ミッシングのレビュー・感想・評価
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人間という安い生き物
誹謗中傷を中心とした
“被害者”がどれだけ残酷な生活の中で
生きなきゃいけないのか。
という人間の愚かさ醜さと、
でも人の幸せを信じたいという二局の感情を
女優として本気で母を演じた怪演 石原さとみ。
それでも生活していかなければいけない環境を描く。
人間を深く感じる作品。
あくまでも個人的にだが
“重く苦しい傑作”って
触込みを聞き過ぎたかも。
ラース・フォン・トリアーみたいな
観てるのも辛くなる感情を
期待し過ぎてしまった。
情報シャットアウトすれば良かった(^_^;)
石原さとみの熱量は評判どおりでした
昔、ありましたよね
失踪したお子さんを探すお母さんのニュース映像思い出した。
当時もそうだったけど、この作品鑑賞中もずっと傍観者でいましたね。
自分には子供がいないので起こりうることのない設定だからかな。
当事者でないということはそういう事なんだと思うけど。
それに対してSNSで誹謗中傷するとかいたずらで嘘情報を教えるとかいう心理は理解できないな…
夫婦の関係、姉と弟の関係、マスコミとの関係…それぞれの狂った状態が滑稽に見えたシーンもあったり、とにかくすごい熱量のそれでいて静かなイメージの作品でした。
石原さとみはもちろんですが、脇のキャストがとても良かったです。
中村倫也、青木崇高のお二人は安定の存在感。
そして森優作さん!今回こんなに重要な役でたくさん写ってましたがハマリ役でした。彼の黒目の大きさに注目して欲しいです!
大切なものを失って壊れてしまう母親の描写が印象的
石原さとみさんの演技力に魅了される作品。
そしてモノではなく、代わりのきかない「生身の人間」が
どこかに消えてしまった事実。
これと対峙する各々の人間性がそれぞれのタイミングで
あらわれていた。
その演技力はすべての役者さんにおいて素晴らしいと思った。
子育て、母親の在り方、父親、夫婦、子供との関わり、子供の世界と親の世界、
大人の事情、再婚、母親のストレス、空の巣症候群、喪失感、虚無感、罪悪感、自分を責める、大人の裏事情、家庭のありかた、事件、
トラウマ、姉弟、いじめ、精神的苦痛、世間の目、SNSの書き込み、事件の報道、
テレビの世界、情報共有とそのリスク、報道する側、取材される側の恩恵とリスク
信頼、信用、猜疑心、決めつけ、正義、ジャーナリズム、真実・・・・
こんなキーワードがテーマとして劇中に散りばめられていたような気がする。
どこを突いてもやるせなく、ゴールがなく、解決に至らない、自分自身も
映画を見終わったあとに、なぜか空虚感だけが残った。
自分も母親の端くれなので、大切な命が目の前からいなくなってしまったら
石原さとみさん演じる母親と同じように狼狽しボロボロになるのは想像がつく。
あの演技力の迫力がこの映画の象徴なんだろうなと思った。
でも、最後に何かが足りないと感じ、それはなんなんだろうとしばらく
家に帰ってからも考えた。
それは、そもそもこの映画の中心である、いなくなってしまった女の子、
「みう」ちゃんの肉声だと気付いた。
もちろん、一番はじめに、登場し、笑顔や元気に動く姿、そして、唇をブルブルさせて
いたずらっぽく、ふざけて周囲を微笑ましくするシーンはある。
回想シーンで、そのブルブルする音を、扇風機が回る音にリンクさせて、母親がつい思い出すという描写はとてもリアルで素晴らしいと思った。
でも、もっともっと、はしゃいでいる時の「声」があっていいと思った。
弟さんとふざけるシーンでの生の「笑い声」や、お誕生日を祝った去年の時の本人の
動く映像や「声」がもっとあってよかったんじゃないかな。
だって、みんなが必死で探している大切な存在そのものなんだから。
一番、忘れてはならない存在なんだけど・・・。
それが、とても小さくなってしまっていたことに気付きました。
石原さとみさんの狂気と野性と慟哭がみちみちていて、おおげさすぎとか...
石原さとみさんの狂気と野性と慟哭がみちみちていて、おおげさすぎとか言いたくもなるんだけど、それを封じこめるくらいのとんでもない異常な熱量だった。
内に閉じこもり続ける森優作さん、かたくなに一定のテンションを保ち続ける中村倫也さん、あーいるよねこういう人・・・って苦笑いしたくなるぜんぜんストーリーに関係ない市井のひとびと、𠮷田監督ならではの、ひとの弱さや意地の悪さやなまなましさ、いろいろ堪能できました。
結局?
予測が付くストーリー。表現したいことは分かるが、結末がはっきりせず、後味悪い。でも結末がはっきりせず終わりが見えないのは主人公らもだよな…となんとも言えない感じ…。
ただ、感情表現が上手で一生懸命で誰が見ても必死さが伝わる妻と、あまり表には出さず感情は内側に秘めているが本当は心の奥底で妻と同じように娘のことを考えている夫の関係性はとても素敵だなと思った。
自分好みの映画ではないけど、いいものだった。
何でもないようなことが幸せだ
あざといけれど泣かせられる石原さとみが終始怒って焦っていた。そして、中盤あたりから壊れて狂っていた。「そして、バトンは渡された」を見るまではただ可愛くあざとい人だと思っていたら、あら。そして、「アンナチュラル」で年末に癒やされた。何だかとても惹き付けられる女優さん。テレビドラマではなく、映画で見ていたい人。なので、火曜のドラマは見てませ~ん
今回も「ヒメアノ~ル」レベルを期待していたが、超えてはいないが、次点レベル。ただ、約120分に主人公を始め、取り巻く人々の事情や感情が無理なくむらなく詰め込められたのが、圧巻。主人公を冷静さで包み込む旦那さんも地味にスゴイ!
ミッシングの意味
平凡な幸せの日常から不条理なナニカにより大切なものがMissing【欠ける】恐怖。
実際の事件を連想させながらマスコミとはSNSの功罪とは?などと考えさせられる作品でした。大切なモノが欠けることにより関係者が少しずつ歪んでいく過程と対照的に真っ直ぐのはずだった報道マンも歪んでいく流れは重く苦しい雰囲気で観ていて辛い時間もあります、だけど時間を割いてでも劇場で見るべき素晴らしい作品だと感じました。俳優陣の素晴らしい演技にはただただ脱帽です
この作品のパンフレットはかなり良い出来なので気になる方は是非!
とてもつらい
うちにも6歳の娘がいるので、同じ立場だとしたら本当に発狂してしまうし、生きていけないかもしれない。『八日目の蝉』の被害者の立場でもある。つらいのは生死が不明なまま終わってしまったことだ。不明もつらいけど、亡くなっていてもなおつらい。
闇カジノなどちょっととってつけた感じがある。韓流アイドルのライブに行ってネットで責められるなどもありそうではあるけど、それ以上の何か本当にその体験をした人にしか分からない表現が見たい。石原さとみさんの発狂ぶりはすごい。
卸売り市場で組合みたいな人が援助金を渡してくれる。そんなに親切なのか。ポスター印刷はネットで格安の印刷があるから教えてあげたい。
子どもと触れ合っている場面がほぼないのでなんとも言えないけど、吉田監督は子どもいるのかな。観念的な存在みたいだ。
空虚感が半端なく…
評判通り、今までに見たことのない石原さとみさんの熱演。これからどうなっていくのか、先が気になり没頭して作品を見ることが出来ました。
ハッピーエンドで終幕を迎えて欲しかった展開でした。観終わって暫くは空虚感が半端なかったです。
わかっていたけど辛い作品
重苦しくなるだろなと迷ってたが結局鑑賞。
番宣で石原さとみさんが髪を痛めたとか肌荒れのすっぴんで挑んだ役だと話していたり、感情の起伏も今までにないとか言われてたが、自分にはそれほど感じなかった。でも母親として共感する部分はあった。
旦那役の青木さんが煙草吸いながら目を赤くて泣いていた姿と、弟役の森さんに泣けた。
過酷な人生を生き続けること
脚本がすごい
演者がすごい
メディアやSNSとの関係が主人公たちが置かれた過酷な状況を浮き上がらせるが、メディア批判はメインテーマではない気がする
拉致被害者家族のことを想うと、過酷な日々を生き続けることが、リアリティを持って伝わってきた
メディアやファンが期待するものに応えてきた石原さとみの本当の演技力がわかったのが大収穫だった
苦しい。
今日は映画デーと決めて、3本連続で見るべく予定を組んでいた。2本目が本作。しかし鑑賞後、3本目(しかもよりにもよって関心領域を観るつもりだった)を観られるようなメンタルではなく、2本でやめて映画館を出た。
それくらい、心を削られる作品だった。
これを観たほとんどの人は、数年前のあの女児行方不明事件を思い出すのではなかろうか。我が子の行方が分からなくなり、なりふりかまわず必死に捜す母親や親族に、インターネット上で拡散される誹謗中傷。あの後味の悪い事件を思い出して苦しくなった。
また、自分にも美羽ちゃんと同じ年頃の子供がいるので、石原さとみと青木崇高に感情移入しすぎて10分に一回くらい涙がにじんだ。子供連れの親子を見かけるところなんて辛すぎて涙が流れるのをこらえきれなかった。泣きすぎて頭が痛い。
ほとんどの人間たちの無関心、不躾で無神経な関心、明確な悪意。どれにも削られる。そこここに善意も転がっているのに、そんなもの一瞬で消し飛ばしてしまうレベルの悪意が降ってくる。被害者であるはずの母親も、周囲への接し方などに同情しかねる部分もある。
とにかく人間のエゴ、人間の業とも言うべきものをこれでもかと次々に注ぎ込まれ、正直途中でもうこれ以上見たくない…と苦しくなった。
ところどころ終わりに向かいそうなシーンがあり、この辛さもやっと終わりかと思ったらまだ続いて、また苦しいシーンがあり、さらに削られる。2時間の作品だったが、詰め込み感はなく駆け足にも感じないのに非常に内容が濃く、3時間くらいに感じた。
娘がいたころのホームビデオ。あんなもの見せられたら。そして、エンドロール。あれはダメだ。苦しすぎる。嗚咽がこらえられなくてハンカチを口に押し付けていた。それまで必死に耐えているふうだった周囲の観客も、たまらず唸り声を上げていた。分かるよ、これは無理だ…と内心で肩を抱いていた。
疲れ切ってシアターを出た。
何時間も経つがまだ頭が痛い。それでも他の方々のレビューを読んでは思い出し泣きしている。これは今日1日私は使い物にならないだろう。
本当につらかった。でも心から観てよかったと思うし、観るべきだったと思うし、観てほしいと思う(ただし心身とも万全なときをおすすめする、不調なときに観たら立ち直れなくなりそうだ)。
なんとも言えない作品ですね💧
色々と凄い作品でした、内容やら演技やら「わ〜っ」と文章にできるだけ書きますが、まぁまぁと一個人の感想なのであしからずです🙇♂️。
娘が行方不明になって取材が来てと始まり、取材内容の放送後アカウントのコメとかつい見ちゃうよね💧、誹謗中傷あったらわからんくもないが旦那さんの言う通りみない方がよけいに不安になって怒りも出てきて悪循環😓大半の夫婦のシーンは旦那さんよりに(自分も男なのでちょい辛く書きます🙇♂️)気持ちが同調しました。
弟さんも最初はめちゃ怪しかったけど純粋に心配はしてて姉弟の涙シーンは良かったのと、終盤に同じように行方不明経験親子からの申し出にも旦那さんと同じように優しさに感動しました🥹。
最後はどうなるかな❓と思って観入ってましたが思ったような終わり方ではなかったのが少し残念😢。
「落下の解剖学」的な答えのない感じが良いと言えばいいですが😅。
石原さとみさんの凄い演技に圧巻です😆、言葉の引き出しなくてこれ以上の表現出てこないけどとにかく凄かった。
旦那さんもちゃんと心配しつつも表に出さずに冷静動いてるのなんかわかる気がする。冷静に動きつつ最後はちゃんと奥さんに同調するの素敵な旦那様や〜👏。
圧倒的な悪意の中で善意は挫けずにいられるか
娘「美羽」(有田麗未)の子育てに追われる「森下沙織里」(石原さとみ)。息抜きにヴィジュアル系バンドのライヴを観にいき、その間美羽の面倒を弟「土居圭吾」(森優作)に頼む。違法なスロット賭博にはまっている圭吾は、最後美羽に一人で帰宅するよう言い含めて、自分は賭場に向かう。沙織里の夫「森下豊」(青木崇高)は帰宅して美羽の姿がないことに不安を抱き、沙織里や圭吾と連絡をとろうとするが、電話がつながらない。結局美羽は失踪してしまう。
マスコミははじめ大々的に取り上げたが、3か月後にはローカル局の記者「砂田裕樹」(中村倫也)が追いかけるのみとなる。沙織里は「子供を放り出して遊びに出かけた鬼母」とか、「実は森下夫妻が子供を手にかけたのだ」とか、SNS上の誹謗中傷に苦しめられる。豊との関係もぎくしゃくする。
少年時代にいじめに遭って極端に話下手なうえに、違法賭博に関わっていたので美羽の失踪時の状況について曖昧な証言しかできない圭吾を、TV局は疑う。圭吾はマスコミを避けるが、砂田との関係を保ちたい沙織里は取材を受けるよう圭吾に強要する。放映を観た視聴者はますます圭吾への疑念を深め、圭吾は自家用車のヘッドライトを割られたりアパートの窓に投石されたりする。
森下夫妻も、情報提供者に面会をすっぽかされたり、警察から「美羽が保護された」という知らせを受けて喜び勇んで署に駆けつけるものの、いたずら電話だと分かって失意の淵に突き落とされたりする。そして2年の月日が経過し――といったストーリー。
世の中の悪意がこれでもかと描かれるので観客は陰鬱とした気持ちになる。なんで被害者がこんなに責められなくてはならないのかと憤る。自分も野次馬根性で事件報道に接していなかったかと反省させられもする。
わずかな救いは、破格の安値で捜し人のビラを印刷してくれる印刷屋のおやじさんや、一見無関心そうに見えながら身重の体で失踪児童捜索に参加してくれる沙織里の同僚や、同じく我が子が誘拐被害に遭った母親で「美羽ちゃんのために何かしたい」と申し出てくれる女性の存在だ。そうしたなかで沙織里は、「緑のおばさん」として近所の小学生の登校の安全を見守ったり、赤の他人の誘拐被害児童が無事保護されたというニュースに接して泣いて喜べるようになったりする。豊もそんな沙織里を見て男泣きする。
石原さとみさんはこれまで「できる女」を演じることが多かったと思うが、結婚・出産を経て心境に変化があったのだろうか。本作では絶望の淵をさまよいながらかすかに再生の手がかりをつかむヒロインを体当たりで演じている。
本作は吉田恵輔監督のオリジナル脚本ということだが、「圧倒的な悪意のなかで、か弱い善意よ、どうか負けるな」というエールなのではないかと思う。
どうしたって数年前の事を思い出してしまう ちょっとした事で激しく浮...
どうしたって数年前の事を思い出してしまう
ちょっとした事で激しく浮き沈みしてしまう感情
社会の流れに抗えない行動
関係ない人からしたらおかしいと思ってしまうこと
重い作品です
苦しかった…
石原さんの演技凄かったです。悲しみ怒り叫び…感情移入せずにいられなかった。
弟役の森さんも良い。目が離せなかった。あんな良い味を出せる役者さん、なかなか居ないのでは?
終始苦しい内容なのですが、夫役の青木さんが終盤にビラ配りの時に涙するシーンが1番泣けました。
吉田監督の空白が大好きなのですが、今作も要所要所に美しい演出が散りばめられているのを感じました。無邪気で可愛い娘さんを思い出すシーンのいくつかに少しだけ救われた思いになりました。
寄り添う事の難しさ
罪悪感、無力感、怒り、悲しみ、苛立ち、全ての感情を剥き出しにして、娘を探す母、そして夫。夫婦で支え合って行動してるはずなのに焦りから互いに攻めることも、非常にリアリティがある。そして事件を報じるマスコミの在り方とSNSによる中傷も冷静に描かれている。全編通して緊張感があり、この夫婦は救われるのか、気の毒な兄弟は互いを許し合うのか、祈るような気持ちで見た。現実にこういう方はいらっしゃるのではないかと思うからだ。2年以上経過し、事件として忘れられそうになり、自分達も折れかけた時、役に立ちたい、という言葉を聞き、不意に涙が溢れる父親。警察やマスコミ、協力してくれる周囲の人々とのやり取りや関係を通して、人の心に寄り添うことの難しさのようなものが描かれている。
親として完全に自分の人生も無くしてしまうのか、それでも前を向いて自分の人生を生きるのか。最後は少しだけ、穏やかな光が見えたような気がした。石原さとみの演技をしっかり受け止めた、青木崇高の演技がさすがだった。弟役も含めキャストは皆リアリティがあり素晴らしかった。
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