コヴェナント 約束の救出のレビュー・感想・評価
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義理と友情と絆の映画です
米軍がアフガンから撤退する時、多くの人がタリバンからの迫害を恐れて輸送機に群がったニュースは記憶に新しいかと思います。
日本は日本のために尽くしてくれた日本大使館に働いていたアフガンの人達を置き去りにして非難を浴びました。
アフガンで米軍に協力して下さった多くのかたは通訳だったそうですが、米軍撤退後には200 名以上の通訳の方々がタリバンに殺害されたそうです。
この映画ではタリバンから助けた米兵がアフガン人の通訳を救出するためにアフガンに戻り無事に助け出すドラマです。義理と友情の物語は日本人受けします。
契約より信義
「9.11同時多発テロ」発生後、
アフガニスタンに軍事介入したアメリカだが戦況は泥沼化、
二十年近く経っても終結の糸口は見いだせずにいた。
そして2018年。
ターリバーンの武器・弾薬を探索する部隊の軍曹『ジョン・キンリー(ジェイク・ジレンホール)』は
新たな通訳として『アーメッド(ダール・サリム)』を雇い入れる。
彼には成功報酬として、家族ともども米国ビザの発給が約束されていた。
しかし作戦の途中で二人を残して部隊は全滅。
深手を負った『キンリー』を連れ、『アーメッド』は米軍基地を目指す。
この逃避行の過程が相応の時間を割いて描かれる。
『アーメッド』は通訳だけではなく、戦闘員としても有能。
一方で上官の指図にも、自身が納得せねば従わぬ頑固さもあり。
が、結局は、彼の多くの機転と献身により『キンリー』は救われるのだが、
自分の身を危険に曝してまで米兵を救った理由は何か。
単に報酬が目当てなのか。
『アーメッド』は多くを語ることはなく
その心の内は判らない。
ここで思い出すのは
実話を基にした〔タクシー運転手 約束は海を越えて(2017年)〕。
高価な報酬目当てだったタクシー運転手が
雇い主のジャーナリストと行動を共にすることで
次第にその使命を理解し、最後は我が身の危険を顧みず
追っ手からの逃避を繰り広げる。
では彼のモチベーションも、単に高額の運賃だけだったろうか。
物語りの後半では、助け助けられの立場が逆転。
本国に戻り体も回復した『キンリー』だが、
米国が約束を履行しなかったため
『アーメッド』がターリバーンから懸賞金を掛けられ
今だアフガニスタン国内に潜伏していることを知る。
PTSDによるフラッシュバックに悩まされ、
『アーメッド』のビザを取るための交渉も思いに任せぬことから酒浸りになりながらも
私財を投げ打ち、再びアフガニスタンに赴く決意を固める。
このパートでは『キンリー』の心象は
かなり克明に描写される。
〔ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年)〕や
〔シャーロック・ホームズ(2009年)〕の
撮影・編集で独特の文体を編み出した『ガイ・リッチー』だが
あまりに繰り返され過ぎて最近では辟易気味だったのも事実。
それを本作ではぴたりと封印、
かなりオーソドックスな撮り方に終始しており、
それが却ってリアルな戦場の空気を醸すのに奏功
(もっとも、BGMについては
変わらず『ガイ・リッチー』節)。
戦場を後にするラストシーンは、
〔プラトーン(1986年)〕と近似のシチュエーションも
カタルシスの点では段違い。
背景には、人を裏切らない「絆」の存在があるからだろう。
エンドタイトル前のテロップでは
真逆の現状が語られる。
2021年のアメリカ軍撤退時には、
通訳として協力したアフガニスタン人が(ビザを発給されることなく)
そのまま取り残されたため、多くは殺害または今でも潜伏しているとの実態。
実際の写真も映されるが、
彼等の顔にマスキングがされているのは
身元を明かすのを恐れた処理と思われ。
協力者を顧みない国家は、信ずるに足る存在なのか、と
強く投げ掛ける。
事実だからかガイ・リッチーっぽくはない
ガイ・リッチーは好きな監督でほぼ全作品鑑賞済みすが、往々にして制作国側のプチプロパガンダ的な内容に陥りがちな戦争映画は苦手です。
なのでちょっと躊躇してたんですが、上映館も少なく、かつ上映館でも小さめな箱でしか上映してなかったので、早期終映で悔しい思いをするぐらいなら近所のシネコンでかかってる内にということで観に行きました。
結論から言うと、とことんリアルな描写と、戦争映画が苦手な私でも映画に没入できたんでいい映画なんでしょうが、あまりに過酷&緊張するシーンの連続と、やはりプチアメリカ万歳的なニュアンスも醸さてれていて、自分には合わないと感じました。
これ(事実に基づいた話)なら無理にガイ・リッチー監督でなくても良かったのではと思いましたが、本人たっての希望ということらしいので仕方ないですね。
ただ、私の好きなガイ・リッチー作品らしさはほとんど感じられず、これならパスしても良かったかもと思いました。
なのでもしかすると戦争映画が好きな方には刺さるかも知れませんが、個人的にはちょっと期待してた内容と違ったという部分も手伝って、今回はハズしたという評価です。
タイトルなし(ネタバレ)
前半少し中だるみがあったが、終始緊迫した状況。
いつ放り出してもおかしくない状況で、よく最後までキンリーを守り通したな。
戦争は本当にメンタルをやられる。
戦場にいるときはもちろんだが、帰国しても悩まされ続ける。
【”苛烈なるアフガニスタンの戦場で示された二つの漢気。”今作は現実に起きている米兵と米兵側現地人通訳との問題を多数の臨場感あふれる戦闘シーンの中で浮き彫りにしたムネアツなる社会派映画なのである。】
■2018年。アフガニスタンでタリバンの武器工場を探索する任務を担った米軍のキンリー曹長(ジェイク・ギレンホール)率いるチームにアフガニスタン人通訳のアーメッド(ダール・サリム)が加わる。
アーメッドは、タリバンが仕掛けた待ち伏せの罠を見破り、武器工場を発見するがタリバン勢力の激しい攻撃に会い、キンリーとアーメッド以外は全員亡くなってしまう。
◆感想
・大怪我をしたキンリーを100キロ離れた米軍基地へ連れて行くアーメッドの姿が沁みる。それは、自分と身重の妻の米国へのビザを手に入れる為とは言え、手作りの橇、手押し車でタリバンが主要道路を制している中、裏道を只管にキンリーを運ぶ姿である。
ー アーメッドは、タリバンが二人を血眼になって探す中、漸く米軍基地に到着する。だが、彼はアフガニスタン人であるために地に身体を伏せられて意識のないキンリーと離れ離れになってしまうのである。-
・無事アメリカに帰国したキンリーだが、自分の命の恩人であるアーメッドがビザを貰っていないばかりか、タリバンに狙われ家族と共に行方不明になっている事実を知り、移民局に何度も電話するが、事態は一向に進まない。
■遂にキンリーは妻キャロラインが実質経営しているヴィンテージ車販売の家を抵当に入れ、昔の命を助けた上司に掛け合い、アーメッドのビザ発行を依頼し、民間軍事傭兵会社のパーカーたちを雇い危険を覚悟で、アフガニスタンに戻るのである。
ー ここで印象的なのはキンリーの妻キャロラインが、彼のアフガニスタンに戻るという選択を止めない所である。
彼の人間としての信義を重んじたのだろうが、中々出来る事ではないと思う。ー
・アフガニスタンに戻ったキンリーは、パーカーたちの遠隔フォローを得ながらアーメッドを探す。
そして、漸く見つけたアーメッドとの再会シーン。
幌で顔を隠したキンリーは手短に用件を伝え、準備してあったトラックにアーメッドと妻と幼子を乗せて、ピックアップ予定地のダムに向かうのである。
だが、それを察知したタリバン勢力は執拗なまでに、キンリーたちを追って来る。ハラハラドキドキシーンである。
ダムの天端上での激しい銃撃戦。
キンリー達の銃弾は尽き、最早これまで・・、と言う時に現れたパーカーが飛ばして来た”死の天使”AC-130。
パーカーたちはダムの天端上のタリバンだけでなく、周囲のタリバン兵も一斉射撃で一掃する。
・そして、アーメッドと妻と幼子がAC-130に乗ってアフガニスタンを脱出するシーン。アーメッドはキンリーから渡された家族全員のビザの表裏を感慨深そうに見て、キンリーとアイコンタクトを取るのである。
ー 個人的に大変沁みたシーンである。二人の漢気が伺えるシーンだからである。ー
<だが、エンドロールで流れたテロップは辛い。
米軍が2021年8月末にアフガニスタンから全部隊を撤退した後に、政権を取ったタリバンが行った事。
それは、300人以上のアフガニスタン人の米軍通訳者と家族を殺し、今だに何千人もの米軍に協力したアフガニスタン人が、隠れて生活している事である。
今作は、現実に起きている米兵と米兵側現地人通訳との問題を浮き彫りにしながらも、二人の異人種の絆を描いた、ムネアツな社会派映画なのである。>
命を賭けて命を救う物語
キャロラインのたくましさに胸打たれました。
本当にあった事とは思えない程、素晴らしい!
ずーと、ハラハラ、ドキドキの内容でした。この映画は是非にとも映画館でみるべき映像です。そして、今現在世界で起きている戦争にあい通じる内容があります。そして肌の色や言語や宗教をこえても守る事があると考えさせられました。自分は何故生きているのか?生かされているのか?今を生きるとは何なのかです。
恩という呪い。
米軍曹長ジョン・キンリーとアメリカ移住の為ビザが欲しいアフガン人通訳アーメッドの話。
2018年のアフガニスタン、タリバンの武器、爆弾庫を探すのが任務のジョン・キンリー率いる米軍と二人目の通訳アーメッド、二つある爆弾庫のうちの一つ爆弾庫に辿り着くもタリバンの攻撃を受け仲間を殺されキンリーとアーメッドは二人きりに…。
曹長キンリーからは通訳は黙ってろ的な感じの扱いだったけど、やり手の通訳アーメッドの強さと察しの良さと、負傷したキンリーを手押し車に乗せ諦めないで運ぶ姿には感動と、追ってが追いついたらどうするで何か心臓がずっとドキドキしてました(笑)
終盤で間に入ってくれたパーカーとの出会いからのラストの橋での撃ち合い、その後の展開は読めたけど、やっぱ戦闘機からの制圧は
観ててスカッとしましたね。
終始ドキドキ、ハラハラ、スリリングで面白かった。
セービング・アーメッド〜怒りのアフガン‼️
アフガンで部隊を率いるキンリーは通訳としてアーメッドを雇う。しかし戦闘中に部隊は全滅、自身も重傷を負ったキンリーはアーメッドに助けられ、何とかアメリカに帰還する。しかし、自分を助けたことでアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、再びアフガンへアーメッドの救出に向かう決意をする・・・。とにかくカッコいい‼️アフガンの戦線の中を負傷したキンリーを一生懸命助けようとするアーメッドがまずカッコいい‼️そしてそんなアーメッドへの恩義と友情のため、危険を顧みず再度アフガンへ赴くキンリーがさらにカッコいい‼️全編を通して緊迫感が尋常ではなく、特に後半のアーメッド救出劇はハラハラドキドキが止まらない‼️さすがはガイ・リッチー監督‼️スローモーションやカットバックを多用した見事な演出で魅了してくれます‼️そしてラスト、アメリカ軍の "天使" が救出に駆けつけてくれるシーンは拍手喝采モノ‼️エンド・クレジットに流れる「約束」「絆」の字幕も胸を熱くさせてくれます‼️
真意を通訳した
戦争アクションかと思ったら、戦場の緊迫感を表現しつつ、アフガニスタン紛争の不可視だった側面についても考えさせてくれるという一作
2001年から2021年まで続いたアフガニスタン紛争は、米軍の撤退とタリバンの政権奪還という一応の結末を迎えたけど、米軍に協力した多くのアフガニスタン人はどうなってしまったのか、報道からはなかなか伝わってこない紛争の一側面を、映画としての娯楽性を損なうことなく描いた作品です。
『SISU/シス』のような、無敵兵士の無双っぷりを期待してしまうと、本作は意外に戦闘場面が少なめに映るかも知れません。むしろ『メタルギア』シリーズの実写版を想像してもらうといいかも。もっとも、そのいくつかの戦闘描写はどれもかなりの迫力で、中盤以降の緊迫感溢れる脱出、潜入劇と見事な対比をなしています。このあたりの緩急の付け方と無駄のない描写は、さすがガイ・リッチー監督です。
物語もまた、場面に応じて明確な区切りを設けていて、複雑な伏線はほぼなく、基本的には順を追って鑑賞するだけで十分作品を堪能できる造りとなっています。これは長尺かつ複雑化が進んでいる昨今の映画作品の中では、かなり「素直」な部類の構成です。
主人公キンリー曹長を演じたジェイク・ギレンホールと、彼の命の恩人であるアーメッド(ダール・サリム)の、互い対して誠実であろうとする姿は心揺さぶられるものがありますが、裏返して言えば本作は、実際にタリバンを恐れて身を隠しているアフガニスタンの協力者を救うには、キンリーのような責任感のある個人、あるいは作中に登場した民間軍事会社に頼らざるを得ない(米軍は動かない)、という冷厳な事実を示唆しています。そうしたこれまで表面化してこなかった問題への視点を提供している作品でもあります。
涙涙涙
大好きなガイ・リッチー監督のミリタリー作品という事でずっと前から観たかった作品です
期待を裏切る事なく本当に観て良かったです
序盤の銃撃戦からずっと観るのがしんどいシーンの連続で緊張感もずっとあり、そしてジョンとアーメッドの2人に何回も泣かされました
ジョンを乗せた手押し車を押しながら諦めかかったようにも思えたアーメッドの涙のシーンが一番印象的だったかもしれません
ジョンを助けるのはビザを手に入れるためだけじゃないと思えるアーメッドと、アーメッドを救いに行くジョン、そのジョンを送り出す奥さん、心にくるものが何回もありました
ジョンとアーメッドの再会のシーンはハグも握手もなしで普通の会話、飛行機での2人も目で会話って感じが友情を超えた2人の絆ぽく良かったです
それでめでたしめでたしとはならず、エンドクレジット前の文章と写真で大勢のアフガン人の通訳の人達の現実を突き付けられ、「covenant」という言葉を考えさせられます
アーメッドのビザと、無事に家に帰ると奥さんに約束したジョンは守ったけど、今も隠れて生きている通訳の人達への約束をアメリカはこれからどうするのでしょう
アメリカでの公開は去年の4月だったけど、この作品をきっかけに何か少しでも動いているのでしょうか
キンリーとアーメッド
大国は勝手
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