ミッシングのレビュー・感想・評価
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観て良かったけど、少しモヤモヤが残った
石原さとみさんの演技が、実際に我が子が行方不明になったらあんな感じになるんだろうな、とリアルに感じて、すごく良かった。
こっちは必死なのに、イタズラにメールしてきたり、電話してくるくだらない奴らにめちゃくちゃムカついた。
最後はハッピーエンドになったらいいのにと思いながら観てたけど、そうじゃなかった。
このミッシングと言う映画は、あの終わり方がベストなんだろうなぁ。
鮮やかすぎるほどの「キャラ立ち」
『BLUE』以来、自分にとって「何をおいても絶対に観る監督」となった吉田恵輔監督の最新作。
石原さとみの熱演は予告通り番宣通り。すごい努力だと思う。ヒロイン役をずっとやってきた美人女優というのは、どこかでその枠からはずれた役をやりたくなるのかな。シャーリーズ・セロンが増量してすごい顔になってオスカー獲った『モンスター』とか。エマ・ストーンの『哀れなるものたち』はちょっと違うか。
石原さとみの主人公に限らず、登場人物それぞれがものすごくくっきり「キャラ立ち」している。青木崇高の夫はどこからみても理想的な人物だし、弟は最初からずっと「いかにも」というか、どこからみても怪しいと思われそうな人物。ちょっと極端に描きすぎな気もするのだが、ものすごくリアリティがある。
あざといネタで局長賞(?)とって栄転していくやり手記者、そういう日の当たる道にどうしても憧れてしまう小野花梨の後輩記者。この二人は、ああこういう人いる!と観客みんなが叫びそうだ。
中村倫也の演じたローカル局の記者は、本当の意味でまっとうで誠実な人間。嘘をつかず小細工をせず、自分の納得のいく仕事をする(しようとする)人。しかしこういう人は短期的なスクープはとりにくいだろうし、目立つ業績は挙げないかもしれないし、上司から使いにくいと思われることもあるかもしれない。何となくBLUEの瓜田に通じる部分がある、ごく普通の大人の男性でありながら「純粋な心」を持ち続けている人。このキャラクターもある意味ちょっと極端で、そういうくっきりした人物造形が吉田監督の映画なのかなと思う。
物差し
当事者の胸の内は他人にはわからない。
それがどんな些細な事であろうとも。
作品としては極端な事例であった。
子供が行方不明になった夫妻を描いてる。
それだけの情報でも、想像できる事柄はいくつもある。だけど、今作は苛烈であった。
それがリアルなのかと問われれば返答には困るものの、想像してたモノ以上のモノであった事こそ大事なのではないかと思う。
人には其々、物差しがあってソレを用いて様々な事を仕分けしていく。当たり前のように自分の物差しで全ての事を測ろうとす。けれど、その物差しは絶対ではない事を教えてくれる。
あんな状況下に置かれる事はないけれど、自身の正当性を他者への否定を元に主張する石原さんを見てそう思う。たぶん何をどうした所で彼女の怒りの矛先を鎮める事は出来ないのだと思う。
気持ちに寄り添うなんて事は、それっぽくしか出来ないのだと反省する。やれてたようにも思う自分を傲慢にも思う。だが、作中の青木氏がそうであったように、アレぐらいしかやりようがない。
それと同様に、ネットに書き込まれる文言にも恐怖を覚える。
ああいう書き込みには何の意義があるのだろうか?
どんな感情ならアレをしてしまえるのだろうか?
途中に刑事が言う
「その事実が面白いんだよ」
…絶句する。
他人の不幸は蜜の味なんて言葉を聞きもするが、こんな環境には適用されないと思う。
個人の価値観をダイレクトに、かつスピーディーに発言できる現代、まるっきり接点のない人達に見えるように刃物を突き立てる。まるっきり接点がないから出来るのだろうか?茶化してしまえるのだろうか?
冗談じゃない。
冗談じゃ済まされない。
全編通じて唯一スカッとしたのは、誹謗中傷で告訴された神奈川県の何とかって人がNEWSになった時だけだった。
劇中の台詞にもあったけど「いつからこんなに狂ってしまったのか」と。
おそらくならば狂ってたんだ。それを建前で抑えていたのがSNSというツールによって明るみに出てきただけの事かもしれない。
いずれにせよ想像力の向かう先が違いすぎる。
醜悪な人の本質を突きつけられてるようで滅入る。
話は逸れたが、マスコミのスタンスも興味深かった。大衆を相手にする事の虚しさを感じる。
事件は毎日起こり、美羽ちゃんの失踪よりも悲惨な事件は更新されていく。当事者にとっては大問題であっても数億分の1である事に変わりはない。
わかっちゃいる。わかっちゃいるが…いたたまれない。
事実を報道すると大義名分をかざしちゃいるが、編集をせねばならないって縛りがある以上、事実のみで構成されるはずもない。
悲しいNEWSには沈みがちなナレーションを。楽しげなNEWSには明るいナレーションを。当たり前のようになってはいるが、ソレだって偏向報道に含まれる要素ではあるんじゃないかと思う。
視聴者を一方向に誘導するわけだから。
視聴率を稼ぐという命題がある以上、局内でNEWSの内容に優劣がある以上、色んな事で誤魔化しちゃいるが、あのスタンスは変わらないのだと思う。
ソレがマスコミの大多数が共有してる物差しなのであろう。
劇中、警察をかたり「美羽ちゃんが保護された」って電話に戦慄する。
誰かフィクションだと言ってくれ。作品の濃度を高める為の創作だと言ってくれ。
アレを実際にやったヤツがいるのだろうか?脚本を書くにあたり取材した当事者の方からの体験談なのだろうか?お願いだから創作だと言って欲しい。
世も末だ。
電話を切った後、笑ってる人間がいたのだとしたら身の毛もよだつ。結果を目の当たりに出来る立場にいるならまだ予想もつく。その立場に居ないなら、まるで意味がわからない。人間の所業と思えない。
また話が逸れた。
本作の後味は悪い。
けれど、考えるにあのラストが正解なんだと思う。当事者達の1部を引きずったまま映画館を出る事ができた。
自分の物差しと他人の物差しは違う。
どんな間柄であっても、どんな環境にいても、圧倒的に違う。分かち合うのは不可能だ。
それを前提に人と関わろうと思う。
劇中、失踪した娘が見つかった母親が、石原さんに問いかける「私に出来る事があれば何でも言ってください」その問いかけに対する答えは劇中にはなかったけれど、俺ならば「娘さんを可愛がってあげてください」と言うような気がする。
俳優陣は皆様素晴らしかった。
今年のアカデミーは現段階ではコレ一色な程。
商店街や警察署でがなり立てるガヤの声に、埋もれていく個人を垣間見たりする。
世間や組織は、より大きな喚き声にも左右されがちな昨今を端的に表した秀逸な演出にも思う。
◾️追記
希望…希望かぁ…。
たぶんその希望は観客の希望のようにも思う。
当事者達は、きっと結果が出るまで彷徨い続けるのだと思われる。ケジメを付けきれない。
忘却は防衛本能みたいな言葉はあって、薄れていくものではあるけれど、劇中の扇風機にたなびくビニール紐のように、常にソレを抱えたまま生きていくのだろうと思う。
通学路で振り向く女の子、アレが実像なのか幻想なのかはわからないけれど、重ねてしまうものだと思う。彼女がその幻想から解き放たれる時は来るのだろうか?
その日が来てしまったら美羽ちゃんの存在が無くなってもしまう。そことの葛藤もあるのだろうと思う。
あのラストに感じた希望は、僕達の願望であって、彼女の希望ではないように思う。
そんな事をふと思い、自身の未熟な物差しに目を落とす。ああ、またやってしまった…。
天候に雨や晴れがあるように、彼女のこれからに暖かな陽射しがさす日が1日でも多くあればいいと思う。
何にも出来ないのは明白だけれど、自分の手が届く範囲の事には出来得る限り手を差し伸べていきたいと思う。
本作はアレで終わりだけれど、その後の時間を想起させる程に石原さんの演技は凄かったんだなぁと改めて思う。
理不尽な災厄に見舞われた個人と社会。
突然娘が失踪した夫婦の話。
愛する娘が失踪し一切情報がないという理不尽かつ不明確な状態に精神が破壊された母。娘や妻を心配しつつも現実も見えてる父。ジャーナリストの倫理と報道ビジネスの合間で苦悩する記者。
三者の視点から理不尽な事件に翻弄される個人とそんな個人の話にいつまでも付き合ってられない社会、そんな現代の不条理をよく描いてたと思う。
特に娘を失い腫れ物化した石原さとみの怪演が本当に良かった。
泣き叫びすがり、発狂・失禁し、そんなところから少しづつ立ち直っていく様を見事に演じてた。
色々考えさせられるし見事な映画だと思うけど、本当に見てて辛い映画なので覚悟してみて欲しい。
悲しくてやりきれないけれど
いなくなった娘が戻ってくる事を信じて、手掛かりを探し続ける両親。世間の関心が徐々に薄れていく中、必死に協力を求める。母親の悲嘆は大きく、夫との間に温度差を感じてしまう。一方で、事情も知らず全く関係ないのに誹謗中傷する者。非難にさらされ、更に傷つく家族。
沙織里も弟の圭吾も、誤解されやすいキャラクターです。本当は気の毒な人達なのに、同情しきれない雰囲気がある。石原さとみさんの、熱演だけど、そこはちょっと違うんじゃないの、という演技が、そういう所を表現していたと思います。こういう風に振舞えば相手に好意的に受け止めてもらえると分かっていても、上手く出来ない事があるのは自分でも実感します。
森優作さんも、ビデオの中では良いおじさんなのに、薄気味悪い感じを出していました。
青木崇高さんは、一見ワイルドだけど知的で、理想のお父さん像です。
石原さとみのコミュニケーション能力が凄い!
石原さとみが、監督に出演を懇願した作品。
それもあってか、演技が本当に凄い!今までの石原さとみさんとは全く違う演技で衝撃を受けました。
ストーリーも身内の人間関係が、実際起こりうることを題材にしており、心の距離も近い作品でした。
行方不明当日を削った謎の脚本
番宣通りの正気を失った石原さとみの魂のこもった泣きの芝居を十分堪能しました
素晴らしい芝居でした
しかし物語の始まりが、何故か娘が行方不明後で母がひたすらビラ撒きをしテレビニュースへの依存する場面から始まる
最初から娘がいなくなり正気を失った状態にしたのは何故だ
起承転結の起を削除されてしまった為に物語に入り込めす彼女の気持ちと同化できなかったよ
起=笑顔で子供を弟に預けてライブを楽しむ笑顔の彼女
子供が帰って来ずに困惑して何度も電話する夫
ライブ後に半狂乱になる石原さとみ
この大事な起の部分を削った理由が理解できない
物語は何が起こるでもなく、正気をうしなって周りに当たり散らす主人公
そんな主人公にかけらも共感がもてないし物語入り込めないよ
わめき散らす場面を削って行方不明時の起を少しでも入れてくれたら良かったのに
ライブ会場ではしゃいでいる通常の笑顔の彼女があれば狂っていく様が引き立つし、彼女に同情できたのに
悲しい物語のはずなのに主人公に感情移入できなくて、少しだけ泣けたのは弟君の最後の謝罪だけ
彼のせいで行方不明になったんじゃないのにひどい目にあって本当に可愛そう
お前もライブ行ってたくせに、ひどい目にあってるにも関わらず罪悪感で泣いて謝罪する弟君にひどすぎないか!!
って最後まで主人公にいらいたよ
SNSで悪口書き込む人のように主人公がライブに行ったのが悪い!って言わせたかったのなら脚本の狙いにまんまと罠にはまってますが
石原さとみは悪くない
これは脚本がわるいのさ
寝ても覚めても
優しい映画
事件はとても悲しくて、両親の悲しみはとてつもなく深い
目に見える人達は皆優しく目に見えぬ者どもが攻撃的で辛くなる
まだまだ人を信じたいと思う、思いたい
メディアでは色々なことが報道される
ドラマや映画の宣伝もある
有名人のスキャンダルも数字が取れるだろう
地震や台風情報は生死に関わる
報道の自由とはよく言ったものだ
誰の為、何の為に報道するのか今一度考えてほしい
番宣でテレビに石原さとみさんが出ていてこの作品を見ることにしましま
『ヒメアノ〜ル』はとても衝撃的な作品でしたね
吉田監督は人の心の静けさや激しさを撮るのがとても上手い方
『空白』の静と動も絶妙でした
この作品の心も多彩です
『空白』の後半で古田新太さんの台詞がどの作品にも当てはまる
私の疑問と同じなのです
「どうやって折り合いをつけているのかな〜」って
悲しみや怒り、みんなどうやって折り合いをつけているのでしょうかね
石原さとみは熱演だが……
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。
【以下、個人的な感想なので、本作を大好きな方はスルーしてください】
8歳の娘の失踪事件に奔走する母親を石原さとみが熱演。その夫を青木崇高。この事件を報道するテレビ局員に中村倫也を配して描かれた「娘探しのドラマ」。
本作の見どころは、やはり、石原さとみの感情爆発するような演技。
いままでの石原さとみが殻を破ったような姿は、今後本格的女優になっていくような予感を感じる。
娘失踪事件を描いた物語で様々な人たちが絡んでいるドラマはそれなりに見応えはあるものの、如何せん終わり方が悪くてモヤモヤしまくる。
具体的には記載しないが、これでは気分良く映画館を出ていくことは出来ず、石原さとみの熱演が空回りしたような残念な作品だった。
<映倫No.124123>
行方不明者1000人
見終わって、日本の行方不明の子どもの数を調べてしまった。1000人以上いるらしい。
私はアイドルオタクをしているのですが、オタクってよくアイドルの幼少期の写真を載せて「こんな可愛いのによく誘拐されなかったねw」って言うんです。私このノリが昔から苦手で。この映画を見て自分の感性は正しかったんだと思いました。
この映画の主人公のように未だに自分の子供が見つからなくて苦しんでる人が何人もいるんですよね。
正直、行方不明のニュースを見て親の管理が甘かったのではと思うこともあります。だからと言ってそれを口に出したりインターネットで親を誹謗中傷するのは違いますよね。親が誰よりもそれを分かっていて自分を責めているんですから。
「空白」みたいに誰かが自分を責めすぎて命を落としてしまう場面があるのでは、とヒヤヒヤしながら見てました。こんな状況じゃ狂っても仕方ないですよね。娘が保護されたと連絡を受け、嘘だと分かった時の石原さとみの演技がもうめちゃくちゃ上手くて、怖かった。いたずらの電話ひとつで人をここまでさせてしまうなんて。
マスコミの在り方も考えさせられますね。切り取り方次第で何も罪のない人を悪く見せることができるって怖い。こういう映画を見てマスコミ避難してる人も結局忘れて、事件をエンタメ消費してしまうんだろうな。
人生は学びなのかもしれない?
まず、石原さとみの振り切った演技(快演)に大拍手を送りたい。物語は失踪した愛娘を捜索するストーリーですが、残念ながら、ハッピーエンドは見えてきません。その代わりに、石原さとみの新たな才能を見出したことと、どんな不幸があろうと必ず人間は光明を見つけて生きていくのだということを教えていただいたので、充実した満足感を味わえた傑作だと思います。石原さとみは迫り来る中傷やどんどんと進む希望の喪失の中で、まさに鬼子母神(未子がいなくなり半狂乱となって世界中を駆け抜け探し回る)のごとく駆けずり回ります。ある時には警察署で失禁までしてしまいます。その愛娘に対する執着の凄まじさに胸が打ち震えました。その後、愛娘は戻ってくることはありませんでしたが、最後の愛娘の書いた家族の落書きの上に、ガラスを通して虹がかかった時、まさに人生はそうして立ち上がっていかなければならないのだということを示唆していて感動しました。つまり試練はどんなことがあっても乗り越えていかなければならないのです。人生はシナリオ通りです。自分でその困難を味わうことを決めて生まれてきているのですから、酷なようですが超えていかなければなりません。ある意味人生は修行であり、学びです。愛娘を失うという不幸の中から、学びに学び、旭日のような力強さで再び立つしかないのでしょう。あと、石原さとみ夫婦に対する誹謗中傷の件ですが、人間は過去世において殺人窃盗など平気でやっていたという名残なのでしょうか。悪はいまだに潜在意識の中に残っています。それが出てくる人と、出ない人がいるだけだと思われます。私たちは、常にその気持ちをコントロールするという学びに徹していきたいものです。
重たさしかない。
この映画は、犯人探しのミステリーでも
サスペンスでもなくて
家族の物語……とも違う。
居なくなった娘を探す母親、の心が壊れたモンスターぶりと
報道の情報操作、数字の都合っていうのは
どう創られるか……を感じた。
知る権利、知らせる自由が相まって
報道の情報操作がされ、見させられてて
踊らせられて。
親目線でみれば、
やっぱり子供に何かあれば、
自分の中だけじゃ感情の処理は出来ない
かなぁ……
責任を押し付けられる、
怒りをぶつけられる、そんな存在を探しつつ、
やっぱり自分が一番悪い!って
堂々巡りしそう。
そういう意味では、石原さとみのモンスターぶりは納得できます。
それにしても、ずっと重たい。
画面すらも暗くて、どんよりしている。
救いがないからかな。
母親の行動で理解出来ない部分があって感情移入できなかった。 母親の...
母親の行動で理解出来ない部分があって感情移入できなかった。
母親の話のようで、マスコミ側の話のような。
最初から最後までモヤっとした話だった。
シネマサンシャイン沼津で見ろ!(関係者とか回し者ではないです)
石原さとみの演技が良いと聞いて見てみました
それ以外に事前情報ナシで見に来たんですが、舞台が地元だったとは…
それは映画が始まって速攻で分かりましたよ
特に地元の人には言っとくけど、この映画は是非ともシネマサンシャイン沼津で見ろ!
(関係者とか回し者ではないです)
事情が許すなら、天気の良い日、映画見る前に沼津駅北口のロータリーを20分くらいゆっくり散策してから見ろ!
実際、星一つ分くらい評価が違ってくるかも
事前情報遮断スタンスをこんなに後悔したのは初めて…
あんまり事前情報を遮断するのも考えものだ…と痛切に思いましたよ
(かたくなに事前情報から目を背けてきた地元民のコメントです)
ネタバレにならない程度に言っておくと、この映画は謎解きミステリー映画ではない。
ありがちな感動ポルノ映画でもない。
不幸せな事件が起きてしまった後の関係者たちの人間ドラマです。
人間の弱さとか強さとか、その分水嶺に立つ危うさを見せ付けてくれるドラマ作品です。
シン・ゴジラではあんなに浮いた演技をしていた石原さとみが、この映画では確かに良い!
この役がもしも中谷美紀とか菅野美穂とか二階堂ふみ、あるいは戸田恵梨香、もちろん安藤サクラとかだったら…とも思っちゃったけど、次の作品を期待させる出来でしたよ。もっともっと出来る子だよねって思っちゃう。まだまだ伸び代がありそうだって感じるんだよね。ホント次が楽しみ。もちろん本作もかなりかなり良い!無理やりネガティブな意見を言うなら、口野・内浦のあたりの沼津市民としてはまだちょっぴり垢抜け過ぎてるかな…と。
青木崇高の安定の演技も良い!とくに歩き方とか立ち姿のホンモノ感がちょっとシャレにならないくらいリアル。
美保純は静岡県の出身で、ホントに静岡のお母さんって感じで、ストーリーにもっと関わって欲しい役所だった
森優作もハマり役だと思う
なんか石原さとみの評判以上に良いものを見たって気がします
鑑賞後にお読みください。
私は本作の予告編を見た時、石原さとみさんの演技に目を見開いた。
以前「シン・ゴジラ」での石原さんの演技は私にはノイズだった。
それが本作では素晴らしい演技派俳優に見えたのだ。
たしかに予告編では...。
そして本作だが、残念なことに私には全く響かなかった。
主役が頑張れば頑張るほど、ドン引きだ。
主役が泣いてイラついてばかりで話が進んでいかない。
実際に子供が行方不明になったとしたら、確かに平常心ではいられないだろう。
泣くだろうし、自分を責めるのも当然だと思う。
だが劇中それを長々と見せられては、さすがにいい加減にしてくれと思うのだ。
そしてその過程を乗り越えて主人公が葛藤と苦悩の末、何かを見出したのなら溜飲も下がっただろう。しかし残念ながら、私にはそれも感じなかった。
鑑賞途中で私は本作のテーマが行方不明の娘を必死で探そうとする母親の話ではなく、それを題材にするマスコミ(TV局)の在り方をテーマにした作品だと感じてしまったのだ。
それは新人女性記者の「TVってなんなんですかね?」のセリフでも描かれている。
そんな観方になってからは、主役の迫真の演技?は邪魔でしか無かった。
本作の主役は中村倫也さんだと思うのだ。
彼こそが挫折や屈辱を感じながら、視聴率を取ることと真実の報道との間で葛藤し、それでも答えを探そうと苦悩し成長しようとする姿こそ本作の肝だ。
なのでTV局側視点から描かれていればもっと良かったのにと思う。
これが私の本作を観た率直な感想です。
☆の評価が低いのも私の観方が悪かったせいかもしれません。
なので本作を愛している方や石原さとみさんのファンの方には、たいへん申し訳ないレビューになってしまいましたことをご容赦いただけたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
石原さとみはえらいなあ
「空白」での松坂桃李くんもそうだったけど、今旬の人気俳優がこういう社会派映画に出るのは偉いと思う。
いくらでも商業映画に選んで出ることができる立場なのに。
こういう映画は松坂くんとか石原さんが主演じゃなきゃ配給もマイナーで動員はほとんどないだろうからね。
重たい
前半はなんか演技も含めて微妙だなぁと思いながら鑑賞していました。失踪後3ヶ月という状況から始まるので、主人公夫婦に感情移入出来なかったんですね。
中盤以降は夫婦それぞれ迫真の演技でした。
現実でもこういう事件が度々起こりますが、ご両親は想像を超える痛みに耐えて生きていかなければならなくなりますね。
重たい映画でした。
先入観で物事を判断することの危うさ
本作は人間の意識がいかに目先の事象によってそらしやすいかを幾度となく体験させられる一本だったと思うし、思い込みによっていかに印象が操作されやすいかを痛感する。そして男女の考え方の温度差も対照的に描いていて随所に仕組まれたストーリーラインに思わず乗ってしまいそれに気付かされたときはとてもハッとさせられた。
例えば娘の目撃証言を受けて警察署に相談をしに行く箇所がある。そこで警察と夫妻とのやり取りがシーンの中央にあってそこに目は行くのだけれど隣に隣人トラブルに対応しない署内の人間を恫喝している男性がいる。両者を同じカメラに移しているのだがどうしても意識や聴覚の方は夫妻よりも恫喝している声の方に気をそらされてしまう。また商店街で口論している男女がいて喧騒が続く中娘の張り紙にいたずらをしてあって限界を迎えて母親が思わず叫ぶシーンがあるがそこでもより大きな音に注意が向かってしまうなど、必ず両方の対称性を際立たせて組み込んでいるのがとても作り込まれている。
また報道に携わる人間のアンビバレントな事情などにも深く描く。口では「正義」やら「不正を追求」などと口にはするけれど自分たちの視聴率や見たいものしか認めない、結局「絵」にならないものはお蔵入りにして自分が求めるものを作り上げてそれをさも「真実」と称して散布することの愚かさにも踏み込んでいる。紗織里がテレビ局の人間に不信を抱き詰め寄るシーンで、手前で口論しているがその奥ではカメラマンがカメラを構えていかに面白く映るかというポジションを意識している最中に小物が風に飛ばされて悪戦苦闘をするところはそれを戯画化して風刺のようにも見えたし、はっきりしない程度の紗織里の弟をカメラの前に出して「事件を明らかにしたい」と口で言いながらも強い口調で糾弾したり、まるでその弟が犯人だと思わせるような編集をするなど、うまく二面性を浮き彫りにする見せ方も見事。
そして男女間の温度差の違いも本当にリアルで、女性の方は感情が先走って男性側はぐっとこらえて目先の事にいちいち反応しないという対象的になっていたのも興味深い。
今の時代は人とつながりやすいし情報が秒速で目にしやすい時代。手元のスマートフォンを開けば地球の反対側のことまで知れる時代。
情報を手に入れやすいということはそれだけ目にしやすい文字が多くなっているしものが多ければ多いほどノイズが頭の中を満たす。そしてなかなか答えが出ないことを拒絶してしまって自分たちはどこかでこの事実はこうあってほしいという欲が働いて湾曲して捉えてしまう。母親はわらをもすがる思いでネットの書き込みを真に受けて突っ走ってしまう姿や報道陣のカメラの画作りに結果的に協力してしまう。頭ではわかっていながらも体が動いてしまうところは見ていて辛かったが、その彼女が他人の痛みを自分のことのように感じて泣いたりする姿はとても尊いものとして作品に刻み込まれて思わず体が震えてしまった。
全481件中、221~240件目を表示