落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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人物に寄った丁寧な展開
臨場感が印象的
そこに自分も存在するような
音、息づかい
夫婦のささくれだった小さな痛みの重なりは
どこも同じなのだと
変な安堵感を感じた
見事なセリフの熱量
久しぶりに
ほんとに半世紀ぶりに
映画を楽しみたいと選んだ作品
正解だった
また、映画館に通い始めよう
ん?
ユーチューブの
他人を見る目を一番持っているのは…
サスペンスではなく法廷劇
シュレディンガーの猫を外から楽しむ映画
やはりダメでした
観た感触はTARに近い。(いわゆる一般的な性の役割が反転している感...
犬の演技指導が気になる
信じたいものが真実になるという豊かさと恐ろしさを感じる一本。
倦怠カップル・倦怠夫婦のひりひりする会話や喧嘩が大好きな僕としては、中盤の夫婦同士の言い合いが素晴らしかった。とはいえ、あれも音声としての証拠なだけであって、視覚的にはイメージするしかない。明らかに殴った音はするけど、誰が誰をかは断定できない。裁判なのに、事実ベースで語られないからこそ、その都度感情移入する相手が変わる。
予告編が若干ミスリードっぽいけど、もうどんでん返しとかミステリーとしてどうかではないんだよっていう着地点。両親の本音を聴いてしまった事故により盲目になってしまった子どもが最後にした証言と、母親を慰める側に回るラストにグッと来た。でも最後に寄り添うのは父親でもなく子どもでもなく犬で、その犬ももしかしたら加害の一端を担っていたのかもしれないと思うと… いい投げ方だと思う。
犬の演技がすごすぎる。
楽しんだとはいえ、上映時間長いな〜とは思った。
ある家庭での不審死、法廷劇。 単純な犯人探しではなく、いろんな当事...
「待って。私は殺してはいない」「重要なのはそこじゃない」
見終わってモヤモヤしてる。こういう、ヨーロッパ人の理屈の捏ね方が苦手なせいもある。英語、独語、仏語。それを日本語の字幕に直して読む。読解力のなさと言われれば返す言葉もないが、言葉を深読みするせいか、その真意を身の腑に落とす前に話が先にいってしまう。思い入れしすぎるのかな。皆さん、よくついていけると思う。そしておそらく肝心な辺りで何度か落ちたzzz。すると息子の激白シーンだ。彼の主張を聞きながら、なんて聡明な子なのだろう、、とは思えなかった。日が経っているのによくもそこまで鮮明に覚えているものだ、としか思えなかった。これも君の幻想だからスラスラ口からでてくるんだろうと勘ぐるしかなかった。
だから、ラストの結末を見ても、さらにその爽やかな笑顔を見ればなおさら、モヤモヤとした感情しか残らなかった。
極めてデキのよい法廷劇だが
カンヌでパルムドール、オスカーで脚本賞――と高い評価を得た作品。
確かによくできた映画で、演者の熱量も高い。
見て損はないと思う。
しかし、法廷劇というのが、元々好みではない。そして2時間半は長い。
頻尿の僕には辛い――というか一度トイレに立った――。
見てスッキリする作品ではないし、夫婦関係、親子関係について、そして夫は殺されたのかどうか…という謎解きについても、映画は暗示するだけで、「真相」は明かさない。
見ていて、気持ちが晴れることもなく、共感もあまりできなかった。
加えて、ここまでの尺の長さは必要だろうか、と感じた。
本当は☆4つと言いたいが、好きなジャンルでなく、長いという点で☆2.5という評価にしておく。
オスカーを取っており、封切りから1カ月たち上映館も少なくなっていることもあってか、昼間のシャンテは結構の客入り(半分弱)だった。
夫婦とは難しいもの
久々のフランス映画。とはいえ、ドイツ人の主人公がロンドンで知り合ったフランス人男性と結婚し、彼の出身地に戻って暮らすという設定から、主人公がもっぱら話すのは英語。そのため、周りのフランス人たちとのコミュニケーションが難しいというのが、この作品の主題に絡まっていて面白い。
タイトルになっている「落下」は、開巻すぐにあっけなく起こる。そこから捜査に続く裁判の中で、外部からは見えない夫婦の秘密が徐々に明らかにされていくというのが、この作品の見どころ。鍵を握るのは、視覚障害の一人息子ダニエル。このところ年のせいか、子供の健気な姿を観ると、ぐっときてしまう。
作中のセリフにあるが、何が真実なのかということより、何を信じ切れるかが大事ということ。裁判の決め手になるダニエルの証言も、そういうことなのだろう。
主人公役のサンドラ・ヒュラーの演技に、凄みと奥深さがある。ダニエルの繊細さも印象に残る。対して、夫の存在感は薄い。犬のスヌープは演技とは思えない。
夫婦とはいかに難しいものかと実感させる本作の脚本を、映画監督の夫妻が共同で書いたというのも、あらためて考えると凄い。
ただ、ちょっと長かった。邦題も、一ひねりほしかったところ。
棄てるものがあるうちはいい
今どきの夫婦関係にくさびを打ち込むようなストーリー
観ていて決して心地良いものではなかったけれど、当節こんなものよなーという感想
夫婦関係に子供の事故後遺症という不運にみまわれ程度なら、どこにでもあるような話ではあるが、ここで一番問題なのは夫が自己肯定感を苛まれるという設定
ここで日本映画なら妻が夫を優しく励ましてというようなあらすじが想定されるが、MeTooやジェンダー時代のBという設定の彼女は、夫を飛び越えはるか遠くに飛び、作家である自分が大事だからという考えであったものだから、まずうまく生活は成り立つはずもなく。夫をいい意味で棄て去っていく女性
子はかすがいと言うけれど、男女(あるいは女女でも、男男でもいいけれど)自立した一方にもたれてしまう一方はたまったものではないだろう
だからあえて子に第三者性の役目を持たせて...
とんでもない脚本(アカデミー脚本賞)だと思った まぁとりあえず棄てるものがあるうちはいいという結末もお見事
観客それぞれが勝手なストーリーをあてがえる変幻自在の法廷ミステリーすなわち『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
フランスの山間にある山荘に暮らす夫婦と一人息子と犬一匹。ある日犬と散歩していた息子が帰宅するとそこには父親の死体が。事故死か自殺かはたまた他殺か・・・からの法廷ミステリー。
結論、超オモロイ!152分と結構長尺ですがそれを感じさせない濃厚なドラマが凄い。しかし起伏に富んだストーリー展開というわけではなくて意味深なカットやセリフ、どうとでも解釈出来る発言や表情が次から次に観客に投げつけられる中で観客が真実は一体どこにあるんだとおのずと考えさせられるようになっているし、しかもその答えが実はどこにも用意されていないのに各人が深く納得してしまう。こんな話、そりゃあオスカーの脚本賞獲るわ。
もう主演のザンドラ・ヒューラー他芸達者な人しか出て来ないんですが、その中で一番の演技派が犬のスヌープ。壮絶な演技力に皆さんビックリすると思います。何気にこの名前が物語の核です。
と書いたところでピンとこないでしょうから言い換えるとこんな映画。
『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
ということでちなみに私は事故死派です。
リアルは悲しい
今年は唸らせられる映画多いな、という中、一番考えさせる、そして一番時間を忘れて集中した作品だった。フィクションや妄想入っていた哀れなるものたちやボー、に比べて本当にリアルな家族像だったからか。イライラする展開はあれど、見入ってしまった。
夫婦喧嘩のくだり、私にはただひたすら夫の言ってることがめちゃくちゃで、病んでいる証明にしかならないと思ったんだけど、これは見る立場によってちがうんだろうか。
祖国を捨てさせ自分の故郷の山奥に連れてきた妻に対して、言葉も英語で時間も家事も夜の営みも全部君に合わせている、自分に自由がない、ってなんだそりゃ。酷い言いがかりも甚だしい。まあそれも煽りで小説のネタ?と思えば理解はできるけど。。でもこれが男女逆転してたら、ありがちなただの主婦のヒステリーって言われちゃうやつよね。
見ながら、本当に何かやった可能性もなくはないなと思いつつも、どうしても妻側に肩入れしてしまうのは自分が女だからなのか。検事や夫の主治医のセリフとか、本当に腹立たしいけど、まあ検事は暴くのが仕事だからあんなものか。実際に裁判傍聴しても嫌な気分になるのかな。
息子の覚悟が痛々しくて泣ける。
ダニエルくんが練習してるピアノ曲も、不安と焦りと哀しさを冗長させてとても印象に残った。
アルベニスのスペイン組曲、伝説(Asturias)
ショパンのプレリュード 四番e minor
どちらも昔触りだけ練習したことがある曲だけど、最早悲しい気分でしか聴けない😭
作家夫婦の物語り
落下→夫婦→家族with犬の解剖学へ
アカデミー賞脚本賞受賞も納得の出来!
実に巧妙に描かれている事件を掘り下げていく(解剖していく)と
夫婦→家族with犬の複雑に絡んだ問題に行きつき
何が事実で真実なのか!?がよくわからなくなるんですね。
どうとでも取れてしまう事件の真相。
パンフレット記載の監督談話によると、
「回想シーンは使わないと決めていた」とのこと。
後半で息子ダニエルが回想しているのは一体何なのか!?
そう、ダニエルの心象風景であり事実とは異なるということなのだと。
鑑賞後に、この事件の真相はあれこれ自分で考えている時間が豊潤に感じられ
これぞ映画の楽しみだと思いました。
それにしても主演のザンドラ・ヒュラーの演技が凄すぎる!
特に旦那との会話シーンは表情含め必見です。
それから、犬の演技もすごいです。もう驚きましたね。
上映時間が2時間半くらいですが、全く長いとは感じませんでした。
最後まで一気に鑑賞できてしまう、やはり脚本が秀逸ということなのだろうと
実感しました。
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