怪物のレビュー・感想・評価
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このラストはいい。
最初は怪物とは誰のことなのか、、、と思いながら観てたが、、、。
麦野の母親も、子供の異変を心配し、学校に乗り込んで行く気持ちはよく分かるが、見ようによってはモンスターにも見えるし、保利先生もその場を適当に取り繕う自己責任の欠落した教師に見えるし、校長先生も真摯に向き合うことをしない陰険な人に見える。子供たちも大人の分からない闇を抱えて何をしでかすか分からなく不気味にすら見える。
それぞれの視点から見ると全く違ってどんどん引き込まれていく。さっきまで嫌悪感を覚えていたのに。誰も悪くない、誰も悪くないのではないか。
なんと真っ新な子供たちの悩み、気持ち、複雑だが何も変わらない普通のことだょ、と。
台風が去った後の晴天の中を、吹っ切れたように清々しく走る子供たちにじんわりきた。
坂本さんの曲もすごく染み込んできて、より一層じんわり。さすがです。
誰も悪くなくはないか。依里の父親だけはアカンやつや。
ドキドキした
シングルマザーとシングルファザー
この映画は、母親、教師、子供の3つの視点から事象を捉え、その真相を明らかにしていくという構成になっている。学校で起きたケンカをきっかけに、息子を愛する母親は、息子の主張を信用し、学校に対して猛烈に抗議をする、生徒思いの教師は、生徒がついた嘘からあらぬ疑いをかけられ学校を退職せざるをえなくなる、無邪気な子供たちは、秘密基地を作って楽しそうに遊んでいる、3者のそれぞれ異なる真実がわかることによって、観ているものは登場人物の敵になったり味方になったりする。
生活環境が似ている2人の子供の育ち方が気になった。シングルマザーが息子を育てる場合、父親のようになってほしいか、父親のようにはなってほしくないか、どちらかであるが、この映画では、死別であるためか、母親は息子にラガーマンであった父親のように男らしくなって、普通に結婚してほしいと期待をかけている。それが、息子には重荷になっていて、実際の自分は全く別人で父親のようにはなれないという自覚がある。仮に父親が生きていて子育てにも携わっていれば男らしくなれたのか、生まれつきのことなのでしかたがないのか、わからない。シングルファザーが子供を育てる場合、自分のようになってほしいと願う。しかし、思い通りにならない場合、どうなるか。この映画では、父親が息子に対して、体中に痣ができるくらいの暴力を振るい、「お前には豚の脳ミソが入っているという暴言を吐く、息子の憎しみは頂点に達し、ついには父親が通っているガールズバーのある雑居ビルへ着火ライターで放火する、という事態を引き起こす。
自分の思い通りにならない親の苦悩、親の期待に応えることができない子供の焦り、程度の差こそあれ、どんな家庭であっても、思い当たる節はあるはずだ。誰もがいつ怪物になってもおかしくはないのである。
映画でしかできない職人芸
こうあるべきという怪物
子どもの世界は大人の世界の写し鏡
残酷すぎて泣けて仕方なかった。
パンデミック後の世界。
この時代に生きる子どもたちと大人。
…そして少年のある感情の芽生え
彼らの世界が一番しっくり来た。
(そうは言っても大人から見た彼らの世界であり、彼らの目には別の世界が映っているんだろう。)
仕合せにはなれない。
子供ももうそれを解っている。
湊のアップ
今一瞬が美しいと、切り取る側も解ってる。監督も、脚本家も、カメラマンも解っている。気づいてないのは少年だけ。或いは気づいているのか…。
大人に変わるほんの一瞬の悪魔的な美しさ。是枝監督はそんな少年を画面にとじ込めるのがとても巧い!
幸福そうな映像や音楽(彼らの心象風景なんだろうか?)でいて、いきなり終わるような予兆もそこかしこにある。その刹那、儚さに涙が流れた。
薄日差す風景が度々映る。一見すると何も起きてはいない。町はいつも通りだ。
これは何を意味してるんだろう…。
あの廃電車
ワイパーのように泥を掻き分ける手や丸い模様。
子供の世界に大人が土足で入ってきた。
彼らは彼らの世界でもう生きている。
子どもは大人の写し鏡。
残酷な“今”に生きていかなきゃならない。
次世代に託すしかない大人側の責任をひしひしと感じる。せめて逞しく生きて行って欲しいと祈るしかないのか…。
楽器の音。あれこそ怪物の唸り声じゃあないのかな。
永山瑛太
ある面から見ると挙動不審に見えるが、別の面から見ると誰も気づかないような事に気づいたりする。
田中裕子
人間の年輪
年の功
擬似祖母
ラストシーンが強烈。
この締めくくり方はスゴい!さすが。
湊と依里の髪型、トレーナーがいつの間にかお揃いになっていた。
黒川想矢(湊)…心の揺れ、ヒリヒリするような演技が素晴らしかった。
柊木陽太(依里)…彼の演技は天性のものなのか?
火事で始まり、嵐で終る。
是枝裕和監督、坂元裕二氏、黒川想矢さん、柊木陽太さん、田中裕子さん、俳優の皆さんに拍手を!!
是枝監督はまた別次元に行った。
怪物ならぬ、怪作!
実写映画の限界を感じたが、同時に実写映画としての最高峰を感じた
何が言いたかったのか分からない。
そういうレビューを度々見かけました。
その通りだと私も思います。
一般的に、物語には二つの意味合いがあるのではないでしょうか。
一つは、命題の提示。
そしてもう一つは、その作品なりの解答。
例えば、友情とはなんぞやと問い、友情とはこれだと示す。
そこまで行って一つの作品だと私は思います。
この作品は、この作品なりの解答を示しません。
2時間という時間を使って、終始私たちに問いかけてきます。
怪物とはなんぞや、と。
ですが、これは仕方のないことなのではないかとも私は思います。
普段、アニメ、漫画などの二次元を好んでいる私からすれば、実写映画というものは情報が観客に伝わりにくいメディアです。
キャラクターの感情一つ伝えることだって、いくらでも誇張が出来る二次元に比べて困難だと言えるでしょう。
同じ2時間という尺であるならば、実写映画というだけで伝えられる情報は限られてしまいます。
けれど、ならばこその今作なのではないかと、私は
考えました。
中途半端に命題を提示し、中途半端に解答を示す。
そうすれば一定の完成度は保てたかもしれません。
けれど、敢えて命題の提示に全てを注ぎ込み、観た者に最大の爪痕を残す。
もしもそのような意図であるならば、これこそが実写映画という範囲での最高峰なのではないでしょうか。
勿論、自分で考えさせられるのではなく解答を示して欲しい人たちには無価値である可能性も存分に孕んでおり、そういった意味では全国放映の映画として欠点ではあるのかと思います。
私は考察も大好きなので個人的には命題投げっぱなし上等で星5をつけたいくらいですが、客観的にレビューをするなら3.5くらいかなと。
後、いくら考えても飴ちゃん食べるのだけはおかしくないです?
ちょっとよくわからなかった
テーマの意味を観るものに委ねる最近の日本映画の悪いところ
作文の鏡文字
映画館で観るべし
本当の怪物とは
国内外から高く評価されている是枝作品ですが
今回のテーマは、かなりボヤかして表現されており
作品名の謎を
最後の最後まで解かせず
予想通り示さずに終えました
親
教師
子供
三方からの視点で映画を紡いでいく手法は
芥川龍之介の薮の中で
これまでも数々の作品が引用されたのです
しっかりハメ込めた腕前は
さすがの力量でした
さて是枝さんの言いたかったテーマはなんでしょうか
ネグレクト
いじめ
偏見
同性愛
嘘
多方に渡りすぎて
ちょっと掴めません
ただ心の中に潜む怪物は
大きくも小さくもあれ
誰にでも生息していて
それが表面化するのか
内在しながらも純化していくのか
どんな方向性にも動いていくもののようです
映画のメッセージを掘り下げるのは
実はあまり得意ではないので
他の方にお任せしようと思います
新たな名作
特別な映画ファンや是枝監督ファンではないのですが、面白かったです!...
人物の描かれ方、投げかけ方が素晴らしかった
自分は、子供がいて働く母だから、シングルではないけど初めのパートには割とすっと入っていけた。分かりやすかった。そりゃそうだろう、すごく辛いだろうと思った。それがダメなことではない。最後の子供達と緑の多い秘密基地のパート、子供は無垢なもの、子供だからなにをしてもいいとはいかない。どのパートにも良さと行きすぎてる面がある。途中から、不気味に響く音の正体がわかった時に、何だかそんなこともあるよなって思った。私の心の中でもトロンボーンやホルンが鳴り響くこともある。
音楽と、脚本は素晴らしかった。喋りすぎない脚本。坂元裕二さんは軽妙な会話のやり取りが魅力だと思っていたけど、特に子役の少ないセリフの中に複雑な思いを込めていて、対して大人たちのセリフは軽く、感情的だった。田中裕子のセリフはすごく深かった。一人一人の人物の描き方、投げかけ方良かったです。
誇張はあるがリアル
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