キリエのうたのレビュー・感想・評価
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で?
アイナジエンドの歌が沢山聞けるし、役者さんは皆さんとても上手。そこは良かったかな。
ルカちゃんの大変な運命には心を締め付けられるんだけど、
その他の登場人物の行動に、いまいち共感できなくて、途中で冷めてしまった。
津波で亡くなったというお姉さんのキリエさん、津波が迫っていて妹を助けに来ているはずの切羽詰まっているはずの状況で、
なんで恋人と電話で甘えた会話してるん?
そんなんしとったらそら津波に飲まれるやろうし、その状況下で妹だけどうやって助かったん?
婚約者のなっちゃんとやら、「結局何もできなかった」と言いながら、また泣く。泣くとこちゃうやろ?情けない。
刺されたイッコは、結局亡くなったん?どうなったん?
音楽Pも、歌の才能を認めたんなら、住むところの世話ぐらいしたれや。なんで路上生活させとるんよ。
で最後、どうなったん? 電車乗ってどこに行ったんよ?俺の理解力が乏しいだけなんやろうか???
お話からおいていかれてしまった感が、拭えない。。。 ごめんなさい。
癖のある歌手のMV作るの好きね
四半世紀以上前にCHARAがめちゃ好きでスワロウテイルは何回も見に行きました。
スワロウテイルはイェンタウンバンドがめちゃ流行りましたが、さて今回はどうでしょうか。
原作は未読ですのであくまで映画としてだけで言うと、「癖のある歌手のMV作るの好きね」で終わります。
ストーリーはちょいちょい破綻するし警察とか養護施設の職員さんとかが出てくるのは緊張感を出したいだけ?みたいな感じだし。
そこそこ名の知れたYouTuberが主催者でフェスやるのに許可取ってない?なんで?とか。
夜のネットカフェで歌い出すのは迷惑すぎてすぐ止められるだろ、とか。
路上ライブを繰り返してネットカフェにも泊まれないこともあるくらいの困窮度合いのはずなのに金はそこそこ持ってるようにしか思えない感じとか、なんか所々「ん?」ってなる。
スワロウテイルは架空世界の話だったのでまだ良かったんですが今回は福島を絡めるためにそうもいかず、リアリティに綻びがちょいちょい出て結局全体のストーリーがまとまらなくなるというか。
松村北斗と村上虹郎はめちゃカッコいいし、広瀬すずはスクリーンに映るとさすがだなとかは思うけど。
なんかいくつかのストーリーがバラバラで、まとめきれなかったから全部がっちゃんこしてまとめるのを諦めたから3時間になりました、って感じ。
見終わっても「で、なにが言いたかったの?」ってなるので結局3時間の超大作のアイナのMVです、としか…
アイナはBishの中にいたらいいアクセントになると思うけどソロだと正直飽きる。
レイプシーンも未遂で終わってよかった…未遂じゃなきゃ確実にあの場面で外に出てた。
希望見当たらない世界で希望を歌う
流石岩井俊二さんですね。著作のlove letterから日本の小説が好きになった。この映画にも 石巻 大阪 帯広 東京からの4つ繋がるプロットラインはわかりやすくて 様々なカットも岩井俊二らしいと感じられた。
俳優たちのパワーも感じられた。一人二役の広瀬鈴さんはもちろん 特に意外なのはアイナ·ジ·エンドさんだね。キリエの歌を聴くと精神が動かさせられたほど驚いた。同じ感じの歌はこの前よく聴いたaimerの歌だった。音声も似ている。その歌声を聴くと力が強くなれるだろう。
一緒に見た友達はわからないことがある。例えば 残念なことを表すの代わりに海のカットで表した。それ以外に 時長は長過ぎるも惜しい。個人的には適度にスピードが速くて150分ぐらい終わるのは丁度良いと考えている。
岩井俊二って何故だか分かる作品…。
最初,何も思わずで…。
あの主役のこの歌は上手いんだか,下手くそなんだか音程もアバウトだが、何気無いオフコースの“さよなら“とか…
久保田早紀の“異邦人“とか…あの感じでやるとヤケにイカす!
ココは私の勝手な戯言(タワゴト)である事を断っておきます。
過去に漠然とTSUTAYAとかで借りて,イカれた?曲を演っていた変わった名前でも覚えていた七尾旅人が、格好えぇ感じに街中の何気無いストリートミュージシャン扮する役として出ていたし…。
そう言えば米米クラブって最近聞かないなぁ〜(状況を知らないので,ファンの人には御免なさい🙏)おぉっとカールスモーキー石井事石井竜也も、何気無くカラオケで歌っちゃっているし…。
普段は,お姉ちゃんより人気出ちゃっている広瀬すずは、遊び捲(マク)ってるアバズレ風な役って云(イ)うのも良いんでないか?
※後から後から全体を振り返ると、細かい所に私には壺に嵌(ハマ)る箇所をわりと見受けた‼︎なんて処。
音楽と映像と俳優の魅力にどっぷり浸ることができる。至福の三時間。
久しぶりに1日に3本はしごして観た。
まさか3本目が3時間の大作とは思っていなかった。
(予告は何度も観ていたが、お洒落なガールズムービーくらいに思っていた)
3時間どころか、広瀬すずなら10時間だって観ていられる、と思ってたら途中でいなくなった。
それでも、音楽と映像の美しさ、俳優さんたちの好演に魅せられて、終わるまで全く飽きることなく、スクリーンに没頭できた。
あの歌、どうして途中で中断したんだろう。
バックに歌声が流れていた方が劇的だったんじゃないかな?(逸子さんの最後のシーンです)
観ている間は、ルカの物語にどっぷり浸っていた。
見終わった後、何が伝えたかったんだろう、なんて考えたらダメなんだな。
岩井俊二監督作品は女優さんが実に美しく魅力的。
至福の三時間でした。
粗品さんの演技プラン=(R-指定)+(DJ松永)÷2
正直、歌映画って卑怯だと思うんですよね。歌=エモ、感動 の安直なパターンで、ボクシング映画を見るときくらい身構えるしハードルが上がる。
そういう態度で臨んだ今回の映画はどうだったか。とにかくアイナ・ジ・エンドの佇まいと表現力と歌唱力が牽引し、見事にアイドルムービーとして仕上がったという印象。ここまで「リリイ・シュシュのすべて」のような激しいシーンや、下着のシーンが必要だったのかという疑問は残るけど、とにかくアイナ・ジ・エンドを尊く撮りたいというスタッフ陣の気概は伝わってきた。恐らくシャワー上がりのシーンは、とある描写を強く表現するためには水というか風呂場が効果的だと判断したのだろう。それらのシーンだけカット割りが急激に増えて揺らして撮るところで、3時間という長丁場の作品に緩急を与える効果があった。
日本に産まれて良かったことの1つが広瀬すずの最新作を世界最速で見届けられること。今回も素晴らしかったです。ウィッグの似合わなさもどういう人なのか分かると効果が伝わってくる。JKもまだまだ行けるよ!
自由と制約の中で生きづらさを感じる人には特に刺さると思った。とはいえ、ストーリーの流れは諸手を挙げて全肯定というわけにはいかない。最後のフェスシーン、許可を取ってたかのくだりいるかな…広瀬すずを警察に近づけるための機能もアイナ・ジ・エンドが自由から羽ばたけそうで羽ばたけないことを示す機能としても弱いと思う。そしてそのシーンに松村北斗がなぜいないのか…彼は何か救われたのだろうか(救われないから凡作と言ってるわけではなく)。彼の物語があまりにも弱すぎる。
黒木華の役も、なぜそこまで教師の正義感だけでここまでできるのかが描写不足。何よりアイナ・ジ・エンド演じるキリエが、なぜ歌を歌い続けないといけないのか、その動機付けが残念だったかな。
時系列の操作は本作に関しては有効だったと思う。
広瀬すずの役は魅力的だった。女を使った仕事はしたくないと大学進学を決意するも、結局そこからは逃げられない。
とはいえ、ちゃんと演奏シーンは演奏してるし、何よりアイナ・ジ・エンドの歌がカバー曲も含めて素晴らしくて、「すずめの戸締まり」より誠実に取り扱ったと思うとある事象では別れを想起させて涙が止まらなかった。鑑賞後感もよく、周りの人は終演後も泣いていた(僕は終演前のシーンが興ざめで涙は引いていた)
最後に、唐突に出てくる粗品さんの役作りが「R-指定とDJ松永」を足して2で割った感じなのが笑えた。
おっ!いいじゃないか!って思いました!
希は…
小説を読んでから観たので、あの場面入って欲しかったなと思うことがちらほらあったけど、それでも楽しく観られた。
アイナ・ジ・エンドはキリエ(路花)に合っててハマリ役だなぁと思った。歌もこの歌声で胸がグッとなる部分が何回もあって涙が流れた。
だけど、希はいまいちだった。小説の中ではズル賢い強かな女のイメージだったけど、映画はぶりぶりのぶりっ子で喋り方(声が高い)が少しアホの子みたいな感じで、希は違う女優さんでもう少し落ち着いた感じで演じて欲しかったなとそこだけが残念だった。
でも希と路花が似ていて面影を感じてるからこそ、夏彦が最後許しを乞うことになるので同じ人でないといけないが、ここは思い切って違う人を使って欲しかった。
小説読んだ時は夏彦お前馬鹿だなぁと一切同情できなかったけど、映画ではあんなぶりぶりの希になってたからバカな女に人生狂わされた夏彦可哀想だなって映画の夏彦に少し同情してしまった。あんな女に引っかかる夏彦も夏彦だけど。
それでも、それ以上に映画では松村北斗が演じる夏彦の苦しみと悲しさ後悔が伝わってきた。
イッコはもう1人の主人公みたいな感じなので真緒里からイッコになった部分を入れて欲しかったかなと思った。
というか夏彦やイッコは映画で出されなかったストーリーが沢山あるので小説を読んで欲しい。
広瀬ずずの美しい涙や黒木華の関西弁が聞けて満足。
あとは大物俳優やアーティスト達が続々と出てるけど、こんな短い時間なのによく出てくれたな!と思ったくらい豪華だった。
あとは、路花の子役の子がめちゃくちゃ良かった!!
アイナさんは素晴らしい!
アイナ・ジ・エンドさん、映画初出演&主演なのに一人二役を、それも難しい姉と妹役、と作詞・作曲など大変な努力と素晴らしい才能に圧倒されました。アイナさんの歌を聴くだけで価値のある作品です。
子役の矢山花さんも最高に素晴らしいです。歌もアイナさんに負けじと良かったです。潮見夏彦役の松村北斗も繊細で良いお芝居でしたし、イッコを演じた広瀬すずさんは、こんな広瀬すずが見れて良かったです。
終盤に突然、粗品さんが売れてるミュージシャン役で出て、それなりに自然なお芝居をしているのですが、やはり違和感が強い。本職の良い俳優さんが星の数ほどいるのに何で芸人さんとかキャスティングするんでしょうね(特に大手映画会社が多い気がする)ミュージシャンの人が映画に出ても違和感ない場合が多いのはバラエティイメージがないからでしょうか。
歌がよいね
ずるいよな
岩井監督作品を劇場で観るのは初めてです。邦画で3時間近くある作品は久しぶりだな〜って感じです。原作は未読です。
これまた全然合わなかったです。何をどう伝えたかったのかが散漫でしたし、音楽映画としての良さをなぜか掻き消していましたし、絶対無くても良かったよなというシーンがこれまた盛りだくさんで、時系列もハチャメチャで観終わったあとには疲れたという感想しか出てきませんでした。
歌う事以外はあまり喋れないキリエが石巻・大阪・帯広・東京と4つの地域でどう生きてきたのかを路上ライブなどを交えて描くヒューマンドラマです。予告やあらすじの時点では路上からライブハウスなどのステージに立つために躍進するTHE・音楽映画なのかなと思って3時間観ましたが、そう簡単にはいかせてくれないと。
3.11を真っ向から描く作品と、3.11からどうやって復興していくかを描く作品がありますが、たまにそれを悲しみのバックボーンにするだけして、物語に特に活かさない作品があるんですが、今作は例に漏れずそれだったと思います。
パート的には石巻と大阪が3.11に関連のあるシーンになっているんですが、妊娠してしまった姉キリエの出産の有無と夏彦の進学やらを描くなら別に3.11を絡ませる必要性は無いと思いましたし、そこまで多くないとはいえ震災の描写を入れるなら事前に告知するべきだよなとそこんとこの管理の甘さは目につきました。
大阪のパートの先生とる花の交流シーンだけ観ると先生良い人だなという印象なんですが、それ以上もそれ以下も何も無く、ここ別に全カットでも物語上成立するよなと思ってしまいました。黒木華さんの表情や声は本当に優しくて癒されました。
イッコがあれだけ女を売りにする仕事を嫌がっていたのに結婚詐欺を生業にしたきっかけもバックボーンも描かれないので、ただのクズニートじゃんという印象が拭えませんでした。
学生時代はこの人に支えられたからこそというのが強く分かるんですが、大人になって出会ったイッコが何か一歩踏み出すきっかけを与えたかといわれると全然与えてなかったよなってところに着地しました。どうせならイッコとキリエの物語に絞って映画を作ればまだまともになったんじゃないかなと思いました。
ミュージシャンやプロデューサーの役者陣も謎に豪華なんですが、それぞれがフラッと現れては合流してあれよあれよの内に大所帯になってしまったので一体どういうポジションでそれぞれ演じているのかが完全に行方不明でした。人脈で呼べるだけ呼んでわちゃわちゃしたかったんだろうなというのが目に見えてうざったかったです。
最後の路上主義フェスのシーンなんかもうお笑いやってんのかなってくらいにはふざけ散らかしていました。そもそも許可取ってるかどうか分からない、許可証くらい自分で管理しとけよとイラッとしましたし、人集まってるから辞められないとか抜かす主催者をはっ倒したくなりましたし、もう思いっきり爆音で演奏し出しますし、警察の注意喚起と歌が混ざり合ってすごいノイズになっていました。何でこんな訳のわからないフェスをラストシーンにしてしまったのか、これが分からないです。
イッコが刺されるシーンも多分結婚詐欺で騙された人が恨みで刺したんだと思うんですが、何でたまたま路上にスタンバイしていてイッコと気づいたから襲った、というか何でナイフを携帯してるのかとか、武尊さんが4人に分裂した状態でハゲチャビンをとっ捕まえる&イッコを助ける役だけのために出演したのかとかもうツッコミどころしがないシーンでした。花束が飛び散っていくシーンも見せ場なんだとは思うんですが、もうつまらないコメディを見せられているようにしか思えませんでした。
とても個人的な意見になってしまうのですが、アイナ・ジ・エンドの歌はBiSHの中での変化としては最高だったんですが、ソロともなると個性的で声もすげぇ出てるなとは思うんですが、映画としての役や立ち回りにこの声は合わないなと思いました。
お世辞にも上手というよりかは個性的が際立ってしまい、叫び声がメインな時は耳を塞いでしまいましたし、る花が子供時代はとても伸びやかな歌声で歌っていたのに、大人になったらこんな個性を突き詰めてしまったんだろうと、一人二役の障害がガッツリ出ていたなと思いました。
アーティストが映画やドラマに出演する際に下着になるシーンが映った時なんかはかなりゲンナリします。原作にあったならしょうがないんですが、性行為のシーンがあるなと思った瞬間に息が詰まってしまいました。ゲス極のほな・いこかさんも作中でヌードになった時ショックだったので、ステージ上の彼女たちが強く残ってるからこそ、こういう役をやられるのはあまり嬉しくないなと思いました。こればっかりは岩井監督の性癖爆発だろうなって感じでした。ただ3.11の時に果たしてそれは必要だったのかというところを問いただしたいです。
歌唱シーンが多いのはまぁ音楽映画だもんなって事で片付けられるんですが、いかんせんカバーが多すぎるのは問題大有りだなと思いました。カバーを何回も聞かされても感動する事はありませんし、前半なんてそればっかなので飽き飽きしていましたが、いざオリジナルが始まったと思ったら同じ曲ばっかやるのでこれまた飽きます。もう少し変化を加えてくれたら良かったのにと何度も思ってしまいました。
あと粗品ことサザンカが言い出した外でのリハはどこか小さなハコを借りてやるのかと思ったら屋外であの大人数でやるなんて迷惑じゃない?と疑問に思ってしまい、きっとあれも許可取ってないでしょうし綺麗事のように描かれていましたがかなりモヤモヤしました。
強いて良かったところを挙げるとすると映像や撮り方がとても好みだったのと、子役の子の伸び伸びとした歌声とエンドロールの淡い感じは良かったです。それ以外はどこか引っかかるものが満載でした。
3時間かけて一体何を語りたかったのか、それともハナからアイナ・ジ・エンドの長長長編MVを撮りたかったのか、映画としてはまとまりのないものになっていてかなり辛かったです。監督の変態っぷりもしっかり滲み出ていて、それもあって次回作があっても観るかどうかはかなり躊躇ってしまいます。モヤモヤしたまま劇場を出たのでまだムズムズしています。ムズムズ。
鑑賞日 10/13
鑑賞時間 16:30〜19:40
座席 A-1
観る人を選ぶのはマストではありますが、11月の肌寒さのような岩井俊二文学を堪能出来る作品です。
劇場での予告編を観た時から気になっていた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…個人的には好きな作品。一連の岩井俊二作品が好きな人なら多分好きなのではないかと思いますが、正直好き嫌いは分かれそう。
アイナ・ジ・エンドさん演じるキリエに尽きる作品で映画初出演とは思えないぐらいの存在感。
キリエの純粋過ぎる透明さがキリキリと突き刺さる。
キリエが純粋過ぎて、周りの大人がなんか胡散臭くて、淀んで見えるくらいw
そんなキリエに周囲が食い物にしようと寄って集ってくるのではないかとハラハラしましたが、とりあえずセーフ! 松浦祐也さん演じる波田目に汚されなくて、ホント良かったと思う。でも、波田目もよくとどまったもんだと後から感心してしまうw
「スワロウテイル」のCharaさん演じるグリコもそうでしたが、岩井俊二監督は核となる女性の描き方が独特かつ存在感抜群に描くので物凄く印象に残るんですよね。
アイナ・ジ・エンドさんは在籍したBiSH時代には名前を知っている程度でしたが、役者さんとしても良い役者かと。ハスキーボイスも個性的で好きな役者に小松菜奈さんは森七菜を挙げているのもなんか分かります。
ただ、ちょっとセクシーショットが多い感じがしなくもないのは…サービスですかねw
他の役者さんも個性的かつ良い役者陣で結構贅沢な使い方。
黒木華さんの存在感は安定感かつ一服の清涼剤的な感じだし、イッコ演じる広瀬すずさんの派手なウイッグも結構似合っていて上品なコギャル感が素敵ですw
石井竜也さんの「北の国から」や「夜明けのスキャット」なんてなかなか聴けませんが、ただ、ロバート・キャンベルさんのあの起用は…ちょっと謎ですw
いろんな曲が歌われていて、主題歌の「キリエ・憐れみの讃歌」や劇中で歌われる「異邦人」や「さよなら」も良いんですが、個人的にはデュエットで歌った「マリーゴールド」が好きですね♪
ただ、ラストには1本に繋がるストーリーも場所と時間軸が行ったり来たりし過ぎていて、事前に多少の予備知識が無いと正直ややこしいと言うか、こんがらがる。
アイナ・ジ・エンドさんが姉のキリエと妹の路花(キリエ)の一人二役を演じるのもラストではその味と言うか、意味と意図を理解出来るんですが、ちょっと岩井俊二節が効き過ぎているし、178分と言う長尺の上映時間も観る前からは結構ハードルを上げている。
原作の小説を読むとその辺りのことが分かるかと思いますが、映画は原作未読でも成立してないとダメと考える主義なのと、未読であってもこれだけの時間を使って理解が追い付き難いのはちょっとどうかと。
結局岩井俊二文学が好きな人か、もしくはアイナ・ジ・エンドさんが好きな人なら付いていけるけど、この辺りが岩井俊二作品らしいと言えばらしい。
個人的に感じた難点はラストの音楽フェスが開催される辺りから、世界観に少し澱みと言うか、キナ臭い感じがしましたが、フェス開催の使用許可証を取得してないのには正直お粗末過ぎる。
行政や警察の融通の無さを描こうとして、純粋に歌の魅力を伝えたかったにしても、あそこまでのステージセットを組み、キッチンカーまでも手配して、使用許可証を実は取得してませんでしたって、共感は出来ないし、路上至上主義を大きく掲げても素人感丸出しで一気に冷めてしまう。
また、イッコの暴漢に襲われるのもなんか蛇足感を感じる。実家のスナックを継ぎたくない理由に「女を売り物にしたくない」は10代の女の子なら、十分過ぎる理由になるし、援助をしてくれる予定だった母親の再婚相手の援助打ち切りで大学進学がどうにもならなくなったのも分かるけど、それならその辺りをもう少し丁寧にとは言わないけど、ある程度描いていなければ、イッコが単にワガママで都会を満喫しているようにしか見えない…まあ、満喫はしてたと思えますがw
限りなくシンプルに描こうとしていても、何か足したくなり、何かしら混ぜようとするのがなんか岩井俊二監督らしいと言えばそうなんですがw
ですが、久々に岩井俊二節を味わえたし、アイナ・ジ・エンドさんの魅力を十二分に感じられたのは個人的にはかなりの収穫。
観る人を選ぶ作品ではありますが、11月の肌寒さを感じながらも上着と人の暖かさを感じる嬉しさを感じられるような岩井俊二文学を堪能出来る作品です。
再び岩井俊二の女の子達が息衝き動き始める
個人評価:4.7
まるで主役の子に当て書きしたかの様な物語。震災への鎮魂歌を下地に、少女の成長と復活を岩井俊二らしい演出で切り取っている。
この年頃でしか出せない儚い美しさ。その一瞬の宝石の様な瞬間を切り取った岩井俊二は流石だと思ったが、主役の子が28歳だとわかり、このアイナ・ジ・エンドという存在を、若く美しいまま映画の中に閉じ込めた事の意義に感嘆する。
路上ライブの音響が凄まじく、まるで目の前で歌ってる様な臨場感がある。おそらく特別な録音をしたのだろう。
鑑賞後に現実世界のアイナ・ジ・エンドのLive映像を見ると、まるで音楽で成功したその後のキリエの姿に見え、映画の物語の世界線が今も続いている錯覚を覚える。それも監督の狙いだろうか。
前作ラストレターで岩井俊二に囚われていた、私の30年の岩井狂を卒業させてくれたと思ったが、あのラストの雪の中の2人の少女の演出。まだまだあの胸の奥をツンと突き上げる甘酸っぱいこの想い。これからも引きずる事になりそうです。
ありがとう。
天下一品(アイナジエンド)こってりスープ3時間注がれっぱなし
徐々に明かされるストーリーが絶妙
歌うことでしか声を出せない路上ミュージシャン「キリエ」の13年間に渡る出逢いと別れを描いた物語。ストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく4人の関係性。現在から過去に遡って少しずつ紐解いていくストーリーが絶妙で素晴らしい。
キャスト陣は目移りするような実力派が揃っていますが、その中でも主演アイナ・ジ・エンドは映画初主演とは思えない堂々たる演技で彼女の魅力に引き込まれました。広瀬すずもさすがの存在感で2人の相性も抜群に良かった。
点と点が線になる瞬間、キリエの圧巻の歌声が心に響いて胸が熱くなりました。178分の長尺ですが時間の長さを感じさせない魅力的な作品です。
2023-160
【”キリエが歌は歌えるが声が出なくなった訳。”複数男女の2011年から2023年までの関係性の変遷を、忌まわしき天災を背景に描き出した音楽作品。岩井俊二監督の脚本が冴え渡る作品でもある。】
ー 2011年当時の大阪で発見された小学生の女の子イワンと、キリエ(アイナ・ジ・エンド)の関係(姉妹)や2023年になってからのキリエとイッコ(広瀬すず)の関係や、
夏彦(松村北斗)と高校生時代のまおり(その後はイッコ)との家庭教師と教え子であった関係。
脚本が上手い為、何の苦も無く頭の中に相関関係が自然に出来て、面白く鑑賞。-
◆感想
・冒頭、二人の女の子が雪の中、大の字になって大地に仰向けで寝ている。
そして、最後半、それが夏彦が家庭教師をしていたまおりと、夏彦に頼まれて友達になった彼の妹、ルカである事が分かる。
そして、まおりはその時にルカが歌ったオフコースの”さよなら”を聞いた時から彼女のファンになった事が後半に、分かるのである。
・路上ミュージシャンのキリエの前に座り”一曲歌って。”とお願いしたイッコは直ぐに”気が付いた”のだと思った。で、”マネージャーになるよ。”
■今作は、音楽を小林武史が担当した故に、アイナ・ジ・エンドの曲も含めて素晴らしい。
特にメインテーマの「キリエ・憐れみの賛歌」は、アイナ・ジ・エンドのハスキーな声で伸び上げるように歌い上げる冒頭のサビメロからの流れは名曲である。
・大震災後、夏彦がお腹に自身の子がいるフィアンセの身を案じる姿や、その後も彼女が見つからない事に長い間、心痛める姿。
だが、その後、彼に訪れた僥倖なる事。
・震災後の石巻からたった一人、大阪にやって来た小学生の女の子イワンを気遣う小学生の先生(黒木華)の善性溢れる姿も良い。
<今作は、音楽映画としても良いし、震災で傷ついた人達の再生の物語であり、年代を跨いだ”4人”の男女の物語でもあるのである。>
■その他
・客電が上がった後に、周囲の観客から”長かった!”と複数の声が上がったが、私は長いとは思わなかった。
だが、正直に書くと昨晩あるレビュアーさんに”178Mもあるよ!大丈夫か俺の膀胱‼”と泣きを入れていたのは事実である・・。
いまいち入り込めず
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