対峙

劇場公開日:

対峙

解説

高校銃乱射事件の被害者家族と加害者家族による対話を描いたドラマ。

アメリカの高校で、生徒による銃乱射事件が発生。多くの同級生が殺害され、犯人の少年も校内で自ら命を絶った。事件から6年。息子の死を受け入れられずにいるペリー夫妻は、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をすることに。教会の奥の小さな個室で立会人もなく顔を合わせた4人はぎこちなく挨拶を交わし、対話を始めるが……。

加害者の両親をドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のリード・バーニーと「ヘレディタリー 継承」のアン・ダウド、被害者の両親を「ハリー・ポッター」シリーズのジェイソン・アイザックスと「グーニーズ」のマーサ・プリンプトンが演じる。「キャビン」などの俳優フラン・クランツが初監督・初脚本を手がけ、密室で繰り広げられる4人の会話劇を緊迫感たっぷりに映し出す。

2021年製作/111分/G/アメリカ
原題または英題:Mass
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2023年2月10日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9

(C)2020 7 ECCLES STREET LLC

映画レビュー

5.0「赦し」とは何か

2023年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これはすごい。今年を代表する一本だ。教会の簡素な部屋で、銃乱射事件で子どもを殺された両親と加害者の両親が4人で語り合う。最初はぎこちない挨拶と日常会話から始まり、だれもが何を話すべきか、どこまで踏み込んでいいのかわからないといった雰囲気の中、死んだ息子の過去の話となってからは、心を削られるような、魂のぶつかり合う対話が全編続いていく。
被害者の両親は、なぜこんな事件が起きたのかを知りたいと訴える。しかし、親だからといって子どもの全てを知っているわけではない。心の闇に気が付けなかったことが悔恨として重くのしかかっている加害者の両親、それでも息子を愛する気持ちは捨てられない。
銃乱射事件が物語の発端になるが、銃規制の是非はテーマにしていない。それでよかったと思う。銃以外でも殺人は起きる。理不尽に命を奪われた両親の悲しみや怒りは、銃でなくても同様だろうから。
回想シーンも音楽もなく、部屋は質素な飾り付けがあるのみ。この複雑な感情を表現するのはもっぱら4人の役者だ。これほど高次元のアンサンブル演技はそうそうお目にかかれない。赦しとは何かを深く探求した傑作。

コメントする 1件)
共感した! 10件)
杉本穂高

4.0事前情報がない方がより味わい深いスリリングな会話劇

2023年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

舞台はアメリカのどこか郊外らしき土地にある小さな教会。子供たちが合唱の練習をしているが、初めて訪れた女性司祭がピリピリした雰囲気を醸しながら会談場所の部屋を事前にチェックし、椅子の配置などを整える。やがて一組の中年夫婦が緊張した面持ちで到着し、少し遅れて別の中年夫婦がやってくる。司祭はほどなく去り、部屋には2組の夫婦が対峙する――。

貴重なお金と時間を費やして映画を観るなら、自分の好みから外れたものを選ばないよう予告編などで事前情報を仕入れてから鑑賞するのはもちろん真っ当なこと。だが、緊張感に満ちた会話劇が好きな人なら、2組の夫婦にどんな関係性があり、何の目的で会談を行うのかを知らないまま臨むことで、秀逸な脚本によりそうした事情が言葉のやり取りだけで少しずつ明らかになっていく過程をよりスリリングに味わえるだろう。

本編の9割方がこの室内だけでリアルタイムに進行し、回想シーンなどを一切挟まない構成なので、舞台劇の映画化だろうかと想像したが違った。俳優でキャリアを築いてきたフラン・クランツによる初脚本・初監督作で、ドキュメンタリー映画などで知った事実から着想したという。つまり、このような“対話”が創作ではなく、現実に行われてきたということ。

異なる立場の者同士が直接対峙して言葉を交わすことの困難さと、それを敢えて行うことの尊さが、SNS全盛で他者を容易に攻撃できてしまう現代だからこそ、観客の心に一層深く突き刺さるのかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
高森 郁哉

4.5銃乱射事件の加害者の両親と被害者の両親が対話を通して…というあらす...

2025年1月12日
Androidアプリから投稿

銃乱射事件の加害者の両親と被害者の両親が対話を通して…というあらすじから想像できる結末は映画をある程度見てる人間からするとあって、そこはもう想定通りに進んでいくんだけど、とにかくヒリヒリ感が伝わってきて、ずっと能動的に見ざるを得ない作品だった。ワンシチュエーションでここまで惹きつけるのは脚本と演出の力だと思う。

センセーショナルにカメラを揺らして撮ったりせず、どこか一歩引いた目線で、どこかドキュメンタリータッチに撮ってるところに好感。演者の感情の高め方も演技っぽくない。

夫婦が言葉を発さずにアイコンタクトで感情を伝える(感情が漏れる様)が良かった。本題に入らずダラダラと関係ない話をしてしまうのも分かる。

最後はキリスト教的な要素が強いので、分からないところもあるのだけれど。

加害者側も自分の子どものことだから全てを悪と言い切らないという姿勢で臨んで、最後までそこが崩れなかったのが良かった。綺麗事っぽく片付けない感じ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
わたろー

3.5❇️『席を立つだけで何かが起こりそうな緊迫した雰囲気が凄い』

2024年12月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

対峙

❇️『席を立つだけで何かが起こりそうな緊迫した雰囲気が凄い』

🇺🇸とある教会⛪️

🔵かーるくあらすじ。
銃乱射事件で息子を亡くした家族の加害者と被害者がもがき苦しみ、何かを見つけるために対談をする。
4人の気持ちはどの様に変化しどの様に幕を閉じるのか?1室設定で進む会話劇。

◉77C点。
★彡ラストの10分の演出にシビレました‼️

🟢感想。

1️⃣⭕️『加害者と被害者の葛藤が凄い。』
★彡些細な会話でも攻撃準備が今にも出そうな雰囲気が見所。

2️⃣⭕️『被害者と加害者でも4人の考えと感情の違いが凄い』
★彡夫婦間でも息子を失い、立ち直り方法や考え方に違いを感じられる演出が見所。

3️⃣⭕️『後半の母親としての立ち振舞いに感動
』★彡本当にリアルに思えた。

4️⃣🔺『後半のカット割りで絵が🖼️無くなる?』
★彡もち意図的な演出だと思うのだが、母親の見たく無い心の表れなのか?不明で悩む。
🌀誰か教えて!

🤝🫵🙏🗣️👩‍🍼👨‍🍼💐⛪️🖼️🪑🪑🪑🪑❤️‍🩹🆚

コメントする (0件)
共感した! 0件)
シネマを喰らう