碁盤斬りのレビュー・感想・評価
全345件中、181~200件目を表示
ヤナギの碁
清原果耶がまた男を虜にしておる。笑
それはともかく、全体的に自分は乗り切れなかった。
序盤はやけにゆったりしてる割に、源兵衛が打ち筋や経営方針を変えるほど格之進に心酔する理由が弱い。
やっとこ仇討ちに出ようとした矢先に嫌疑をかけられ、切腹未遂。
…だったら藩を追われた段階で腹を切るのでは?
何のドラマもなく、碁会を虱潰しただけで兵庫を発見するが、何故そこで頸を賭けて碁を打つ必要があるのか。
源兵衛との十両を巡る賭けも含め、毎回賭けをする理由が見当たらないんですよね。
腕を落とされた途端に潔くなる兵庫もよく分からない。
仇討ちが済むと、それまで娘を想う様子もなかったのに左門の進言でお絹のもとへ。
門が閉じ、弥吉から五十両が出てきたと知らされると、またも娘のことを忘れたように萬屋へ急行。
タイトルでネタバレしてるのに、散々引っ張り碁盤斬り。
最後は何事もなかったように和解し、弥吉とお絹が祝言をあげ、格之進は姿を消す。
旅に出る理由は分かるが、カッコよさ以外で黙って行く理由何かある?
画面の質感に統一感がなさすぎたり、あからさまにアテレコのシーンも違和感アリ。
大半のキャストが時代劇の台詞回しがハマッておらず、ツヨポンも棒読み迫力不足。
殺陣もまったく格好よくないし、障子に突っ込んだ際の3カメ演出には笑ってしまった。
五十両には何か謀があるかと思えばただのボケ老人だし、源兵衛は勝手に頸賭けられてるし、これ喜劇だろ。
上司の指示に従っただけで殺されかけた弥吉が不憫。(徳次郎はそれ以降気配を消すし)
硬派なタイトルの割に、中身は豆腐のようでした。
平均点以上だが、時代劇として疑問あり
落語が原案なので、時代考証的に正しいかどうかは、あまり期待していなかった。
とは言っても、「中国の碁の格言」というセリフを聞いたとき、江戸時代に「中国」と呼んでいたのか疑問に思った。また、吉原に身を売った絹が、いくら楼主のお康と一緒だったとはいえ、吉原の大門の外に出られただろうか?落語原案としても、こういった点はもう少し丁寧に考証してほしかった。
脚本については他にも納得できない点が多々ある。例えば、格之進の敵討ちの話。江戸時代でも、許可のない仇討ちは違法行為である。しかも、妻(卑属)の仇討ちは通常許可されない。しかも、この映画の場合、仇討ちの許可を誰にも(旧藩主に江戸の奉行所にも)得ていないのだから、格之進の行為は単なる殺人なのである。侠客の屋敷内のことということで済ませたつもりなのだろうが、それはあくまでも結果なのであって、格之進は他の場所でも柴田を斬っていただろう。というよりも、柴田とのエピソードは必要だっただろうか。絹が身売りする理由をもっともらしくするため、むりやり挿入したように思えてならない。原案である落語の「柳田格之進」では、武士の面目を保つためだけに娘を身売りさせるという描写なので、それでは現代では共感を得られないという判断なのだと思うが、無理矢理という感じが否めない。柴田が柳田を襲った理由も、映画の描写ではよく分からない。柳田の妻を手込めにしたなどというエピソードは入れずに、もっと柴田が柳田を嫌った理由をわかりやすく描くべきだったのではないか。エンディング近くで柴田が、柳田が実直すぎたという批判をしているが、この話をもっと前に持ってきて、丁寧に描いた方が良かったのではないか。
また、弥吉が格之進を疑っているというシーンも、その後の展開を考えると無理がある。落語の通り、格之進を疑っている番頭が格之進を訪ねて50両について訪ねるとした方がしっくりきたのではないか。
格之進が誰にも告げず、旅に出るラストシーンも意味不明である。いい役者が揃っているのに、脚本で勿体ないことになっていると感じる。
あと、長屋の店賃にも苦労していた格之進が、敵を求めて旅をするための旅費(路銀)をどうやって工面したのだろうか?娘を売った金から何両かくすねたとも思えない。そうしたところを丁寧に描写した方が面白かったと思う。
地味な話なのに最後まで続く緊張感が見事!
囲碁が得意で生真面目な浪人、柳田格之進。
格之進の妻は亡くなっており、
美しい一人娘、絹は父を気遣いながら
縫い物などの仕事をして何とか日々を食い繋いでいる。
格之進は囲碁が趣味の豪商、万屋源兵衛と知り合い
囲碁仲間として親しく付き合ううちに
たまたま、勘違いによる金銭問題が発生し、
それを解決するために格之進の娘
絹がとんでもないことに〜〜〜。
これは原案の落語のお話。
映画版ではそこに、
そもそもなぜ格之進が浪人になってしまったのか?
なぜ、格之進の妻が死んでしまったのか?
そこのところを膨らませて映画的な盛り上がりが加味されて
映画ならではのチャンバラシーンが加えられています。
話は地味なんだけど、最後まで緊張感があって
なかなかに引き込まれる良作です。
草彅剛も好演ですが、清原伽耶の
清潔で高潔な武家娘が素敵です。
海外で最初に日本映画に注目が集まったのが時代劇。
その火を消さない為にも映画館でぜひご覧ください。
で、月に8回くらい、映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
なかなかにしっかりした時代劇。
前半は柳田格之進の生真面目さや娘の絹の健気さ
また碁仲間となる万屋源兵衛やその養子、弥吉との
四季折々の交流の様子が丁寧に描かれて
そこが染み入る。
昨年公開の「藤枝梅安」の時にも感じたが
時代劇の世界観にしっかり没入するには
その時代に普通に繰り返される四季折々の
行事や風俗、料理等の描写が丁寧であれば、
より深く物語世界に没入できる気がする。
忘れ去られつつある日本の風俗を
せめて映画の中には留めておいて欲しい。
所謂チャンバラシーンは草薙剛さんと工藤巧さんだから
正直そんなに上手くは無いですがこの映画、
剣豪の話では無いので、まあ、緊張感が続けば
良いんじゃ無いかと思います。
小泉今日子さんが、美味しい役です。(笑)
今後のこの手の役が増えるかも〜〜
なかなか楽しめる娯楽作品です。
囲碁の知識があれば…
囲碁の知識があれば、もう少し楽しめたのだろうか?
全体的に画面が暗すぎて分かりづらいところもあったのが、残念。
草彅剛さんは、ほんとに何をやってもその人に見えるのがいい。バラエティで見るのほほんとした感じと全く違い、ビシっとしたお侍さんで迫力を感じた。國村隼さんは、昔からあの声と演技が大好きで、あんなに自然体に聴こえながらしっかりと意味が伝わってくるのが不思議。それだけ実力者なのでしょうが…。
ストーリーは、予定調和な感じで、意外性もなく進み終わった。
草彅剛あっぱれ
とにかく草彅剛を堪能する作品
もしも草彅剛が武士を演じたらではなく、柳田そのものであった。もちろん柳田自体は知らないが、作品を鑑賞したら存在感と自然さが圧倒的だった
國村隼さんも名優。事前知識なしで鑑賞したので、ありがちな悪徳商人かと思ったが申し訳ない
時代劇だが白石監督らしく遊び心もありうまくまとまっていて楽しめた。
碁盤斬りの意味
武士として約束を違えず、真っ直ぐに向き合った碁に対して、碁盤を切ることでその生き方を少し変えて、柔軟に生きようとすることの表れですよね。
なので、両替商の2人を切る約束も反故にし、掛け軸もお金を工面するために不正に入手しようとした、と…
吉原の女将さんも約束を無かったことにしてくれて、この生き方もアリなんだと感じたんでしょうかね。
光と影の使い方が上手い
キョンキョン(小泉今日子さん)の横顔が、年齢を感じて嬉しくも寂しい。
とてもいい役で、はまってたんだけどあの甘くて少し高い声はNGかなぁと思います。
草薙くんの演技は、とても素晴らしいと思います。
でも、市村正親が出た場面で持ってかれました。
実力の差が映像に見えました。
清廉潔白が正しいのか、これからきっと探しに行くんですね。
落語の面白さを越えられていない
映像は綺麗。美術にもこだわっていて、セットも良い。草彅剛の存在感なども言うことは無い。
反面、登場人物の心の動きがいかにも雑。
心の動きの描写が良いだけに、そこが際立つ。
元々の柳田格之進を聞けば、番頭の描写など
もっと表現できるポイントはあったし、
吉原の人間の論理、武士の矜持など
どの登場人物にも芯が無いように見える。
前言を翻しすぎている様に感じた。
これは原作の問題なのかもしれない。
あと"中国"の一言はさすがに気になった。
そこは清でしょう。江戸時代に中国はありません。
融通の効かない正義の人が巻き起こす負の連鎖?
融通の効かない正義の人、まさしく白の人、コンプライアンス的には間違ってない、間違ってないのだが、世の中は白と黒が入り乱れている。視点が変われば白黒ひっくり返るのである。
草彅剛は本当に白か?
斎藤工は本当に黒か?
実は逆なんじゃないか?
そんな人間のグレーゾーンが画かれているいる作品と思います。
清廉潔白がゆえの取巻の不幸はいかにも人間という存在の悲哀を感じさせます。
草彅くんが彦根藩に戻らず掛軸を換金して放浪していく様は正義の刃に倒れた者への贖罪でしょうか?
いずれにしろ、悲しい、悲しい物語です。
皆さんの評価が高くてビックリ
つくりはいいのかもしれませんが、登場人物の謎行動に驚かされるばかりで、あまり感情移入もできませんでした。
話変わるけど、予告で何度聞いても「忘れてはオランダ〜」って言ってるのかと思ってました。
堂々の時代劇
これが初とは思えないほどの、白石監督の堂々たる時代劇。たっぷり楽しめた。
あえて逆光で撮ったシーンが多く、それが効果的なのに感心した。さらに、ろうそくの薄暗さ、火影のゆらめきで江戸の夜を表現し、そこに吉原の華やかさを対比させるなど、素晴らしい雰囲気。
題名でラストの展開が読めてしまうのが、とても惜しい。
時代劇&落語ファン必見の映画
古典落語の「柳田格之進」をベースにした作品でした。映画&落語ファンとしては必見と思い観に行って来ました。
ただ「柳田格之進」という噺は、江戸時代という時代、特に武士というものの窮屈な生き方を誇張したような噺であり、その結果かなり不条理なストーリーで、平生落語ではあまり感じない怒りとか無情とか無念を覚える内容でした。そのため、正直あまり好きな部類の噺ではありませんでした。そして実際に本作を観てみると、元々ある不条理さにドライブを掛けているというか、落語の筋にある不条理に、さらに一つ不条理を追加していて、実にやるせない気持ちになりました。勿論これは、好き嫌いは別として映画としての誉め言葉なんですが。
見所は俳優陣で、柳田格之進を演じた草彅剛が、まさに”武士は食わねど高楊枝”を体現する貧乏浪人を好演していて、非常に良かったです。「ミッドナイトスワン」ではトランスジェンダー役を演じて日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲得しましたが、本作では侍役を演じて演技の幅の広いところを示してくれ、素晴らしい俳優になったと再認識したところでした。格之進の娘のお絹を演じた清原果耶は、先日観た「青春18×2 君へと続く道」に引き続き、相変わらずいい感じでした。両作品とも、人生のどん底に耐えながらも自分を見失わない芯の強い人物像を表現していて、一層ファンになってしまいました。
その他、敵役の斎藤工の憎らし気な演技も良かったし、キョンキョンの貫禄も板についていました。
そんな訳で、原案の落語同様物語そのものは好みの部類ではないものの、俳優陣の演技の素晴らしさは大いに評価したい本作の評価は、★4とします。
素晴らしかった
浪人で貧乏しながらも侍としての矜持を持ち、誠実な草彅剛がかっこいい。お話も演出も美術も素晴らしい。囲碁でなんでも解決するのは、麻雀漫画で基準がすべて麻雀になっている世界のようだ。囲碁は小学校の時に習おうとしたけどちんぷんかんぷんですぐ諦めたのだけど、ルールが分からなくても雰囲気で伝わる。
小泉今日子に鬼と粋な感じが共存している。きれいごとだけじゃない世界を体現しているようだ。
仇が斎藤工で、顔がかわいらしい。もっと憎々しい感じでないと憎めない。それとタイトルでネタバレしているのが残念だ。
役も話もきれいすぎてしらける
役も話もきれいすぎることが根源となり、ツッコミどころが満載でしらけました。
例えば
冒頭の「勝負に勝ったらお金受け取らなくて済む」て意味わからん。
100歩譲ってお金に興味がない侍キャラ設定として、最後は苦労を共にした相方を裏切り返さなければいけない掛け軸を売って金にに変えるってどういうこと?
あんなに囲碁を愛してやまないのに、高級な碁盤を真っ二つしないでください。
あの侍はジキルとハイド的な二重人格なの?
あと真剣な時代劇でダチョウ倶楽部の俺も俺ものくだりもやめてくださいよ。
面白そうな外観、雰囲気、期待感はあったが中身が薄い。
最近の映画は撮影の技法にばかりにこだわる悪い癖があると思う。
中身を大事にしてほしいと思いました。
骨太時代劇
ストーリーにやや???が付くが演出、カメラワークなどでカバーしていて割と観れる。
格之進が勝手に突っ走り、そこは違うだろうって違和感は結構ある。なぜ、闇雲に兵庫を探しにったのか?娘はどうでも良いのか等。
大本の話も多少?が付く話なのでしょうがないといえばだが、せっかくの映画化であればそこを補ってほしかった。
兵庫をもう少しダークヒーローに描いても良かったのでは。
もしもの演出だが、兵庫は自分の手を拾って切腹、出来ずに介錯の方が泣けると思った。
全体的に良くできているし、流石の白石節だった。
碁盤に表れる武士の心
久々の時代劇映画鑑賞となった。
古典落語「柳田格之進」が原案ではあるが、ストーリーは変えられている。
冤罪で彦根藩という大藩を追われ、江戸の長屋で娘お絹(清原果耶)とその日暮らしの浪人柳田(草彅剛)。囲碁がめっぽう強いが清廉潔白で賭け碁はしない。碁会所で会った両替商萬屋の主人源兵衛(國村隼)と囲碁を通じて交流が始まり、源兵衛は、柳田の誠実な人柄に徐々に影響され、利を追い求め強欲と揶揄されていた商売も「嘘偽りない商い」に徐々に変わっていく。
ある日、萬屋が客から受け取った50両を紛失し、柳田は再び無実の罪を着せられてしまう・・・。
序盤はひたすら静かな碁打ちの場面が続き、柳田と源兵衛の交流を中心に話が展開する。中盤から物語は一気に動き出す。冤罪や妻の死の真相を知った柳田はそれまでの静かな佇まいから豹変し、50両の濡れ衣に対しても、自分が無実がわかれば萬屋の2人の首を切ると凄む。そして父の覚悟を知ったお絹は自ら吉原へ・・・。
碁を打つ静の場面。大声で凄み、斬り合う動の場面。このコントラストが見事。
仇の兵庫(斎藤工)との命を賭けた碁では、話がどう展開するか、画面の役者達と一緒に固唾を飲んで見入っていると、突如殺陣に変わる。兵庫の最後の死に様は、白石監督ならではの画。また、この対決の碁では背景がリアルを排した昔の時代劇的「絵」であった。これは、時代劇と落語へのリスペクトではないか。
そういえば、彦根藩時代の回想シーンもあえてざらついた昔のフィルム映像のように編集していた。この演出もよかったが、これも過去の時代劇へのリスペクトかもしれない。
私は、お絹が吉原大門へ入っていく後ろ姿のシーンが印象に残った。煌びやかな極楽の世界の裏側は地獄。そこへ身を投げる武士の娘の覚悟・・・思わず涙が出そうになった。
この映画は、時代劇ではあるが、人情話であるのでどこか落語的、講談的なテイストが感じられる。それは、萬屋や長屋、碁会所の面々から感じられる。
一方で、草彅剛の静と動の演じ分け、凄みのある出で立ちと表情、声には驚かされる。特に、怒りの表情と声には何かが乗り移ったかのような力が宿っていた。碁盤を斬る場面の迫力はもの凄いものだった。
柳田は藩に戻る道を自ら閉ざし、娘の祝言を見届けると静かに旅に出る。かつて自分が「正義」を貫いたことが仇となり、藩を追われた仲間への贖罪の旅に出たのであろう。
それは、嘘偽りのない碁と同じように、たとえ苦しい道であっても、今の自分に嘘偽りのない生き方をしたいという彼の正義心の表れであるように思えた。
久々に、よい時代劇を映画館で観た。この作品に触発されてもっとよい時代劇が作られることを期待したい。そしてそんな時代劇をもっと観たい(2024年映画館鑑賞14作目)。
全345件中、181~200件目を表示