94歳のゲイ

劇場公開日:

94歳のゲイ

解説

激動の時代を生き抜いてきた94歳の同性愛者の姿を通し、日本の同性愛史をひも解いたドキュメンタリー。

1929年生まれの長谷忠さんは、自身がゲイであることを誰にも打ち明けることなく、ずっと孤独の中で生きてきた。そんな彼にとって唯一の拠り所は詩作で、1963年に現代詩の新人賞「現代詩手帖賞」を受賞して以来、著作も複数刊行され、94歳となった現在も日々、短歌を詠んでいる。かつて同性愛は“治療可能な精神疾患”と公然と語られていたが、時代の流れとともに同性愛者を取り巻く環境は大きく変化した。そんな中、ついにカミングアウトを果たした長谷さんは、理解あるケアマネージャーの存在に支えられながら、日々をたくましく生きていたが……。

詩人として成功を収めながらも生きづらさを抱えていた過去と現在の日常生活を通して長谷さんの孤独な人生を浮き彫りにするとともに、日本初の商業ゲイ雑誌「薔薇族」の元編集長・伊藤文学さんのインタビューなどを交えながら、日本の同性愛者たちが歩んできた歴史をたどる。

2023年製作/90分/PG12/日本
配給:MouPro.
劇場公開日:2024年4月20日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
奥田雅治
撮影
南埜耕司
録音
西川友貴
音響効果
佐藤公彦
編集
八木万葉実
語り
小松由佳
タイトル
平大介
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(C)MBS/TBS

映画レビュー

4.5独りであるということ

2024年9月7日
iPhoneアプリから投稿

独身だから
自分がどんな風に描かれたとしても
喜ぶ人も悲しむ人もいないという言葉が印象的だった

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JYARI

94歳のゲイに励まされる

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 自身がゲイである事を長年隠してたった一人で生きて来た94歳の長谷忠さんの半生を追ったドキュメンタリーです。軽やかだけれど切なく、大変勉強になる一作でした。

 まず、僕の実家から直ぐの所にある大阪西成区の旧釜ヶ崎近辺が舞台である事が本作をグッと身近に引き寄せます。長谷さんがここに引っ越して来たのが、「男が沢山居る」と言う理由であるのもちょっと愉快です。この地での日常を描きながら、カメラは日本におけるゲイの社会的文化的歴史を振り返ります。20世紀の前半には、同性愛は病気とみなされ、1913年発行の医学書タイトルが「変態性欲心理」であったと言うのは衝撃的です。

 長谷さんも少年時からご自身の性的指向に気付きながら「言ってはいけない事」としてひた隠しにして来たのですが、その抑圧により自身の心が変調をきたしたので職場でカミングアウトしたところ、周囲の視線は冷ややかになり孤独を一層深める事になってしまいました。

 そうしたゲイの歴史紹介の中で僕が注目したのは、1971年に発刊されたゲイ雑誌「薔薇族」のお話でした。僕が学生時代にも本誌は「キワモノ雑誌」扱いで秘かに回し読みされていました。でも、なぜ毎号「ムキムキの肉体にふんどし姿」なのかが全く理解できず、興味が湧きませんでした。しかし、当時のゲイの人々には「こんな指向は自分だけではなかったんだ」と言う事を知れる大いなる救いになったのだそうです。そうだったのかぁと改めて思い知らされました。

 でも、恐らく「ムキムキにふんどし」だけがゲイの人々の指向ではなく、もっと多様性があるだろうと想像します。そして、あのふんどし姿の鮮烈なビジュアルが多数派の人々による同性愛者へのからかいのアイコンになったのも事実だと思います。当時の僕も、その多数側に居ました。その辺の功罪(?)をもう少し知りたかったな。

 と、自分自身の精神史をも振り返り、様々な疑問や考えを引き出すのに最適の作品でした。

 新聞や雑誌でいい男の写真を見つけると今も切り抜いている長谷さんの姿を見ると、「僕もいつまでもスケベでいいんだな」と妙に励まされるのでありました。

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La Strada

5.0最高のドキュメンタリー

2024年6月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

幸せ

上映が終わって、舞台挨拶も何もない、真っ白なスクリーンに向かって拍手が起きた。それだけです。

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たか

4.5もっとお話を聞きたくなりました

2024年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

もっとたくさんお話しを聞きたくなるのは、
長谷さんのお人柄によるのかな。
とってもチャーミングで、ゲイであろうとなかろうと
繊細でウィットに飛んで、
関西人の笑かしたろか精神も併せ持ってて、
本当に魅力的なおじいちゃん。
そして、とても元気!
あと、お肌がツルツルなのはなぜ?
そこ羨ましいところ。

ずっと一人で生きてきた…。
って軽い空気で言っていらしたけど、今だから懐古的に言えるのでしょうね。
孤独を詩を書くという才能に変えて、
とても素敵な詩を書かれていて、
もっと読んでみたいと思いました。

ボーンさんというお友だちもでき、
まだまだ、お元気でいて欲しいです。

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hkr21