャンデリアが落下して頭が飛び散り死亡した母親の葬儀に向かう40代後半のメンヘラ男の話。 数ヶ月ぶりに実家に帰ろうとしたら鍵と鞄を盗まれて、仕方なく翌日チケットを取ろうと思ったらカードが使えず、母親に電話をしたら…。 セラピストのカウンセリングに始まって、アパートの外は既にヤク中みたいな奴らが蠢く治安の悪いカオスな状態だし、裸で飛び出した件なんかはバリバリコメディ!? 葬儀に向かう展開になってはいくけれど、そもそもから何が夢で何が現実というよりも全てが幻視の様で、夢をみる幻視をみている夢という感じなのかな? ダラダラ長々何をみせられてんだかの繰り返しで飽きてくるし、ボートの件でツメられるところを見るに、葉っぱから実家着までのものはいらないってこと? 最後も良くわからない落とし方で全然締まらず、何かあるのか勿体つけた様な見せ方のエンドクレジットの最中も後も何もなし。 メンヘラ男の母親との確執とかトラウマとか罪悪感とか、そんな男にしてしまった母親の驚異とか、そんなものってことですかね? コメディとしてみても苦笑もののネタぐらいしかないし主人公はアラフィフですよね?いやー長いよ…。
訳判らんけどホワキンは素晴らしい
訳判らんけど、個人的にはまあまあ面白かった。 ホワキンくんの演技も見応えあったし。 ただ、時間と金を返せ!と思う人は少なからずいるはず。それくらい、訳判らん話でした。 この監督さん毒親に育てられて、それがトラウマになってるのかな?
病んだアメリカを背負わされる人々
カウンセリング、底辺のジャンキー、金持ちの薬中、戦死、PTSD、コミューン、崩壊家族。 アメリカあるあるを一通り体験出来てお腹いっぱいになった後の葬儀。 葬儀以降はも一つ分からない。通底するのは宗教観か、アメリカ観か。 トンネルに始まりトンネルで終わるアナロジー?,メタファー? かと思っていたら うーん。 面白い映画だけど うーん。
被害妄想ならぬ被害ボー走。
日常の些細な事、先読みする事も全て悪い方で考えてしまう男ボーの話。
先程まで電話でやりとりしてた母親が突然の怪死、翌日母親の元へ帰ろうとするも、深夜就寝中のゴタゴタ、朝出掛ける際の鍵とバッグの盗難と思う様に動けず…風呂に入ってると上から降ってきた変な奴と鉢合わせ、慌てて家出たら車で跳ねられたちゃったボーのストーリー。
ボーの住む家の外で全裸で踊るオッサン、まずニューステロップの下からポロリ、からのテロップなしでのポロリ。
慌てて家から出て車に跳ねられボーの玉ポロリ、「んっ?何か玉でかくね?!」何て思ってたらその伏線であのオヤジっすか?!(笑)
とりあえずリアル描写と妄想描写が切り替わるし、その描写がどっちなのかが分かりにくい為、ストーリーが掴みづらい印象でした個人的に。
ちょっとおかしな世界観を作ろうとする製作側の考えは分かるんだけど、もうちょっと分かりやすく観やすくしてほしかった。
ボーの一族
家族に不幸がありそのトラウマを抱えたアリ・アスター監督。本作は彼が描く地獄のホームドラマ第三作。「ヘレデタリー」は女系家族の逃れられない恐怖を、「ミッドサマー」では家族を失った者が北欧の地で新たな恐怖の家族を見つける物語。そして本作はかなりド直球で母親の息子への異常な愛情の恐怖を描いた。
発達障害のある息子ボウに対して惜しみなく愛を注いだ母。独学で発達障害について学び、それを経営に生かして一代で巨大企業を築いてしまうほど。そんな母だけに息子への偏執狂ぶりは恐ろしい。
いままで愛を注いだぶん、息子は母に愛を返してくれるのか。それを確かめるために死体を偽装してまで生前葬を行う。
すべては母が仕組んだものだった。隣人による睡眠妨害も、鍵やバッグが盗まれたことも、カードが無効化されたことも、水道が止められたことも。セラピスト、警官、彼をはねてかくまった夫婦。そしてボウを誘惑するエレーヌ。すべてが母の手の中で行われたことだった。と思う。
冒頭から主人公ボウに降りかかる異常な事態。精神疾患を患っている人間の妄想を見せられているのかのような展開が延々と続き、この辺はかなり笑える不条理劇だった。ただ三時間見せられてまさか夢オチはないだろうと思ってたら、やはりすべてが仕組まれていた。
ボウにとってすべてが夢であったならどれだけよかったであろうか、しかしそうではなかった。悪夢のような現実を思い知らされて本作は幕を閉じる。
女系一族の恐ろしさ。雌蜘蛛が交尾の後、雄を食べるように、もはや男は生殖のための道具でしかない。それが屋根裏のボウの父親の姿に反映されていた。
ボーはおそれている 著名人のコメントの多数で悪夢の連続。というのを...
ボーはおそれている 著名人のコメントの多数で悪夢の連続。というのを目にした。 鑑賞直後思ったのがその通りであり、良くも悪くもそれ以上に評する所が見当たらない作品。 悪夢、思いつく悪い出来事のオムニバス。ストリートも殆どなく結末も観客に投げかけてくるのである種あーだこーだ各々が想像したり妄想したストーリーを作れるのは楽しい所。 悪夢や悪い出来事もここまで続くと、映像作品とはいえ慣れてきて順応してくる。これは人生でも似たような経験はたくさんある。 この辺りを映像を通して体験させてくれるのは流石ではあるが、慣れ=だいぶ冗長に感じてしまったのは少し残念ではあった。 期待していた分残念感は強く二度以上見たいとはならず。 アリアスターの次回作に期待。 個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング 1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8 2 Firebird ファイアバード 4.8 3 コット、はじまりの夏 4.7 4 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5 5 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5 6 アクアマン/失われた王国 4.5 7 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3 8 異人たち 3.7 9 ミツバチと私 3.6 10 僕らの世界が交わるまで3.0 11 カラーパープル 2.9 12 弟は僕のヒーロー 2.8 13 ジャンプ、ダーリン 2.5 14 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3 15 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3 16 哀れなるものたち 2.3 17 ボーはおそれている 2.2 18 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2 19 瞳をとじて 2.2 20 ゴースト・トロピック 2.2 21 葬送のカーネーション 2.2 22 Here ヒア 2.1 23 サウンド・オブ・サイレンス 2.0 24 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8 25 VESPER/ヴェスパー 1.5 26 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
面白かったけど長い
どこが現実でどこが現実じゃないか不明な部分がある。面白映像のオンパレードで悪魔的だ。少年時代のクルーズ船の場面がすごくいい。その時の女の子にそうそう都合よく出会えるか。子どもが3人大人になっていて抱き合うが、でも童貞なんだけどで、ぎょっとなる。
ユダヤ教やその文化に知識があるともっと楽しめるそうだ。しかし極力ネタバレしないで見たいので勉強なんてして見たくない。
2時間半を超えたら強制的にトイレタイムを5分か10分設けるシステムにして欲しい。
町山さんが「子どもを持たないと年をとっても子どものまま」と語っていらしたが、本当にそんな感じの、初老になっても目線が子どものままだ。
映画は非日常を体験するためのもの
笑っていいのわからない、けど笑うしかない ジェットコースターみたいな アリアスター監督の頭の中 もしくは 人の悪夢を体験できるなんて すごい時代だ 夢の中だしちゃんとした考察はできる人に任せて ただボーと一緒に驚いて逃げてまた驚く ホアキンフェニックスを始め キャストが素晴らしい 音と音楽の使い方も最高 特にあの曲をもっかい始めから流すとこは痺れる 3時間だけど回転が早くて退屈させない 映画館から出た時 この世界はマトモだと思える
期待したけど
やはりこの監督の作品は好きじゃない。 4つのシーンにざっくり分けられる。 3つ目(村のシーン)が一番眠かった。 マライアキャリーの音楽の使い方が生々しかった。 誰か全シーンちゃんと説明して。 結局、何が言いたいの?
とにかく長い、長い、長い悪趣味な不条理コメディ
2024.2.16 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年のアメリカ映画(179分、R15+)
怪死した母親の元に戻ろうとする息子を描いた不条理コメディ
監督&脚本はアリ・アスター
原題は『Beau Is Afraid』、タイトルは「ボー」だが、劇中の字幕は「ボウ」となっている
物語の舞台はアメリカのとある治安の悪い町
そこで暮らすボー(ホアキン・フェニックス、幼少期:James Cvetkovski、10代:Armen Nahapetian)は、裕福な母親モナ(パティ・ルポーン、若年期:ゾーイ・リスター=ジョーンズ)と離れて暮らしていた
ボーはセラピーを受けていて、その日はセラピスト(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)から新しい薬を処方されていた
セラピストは「必ず水と一緒に飲むこと」と念を押して処方箋を渡した
父の命日に母の元に帰る予定だったボーは、チケットの手配を済ませて眠りについた
だが、隣人から幾度となく「静かにしろ」と叩き起こされてしまい、それによって寝坊してしまう
慌てて用意をするものの、忘れ物をしかけて、ドアに鍵をかけて荷物をそこに置いたまま、取りに戻ってしまう
そして、玄関に戻ると、鍵も荷物も誰かに盗まれてしまっていた
ボーは取り急いで母に電話をかけると、母は落胆した声で「正しいと思うことをしなさい」と言って電話を切った
どうしたら良いか悩むボーは落ち着きを取り戻すためにセラピストから処方された新薬を飲む
だが、水道が止まっていて、水の備蓄もなく焦り始めてしまう
向かいのショップに水があることを確認したボーは、マンションのドアに物を挟んで戻れるようにしてショップに向かうものの、カードが切れずに戻るのに時間を要してしまう
ボーはなけなしの小銭をかき集めて払おうつするも足りず、募金箱の小銭をぶちまけて部屋へと戻ろうと走った
だが、ホームレスたちはドアが開いていることに気づいて侵入し、ボーは部屋の外に放り出されてしまうのである
物語は約3時間の長尺で、「ボーの自宅周辺」「事故後の医師一家との顛末」「森の劇団」「母の自宅」という感じの4幕構成になっている
自宅周辺にてパニクったボーは車に轢かれ、実業家のグレース(エイミー・ライアン)と医師のロジャー(ネイサン・レイン)に助けられるパートでは、その家の娘トニ(カイリー・ロジャーズ)とその家で匿われている退役軍人のジーヴス(デニス・メノチェット)との絡みが激しい
トニとその友人ペネロペ(Heyley Squires)に母の元に送ってもらうはずが、訳のわからないタバコを吸わされてラリったりするし、森の劇団では訳のわからない妄想を見たりする
全体的にどこまでが現実で、どこからが妄想なのかが曖昧になっていて、新薬を飲んだあと、外で眠った時点など、どのシーンも妄想の入り口のように見えてくる
それぞれのシーンで妄想っぽい演出がなされていて、個人的には「ほぼ全編が妄想」という感じに捉えている
妄想の入り口は「遅刻して母に電話をかけたあと」で、「正しいことをしなさい」という母の言葉が起点のように思えてくる
そこからは、常に悪い想像を絡ませながら、「母と会いたい」という気持ちと、「会いたくない」という気持ちがせめぎ合って、様々な物を見せている、という感じになっているのではないだろうか
いずれにせよ、かなりヘンテコりんな映画で、長さが長さゆえに、誰かにオススメできるような映画ではないと思う
『ミッドサマー』で取り込んだ若年層がトライするかはわからないが、かなりマニア向けのコメディなので、観る人を選ぶ映画なのだと思う
パパモンスターで笑える人なら良いと思うが、かなり悪趣味な3時間なので、脱落者が出ないか心配になってしまう
個人的には嫌いではないが、何度も観たくなる映画でもないので、覚えているシーンだけを反芻して楽しむのが健全なのかなあと思ってしまった
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