きみの色

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きみの色

解説

「映画 聲の形」「平家物語」などの山田尚子監督が、思春期の少女たちが向き合う自立と葛藤、恋模様を、絵画のような美しい映像でつづったオリジナルアニメーション映画。

全寮制のミッションスクールに通うトツ子は、うれしい色、楽しい色、穏やかな色など、幼いころから人が「色」として見える。そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみ、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイの3人でバンドを組むことになる。離島の古い教会を練習場所に、それぞれ悩みを抱える3人は音楽によって心を通わせていき、いつしか友情とほのかな恋のような感情が芽生え始める。

トツ子、きみ、ルイの声は、それぞれ鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖と注目の若手俳優たちが担当。3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が務めた。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズの吉田玲子が脚本、「チェンソーマン」の牛尾憲輔が音楽、「平家物語」「犬王」のサイエンスSARUがアニメーション制作を手がけた。

2024年製作/100分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年8月30日

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映画レビュー

4.5悩みを共有しながら築かれる絆

2024年9月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

山田尚子の作品はゆるい雰囲気が特徴で、本作でも彼女の独自性が表れていました。 京アニ出身ということで、『けいおん』のバンド演奏や『リズと青い鳥』の心理描写など、過去作の要素がたくさん盛り込まれていました。近年の大ヒット作にありがちなリアルな背景と激しい動きとは異なるテイストになっており、絵本のような温かいタッチに癒されました。そのため、「こういうのが観たかった!」と思えるぐらい新鮮な気持ちになれました(勿論、大ヒット作ならではの面白さもありますが)。 メインの登場人物も魅力的でした。トツ子は相手の色が見える不思議ちゃんで、きみはクールで友達思い、ルイは2人を支える存在みたいで素敵でした。それぞれが悩みを共有しつつ、バンド練習を通して築かれる絆が素晴らしかったです。たとえ変えられない現実に直面しても、それを受け入れて3人が成長していく姿に感動しました。 池袋のIMAXで観ましたが、大画面を活かした派手な作品とは違った良さがありました。柔らかくて引き込まれるような色彩や、全身に響くギターと電子ビートの臨場感が凄かったです。特に最後のライブシーンは、学園祭に参加したような迫力がありました。「水金地火木土天アーメン」も、独特な歌詞とメロディが癖になるぐらい印象的でした。 全体的に平和で、不思議な感覚を味わうことがでした。ゆるい雰囲気が好きな人にはおすすめです。

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Ken@

5.0さて、トツ子さんは何色だったのか。

2024年9月7日
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鑑賞方法:映画館
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猿田猿太郎

「衝突」ではなく「理解」で描く、暖かな青春物語。

2024年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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すっかん

5.0音の良い映画

2024年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

山田尚子監督は、このところ張り詰めた緊張感の作品が続いていたのだが、久しぶりに軽やかな作風に戻ってきた。この軽やかさは『けいおん!』や『たまこ』シリーズの頃を思い出させるのだけど、退行では決してなく、進化した上でのあえての軽やかさといった感じだ。音楽を題材にしていることも含めて、懐かしさもあり、同時にサイエンスSARUに拠点を移して獲得した新しさもさらに突き詰めている。 色々な魅力がある作品なのだけど、ここでは音楽を含めた音について書いてみたい。山田監督の映像の心地よさというのは、音のセンスにもある気がしている。音楽に対してこだわりが強い人というのは、多分ファンにとっての共通認識だけれど、本作ではその意識が特に高い。色々な楽器が出てくるのも色々な音色をスクリーンで聴かせたいという現れだろうと思う。アニメは映像について語られることが多いのだが、映画の構成要素は映像と音である。山田監督はアニメ作家の中で、かなり音にもこだわりがあるタイプ。自然音もSEこすごい心地よい作品なので、これを味わうために、是非劇場で見てほしい作品だ。

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杉本穂高