首のレビュー・感想・評価
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東宝の本能寺の変。北野武最新作にして最高傑作の誕生
初日、私が見た劇場では、観客がたった四人しかおりませんでした。こんなに面白いのに。
二子玉川とか渋谷、川崎あたりならもっときてたのかな
原作、脚本、主演、監督、編集がたけし。カドカワ製作、カドカワ・東宝の配給。
羽柴秀吉 北野武
羽柴秀長 大森南朋
黒田官兵衛 浅野忠信
荒木村重 遠藤憲一
明智光秀 西島秀俊
織田信長 加瀬亮
徳川家康 小林薫
千利休 岸辺一徳
木村祐一
中村獅童
副島淳
寛一郎
大竹まこと
寺島進
荒川良々
六平直政
仁科貴
津田寛治
桐谷健太
勝村政信
首になるキャラクターと首にはならないキャラクターがいるのだった。
信長、明智光秀は、首になってしまう。
秀吉や、秀長、官兵衛、家康はならない。
VFXの進歩により、本当に首が落ちているように見える。もちろん本当にこんなふうにスパッと切り落とせるのかよく知らないけれど。
とにかく、首が落ちる場面が多い。
これは、好きと嫌いが明確に分かれるだろう。
私は好きだ。昔は、こうだったのだ。
戦国時代は、大河ドラマや、テレビの時代劇のように、血が出ないということはなく、あのくらい血生臭い時代だったと思う、
ただ、あまりにそういう場面ばかりあるので、ギャグのように見えてしまうところが、もったいない。あと、女性が登場する場面が少ないので、万人受けは難しいとも思う。
でも男色をかなり前面にだしたことで、主従関係に緊張感がでた。森蘭丸とか、弥助とか。木村拓哉が織田信長をやれば、もっと面白くなった気もする。いや、冗談です。
一般の農民などは、風呂になど入らず、真っ黒けであったとか、史実に忠実すぎる。
黒人や、宣教師、茶人、芸人、忍びなどのキャラクターもさもありなんと思えてくる。
素晴らしい。もう一度観たい。
演じている俳優がたぶん史実の登場人物よりだいぶ歳くっているのだが、あまり気にならなかった。
西島秀俊は、わりと史実に近いのかも。
木村祐一(「ニセ札」「チコちゃんに叱られる」)がうまかった。
あと、多羅尾光源坊という甲賀の盲目のキリシタンは、ホーキング青山という芸人さんらしい。強烈な存在感があった。
加瀬さんの怪演スタオベですが、松潤家康と同じくビート秀吉に違和感しかない!
金曜レイトショー『首』
どうする家康の物足りないダークな部分が、存分に映像化されており見応えはありましたが・・・
題名通りに斬首シーンが多いので、血が苦手な人はパスした方がいいレベルです。
内容的には、戦国版アウトレイジって感じやね。
もうそろそろ自ら主役じゃなく監督だけに専念した方がいいと思います。
どうするの松潤も家康と同じくらい殿の秀吉はミスキャストで、脳裏に埋め込まれてるイメージとあまりにも違いすぎるのよね。
脇を固める役者さん達は、戦国武将のイメージをスキルで凌駕してるだけに残念。。。。
秀吉の弟を演じた大森南朋さんは、役は違えど大河ドラマと同じような立ち位置だったのが、個人的にはツボで、笑えるシーンも南朋さん絡みが多かったです。
で、加瀬さんの信長・・・・
歌舞伎者を通り越した鬼畜ぶりは、過去信長を演じた役者さんの中ではダントツの怪演!!!
この映画最高の見せ場で、最優秀助演男優賞最有力☆☆☆!
それと北野作品の特徴なのか・・・
今回も女性の活躍や妖艶な描写も無しで、見たくもないオッサン同士の武将愛を見せられる^^;;;
あの役者もこの役者もみんないい
大好きな北野監督作品今回も映画館で観てきました
恥ずかしながら戦国時代の知識に乏しいのでところどころで誰かに解説してほしいなと思った所もありましたがとても楽しめました。多分知識があればもっと楽しめたかもと思います
予告で唯一芝居が気になっていたキム兄が実は主役級に登場しているのが意外でしたが芝居がどうこうはあまり気にならなかったです
信長の方言は地元の人間でもよく聞き取れない箇所がありました、なんとなく北野武の人生観なんかを信長に言わせている感じもしたりしました
出てくる役者さん出てくる役者さんが素晴らしいの一言につきる
光秀のラストも思わずウルッときたり映画のラストも「らしいな」とニヤリとしちゃいました
北野監督のいろんな部分が詰め込まれた北野監督好きで解ってる人なら絶対オススメ
そうじゃない人は地味でつまらないと思うのかもしれない
そうそう事前情報で男同士の描写が結構キツいんだと覚悟していましたが個人的には別に大したことなかったですよ
ラストシーンのキックで拍手しました!
冒頭から首が飛びまくりで度肝を抜かれました(笑)
翔んで埼玉を観終わってすぐの鑑賞だったんで、またBLかい!?ってツッこんでしまいましたが(笑)
時代劇ですが、セリフはめちゃくちゃ現代なので非常に見やすいですし、アドリブ(っぽいだけかも?)もあったりで、楽しめました♪
キムキム兄やん、良い味出してて良かったです♪
北野監督のセリフ滑舌不明瞭問題、今回はある程度聞き取れました♪こっちが慣れたのか?(笑)
サワガニ
本能寺の変は男色を利用した策略だよ
というお話。
冒頭の、清流での死体に群がる蟹を
見た時に、
蛆ではないところがいいなと。
エッジがあって、
みずみずしい感性のある絵や
ドキドキが
北野作品として味わえる、
楽しみと
思ったのですが‥
話がすすんでも、
えぐれるようなドキドキも
美しい絵も
クスりと笑う場面も
魅了されるものが
なかったです。
切れるけど研いでないので
切口がイマイチな包丁の
ようでした。
何ヶ月も楽しみに
してたのになぁ
北野武 ミーツ 東宝
予備知識なしだったもので冒頭で驚きました。
あ、東宝なんだ。松竹のイメージが強い。
北野武が東宝で時代劇とくれば、黒澤明でした。
そこかしこにオマージュがみられます。
話も七人の侍を下敷きにしているのは明らかです。
北野武が考える菊千代は中村獅童なのかもしれません。
秀吉、秀長、官兵衛のやりとりは隠し砦の三悪人なのかな。
こすられまくった本能寺の変にうった新しい基軸は衆道をベースにした恋愛のようなもので、それは信長を中心にしたハーレムでもあります。
その信長を狂人として描いていることで、なぜ家臣たちは信長のそばにいるのかが今一つ理解できない。
アニメなどで一人の男に複数の女の子がアタックしてくるハーレム物と呼ばれるものは、中心となる男がいい奴でないとなんでこいつがと思ってしまい、乗り切れないと言われていたのを思い出しました。
この映画のみどころは役者陣の顔でしょう。
だれもかれも情報量の多い顔。
木村祐一VS大竹まことはいいマッチメイクでした。
仁義なき戦いもパロディに
初日初回に観に行き『首』面白かった!男色はノーサンキューでしたが、バイプレーヤー達が最高。遠藤、加瀬、荒川など上手く特徴活かしてる。一番笑えたのは六政(安国寺恵瓊)の仁義なき戦いの大友のセリフのパロディ!(広島ヤクザ同様の喋り方w)たけしはやっぱり天才ですが、役者としては歳をとったなあという感じ。ワンテンポ遅いんだもん!ちなみにグロ苦手な方は見ない方がよい。川を渡るたけしのゲホは虹にして欲しかった😊
情治統治
有岡城での荒木村重の謀反から明智光秀の最後までの信長の、家臣たちの様子を北野武の解釈で描き下ろした悪ふざけスペクタクル。
親方様の乱痴気っぷりに振り回されながらも虎視眈々と天下を狙う武将たちの、策略と色恋と主に秀吉周辺のずっとポケ合戦に、暗躍する茶人に棚ぼた農民等々をみせていく。
明らかにギャグな描写も多いけれど、秀吉を主体にみせていく話し全体が史実をもとにしつつも悪ふざけですよね…あまりに歴史に明るくない自分には少々難しい…(´・ω・`)
とはいえ、そんな自分にもそういう体にしているということがわかるところや、そんな訳ないだろと思える揶揄した描写も多々あるしとなかなか面白かったので、この時代の歴史に詳しい人はもっと楽しめるのかなとという感じ。
新解釈「本能寺の変」。1回の鑑賞で理解は不十分かも。
公開日に映画館で鑑賞。北野武監督。プロモーションにて「構想30年」「今までにない本能寺」「狂ってやがる」などを目にし、期待大で映画館へ。
あらすじは、今更説明不要。「本能寺の変」に至るまでのストーリー。
見たままの感想としては、可もなく不可もなくって感じの作品。「首」に固執しそれぞれが狂っているっていう、見たままの感じで捉えていいいのかは分からない。
「首」というタイトルが何を意味しているのか。北野監督が何を伝えたかったのかを考えると「難しかった」が本音。他の方のレビューなども見てみようと思う。
個人的に良かった点としては、
1つ目は信長・光秀・秀吉・家康といった各人物の描き方。特に加瀬亮さん演じるイカレ信長の演技は必見。まさに狂人。
2つ目は本能寺の変の解釈。(秀吉たちの謀略とはいえ)信長が家康を葬るために光秀を本能寺に呼んだっていう解釈は新鮮で面白かった。戦国最大の謎とも言われる「本能寺の変」。いくらでも解釈があるのが歴史ロマンですねぇ。
3つ目は、最近の時代物としては迫力のある合戦シーン。
切腹や首を刎ねるといった文化は日本人ならあまり驚きはないけれども、それがそもそも狂っているってことなのだろうか。先に書いた通り他の方のレビューが気になるところ。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 壮大な戦国絵巻コメディ。綺麗事の多い戦国時代劇の中で此の様なリアルな描写の戦国ものがあっても良い。でもリアルさだけを求めた映画ではない(矛盾してますが)。そこが北野武映画。
①学校の歴史の授業で教えてくれないだけで、昔の日本では女とするのと男とするのとあまり認識に差はなかったらしい。家を続かせる為には勿論子を成さねばならなかったけど。
特に戦国時代は顕著で、何故か本作では登場しないけれども前田利家と織田信長とは肉体関係があったし(恋愛感情が有ったかどうかは分からない)、織田信長と蘭丸との関係は有名というか、元々小性はそれもお務めの一つだったし。
明智光秀と荒木村重とがそういう関係だったという話は読んだことは無いけども(ただ有っても不思議ではない時代です)。
武田信玄が家来(だったかな?)に熱烈なラブレターを出していることも有名な話。
上杉謙信は、女っ気がないところから「上杉謙信=女」説も有るが、単に男一筋だったからかも。
だから多分当時は少なくとも武士の間では「バイセクシャル」という観念はなかったと思う。みんなやってたから。
もし織田信長が天下を取っていたら男同士の関係に現代ほど偏見はなかったのでは、と思う事がある。
女好きだった豊臣秀吉と徳川家康が天下を取ったので今みたいになっちゃった気がする。
明治時代に西洋の文化(キリスト教文化)を取り入れた際に同性愛は良くない!みたいになっちゃったけど、かつて其方の方面では先進的だった日本が今では欧米に遅れを取っているのは皮肉。
江戸時代迄は辛うじて「武士のたしなみ」という形で残ったけれど。
戦(いくさ)の前や後ではアドレナリンが出てテストステロンも多く出ただろうからセックスがしたくなる。でも戦場の中まで女性を連れてこられない。だから男同士でする、という実用的な面もあったんでしょう。
それに「人をみたら泥棒と思え」じゃないけど、いつ裏切られるか分からない、味方でもいつ首をかかれるか分からない、相手に情けなんかかけていられない(劇中で何度も“忠誠心”を問われたり会話に出てくるのもそれゆえ、でも下剋上の世界だから当たり前なのだ)中で唯一信頼出きるのが(体の)契りを結ぶこと、恋愛関係になることだったという側面もあったと思う。
ただ、“サムライの惚れたはれたは××××××”との明智光秀の台詞にあるように絶対的なものでもなく、契りをを信じた人の良い荒木村重の末路と、織田信長のふいをつけた明智光秀との違いをみせるドライな視点も北野武ならでは(史実では、生き残るのは荒木村重の方ですが)
②と、前置きが長くなったけれども(一度書き留めて置きたかった)、描写はリアルだけど(本当に人を切ったらあれ程血が出るし-というか、もっと迸る様に思う、首を集めて並べて洗ったのも本当、戦国時代の女たちは男達が挙げてきた首を洗いお歯黒をつけ如何にも身分の高い武将の様にみせた-報酬が高くなるから-という下級武士の娘が書いた実録記も残っている)、戦国時代を描いた映画を作るのに実際に近い描写をしているだけで、リアルさだけを描きたかったわけではないと思う。
③現代人の感覚ではあまりにもアッサリと人が殺されるが、“日本人はすぐ人を殺すのにはビックリした”と安土桃山時代に来日したルイス・フロイスの日記に書いてある。
④登場人物の内面が一切描かれていないのも興味深い。そういう面から見ると実にハードボイルドな映画だ。
⑤ビートたけし扮する豊臣秀吉が、豊臣秀吉を演じているよりビートたけしそのもの、というのも計算ずくのことだろう。
⑥ビートたけしの豊臣秀吉、大森南朋の丹羽長秀、浅野忠信の黒田官兵衛のトリオの芝居は殆ど漫才みたい。
ボケ役のビートたけし、ツッコミ役の大森南朋はともかく、浅野忠信は真面目な芝居をしているのに何とも言えぬ可笑しさが漂う。
⑦小林薫扮する徳川家康に関しては、影武者説は特に目新しくはないけれども、しつこいくらい何度も描かれるのが段々可笑しくなってくる(影武者にされた者の顔面のひきつりも描いているのに)ダークなユーモアのセンス。
⑧織田信長、豊臣秀吉、徳川家康も、その天下取りも、実際はこんなもんだったんじゃない?という面白いけれどもシニカルな視点も北野武ならでは。
扮する俳優陣の、その視点に添った人物造形。
(確かに、シリアス好きな日本人の心性、カリスマを求めたがる一般人の心性が後々形成される信長像、秀吉像、家康像を作って来たのかも知れない)
⑨明智光秀が織田信長を討ったのは、織田信長の悪魔のような諸行に耐えられなくなった為ではなく、魔王の様に想い従って来た信長が世襲を考える単なる普通人だったから、という解釈は面白い。
なお、織田信長を討ったので明智光秀は悪臣扱いされるが、当時としては当たり前のこと(下剋上)を行動に移しただけ。
主君を討つのが「悪」と見なされるようになったのは徳川の世になってから。
⑩大した芝居はしていないようで、佇まいだけで腹の底が知れない千利休を造形する岸田一徳の存在感。
⑪声に出して笑ってしまったのは二箇所。
一つ目は、高松城水攻めを締め括るシーン。介錯を頼んだ荒川良々扮する清水宗浩が(普通は腹に刃を刺した時点で首を落とすんじゃなかったっけ?それはもう少し時代が下がってから?)、首を落とされる前に顔を上げたら秀吉の兵が高松城に攻め込んで行くのを見て“ええっ”と言ったところ。その後落とされた首を家来が水に飛び込んで拾うシーンも併せ(本来悲壮感溢れて描かれる場面なので)不謹慎だと思いつつ笑わずにはいられなかった。
もう一つは、「中国大返し」のエピソードの中で力士のような男達に担がれた渡しに乗った秀吉が酔ってゲロを吐くところ。笑ってしまった。
色んな映画やTVで観てきた「中国大返し」だが、このシーンも含め、本作の描き方が一番実態に近かったのではないかと思わせた。
⑫史実では、荒木村重の謀叛の後、織田信長は荒木村重の妻子・側妻を小屋に閉じ込めて火を放ち焼き殺したのだが、本作は河原での打ち首になっていたのは“首”というテーマを強調したかったためか。
⑬サムライなら誰もが欲しがる“首”を農民だった秀吉は蹴っ飛ばす(秀吉と同じく農民ながらのし上がりたかった茂吉が“首”に拘って友達を殺したり命を落とすことになったのとは対象的-中村獅童好演)ラストに北野武監督の本意(反骨精神)が表れている様に思うし、題名を“首”にした意味もそこに有るのではと思うけど、どうだろう。
⑭茶化し、とリアル。この二つを違和感なく融合したことが本作のユニークさ且つ面白さだろう。
加瀬亮の織田信長好き
宣伝の仕方がうまい。
そのひとことに限る気がします。
予告がすべてで、正統派の時代劇を観たい方には
予告以上のものを本編では期待しない方がいいのかも…。
30年もの構想を経てと言われたら
とんでもない作品が生み出されたか!!と
期待爆上がりでしたけど、ビートたけしのコントを
長尺で見せられた。それに尽きるかな。
あと、邦画あるある「せりふが聞き取れん」問題が
本作にも多々あって「あ゛っ?!」って何度もなった👂
あれ、どうにかなりませんかね🤣
北野武作品ならではの、武闘派作品を
時代劇でみれると思っていたので(アウトレイジ時代劇版)
ここまでコント臭が強いとなると
キム兄の「みんなアホか」がそのままの感想になります。
まぁそれを狙っているのでしょう、ただ単に自分が
北野ワールドにハマれなかっただけですね。
豪華キャストには震えるし、個人的には加瀬亮の
織田信長は最高に狂っていて大好きです。たまりません(笑)
めっちゃファンになります🧡
尾張弁に大変苦労されたようですが、立ち振る舞い
悪魔の所業、蘭丸との絡みや明智光秀との想いやらは
わたしの萌えポイントです🤤
ビートたけし(羽柴秀吉)大森南朋(羽柴秀長)
浅野忠信(黒田官兵衛)3人のシーンは
きっとアドリブが多かったんだろうなぁと笑えました。
ビートたけしの壮大なコントかつ、男色感が強いです。
それらが苦手な人にはますます合わない思いますが
個人的には女性が出ていないのはめちゃくちゃ好印象です(笑)
期待しすぎたか。。。
信長役の加瀬亮の狂気の演技、秀吉・秀長・官兵衛のアドリブ込みのやり取り、荒川良々の自害時の間の抜けた演技(清水宗治のこれまでのイメージが。。。)とか、は良かったんだけどねぇ。
タイトルの『首』を獲るという戦国時代当時の一番の武功の価値観を皮肉めいて描いたんだろうけど、当時にはそういう価値観があったのをこの時代から皮肉ってもなぁという感じでしょうか。もしくは、現在も残る日本の価値観への皮肉なのか。
期待して初日に観に行きましたが、期待しすぎたか肩透かしを食らった感じです。
【”新解釈、男色本能寺の変。そして、どうする秀吉。”戦国武将たちの愚かしき裏切り、騙し合う姿をシニカルな笑いを絡めて描いた作品。狂気の織田信長を演じた加瀬亮が凄かった作品でもある。】
ー 前半の、狂気を帯びた信長の前にひれ伏す家臣団、羽柴秀吉(ビートたけし)、明智光秀(西島秀俊)、荒木村重(遠藤憲一)、徳川家康(小林薫)・・。
信長の”功を上げた者に跡目相続をする”という言葉に、色めき立つ中、信長に侮辱された荒木村重は、信長に謀反を超すが、一族郎党を殺され、光秀に匿われる・・。-
◆感想
・前半の、信長を演じた加瀬亮の演技が凄い。尾張弁丸出しで、”俺の為に死ぬ気で働け!”等と言いながら殴る蹴るの暴力を振るう姿。
ー 加瀬亮さんは、役柄としては地味な役が似合うと思っていたが、今作は真逆で凄かった。”皆殺しに決まっとるがや!”-
・ビックリなのは明智光秀と荒木村重が男色関係にあったという設定である。
ー 西島秀俊さん、遠藤憲一さん。さぞや気持ち悪かったであろう・・。
信長が両刀使いだったのは有名だけどね。森蘭丸(寛一郎)を傍に置いて抱いていたのは、事実である。多分・・。-
■信長が、家康を殺そうとして、光秀に家康の好物だった毒入り鯛を、食わせるシーンはナカナカであった。流石、タヌキ親父である。
そして、家康を殺せなかった信長は、光秀に更にキツク当たるようになるが、光秀の信長を想う言葉を聞いて・・。オイオイ・・。
・だが、信長が認めた信忠を跡目に付けるという手紙が、出現。そこには秀吉、光秀を殺せと書いてある。
ー ここら辺が上手く描かれていなかった気がする・・。-
・で、本能寺で、信長は「敦盛」(人生50年ね。)を舞う事もなく、傍に置いていた黒人に首をアッサリと撥ねられるのである。オイオイ。
■秀吉の中国大返しのシーンも可笑しい。毛利勢と戦っていた秀吉は備中高松城で、毛利勢と和解するが、城主清水宗治(荒川良々)に腹を切れと言うシーン。
清水宗治が、水攻めに在っていたために水上で切腹する姿(歴史的には有名なシーン)を、秀吉は遠眼鏡で見ながら”早く死ね!何やってんだ!!”と苛苛しながら叫ぶシーンや、川を渡るときに、輿の上で吐くシーン。
全然、秀吉が格好良く描かれない。可笑しいねえ。
<光秀が、追っ手が迫る中、常々”天下を取る!”と言っていた農民の茂助(中村獅童)に”首ならくれてやる!”と言って自ら首を切り落とし、茂助はそれを狂気乱舞で高く掲げている所に、竹槍で農民に殺される姿。無茶苦茶、シニカルである。
そして、秀吉の前に置かれた茂助と光秀の首を見て、秀吉は”俺は、光秀が死んでいれば良いんだよ!”と言って、光秀の首をサッカーボールの様に蹴り上げるのである。
今作は、愚かしき戦国武将たちが敵の首を得るために、嘘、裏切りを重ねる姿をシニカルな笑いと共に描いた作品なのである。>
色々と今の話題とあう話で。。
英雄色を好むというのか、、戦国時代はこんなにボーイズラブな世界だったのか?とおもったりしたが、戦国時代は男色が今より多かったとの話も聞く。目の付け所、表現などは北野武映画っぽさが出まくっていた。
個人的にそもそも歴史に疎いところもあり、これくらいの評価。
バイオレンスコント
天下人になるために武将たちが企み合う物語というと、結構描かれてきたテーマだなと思ったんですが、北野武節がそこに加わると、どうなっちゃうんだろうというワクワクに身を任せて鑑賞。
物語のベースは本能寺の変前後で組み立てられており、権力を振りかざしまくる信長と、天下人を目指す武将たちの意地の悪さと執念深い様子がしっかりと描かれます。
R指定に相応しいレベルのグロは戦国が舞台でも健在でした。基本的には首をすっぱねるシーンで大量に血飛沫が出ますし、自害するシーンや処刑シーンもしっかりあるのでグロいですが、自分は序盤に信長が村重に饅頭を食わせるシーンで、予告ではなんかワタみたいなものを口に詰めさせていたのかなと思っていましたが、刃物に突き刺した饅頭を口の中でグリグリさせてもう口内出血まっしぐらで痛々しかったです。そんな時にするキスの味なんてもう鉄の味しかしませんよまったく笑
信長が男性も好んでいたというのはなんとなく聞いた事がありましたが、今まで信長を題材にしてきた作品でそこにフォーカスを当てた作品は観たことなかったんですが、今作は信長をはじめ明智光秀や荒木村重でもその面が描かれていました。
信長は現代でいうところのバイセクシャルというやつで、好意を持つ以上に服従させたいというのが強く出ていたなと思いました。森蘭丸にア○ル責めをしていたのも、当人が気持ちよくなりたい+屈服している様子を見るのが心地よいという狂喜的な一面はここでも出ていました。
光秀と村重はその面では真正面から愛し合っており、2人で布団を共にし、乳首を舐めたり(西島さんの鍛えられた筋肉がとても良かったです)、熱い口づけだったりと、この時代は現代よりも同性愛に寛容だったんだなと思いました。
どの武将も戦略家や豪傑としての一面は潜め、1人の人間がどれだけ這い上がるかという面にスポットが当たっていたので、どの武将も民も泥臭いです。
信長はその中でも悪魔的な面を全開にしており、この人は実はこうだから…なんてフォローは0にひたすら傍若無人な様を見せつけてきます。労いなんて一つもありませんし、蹴る殴る切り倒すとやりたい放題です。それ故にほとんどの部下に疎まれているのに当人は何も気にせず、さすがの肝っ玉でした。ただその中でも子煩悩な一面を見せたことにより、部下からあったわずかな信頼が崩れ、謀反へ…。奥深かったです。
秀吉は静かに天下を狙う今作の中では策士としての面が強く出ていたなと思いました。あっちとあっちをぶつけて、あいつはあぁやって始末して、ついでにあいらつもやってと様々なところに包囲網を張り巡らせていました。役を演じている時は北野武よりもビートたけしとしての表情が出ており、大きな水たまりを超える時簡易的な神輿で担がれていたシーンが1番面白かったです。秀吉、秀長、官兵衛のシーンはいくつかアドリブっぽいシーンも挟まれており、そこだけは狂気的な笑いではなく、コントとしてのお笑いがあったのも良いスパイスだったなと思いました。
「首」というタイトル通り、印象的なシーンには必ず"首"が存在しています。農民が天下人になる時には見知らぬ首を掲げ、処刑シーンでは首を切り落として殺し、信長の最後も自害ではなく首を切られて燃え盛り、光秀の最後は自ら首を落とし、ラストシーンでの首の見本市かの如く並べられているシーンなど、よくある生首が死んだのに表情が動くなんていうものは一切なく、死んだままの表情だったのが強く目に焼きついています。
オチも引いてみればかなり弱いんですが、史実で光秀の首が見つかっていないというのを元にして、顔の識別ができないから秀吉が光秀の首を蹴っ飛ばすという終わり方はもう完全にコントのオチでした。しっかりと物語の終わりにもなっていますし、これは芸人・ビートたけし節が強烈に炸裂したシーンだったなと思いました。
ほとんどの人間が死に絶え、残されたものは天下へと向かう、この時代をこれでもかと象徴としていたなと思いました。歴史の授業を飛び越えて戦国時代の舞台裏をこれでもかと堪能できました。
思っていたよりも笑いの方が強く、バイセクシャルである信長の面を押し出したというのも今までの信長像を覆す新たなものが観れて良かったです。登場人物が多いのもあって、駆け足かつその人物の顛末が雑な気はしましたが、十二分に楽しめる作品になっていました。"首"を巡るアクションを大いに笑っていきましょう。
鑑賞日 11/23
鑑賞時間 11:00〜13:25
座席 O-5
加瀬君!!!
北野武監督解釈の
戦国時代「本能寺の変」ですね。
ふむふむ。。
主君・織田信長(加瀬君)を裏切った家臣・荒木村重(エンケンさん)が発端となり、
「本能寺の変」へと繋がっていく。。
というストーリー。
羽柴(姓の頃の)秀吉(ビートさん)の
軍師・黒田官兵衛(浅野さん)は、
明智光秀(西島さん)と信長の書状を使って、ある戦略をたてる。
千利休(岸部さん)がそれを助け、
光秀が利用されたって事ですね。
そしてそこには、天下取りの野望と
BL要素も絡むのだからサービス満点。
信長はどっちもイケたらしいのは有名だけど、光秀と村重までも。。!!
私の西島さんがぁ〜!!
エンケンさんに喰われたぁ〜!!泣
('◉⌓◉’)('◉⌓◉’)
(西島さん、ゾワッとしただろうねw
エンケンさんの顔面の破壊力ww)
信長と蘭丸(寛一郎君・
超合ってたw)はなぜか見れました(^。^)
秀吉との講和の為、自ら切迫を申し出た清水宗治(良々君)が、備中水攻めの中、船上で舞い句を詠み、いざ。。
切迫したシーンのはずも、そこには笑いのエッセンスが。。
他にも、秀吉、秀長(大森さん)、
官兵衛3人のアドリブ?会話もコントの様だ。
皆、命懸けのはずなのに、随所に散りばめられた笑いパートは「たけし節」って感じでした。
ラストは、皆なあれだけ「首」に執着していたくせに、それを蹴っ飛ばしちゃうんだから。
こちらも「たけし節」でした(^。^)
「こんな戦国時代の解釈も面白いだろ?!」と言われた気がしましたね。
そして何と言っても加瀬・信長!!
狂気的で、残忍で、圧倒的なカリスマ性!
尾張弁が恐怖過ぎた!
声のトーンもいいんだこれが!
加瀬・信長なしでは本作の重みは出なかったと思います!
ラストはえええ!!だったけど。
北野監督、構想30年と?!
もっと前ならば、信長はビートさんが演ってただろうな。
30年かけてくれて良かった(°▽°)
俳優ビートさんの演技はもう良いんですけど。
キム兄は何とかならなかったもんか。
(キム兄はダウンタウンに仕えている方がしっくりくる。。)
桐谷・半蔵はカッコ良かったです!
薫サマ・家康。
あんなんじゃ騙されないわ。
気づいて。。その前にお酒をグイッと呑む所イケてたわ♡タヌキじゃないもん♡
戦国時代のあの時代。
誰であっても蹴落として成り上がりたい!
そんな血生臭い、人間の本性剥き出しの人物達。
時には強引に、時には戦略を練り、生き抜いた人々が有り有りと描かれていました。
歴史は、解釈や脚色の仕方で、如何様にも表現できる。
本作は北野武監督ワールド全開の作品でした。
正に「戦国の常識を覆す」出来栄えでしたね!
そして最後に確認させて。
本作のヒロインは。。
柴田理恵さんでよろしいか??
映画ってつくづくタイミングだなぁって思う。
構想30年と謳われて、ソナチネの頃かあ〜と思いながら鑑賞、あ〜その頃に撮って欲しかったなぁって思いました。
初期の2作「その男凶暴につき」「3-4X10月」が好きで、硬質な無常感に痺れてた北野映画原理主義者としては、
製作費、VFX、キャスティング、美術、衣装、撮影等、申し分無く豪華で、北野武は映画監督として巨匠なんだと、寂しくなりました。
30年前だと基本ノンCGだから斬首シーンは良くなかっただろうし、
今作のスケール感を出すには、もっと製作費がかかった筈だし、
男色描写もどう描かれていたか分からないけど、
あの頃の北野武だったら、もっとソリッドだったと思う(抽象的ですいません)
そもそも30年前なら信長役が、北野武氏だったろうし、それで観たかった。
基本的には、コントの様な短いシークエンスを繋いで進んで行く作りは、初期から変わってないし、
さすが構想30年だけあって光源坊とかの設定も面白いんだけど、
例えば清水宗治の切腹の時の「あっ」は良かったんだけど、なんか編集がワンテンポ余分と言うか、切れ味が鈍い気がしました。
首が水辺に落ちて慌てて拾いに飛び込むまでで良くない?拾いあげる必要なくない?
最後の首を蹴っ飛ばすシーンも、もっと馬鹿馬鹿しく大仰に、細かいカット割で撮ったんじゃないかなあって思うのと、
あっさり撮るなら武氏の身体性が落ちてて、笑えないじゃないかと思いました。
とはいえ、最近の信長像を魔王に戻し、
信長自身の斬首シーンなぞ見た事無かったし、斬ったのが彼とか、さすが北野武と思ったし、こういう企画を通せる力は、今の日本映画界で彼しかいないのだろう。
KADOKAWAの首が変わって、お蔵入りを逃れたのも、やはり持ってる男だなぁと思いました。
ビートがねー
男色が普通の時代を正面から描く、これも昨今LGBTQムードになってからようやく描けるようになったこと。言ってみれば以前の時代劇では目をつぶってきたことか。
北野武監督は技の面ですっかり安定感。しかし俳優ビートたけしが思ったより下手くそ。
〝生〟の部分
〝狂ってやがる〟
今作のコピーの言葉だ。
文字通り、「首」は全員といっていいだろう、狂った戦国武将たちとそれを取り巻く〝狂気〟の人々の物語である。
「本能寺の変」を出来事の中心として、その前後を描いた作品となっている。
〝狂気〟を扱うにあたって、その〝まとも〟さの〝ものさし〟となるのは何だろう。
ぼくは〝笑い〟なのではないか、と思う。
よって本作はコメディ時代劇作品とも受け取れてしまう。
けれども、それは必然だったように感じる。
〝悪〟を描くだけなら、〝ものさし〟は、場合によってもそれ程必要無いのかもしれない。
それは観客の人々の中の倫理的な要素が、比較対象となって現れやすいのではないだろうか。
思い出すのは、同監督の「アウトレイジ」シリーズで、特に三作目の「アウトレイジ最終章」はそのバランスとなる〝まとも〟な存在も希薄だったように感じる。本当に全員〝悪〟だったという印象を記憶としてももった。
今作「首」の北野武演じる羽柴秀吉は、よってコメディリリーフとしての役割だった。
だが、その秀吉も、狂気の側面をもっており、ただそれが笑いに転じているだけであって、思考や、そのもっている野望には残忍性がある。
秀吉を中心にバランス、〝まとも〟さを感じられるのは、彼が〝笑い〟をもたせるからであって、それ以外の、人間性などからのことでは無いと、観た人々は分かると思う。
主に織田信長、明智光秀、羽柴秀吉を中心として物語が展開されてゆく印象があるが、
構成としては、荒木村重、羽柴秀吉、難波茂助の三人の軸があったように感じた。
巻き起こる「本能寺の変」と、その新しい解釈と共に、明智光秀を討つまでが描かれている。
時代劇として新鮮味をもったのは、銃火器の使用がやたら多いということや、農民の者たちが侍ぐらい強いということである。
しかしよく考えると当然のことのように思う。
「長篠の戦い」の火縄銃が本当なら、銃の強さは人々に知れた筈で、そこは否応無く、侍たちも使っていた可能性はある。
また、農民たちは普段も身体を動かしている訳であり、いきなりでも戦いに参じれば、例え武器がどうあろうと戦力的に高かった可能性はある。
そうした点をふまえると、黒澤明監督作「七人の侍」に対しての、時代考証含めた、北野武監督によるアンサーのようにも感じ取れる。
作品「七人の侍」のように、武士としての魂として銃は使わない(そう述べてないもののそう受け取れる)ことだったり、農民はか弱き存在(そう述べてないもののそう受け取れる)であるといったことを、考えとしても〈アップデート〉している。
こうした過程を踏まえても、本格的な時代劇でありながら、〝笑える要素がある〟作品だった。
各武将それぞれに孤独が見え、そして不安からか、武将たちは愛し合ってもいる。それはけして抽象的にではなく、肉体的にも、である。これが真面目にも描かれるのだから、同情していいのか嘲笑していいのか、共感すべきか同感すべきか分からなくなり、結局のところ心の内で笑ってしまった。
こうした複雑なところを含め、北野監督の手腕が発揮されており、画作りから色彩においても、これまでキタノブルーと呼ばれた青の強さよりも、今作品においてはグリーンの艶やかさ、柔らかさを感じたように思う。
演出、画作りや編集も、「アウトレイジ」シリーズと「龍三と七人の子分たち」を経た形で、より人物造形は劇中キャラクターとしても自然な形で自然さを携え、画面に活き活きとして現れたと感じた。
それは、どちらかといえば〝死〟を携えたこれまでのキタノブルーからは感じ取れなかった、〝生〟の部分のように思う。
ラスト近く、明智光秀は追われる形で、部下たちを失いながら逃走する。彼等は、死と共に、従えることを選んだ。だが、光秀自身は、武勲の為に、従えることを否定し拒否した者である。
〝武勲〟か、〝従えることの想い〟か。
その選択の中で、どちらも、まあ、狂気においてだが、
幸せでもあったのだろうか、とも思う。
そこに、もの悲しさを感じる。
農民として戦に参じながら、最後には光秀の首を取る(が、自身も取られる)難波茂助は、現代人の象徴のようにも受け取れる。
武勲のために、ただ流されるように人を殺めてゆく。
そこに彼の〝選択〟はあっただろうか。
ただ〝欲〟のままに突き進まなかっただろうか。
そうした、〝なにも選択しないことを選択する〟姿はどこか、今の現代人のようにも思う。
こうしたことすべてが〝狂ってやがる〟、なのではなかろうか。
こうしたこと全て、本当に〝バカヤロー〟なのかもしれない。
(追記)
信長より秀吉の方が賢かった、それも信長の狂気性は増したまま、って割に合わない気がしてきたので、半星下げました。
命が軽い
バンバン死ぬし、大河では見られないくらい首が切られる。
まぁそういう意味ではリアルなのかな。
各人物はそれなりに史実通りで、コメディ寄りにしている感じ。
ストーリーは歴史なのであまり語ることはないかな。
まぁ駆け足気味なので、展開は早い。
何か教訓があるというよりは、こういう説もあるよね、という内容なので、正直そこへの感想はあまりないんですよね。
それを北野武節で描いており、独自の解釈やコメディ要素等が受け入れられるかで評価は変わりそう。
ゴリゴリのハードな歴史物ではないので、ライトに見たいならばありかな。
まぁ最後の一言である意味全否定なんですけどw
そこがらしいっちゃらしいw
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