落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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出演者の演技力は素晴らしいものがある。 ただ、最後があっけなくて、...
出演者の演技力は素晴らしいものがある。
ただ、最後があっけなくて、今一つ盛り上がらなかったような。
長めのセリフが多めの会話劇でスクリーンに引き込まれる映画。 本年度ベスト!
本作の邦題が秀逸!
自分は転落死した死体を解剖して事故の真実を究明して行く作品と思って鑑賞したけど全く違った(笑)
だけどタイトルに偽りは無かった!
この邦題を考えた方に座布団10枚差し上げたい(笑)
転落死した旦那の容疑者として妻のサンドラが法廷で戦う感じのストーリー。
視覚障がいの息子と愛犬、弁護人などが加わり終始緊張感のある作風がとても良かった!
本作は裁判で事件の真実を解剖する様に展開する感じ。
裁判で証言する登場人物達のセリフに引き込まれる。
長めのセリフが多めでドキュメント番組を観ていると錯覚する程にリアル。
裁判で提出される証拠品の数々が生々しい。
特にUSBに残されたサンドラと旦那の会話がリアル。
サンドラの隠された秘密が裁判で明かされて行くシーンが辛い。
被告人になるとあんな感じで秘密が皆に知られてしまうのが恐ろしい。
サンドラの子供の演技も素晴らしかった!
事件の真相は究明されずに終わってしまったけど終始スクリーンに引き込まれた感じは最近観た映画の中でも一番かも!
個人的にペットの犬に助演動物賞を差し上げたくなりました( ´∀`)
こういうの、ダメじゃない?
本筋というかドラマのすり替えだろ?
●冒頭は緻密にミステリーを展開させて良かった…が、謎を回収しないのはダメだろ。
あそこまで謎で引っ張っといて、あれはない。
目に障害がある息子の証言がキーになるようにふられて、あっと驚く展開を期待してしまうのだ。
ところがドラマの本筋はそこにはないと言わんばかり映画は終わる。そこに注視していたことがバカみたいだ。観客は意外なオチを期待していたのに。
●誰の成長譚かもわからない。母親の無罪になった理由もわからない。
最初に謎を提示されたから、登場人物の葛藤が本物か虚偽かわからないからだ。
母親の葛藤は本物か?父親の葛藤が本物か?息子の苦悩は?
最後まで心情的な葛藤が虚偽の可能性を残し、真実の心の葛藤とは思えない。
●ラストに謎が明確になってそれらが回収されると思ったが、グレーのままだ。
例えば息子が父を殺して、母がかばったとか明確にオチをつけてくれるなら、登場人物の葛藤も理解できるのだが。
めでたしめでたし風に終わっているが、母が殺人者の疑惑は消えないし、息子も父の自殺の確信を得てない。結局最後まで真実の心情は見えていない。誰一人。
引っ張るだけ引っ張って、本筋が何だったのかわからない映画だった。
「神の視点」が入らない。まさに解剖学的法廷劇
「解剖学」から連想するのは検屍解剖。傷の場所、大きさ、深さなどから、いつどのような凶器が使われたか明らかにする。でも、誰が、なぜ、といったことまでは当然ながら解剖所見だけでは踏み込めない。つまり「解剖学」というタイトルをつけた意味は、客観的事実だけ映像化して観客と共有します、そうじゃない部分は映像化しません、中の人たちと同様に推理してください、とメリハリをつける宣言だったのだろうなと思っている。
まず、雪の上の死体。この映画の代表的イメージである。解剖所見などから建物から落ちたことは明らかなので落下死体の映像として出てくる。だけど落下自体は誰も見ていないので落ちるところは映像として出てこない。屋根裏部屋から落ちたのか、3階のベランダから落ちたのかさえ最後まで明確ではない。
そして圧巻が、法廷に証拠として提出される夫婦喧嘩の録音である。録音にのっとりサンドラと夫の喧嘩が映画のシーンとしても再現される。
でも殴る音、ものを投げつける音が出てきた時点で映画のシーンも止まる。どちらがどちらを殴ったのか、誰が何を投げたのかが録音では特定できないからである。
つまり、我々は、法廷の人々と全く同じ情報に基づきこの事件を観ている。
いわゆる「神の視点」で観客だけにもたらされる伏線的情報はない。
そういう意味では枠組みとしては優れた法廷ドラマだったと思う。映画の最後で結審する。そしておそらくは判事や陪審員と同じ判断を、観客も感想として抱くだろう。それを覆すようなどんでん返し的なストーリーも用意されていない。それはそれでよかったと思う。
ただ登場人物の造形については、やや甘ったるい。サンドラと夫の関係やそれぞれの心境は類型的だし、弁護士についても彫り込みが浅い。ダニエルもいい子過ぎるし。
優れた法廷劇だということだけで、カンヌのパルムドールに値するとはちょっと思えないのだけどね。まあアカデミーはじめ賞を取るか取らないかなんてどっちでもいいのかもしれないけど。
思ってたんと違かった。
なかなかインパクトあるイメージ画像(横たわる夫と傍らに佇む母子)に惹かれて、事前情報を入れずに見てみました。もっと何か激しい展開があって、事件の真相を解明して『そうだったのか!』ってなるのかと思ったらさにあらず…。
とりあえず妻が手を下したのではないという審判こそ下ったものの、夫がどうしてああなったかは明言されず、非常にスッキリしない結末。結局事故か自殺の転落ということなのだろうけど…。
法廷でのシーンを中心に、『何がどうなるんだ?』という緊迫感ある展開はするのだが、一番インパクトあるのが終盤での過去回想の夫婦喧嘩シーンという。
冒頭部分で一瞬感じた嫌な予感がある意味あたってしまったと言うか、つまらないとは言わないが、劇的な展開がなく終わって、母子(及び関係者)的には良かったねというお話。無論無罪とされただけであり、それで主人公が何かを勝ち取ったかといえばそんなこともなく、ある意味では2時間半かけて何の成果も得られませんでした、なんですよね。強いて言うなら『夫の居ない、母子だけの静かな生活』が手に入ったのですかね。
序盤に結構な睡魔に襲われたということは、正直そこら辺は特に退屈に感じてたんでしょうね。とりあえず、ある意味頭抜けた演技を見せていたのは飼い犬君でしたかね。
小説一冊読み終えたような感覚
観る側それぞれが、ある結論を持って鑑賞したのではないでしょうか。
それにより見方の変わる映画だと思います。
それにしてもなかなか痛快な法廷劇でした。
あれがフランスの裁判所の姿なら、毎度傍聴希望者殺到です。
私にとっては久々に余韻の強い映画です。
ついつい映画の場面を思い出しながら検証してしまっています。
あのテープ、貼り換えたのでは?とか。
しかし、日々の会話を録音されたら、私も即容疑者Aです。会話なさすぎて。
家族劇です
観る前は奇抜なミステリーを期待してましたが、その予想と違って法廷で明らかにされて行く家族のドロドロした問題がテーマでした。
映画はほとんどがフランス語、そして苦手な密室法廷劇なので字幕を終始追わなければならず観ていて疲れる、特に前半は苦痛で退屈で睡魔との戦いだった。
しかし後半はサンドラ・ヒュラーの怪演に圧倒されて少しは楽しめたかな。
フランスの雪山が舞台だけどその風景を見て、シャモニーでスキー三昧なリゾート生活を楽しみたいな〜と、映画とは無関係な事を妄想しながら観てしまった。
正直、今年観た中で一番退屈な映画です。
この主題はやり尽くした感
オープニングが圧巻だよね。綺麗な映像で描写して事件が起きる。
それでタイトルまで静止画でつなぐけど、その静止画(写真)のレベルが高い。
映像に気を使う監督なんだろうなと思ったよ。
圧巻なのは、ここまでって感じだったんだよね。
「実験は間違えない。間違えるのは我々が与える考察だ」と著名な科学者が述べたという話を聞いたことがあるんだけど、この作品の主題はそれに近いと思うの。
実験結果だけあっても、どうしようもないんだよね。それに考察がつかないと。それで考察するときに間違えることもあるの。
この作品でも、事実は出してくるんだよね。でも、その事実を並べるだけでは何も分からない。
だから色んな人が、その事実を解釈して因果関係をつけようとするんだけど、本当のところは誰にも分からないね。
主人公が殺したか殺してないかは、主人公だけが分かるの。仮に殺してないとして、では旦那が事故で死んだのか自殺で死んだのかは、厳密には死んだ旦那しか分からない。
なのでいくつかある仮説から、信憑性が高いと思うものに決めるしかないね。
ということを、二時間かけて述べる作品かなと思ったの。
それでも、人が不審な死に方をしているから、決着をつけないといけない。
「国家は不審死は看過します」となったら、不審死に見せて殺す人が出るから、国家が混乱するからね。
なので裁判やるね。
それで裁判は、真実を明らかにする場ではなく、ディベートで結論出そうという場なんだよね。
そこが描かれてる気がするの。
裁判って「誰かが罪を犯したら、誰かがその罪を贖わなくてはならない」って考え方だと思うの。罪を犯した人と贖う人が同一なのが最善だと思うけど、国家の安定考えたら、別に同一じゃなくてもいいんだよね。全体の安定のためにある程度の個人の犠牲はやむを得ないという考え方。
そんなのに巻き込まれたら大変だから、ディベートで勝てるように弁護側がんばるの。
夫婦間の事情では、奥さんをバイセクシャルにしたり、ジェンダーの役割を逆転させたりといった工夫もあるんだけど、どの主題も既に語られている感はあったな。
色々と盛り込んで面白くまとめたのはすごいと思ったけど、それ以上のものはないと思ったよ。
自殺?事故だったのかも
夫の死因について疑われる妻。夫婦の口論のシーンはリアルで面白かった。お互い許せない部分があった。でも殺したいと思う程ではなかったのでは?怒りを爆発させる夫が自殺するような鬱だった?
いつも息子を見守る犬が、母親にも優しい存在で癒された。
何を信じるかはあなた次第
"人間"を炙り出す家族ドラマ in 法廷モノ=求心力のある法廷家族ドラマ。裁判で肝心なのもストーリーテリングで、一種の"ショー"。そして、本作は視点を変えるとカミングオブエイジ成長モノでもある。
"信頼できない語り手"的な主人公と視点人物となる息子。脚本監督ジュスティーヌ・トリエと主演ザンドラ・ヒュラーの力で引っ張られる、幾分か長すぎるが。夫婦間のパワーバランスに創作や表現できる者とできない者の差、夢で飯を食えない凡人。"子は鎹"ならぬ子は邪魔?いやいや、家族は"赤の他人"ではないが、結局のところやはりただの他人だということを痛感させられるようだった。
真実は一つ、事実は人の数だけ。先入観は禁物だが、物事(世の中)は残酷なほど主観で回っている。個人の感じ方と選択に委ねられた十人十色それぞれの"事実"、その曖昧さ。そこから何を選び取るか?疑いの目と決心。"人生は選択の連続"だとよく言うが、白にも黒にも転ばない灰色の世界を"己の正義"でどちらかに決めきる。少年はそうやって煮えきらない思いを抱えながら、また一つ世界を知っては大人に近づいていくのか。捻りのきいたプロットにある程度予想のできる形の落とし所ではあるが、真実は闇の中…。
"性差"。主人公がバイセクシャルという設定に、ネチっこくてどこか前時代的な"オカマ"っぽさも感じさせる検察官。最近の作品で言えば、同じく今回のアカデミー賞はじめ賞レースに絡んでいるブラッドリー・クーパー監督主演によるNetflix映画『マエストロ』を思い出した(そして更に同じ方向で引いて考えれば『TAR/ター』も?)。つまり、表現者であれば"芸の肥やし"として浮気(不倫)も許されるのか、と。そして、いい言い方ではないが、その中で同性愛も時に利用して。
ピアノ
彼は構想ばかり
勝手に関連作品『マエストロ』『TAR ター』『羅生門』
設定ひとつでこれだけのものが作り上げれる
あらすじにあるように、
旦那の死、疑われる妻。同居人は視力が低い息子と犬のみ。
この設定だけでとても見応えのあるものが作られていた。
余計なものを削ぎ落として削ぎ落として作られた印象で、無駄なものがないから、裁判の行く末にフォーカスして映画にのめり込むことが出来た。
愛犬スヌープ
「裁判は真実を明らかにするものではない」それは解っていても、法廷物の映画やドラマを観ていてその「真理」を巧みに利用している作品に出合うと心が奪われます。
当然、ネタバレは絶対に許されないので書き様に悩みますが、私、結構女性作家や監督の作品の「物怖じのないストレートな感じ」が好きで、本作のジュスティーヌ・トリエ監督、私この方の作品初鑑賞ですが、登場する男性たち(対象複数)に対するキャラクター設定や演出に若干の意地悪さを感じ、それがまた芯を喰っていて(男の私も)むしろ気持ちがいいです。
本作、導入から不穏さを感じさせる状況から始まり、その後に「事(こと)」が起こります。目撃者もなく、物的証拠に乏しいことから疑いをかけられるザンドラ(サンドラ・ヒューラー)ですが、それは鑑賞者から見ても怪しく見える言動が「彼女に対する第一印象」のため、起訴されて裁判に掛けられるところまでは「至ってよくありそうな展開?」かと高をくくりそうになります。ところが、撮影方法なのかそれとも編集なのか、なんだか違和感を感じさせる映像が不意に挟み込まれたりの微細な演出は、あたかもサンドラの心理的な緊張感や動揺が伝わってくるように感じますし、また巧みな脚本はそれぞれの「主観」を交えることで、いつしか反転して「冤罪」を疑い始めている自分に気づくシームレスさにとても夢中になります。
また、本作非常に「重要な役割」を果たす愛犬スヌープが本当に素晴らしい。帰宅して調べればなんとこのメッシ君(ボーダーコリー)、本作でパルム・ドッグ賞(カンヌ国際映画祭で優秀な演技を披露した犬に贈られる賞)を受賞していると。「さもありなん」と納得します。そもそも、作品始まって最初に顔が見えるのもスヌープですから、やはりこういうところにも監督の緻密な計算を感じます。
上映時間152分と、尻込みする方もいらっしゃると思いますが、とても見応えがあり決して「長い」とは感じません。お勧めです。
「40にもなって…」は言うたらアカン!
なんだろう、期待し過ぎていたからなのか?
終わってみれば、普通の映画。
なんか、とんでもない秘密が隠されているのか?
最後に、「あっ!」と言わされる何かがあるのか?
などと期待しなが見ていたら、スンと終わってしまったよ。
しかしながら「40にもなって」云々は、絶対言うたらアカンかった。しかも、成功してる妻から言われるなんて、、、
あんなの、言葉の凶器やで。
真実の行方
友人に激推しされて鑑賞
破綻に向かう夫婦関係の中で起きた夫の死を巡り、自死か妻による殺害かあるいは事故かを明らかにしていく法廷ミステリーでした
久々にストーリーと役者さん(&犬さん)の演技だけで魅せる上質な映画を観たというのがまず最初の感想
映画的な要素(視覚効果や音響)が少ないからかエンドロールも短かった
タイトルからは科学的なアプローチを想起させられましたが、心理面での交錯が印象的
法廷ものという事で1996年の「真実の行方」を彷彿とさせましたが、家族関係というテーマを内包させ、夫、妻、息子、その他の方、誰の視点で観るかで景色が変わる描き方がアカデミー賞脚本賞ノミネートの所以ですかね
緻密な構成に加え、英語と仏語が入り混じる2時間半のため疲れている時に観るのはあまりオススメしません⚡️
子供と犬の勝利
法廷ものだけど、真相に迫るというより、主人公の私生活が晒されていくという方が多くて、裁判って怖いなと感じた
法廷シーンが多くてセリフも長いから序盤から集中してたけど、続かずに途中ウトッとなった🥲
大人の知的な演技も良かったけど、子供と犬の勝利では👏👏👏
期待値ほどではなかった
落下(した夫)の(心の内を)解剖(し、残された妻子はそれを)学(び理解する)
一般的な見方をすればそうそう作品
しかし、私は、ダニエルはほんとは目が見えたんじゃないかと考えました。犬と散歩してる姿はとても盲目とは思えず、アスピリンを犬に飲ませる件もそうだし、母親寄りの証言といい、犬が最後に母に添寝しているところを考えると、どうも3人、いや2人と1頭の共犯とも考えられる。弁護士はその流れをすべて知っていて、法廷での無音のヒソヒソ話も合点がいく。
落下(した夫は3人)の(策略にはまり殺され、司法)解剖(されても不審死としか判定されないように3人は)学(習しその成果が出た)。
って見方をすると、弁護士はアレンジャーかディレクターの役割で、3人に絡んでくる。
私は殺していない
そこは重要じゃない
この母親と弁護士のやり取りが全てでダニエルが盲目ではなくて父親を転落死させた実行犯と考えれば話は変わってくるんじゃないだろうか
だけど、演出が地味なんだな~ぁ、これが
効果音もないし、意味深過ぎて伝わりにくい。
疑ってかかると
冒頭から妙な違和感が漂い、最後までどうなるのかと目が離せませんでした。
いろいろな証言や鑑定から検察や弁護士がそれぞれの主張をする法廷劇としても面白かったですし、心理ドラマとしても考えさせられました。
夫婦の関係性については、経済的に優位な妻が家事負担する夫の意見をまともに取り合わないという、家父長制が逆転しているような状況が印象深いです。
日本では家父長制の意識がまだ根強くあると思うので、この男女逆転した構図は皮肉にも感じますが、フランスでもそういう意識なのかというところはよく分かりません。
そういう男女差を置いておいても、夫婦間でのパワーバランス、相手を理解しようとする姿勢について考えさせられます。
録音や証言も人物のある一面を示すもので全てではない、写真や動画の表情もその場での一面を切り取ったものに過ぎないという気もします。
テレビでの報道の様子も、疑ってかかる目線で見ていた自分には身につまされる部分も。
真実はともかく、家族の死に対してどう向き合うか、周囲や世間がどう想像するか、という部分を描いているとも感じます。
何度か出てきた、真実は問題ではない、といった意味合いのセリフも印象的でした。
実際、個人的には事件の真実は分かりませんでした。
個人的には、妻の犯行ではと思っていましたが…。
妻が通報する時に倒れている夫には触れていないと言っていたので、怪我の状況や生死の確認をしないのだろうか?と思い、息子の最初の証言との矛盾もあり、疑っていたものです。
息子が悩んだ末に行った最後の証言は母を救うための偽証かも、判決後の場面も罪悪感を抱いている様子なのかも、などと考えてしまいましたが。
とは言え、疑ってかかるからそう見えるだけで、妻は冷静な判断で倒れている夫をむやみに動かさずに通報した、息子は父の言葉の意味を認めたくなくて悩んでいた、手にかけてはいないものの妻は夫の死に罪悪感を抱いて息子に対しても後ろめたい、というようにも考えられます。
自分が気付かなかっただけで真実が分かる部分があったのかもしれませんが…、結局最後まで明確には分からず。
現実的な事件報道や裁判なども、証拠から推察するもので真実は分からないと言えると思いますが、そういう点も考えさせられました。
妻の演技もリアルな存在感があり良かったですし、息子と犬も好感が持てますし、どうやって撮ったのか、やはり犬にはハラハラさせられました。
落下の解剖学 真実がどうかと言うよりも真実や結論を求めるまでの過程...
落下の解剖学
真実がどうかと言うよりも真実や結論を求めるまでの過程を追う難しさ、大切さ、そして楽しさなんかも与えてくれる作品と感じた。
夫の死により本来は見えなかった部分、見ようとしなかった部分なんかも明らかになっていく過程、そしてこの作品の様に答えが明確にならない事案、確固たる証拠がない事案も自分の中にある固定観念がどこか答えを求めようとする稚拙さを擽られるよう作品であった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
5 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
6 アクアマン/失われた王国 4.5
7 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
8 異人たち 3.7
9 ミツバチと私 3.6
10 コヴェナント/約束の救出 3.0
11 僕らの世界が交わるまで3.0
12 カラーパープル 2.9
13 弟は僕のヒーロー 2.8
14 ジャンプ、ダーリン 2.5
15 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
16 マダム・ウェブ 2.3
17 落下の解剖学 2.3
18 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
19 哀れなるものたち 2.3
20 ボーはおそれている 2.2
21 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
22 瞳をとじて 2.2
23 ゴースト・トロピック 2.2
24 葬送のカーネーション 2.2
25 Here ヒア 2.1
26 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
27 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
28 VESPER/ヴェスパー 1.5
29 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
妻と息子そして犬
自殺ならなぜ遺書を残さなかったのか。
妻の犯行ならなぜ凶器を探さないのか。
大きな疑問符が残る。
法廷劇にしては設定が緩いし、どんでん返しを期待すれば裏切られる。
それでも最後まで目を離せないしラストもそれなりに納得させられる。
それは理性と人間味にあふれた妻ザンドラや悲しみを乗り越え成長する息子ダニエルのみごとな人物造形に依るが、傍で家族を見守る犬の存在も大きい。
クレジットに犬の名前があった気もするのだが、たしかに重要な登場人物のひとりだった。
脚本、役者、演出どれもよい。
言うまでもないがあの夫、いくら時間があっても小説なんか書けないね。
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