劇場公開日 2023年5月26日

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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのレビュー・感想・評価

全224件中、1~20件目を表示

4.0「ジョジョ」と美術と映画の繋がりを歴史に刻んだ記念碑的作品

2023年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

怖い

荒木飛呂彦による漫画「ジョジョの奇妙な冒険」(以降「ジョジョ」)は、1986年に連載開始、単行本が100巻を超え、今年3月からはPart 9の連載が始まるという大人気シリーズ。長期にわたり支持されてきた理由の一つは、Part 3で主要キャラたちが発現させ操るサイキックパワーを擬人化した“スタンド”で表現し、単にパワーの差だけでなく知略も駆使してのスタンド対決という前例のないユニークなバトルアクションを確立した点にある。なお、岸辺露伴というキャラクターが登場するのはPart 4「ダイヤモンドは砕けない」で、2017年に三池崇史監督・山﨑賢人主演で実写映画化されている(ただし同映画に露伴は登場せず)。

荒木は「ジョジョ」の長い連載の中で、ミケランジェロの彫刻に影響を受けたキャラクターのポージング(通称「ジョジョ立ち」)をはじめとする美術作品の引用や、傑作映画の要素をストーリー展開に盛り込んだり、洋楽のアーティスト名や曲名を人物名やスタンド名に借用したりしたことも多い。映画について少し例を挙げるなら、Part 2の闘技場での馬が引く戦車での対決は「ベン・ハー」、Part 4で山岸由花子が愛する広瀬康一を監禁するのは「ミザリー」、Part 6では「メメント」の記憶障害や「マグノリア」のカエルの雨がストーリーに取り入れられているのがわかりやすい。

さて、Part 4では脇キャラだった漫画家・岸辺露伴を中心に据え、遭遇する怪奇現象を彼のスタンドであるヘブンズ・ドアーと機転で切り抜けるスピンオフの短編漫画集「岸辺露伴は動かない」が1997年から断続的に連載される。「ジョジョ」が各国語に翻訳され海外での評価も高い荒木に2007年、ルーヴル美術館から「バンド・デシネ(フランスなどでの漫画の呼称)プロジェクト」の一環として、ルーヴルを舞台にしたオリジナル作品のオファーが届く。これを快諾した荒木は翌年ルーヴルを訪れて取材し、立ち入りを許可された美術館の地下倉庫の様子などに着想を得、2009年に「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を発表。その一部が同年ルーヴルに展示され、同美術館で史上初めて展示された日本人漫画家の漫画作品となった。

NHKは2020年より「岸辺露伴は動かない」を実写ドラマ化。その際のキャスト・スタッフが続投する形でこの実写映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が制作される流れに。同美術館はこのロケ撮影にも許可を出しており、荒木作品とルーヴルの良好な関係が継続しているのは喜ばしい。

映画の成り立ちでかなりの文字数を費やしてしまったが、荒木飛呂彦作品にはもともと美術と映画に深い繋がりがあり、それもまた魅力の一部として国内外で評価され、そうした経緯から「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の映画化に至ったことは実に感慨深い。原作漫画やアニメ化作品、ドラマのいずれにも触れたことがない観客にはやや不親切な作りかもしれないが、この映画を入り口に荒木ワールドにはまるのもありだろう。基調はダークなストーリーだが、露伴役の高橋一生と編集者・泉京香役の飯豊まりえの絶妙な距離感がコミックリリーフとなり、軽やかな展開の一助になっている。高橋、飯豊いずれもはまり役だと思う。

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高森 郁哉

4.0黒の魅惑と闇に呑み込まれていく

2023年5月31日
PCから投稿

我々が劇場で映画を観る理由は幾つもあるが、娯楽作をスクリーンで余すところなく堪能したい人もいれば、あの劇場の漆黒の闇に身を埋めたい人も少なからずいるはずだ。日常生活ではまず味わえない黒。だからこそあらゆる存在が、記憶が、怒りや悲しみが、さも心の内側を食い破るかの如く投影される・・・。初の劇場版がまさにその「黒」の真髄(とはいえメインとなるのは絵画だが)に迫りゆく様を深く堪能した。これまで同様、ユニークな世界観、キャラクター、個々の巧みな演技、艶かしいまでの音楽との呼応は相変わらず見事な感度で踏襲されつつ、さらに自宅兼仕事場をはじめ、洋風のオークション会場、旅館にも見まごう純和風の祖母宅からルーヴル美術館へと至るまで、精神の迷宮とも呼びたくなるほど魅惑の建築物たちが怪しく手招きするように物語を支える。行き着く先で待つのはやはり黒。劇場の闇の中でこそ真価が最も解き放たれる作品なのかもしれない。

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牛津厚信

5.0エッジの効いたカットが多いコミックを見事に実写映像化。深い物語を独自性のある展開で解き明かすサスペンス映画。

2023年5月26日
PCから投稿

荒木飛呂彦のマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズはエッジの効いたカットが多すぎたり、彫刻のような人物像など、実写化するのは困難でした。
ところが、はまり役の高橋一生の主演により、2020年にスピンオフ作品のドラマ「岸辺露伴は動かない」が登場し高評価を得ました。
そのスタッフが、荒木飛呂彦の初めてのフルカラー読切作品で「映画でしか実現不可能」なレベルの「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の映像化に挑んだ映画です。
本作は、パリのルーヴル美術館が舞台になったりしますが、一つ一つがマンガの構図と同様にエッジの効いたシーンが多く、作り手のこだわりをそこかしこに感じます。
ドラマを見ている人なら物語に入り込みやすいでしょうが、ドラマを見ていない人でも分かるように、漫画家・岸辺露伴の特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を最初の方で自然と紹介してくれています。
テーマは、この世で最も邪悪な「最も黒い絵」の正体とは?
光を反射する「鏡」と対になるような、光を飲み込む「最も黒い絵」は実在するのかを追究していきます。
スムーズに進んでいき、「あ、これで終わりか」というようなシーンに行きつきます。でも、そこでは終わりません。
まだ解けていない謎があるからです!
あえて言えば、起承転結・結のような独自性のある表現で謎を追究し続けるのです。
「ヘブンズ・ドアー」を使った細かいトリックなど、要素が入り組んでもいるので、丁寧な構成ながら、「全容を把握できるか?」と私たちに挑んだ作品とも言えます。
こだわり抜いた映像と共に、謎解きの面白さもあるサスペンス映画の傑作誕生です!

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細野真宏

3.0ま、ドラマ班が作ったらドラマになるよね。 TVで観て正解、お金払っ...

2024年5月11日
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鑑賞方法:TV地上波

ま、ドラマ班が作ったらドラマになるよね。
TVで観て正解、お金払って観には行かない。

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y.shibata

4.0亜流な視点で申し訳無いが、木村文乃さんを見る為に・・

2024年5月8日
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鑑賞方法:TV地上波

興奮

知的

萌える

原作の荒木先生も、主演の高橋君も、泉役の飯豊さんも、作品を愛してる技術スタッフも・・
皆が勿論!素晴らしいのだけど・・
本作は!木村文乃さんがガチのガチ!
木村さんは『ファブル』でもヨーコ役が代表作のハマり役に思ってたけど、本作での演技!素晴らしかったヽ(^o^)丿
亜流な視点で申し訳無いが、木村文乃さんを見る為に、その為だけに!本作を観ても良いのかも知れない(真剣)。

ルーブル美術館での撮影てのが、本当に凄い。

絵画を見たくなる度】☆5
キョウリュウジャーもしくはファブル見たくなる度】☆5
ジョジョはやっぱり3期が好き度】☆5

良く出来たストーリー進行と原作へのリスペクト!に尽きます。
色々レビューでストーリーに言及しない方が、勿論良きと思ったので、こんな薄い書き込みになっちゃってスマヌ。

素敵な作品でしたヽ(`・ω・´)つ♡

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えびかに伯爵/二世

3.0露伴先生相変わらず。後半ネタバレの仁左右衛門様からのくだりが

2024年5月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

単純

よい。サラッとみる映画。いや、テレビのスペシャル版でよいな

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たらちゃん

2.5どこか物足りなさを感じる作品

2024年5月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

BSで録画視聴。
原作者の荒木飛呂彦は人気漫画の漫画家と
知った。
まず、この作品は原作を読んでいない。あくまでも作品内容を重視すると物足りなさを感じた。
サスペンスに見えてサスペンスっぽくないし、ミステリーに見えてミステリーっぽくない。
中途半端な作品に思えた。
岸辺露伴役の高橋一生の演技も今一つ。
いかにもドラマ作品の典型例。

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ナベウーロンティー

2.5最も黒い絵と女性

2024年4月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

女性から聞いた最も黒い絵をみにルーヴルへ行く話

黒い絵は神木からでる黒い樹液で描かれたもので絵をみた者の後悔を引き出し現実となる。岸辺露伴は自分の記憶を一時的に消して後悔から逃れる

映画初見でも楽しめるようになっている。最も黒い絵がルーヴルにあると女性は言っているがその時点では祖母の家にあるため矛盾か起きている。

絵はそんなに黒くない

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ゆかした

3.0予習は必要

2024年4月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

ジョジョの奇妙な冒険に登場する人気キャラクター岸辺露伴が主役のストーリーですので、スタンド能力をいる程度知っていないと意味が分からないと思います。
ストーリーの終盤までは謎が多い展開ですが、ラストで全ての伏線が回収さらるのは気持ちよかったです。
ジャンルとしてはミステリーと軽いホラーって感じです。

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ゆーき

2.5岸辺露伴で眠くなる

2024年4月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

原作は昔見たような気がするんだけど、いまいち覚えてないので話は原作と同じなのかはわからないけど、最も黒く邪悪な絵と言われるととても興味をひかれるけども、思ったよりも理由が追求されてない
御神木の樹液のせいなのか、怨念なのか?
なんだか女の人も幽霊なの?あれ?ヘブンズドアかかるんだ?
とか色々気になってしまった
てか岸辺露伴役の高橋一生は生粋のジョジョファンだけあって本当になり切って演じてるのでそこは素晴らしいです
残念なのはルーブルやパリを舞台にしているわりにロケーションが少ないなあといった印象
もっと撮るべきところもあるでしょうに
岸辺露伴の短編はドラマ版程度の長さがベストだなあと思いました

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まあ映画好

3.0ルーヴルに行ってもドラマの方が観やすいと思った

2024年3月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ドラマ版のみ観ているのだけど、たぶん映画のプラットフォームになったことで話が冗長してて勿体なかった。淡々としたトーンで行くから引き込まれにくいし…。

こうファンの固定観念を押しつけちゃいけないのかもしれないけど、直感的な分かりやすさと説得力が作品のギアだったと思うので、今回はその枠に自分はいなかったと思った。面白いけど時系列もまあまあ動いているし、あの使い方では矛盾にも感じる。

ただ、スピンオフとしてルーツを辿る旅としてのオーラは良かった。実際にルーヴルへ行ったことで、その仮想な雰囲気とフランスの街並みは凄く似合っていて、感覚をくすぐられた。実際に美術館を観光しているかのような台詞と案内には心を躍らされたし、それを映画館で観る特別感もあった。だから作品との相性って気がする。

今回のミューズとして木村文乃さんが出ているものの、皆の言うエロさはそこまで感じなかった。むしろ、長尾謙杜さんの幼さに吹き込むような妖艶さが過去を掴んでいるような気がして良かった。バランスは取れてるものの、肝心の中盤からバタついていた印象で、回想も何か足りなかった。

やっぱり飯豊まりえさんが可愛い。凸凹のコンビと岸辺露伴としての存在を引き立てているのだと再確認。感想としては間違っているかもだが、素敵な旅だった。

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たいよーさん。

3.0漫画読んでればいいかな、ではいかんと思うのよ

2024年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作より楽しめたか?というと疑問

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mikyo

4.0昔の古畑任三郎シリーズに通じるかも?

2024年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

非現実的な雰囲気の中で進むストーリー、それを表現するような不協和音の音楽。そんな中でも繰り広げられるおなじみの露伴先生と泉くんの絶妙なやり取り。

そんなふうにシリーズ重ねる度に唯一無二の世界観を作り上げたのは、最近のドラマではこの「岸辺露伴」くらいだと思う。(昔の古畑任三郎シリーズに通じるかも?)

だから劇場版も安心して…というか結構な期待値で観に行けた。なんてったって、ロケ地がかなりのスケールアップ。ルーヴル美術館はもちろん、向瀧も凄いよ!

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りんごあめり

3.0テレビと同じ

2024年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

テレビドラマの
岸辺露伴シリーズが大好きなので,
視聴。
ちょっぴり
ルーブルも見られて
テレビと同じくらい面白かった。

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アツコ

3.0ルーブルの美しさをもっと

2023年12月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

映像が綺麗な作品なので、ついに海外に進出か、と期待していたがほとんどその映像はなく。。黒より黒い色、というのも映像ではなんか伝わらず。。

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いつこ

2.0映画になっていない

2023年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1時間もののTVドラマとしては高クオリティだったが、そのまま2時間に引き延ばしただけで映画になっていない。思い切った原作改変をやる勇気がなかったということだろうか。撮影と音楽はよかった。

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あげ玉

4.0世界観をそのままに

2023年12月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

NHKドラマの世界観をそのままに、一本の映画としてまとまった作品にしてくれたことは、ファンとしてとてもうれしかった。
少年の頃、木村文乃にあんな形で出会ったら、そりゃ忘れられない人になるよなぁ。

フランスでのラストショットで、建物の映り方が狭苦しく、空が広すぎる構図は、いろんな権利やら、撮影上の都合なのか、細かな映像づくりにこだわっているドラマにしては、ちょっと残念。
それから、あんなに暗い中で模写しても、贋作とばれないような色づかいは、絶対にできないが、そこはフィクションとして飲み込み、星4。

あのサングラス欲しいな。

NHKでの放送のタイミングで、過去作レビュー。

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sow_miya

4.0111

2023年11月10日
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鑑賞方法:VOD

知的

111

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NEWFM21

3.5TVシリーズと変わらず

2023年11月10日
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良くも悪くもTVシリーズと変わらず。世界観も話のスケールも。
映画館のスクリーンで観たらまた違った印象なのかもしれないが、TVサイズではルーブルロケもそれほどすごさが伝わってこなかった。残念。
泉京香はここでもいい具合に鈍感だけど的を得ているし可愛かった。

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may 929

4.5作品への敬意がある

2023年11月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

作品冒頭の露伴のセリフの通り、岸辺露伴は動かないシリーズの実写化はドラマ版からずっと作品への敬意がある。
それは、岸辺露伴役の高橋一生の演技のみならず、撮影、構成全てが、岸辺露伴を如何に岸辺露伴らしく実写に落とし込むかを練りに練られている。
もちろん、漫画ならではの表現をただそのまま実写を置き換える事は時として、作品を陳腐に見せてしまう。そこを回避するための改変を原作既読のファンが観ても違和感なく行うためどれほどの努力がなされているか、感動すら覚える。
もちろん原作との矛盾点や、種明かしパートの蛇足感などあるけれど、ここまでやったら実写化としては最高じゃないか!

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neko