落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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裁判の後には何が残るのか
心が躍るような面白さはないけど、真相はどうなるんだろうとついつい観てしまう映画。
たんたんと裁判が進められていく中で、サンドラの見方がころころ変わる。
悪者っぽく見えたり、世間に疑われてかわいそうに思えたり。
本当、人間の思い込みって怖いよね。
夫婦喧嘩の音声データはなんか妙にリアルで怖かった。
さすがに旦那がしつこすぎる気がしたけど、その背景までは結局想像でしかない。
どっちが悪いかなんて他人にはどうこう言えないし。
けど、それを白黒はっきりさせるのが裁判。
裁判が終わった後のサンドラの一言が深すぎた。
裁判なんてしたことないけど、なるほどなと妙に納得してしまった。
判決が出た後にサンドラがどうなったのかは是非映画を観てほしい。
勉強になると思う。
鑑賞者の基礎体力を必要とする良い映画
こちらが咀嚼しにいかないと解せない良作。
いろんな角度で見る物事
自分が あてにならない
見ため、服装、言葉選び、話しかた、ふるまいはもちろんのこと うわさ、過失、性別、経済状況、後から知らされた新事実 などなど
あらゆる外部環境によって 人は最初に抱いた相手への印象を いとも簡単に変えてしまう
主人公の女性が 当初悪人にはみえなかったのに 話が進むにつれ決して悪い人ではなさそうなものの どうもそんな良い人でもなさそうな気がしてきました 気がつきましたか。
そこに実の子どもからの評価が入ればなおさらでしょう
息子はどちらかに確信をもてないとき 腹をくくった
確信をもつフリをせず そして決めた
観る者は それにまたも影響されたことに気づかされずにいるのだ
これは実験作であり意欲作なのかなと思いました
どこか不気味な人たち
夫婦喧嘩と犬
犬の名はスヌープ。『ピーナッツ』のスヌーピーのようにモノトーン。冒頭、なぜか体を洗ってから散歩に行く...時系列を変えているのかな。終盤の白目からの復活はCGではないらしく、その演技が絶賛されている。
三か国語を話せるサンドラに扮するのはサンドラ。名前が同じ。
アマプラにて日本語字幕を出して日本語吹き替え版で観た〈英語の時はこのカッコが付く〉。
弁護士との仲は怪しいとも怪しくないとも言える。
両親とも作家なら才能は有りそうだが、残念ながら視力が弱い息子ダニエル。なぜスヌープでアスピリンを試したのか、なぜその後「僕を助けて」と言ったのか、自分も殺されるかもしれないという意味なのか、それとも自分が知らずに父を殺していたことがわかったのか、母が父を殺したことがハッキリしたからなのか、母が無罪とハッキリしたのか、或いは何も信じられなくなったから助けてという意味なのか。いずれにしても、母親を無罪にするためにクライマックスで父親のセリフを完全に作り上げた描写がある。
見れば見るほど謎は深まるばかり。
録音された夫婦喧嘩、暴力シーンの映像はない。当事者の証言を信じるしかない。
裁判後の何かが起こりそうな雰囲気、遅く帰ったサンドラの行動の詳細は不明...弁護士と何かあったかどうか。それは視聴者の想像に委ねられている。
ラスト、ダニエルがスヌープではなくサンドラの頭を撫でた理由と、スヌープがサンドラの隣に来た意味もハッキリわからない。
序盤からイライラさせたりモヤモヤさせ、計算していて意図的で、印象操作を感じる作品。
夫婦喧嘩と犬が印象に残るエンターテインメント。
家族の解剖
生理的に好きになれない登場人物とストーリー
話題性が高かったため、気になり見てみました。
何か・・・冒頭のシーンからちょっと「嫌だなぁ・・・・」
二人の会話の内容が、意味がわからないなりにもキザっぽくて嫌悪感。それに輪を掛けて大音量が流れてくるけれど、その利用されている音楽のメロディーも嫌だし、客人が来ているのに大音量を流す行為を行う夫の性格も・・・・・・
そこから物語が進んでいくうちに、主人公の「サンドラ」がとても嫌なキャラクターだな・・・・・何か、とても図々しい人という印象を受けました。
それに輪を掛けて息子が可愛そうだな・・・・・と。
ストーリーも自分の好みではない、鬱々とした展開で前日の夫婦の言い争いの録音テープのシーンで、耐えられず視聴を止めました。(そこからネットで物語の概要を知り、あぁ、見なくて正解だったと思っています)
サンドラが嫌なキャラクターだと印象付いてしまったのですが、それだけ役者さんの演技が素晴しかったのだと思います。
個人的な好みです。自己主張する人間同士の憎しみ会いは無理して見る必要性がない。不愉快。
夫婦の仲
人間だけでなく、犬に注目
【鑑賞のきっかけ】
本作品は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞していることもあり、劇場鑑賞を予定していたが、機会を逃してしまいました。
このたび、動画配信が始まったので、早速、鑑賞してみました。
【率直な感想】
<「ミステリ」ではなく、「人間ドラマ」>
本作品は、フランスの雪の積もった山奥の山荘に、夫と妻(サンドラ)とひとり息子(ダニエル)という三人家族が暮らしているという設定です。
ある日、11歳のダニエルが飼い犬と散歩に出かけ、戻ってきてみると、父が山荘から転落して倒れていて、既に絶命していました。
やがて、警察の捜査の結果、妻のサンドラは殺人容疑で刑事訴追を受け、裁判が開かれることに。
…と、記載してくると、シチュエーションは、完全に「ミステリ」、しかも、ジャンル的には、「法廷サスペンス」なのですが、本作品は、そうではありません。
宣伝用のポスターには、「これは、事故か、自殺か、殺人か」とあるけれど、どれが真相かを追求する作品ではありません。
本作品で描こうとしているのは、「人間ドラマ」です。
夫婦の人間関係はいかなるものであったのか、視覚障害のある少年ダニエルに対して、父と母はどのように接していたのか。
これらが、2時間半という長尺の物語の中で、じっくりと描かれていきます。
<2番目の注目点があります>
多くの映画作品において、冒頭のシーンが後の展開を考えた時、非常に重要だったりします。
本作品は、それに該当します。
本編が開始した時、カメラは階段を下から、映しています。
この階段から、ポンポンとボールが「落下」してきます。
階段の下まで落ちてきたボールを、駆け下りてきた「犬」が咥えて、再び、階段を上っていきます。
つまり、本作品で最初に登場するのは、「人間」ではなく、「犬」です。
「人間ドラマ」重視なのに、「犬」が最初に登場。
本作品は、カンヌ国際映画祭において、パルム・ドール賞のほかに、「パルム・ドッグ賞」を受賞しています。
私も、今回初めて知ったのですが、優れた演技をした「犬」に対して与えられる賞だそうです。
そうした視点で捉えてみると、この「犬」が物語の中で、重要な役割を果たしていることがよく分かります。
【全体評価】
人間の演技に注目するとともに、「犬」の演技にも大注目という本作品は、強く胸に刻まれる、期待を裏切られることのない秀作であると感じています。
優れた脚本と今な画作りの傑作
タイトルが秀逸
誰しも
事件か事故か それだけではおさまらない
他殺か、自殺か、事故死か
山荘で父親の死体を息子が見つける。
山荘にいたのは父親と母親だけだったため、母親に殺人の嫌疑がかかる。
そして裁判となり、家族の秘められた過去が、次から次へと晒されることになる。
証拠のない事件で、観ている方もわからないが、家族それぞれの人生が裁判という形で、みんなの前に繰り広げられる残酷さは強烈だ。
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