落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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ザンドラ・ヒュラー素晴らしい
ヒュラーは「ありがとう、トニ・エルドマン」で知り、その後「希望の灯り」「恋人はアンドロイド」といい俳優だなと思っていた。だからこの映画で彼女がまさに適役の主役を堂々と演じたことが嬉しい。彼女も映画も監督も高く評価されたことが本当に嬉しい。
パートナーなり人生の伴侶との暮らしの中で日々互いに使う言語は、二人の共通母語=同一の母語か、各自が一番使いこなせる同一の外国語 (この映画では英語だった)がいいと私は思う。自分の母語を相手に押しつけるのは嫌だし、相手の母語を自信なく不安げに使うのも嫌だ。愛する、喧嘩する、馬鹿話をして笑う、相談するなどなど、とにかく言語が二人の間で機能しなければ嫌だ。外国語で話さなければならない裁判に出廷するなんてどんなに大変だろう。それでもすぐに同時通訳にスイッチできる仕組み(用意)がフランスにあることをこの映画で知った。日本の裁判所はどうなんだろう。
最後の最後まで、エンドロールが完全に終了して明かりがつくまでこの映画はどう終わるのかわからずドキドキが止まらなかった。知的で挑戦的、とてもいい映画だった。監督の視線や頭の中、今まで彼女が生きてきた中で何を言われ聞き考えてきたのかとてもよくわかる気がした。
おまけ
夫婦喧嘩のやりとりを相手の承諾得ずに録音するのは最低ではないでしょうか?と思う一方で、人々とのやりとりからヒントを得て小説書くのかなあ~、いやらしいなあ~、なんてことも思いました
大人のサスペンス
ほんのり『シャイニング』風味
雪深く人里離れた場所で何やら血腥い事件が起こる。夫婦の不和、創作スランプ、訳あり気味の重めボブカットの少年(息子)…私はずっとスタンリー・キューブリックの『シャイニング』の既視感を感じていた。全然違う作品ではあるけど…。息子の名前、ダニエルとダニーだし。これ偶然じゃないよね?
観る前の期待値が高すぎたせいか、私的にはイマイチだった。端的に言えば好みじゃない。そもそもこういう全体的に薄暗くて見ていてモヤモヤするタイプのフランス映画が好きではない。(好きなフランス映画も勿論あるけど)
ミステリーとして見ればツッコミどころは多々あるし出てくるキャラクターに共感は出来ない。唯一の癒やしはワンちゃん(演技がすごい)だけど…ワンちゃんに対してあの仕打ちもなぁ〜…
既婚者にとってはあるある、みたいな場面もあって、うん、リアルだよなぁ…会話劇としては秀逸なんだけどなぁ…なんだろ…
単純に長いんだよな。面白くないわけではないけど。とにかく長い。せめてもう30分短くしてほしかった。この長さにする理由はあったのだろうけど。
あと弁護士役の人、美形で無駄に色気があったけど、色気出すシーンはいらなかったなぁーーー。そのへんもリアルなのかなぁ…
同じフレンチアルプスを舞台にした夫婦のドロドロを楽しむ『フレンチアルプスで起きたこと』という映画が私は大好きなのだけど、この『落下の解剖学』の監督さんもお好きだそう。少し意識したのだろうか。
前者はブラックコメディ寄りで笑えたし好きだった。
あまりに内容が現実的で私にとっては直視するのが辛い問題でもあったので、ユーモアが一切ないモヤモヤしか残らないのが嫌だったのかも。
現実もモヤモヤを抱えて生きていくしかないもんね。あー嫌だ!
それは勝利ではなく。
事実とは…1つじゃないのかも
とても地味な映画です。法廷サスペンス!という捉え方がいいのかも🤔
流行作家のサンドラは教師の夫と目の不自由な11歳の息子と暮らしています。ある日、息子が愛犬との散歩から帰って来ると、家の前で、血を流して息絶えている父親を発見します。
転落死?警察は他殺の可能性を見出だします。容疑者は妻のサンドラ。
捜査で色々な事実が見つかります。裁判でも新たな証言が現れます。鍵を握っているのは目の不自由な息子。母親が裁判で追い詰められる姿から目を逸らさず、涙をこらえながら傍聴を続ける息子。そして証言台へ。
1つの証拠も検察側と弁護側では全く逆の解釈になる。そして、それぞれの解釈に科学的根拠がある。「推定」に対抗するための「推定」。「推論」を真っ向から否定するために作られた「推論」。お互いが近づこうとしているのは「事実と思われること」に過ぎない。本当の事実とは?
それでも判決は出る。判決は本当に事実を反映しているのか?全てが疑わしいままである。誰も納得はしていない…しかし…裁定は下され、日常に戻る。
やるせない気持ちになる、そして脳みそが疲れる映画でした😅でも…カンヌでパルムドールを取るだけのものはありますぞ。是非観てください😊
人物に寄った丁寧な展開
ん?
ユーチューブの
他人を見る目を一番持っているのは…
サスペンスではなく法廷劇
シュレディンガーの猫を外から楽しむ映画
やはりダメでした
観た感触はTARに近い。(いわゆる一般的な性の役割が反転している感...
犬の演技指導が気になる
信じたいものが真実になるという豊かさと恐ろしさを感じる一本。
倦怠カップル・倦怠夫婦のひりひりする会話や喧嘩が大好きな僕としては、中盤の夫婦同士の言い合いが素晴らしかった。とはいえ、あれも音声としての証拠なだけであって、視覚的にはイメージするしかない。明らかに殴った音はするけど、誰が誰をかは断定できない。裁判なのに、事実ベースで語られないからこそ、その都度感情移入する相手が変わる。
予告編が若干ミスリードっぽいけど、もうどんでん返しとかミステリーとしてどうかではないんだよっていう着地点。両親の本音を聴いてしまった事故により盲目になってしまった子どもが最後にした証言と、母親を慰める側に回るラストにグッと来た。でも最後に寄り添うのは父親でもなく子どもでもなく犬で、その犬ももしかしたら加害の一端を担っていたのかもしれないと思うと… いい投げ方だと思う。
犬の演技がすごすぎる。
楽しんだとはいえ、上映時間長いな〜とは思った。
ある家庭での不審死、法廷劇。 単純な犯人探しではなく、いろんな当事...
「待って。私は殺してはいない」「重要なのはそこじゃない」
見終わってモヤモヤしてる。こういう、ヨーロッパ人の理屈の捏ね方が苦手なせいもある。英語、独語、仏語。それを日本語の字幕に直して読む。読解力のなさと言われれば返す言葉もないが、言葉を深読みするせいか、その真意を身の腑に落とす前に話が先にいってしまう。思い入れしすぎるのかな。皆さん、よくついていけると思う。そしておそらく肝心な辺りで何度か落ちたzzz。すると息子の激白シーンだ。彼の主張を聞きながら、なんて聡明な子なのだろう、、とは思えなかった。日が経っているのによくもそこまで鮮明に覚えているものだ、としか思えなかった。これも君の幻想だからスラスラ口からでてくるんだろうと勘ぐるしかなかった。
だから、ラストの結末を見ても、さらにその爽やかな笑顔を見ればなおさら、モヤモヤとした感情しか残らなかった。
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