劇場公開日 2024年5月17日

碁盤斬りのレビュー・感想・評価

全445件中、1~20件目を表示

4.0愚直で不器用で生きづらそうなのにかっこいい

2025年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

すごく面白かった!

白石監督なのでアクションを期待されている方にとっては少し物足りないかもしれないけれど、私はその分柳田の静かなる怒りや、不器用に正義を貫く姿が丁寧に描かれていて、大変好みな作品でした。

碁の知識がもっとあれば、クライマックスシーンはもっと面白さがわかったかもなーとは思いつつも、そこまで碁のシーンも多くはないので、碁の知識が無い人でも、作品の魅力は十分に伝わると思う。

ストーリーの元は落語の話をベースに、オリジナルを加えたとのこと。鑑賞後にそれを知って、なるほどと思った。オリジナル要素が入ったからこそ、柳田という人間の解像度がグッと上がったと個人的には思う。
そしてそれを演じた草彅くんがハマり役すぎた。

口数が多いわけではなく、表情もあまり変わらない。けれど自分の信念はしっかりとあって、それを頑なに曲げない。
もっと楽に生きれば良いのに…と思うところも多いけれど、それは彼の信念を曲げることになるのだな…と感じられて、どんな落ちぶれた姿であっても、武士の魂が燃え続ける姿はかっこよかった。

後半にかけて、どんどん感情を露わにしていき怒りに震える姿への変化は素晴らしく、草彅くんの演技の良さって緩急のうまさだよなーと改めて気付かされた。

脇を支える清原果実ちゃんの、純粋で父親思いの娘役もとても魅力的で、國村隼さんの悪人にも善人でも演じ分けできる多彩さにも釘付けだった。

白石作品としては、言葉を選ばずに言うと地味目な作品かもしれないけれど、初時代劇監督作品で、現代で失われている武士の生き様みたいなものを見事に描いた良作だと思った。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
AZU

4.0かつて談志が「時代に合わない」と評した落語を令和エンタメにチューニング

2024年5月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 5件)
共感した! 64件)
ニコ

4.0草彅剛の持ち味が見事なまでに溶け合った秀作

2024年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

まずもって草彅剛という人間がいなければこの映画は何も始まらない。彼の内側からにじみ出る穏やかで実直で善良なる部分と、それがひとたび反転するや、瞳に阿修羅のごとき怒りと復讐の炎がほとばしる部分。一人の男の中でこれほど両極端な個性と感情が整合性を持って成立するのか心配にもなるが、この難行を難行に見せることなくナチュラルに成し遂げてしまうのが草彅の持ち味であり、白石監督流の演出の確かさと言えるだろう。時代劇という特殊な領域とはいえ、長屋暮らしの父娘の貧乏なれど心の底までは縛られることのない凛とした暮らしぶりや、國村準演じる質屋が辿る価値観の揺らめきは現代に通じるものがある。正義のあり方をめぐる主人公の葛藤も単純な勧善懲悪の公式では解き明かせない問いかけを伴って深く突き刺さる。要となる囲碁の攻防において、観客がルールを知らずとも演者の表情や雰囲気だけで手にとるように状況が感じられるのも非常に巧い。

コメントする (0件)
共感した! 49件)
牛津厚信

4.0物語、演技、演出をおおむね楽しめたが、若干の物足りなさも

2024年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

ほぼ予備知識なしで鑑賞。所々不満に思う部分はあるものの、おおむね楽しむことができた。藩を追われ食い詰め浪人になった格之進を演じる草彅剛は静から動への振り幅が素晴らしく、ジャニーズ事務所退所後にテレビの仕事が激減するなど彼自身の不遇の時期が役柄に重なるのも感慨深い。格之進の娘・お絹を演じた清原果耶の可憐さ、仇の柴田兵庫役・斎藤工の憎々しさがうまくはまっていたし、國村隼、中川大志、奥野瑛太もそれぞれ持ち味を発揮。白石和彌監督は時代劇のメガホンをとるのは本作が初だそうだが、それを感じさせない安定した演出ぶりだった。

古典落語の「柳田格之進」という人情噺を基に、白石監督とは2019年の「凪待ち」(こちらは香取慎吾が主演だった)でも組んだ加藤正人が脚本を担当。調べてみると、娘とつましく暮らす格之進が、囲碁仲間の両替商・萬屋源兵衛の家を訪れた際になくなった五十両を盗んだと疑われて……というのが元の落語の筋。そして、格之進と兵庫の確執から対決へと向かう筋が映画のために追加された創作パートのようだ。時代劇の目玉である殺陣を見せるため仇討ちの話を挿入したのは理にかなっているが、活劇のボリュームとしてはやや物足りないか。白石監督の美学なのだろうが、漫画で言えば見開き大ゴマの“決め絵”に相当するアクションの一番の見せ場となるであろうショットを、大写しのスローでじっくり見せるとか別アングルで繰り返し見せるといった手法を用いず、さらっと流してしまうのがもったいない。

囲碁を知らない観客への配慮が希薄なのも、物足りなく感じた一因。源兵衛の下で働く弥吉が格之進に囲碁を教わるエピソードをせっかく入れたのだから、あのやり取りの中で囲碁の基本ルールをほんの少しでも示していれば、それ以降の碁盤上での勝負に対する興味が増したはず。主要キャストの顔ぶれから見て比較的若めの観客の動員を期待していると思われるので、囲碁人口を増やす好機にもなりそうだが、果たしてどうなるか。

コメントする (0件)
共感した! 56件)
高森 郁哉

3.0濡れ衣はとっとと晴らしましょう

2025年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
odeonza

4.0最高です

2025年6月24日
iPhoneアプリから投稿

単純明確テンポ良し
草薙と脇役も演技秀逸
最後の殺陣とスピーディ
白石監督演出文句無し
囲碁の絡みがまた絶妙

コメントする (0件)
共感した! 0件)
TZW

1.0つまんねえ

2025年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

地味すぎる、退屈だ

コメントする (0件)
共感した! 0件)
柿男

3.5妻の仇討ちと、盗人の疑惑を晴らすこと。 生活が苦しい中、その両方を...

2025年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

妻の仇討ちと、盗人の疑惑を晴らすこと。
生活が苦しい中、その両方を果たさなければならない。
一番気の毒なのは娘か。
オーソドックスな仇討ちもので普通に良作だが、主人公が仕事もせずに碁ばかり打っているのは気になった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
省二

3.5緩急に見ごたえ

2025年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

驚く

 貧乏長屋で、娘お絹と暮らす浪人格之進。得意の囲碁を通じて両替商の源兵衛と知り合いう。源兵衛は実直な彼の人柄を気に入り、二人は親しくなる。そんな時、旧知の彦根藩士から、格之進は自身の冤罪の真相を知り。
 前半、格之進に感化され、実直な商売を行い源兵衛の店が繁盛する、という展開が楽しい。一転、後半は違う冤罪と仇討ちの様相が加わり、緊張した展開に。緩急の差が激しくて、見ごたえがありました。自分なら、50両が見つかったらお庚へと言うだろうけど、それじゃあ物語の面白みが減ってしまうか。「水清ければ魚棲まず」と言われ、格之進も変わるところも良かった。そして最後、あの番頭さんを頼りにするのはちょっと不安。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
sironabe

3.0タイトルの意味、そのまま。

2025年6月16日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 2件)
りか

3.0キャラ変わりすぎ

2025年6月5日
PCから投稿

斬新

嫌疑をかけられた瞬間から性格が変わりすぎ
人相も悪くなって、怖いを通り越して気持ち悪かった。

演出が極端すぎです。

あと、探し物が出てきた後の金貸しの旦那さん
数日前だったら、あーって思い出すのも在りですが
数か月も前のことを、あーって思い出せるものですか?

色々言いたいことがある一本でした。
ただ、碁の面白さを感じたいとも思える映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
takichi

3.5草なぎくんの演技は楽しめた、 ただ、50両の嫌疑の唐突感 いる? ...

2025年5月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

草なぎくんの演技は楽しめた、
ただ、50両の嫌疑の唐突感
いる?
他になかったんかな?

コメントする (0件)
共感した! 0件)
つぶちょこ

4.0草彅剛さんの新境地ですね。

2025年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

ドキドキ

柳田格之進の役は草彅剛さん以外には考えられませんね。
真面目で実直。清廉潔白な人柄だからこそ四角四面で融通が利かない。
そんな不器用な武士を見事に演じきったと思います。そこは賞賛したい。
作品のテーマにも共感できますね。
正義はそれぞれの立ち位置で変わる。正しい行いでも立場が変われば恨みを買う。
相手には相手の言い分もある。そこに気づいてしまったために迷いが生まれる。
さらに自分は武士である。誇りも面目もある。仇を討たねば武士として生きていけない。
さらに窃盗の嫌疑までかけられてしまう。苦悩は深まるばかり。どう決着をつけるのか。
最後まで目が離せない。
星5つでもいいけれど、ちょっと残念。
まず碁のシーンが多い。碁に詳しい人ならいいけれど素人が見ても「姑息な打ち方」の何たるかも解らない。
あとは監督さんの好みなのかもしれないが、重要な話をしている「背景」でお祭りをやっていたり縁日だったり。踊りを踊っていたりとか。それ要ります?ってシーンが結構あります。
注意がそちらに行ってしまって緊張感がそがれます。そこは少し残念。
星4つとさせていただきます。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
レッサーパンダ

5.0映像も綺麗で、シンプルなストーリーにマッチしていました。草彅さんも...

2025年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

映像も綺麗で、シンプルなストーリーにマッチしていました。草彅さんも、この役にピッタリ。配役がほんと上手い。申し分なく、満点です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
旅人ヒデちゃん

4.0良かったけど不思議なところもあり

2025年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
かすかべしんちゃん

2.5主は仇討ちではないのか?

2025年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

期待して観たが期待外れ甚だし。
父娘で仇討ちが常套だと思うが、「碁」がかかわるのでどちらが主か解らなくなる。
仇討ちより「碁」に注力し過ぎの感有り。残念。
作り手の矛先が見えない物語だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ibacosta

3.5ガチ過ぎ

2025年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

江戸時代の町並みをここまで表現できるのは見事です。美術、セットがガチ過ぎです。
俳優の演技もガチ。それぞれのキャラクターを100%引き出してます。
後半の狂気に満ちた展開は迫力ある見せ方でしたが、若干演出過多でギャグっぽく感じました。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ジンクス

3.5キャスティングが全部いい

2025年4月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

古典落語の演目「柳田格之進」を基にした時代劇。

草なぎ剛さんが終始一貫して得体の知れない感じで良い。
國村隼さん、中川大志さん、小泉今日子さん、清原果耶さん、市村正親さん、斎藤工さんなど、キャスティングが全部いい。
時代劇で、これだけ良い映画が今年公開されていたことを、全く知らなかったのは不覚でした。

素晴らしい映画だと思った。唸るしかなかったです。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ねこたま

4.0失念

2025年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

草薙剛、お侍の姿が似合ってますね。重みのある物語に合った映像、カメラワーク、音楽もしっくりきて、見応えがありました。脇を固める俳優陣もよくて、清原果那、國村隼、市村正親、小泉今日子など、それぞれの味を活かしたナイス・キャスティングでした。クライマックス、碁による真剣勝負はなかなか見物で、草薙剛×斉藤工の演技力に魅入ってしまいました。本編のあとで予告編を観ましたが、先に観てなくてよかったなあとしみじみ。もし先に観ていたら、あのシーンでタイトルの意味を知る感動が薄れてしまっていたかなと個人的には思いました。それにしても、失念、困りますよね…(苦笑)。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
赤ヒゲ

4.5清廉潔白を貫く生き様を感じる話

2025年3月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

感想

武士が己の正義を生き様として清廉潔白を貫く事は時に周りにいる人々を窮地に陥れる時もある。人と約束するという事が生命を賭した如何に大切なものであるのかを痛感する話。囲碁を通して其々の自己が持つ正義の在り方と生き様が交差し衝突しまた共鳴する。

人の世は不得貧勝を以って動いている事をを知るべきである。囲碁の手である石の下「詰碁の死活」と登場人物の人生模様を物語に掛け合わせ据え置き、人生もまた己の利だけを貪れば必ずその裏を罹れて身を滅ぼしてしまう。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれという江戸期の市井の人情とはどのようなものであったか、さらに貧困の中であっても力強く生きる武士の姿を描くことにより究極の意識である武士の本懐とは何かが克明に描き出されていた。

配役・演出・脚本◎
草彅、市村、國村、小泉、斎藤、清原、中川、各氏の演技について其々の配役の持つ己の正義観とその道の筋というものを理解した上での演技が大変素晴らしく、江戸時代に生きる人の行動や性格表現が明確になされていた。他の出演者の方々の演技も気合いが入っており感動し時代劇の秀作であると感じる。

演出に関しては個人的には本編内、大晦日の吉原の門限に走り逢う場面にもう少しの盛り上がりの演出が欲しかったが全体的によく纏まっていたと感じる。白石監督に関しては大期待作品「十一人の賊軍」が俳優陣の素晴らしい演技にも関わらず作品の構成が今一つ芳しくないと個人的に感じていたが、本作に関しては観遅れてしまい初鑑賞が今となってしまったが鑑賞した後、評価を再び高く見直した。

脚本は素晴らしい出来であり、その時代の気風や武家、町人の心理や気質が大変良く表現されていて没入感が半端なく映像に引き込まれた。劇中に流れるストリングス、ピアノとのマリアージュも美しく印象的であった。

監督 白石和彌
脚本 加藤正人
脚本協力 三浦毎生
音楽 阿部海太郎

柳田格之進 草彅剛
お絹 清原果耶
弥吉 中川大志
梶木左門 奥野瑛太
柴田兵庫 斎藤工
お庚 小泉今日子
横網の長兵衛 市村正親
萬屋源兵衛 國村隼

⭐️4.5

コメントする 2件)
共感した! 29件)
Moi
PR U-NEXTで本編を観る