怪物のレビュー・感想・評価
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遠い少年時代の日々と
それを取り巻く大人のドロドロ。子供のドロドロ。
カンヌの好きそうな要素を入れてみたらうまく当たったと言う感じ。
そこにも大人のドロドロが垣間見れて面白い。
少年たちが良かったので元少年的には要らんお世話感が残る。
「普通」でいること。
この映画を見て、小学生のころ「気持ち悪い」と言われたことを思い出した。
彼も悪気があった訳ではないし、私も傷ついたという訳ではなかった。しかし今でも確かな疎外感が、常に私の根元に存在している。自分と他人とは、なにかが違うのではないかという恐怖。小学生の素直な言葉に、それを突きつけられた気がしたのだ。
彼らもきっと、それを感じたのだろう。
真実とは
真実は本人たちにしかわからない。
それ以外の人達は断片的な情報から自分の見たい視点でしか推測できない。
なんか、昨今の過度な不祥事報道と似たような面もあるのかな〜と。
役者の演技と音楽がよかった。
視点を変えて語られる事実から浮き上がる真実
物事の側面を一方からしか見ない悲劇
幸せを一つの固定観念で縛る悲劇
主要登場人物たち、それぞれの視点からみた怪物
極々ありふれた、善良な市民も、ある側面から見たら怪物である
社会と閉鎖的な価値観と無知によって犠牲になった大人と子供たちの物語
この時代でありながら、子供達の世界は遅々として進まず、排他的で弱きを挫く
少年たちが駆け抜けるラストシーンに流れる坂本龍一の音楽に、命の響きを感じる
いろんな「愛」に満ち溢れた青春ストーリー。あぁ、私も怪物ね…
ずっと気になっていた作品。
クィアパルム賞を受賞したってことはLGBTQ+関連なのか!?
ちょっとホラー?サスペンス?な要素もある感じだけど、どういうこと?!…と楽しみにしていました!
CMはホラー、サスペンス、スリラーっぽい感じもしてたけど、実際はヒューマンドラマ。
人間が壊れていく過程がしっかり描かれててゾッとする。
人が壊れていく、狂っていく系の作品、結構好きなんですけど、この作品はすごいな。
いじめの描写に耐えられるかな?と不安な気持ちを残したままの鑑賞でした。
正直、いじめ関係のシーンでは心臓がバクバクしました。
学校の対応等も妙にリアルで、安藤さくらさん演じる母親の演技も素晴らしすぎるが故に、少しクラクラと目眩がするほどでした。
だけど、いろんな人間の視点で描かれるので、いじめに関して色んな疑問や色んな気持ちが湧いてきて、「え!私ったら!決めつけていたわ!これじゃあ、まるで私が怪物ね。」という気持ちです。
ネタバレになるからこれ以上は言えない!言わない!
いじめ問題は人それぞれ感じ方が違うと思うので一概に言えませんが、いじめ関係で観るのを躊躇っていた私的には良い意味で拍子抜けでした。だからこそ私にハマった作品。
もどかしさや、いじめについての怒りを感じたりはありますが、いろんな「愛」に満ち溢れた青春ストーリーでした。
坂本龍一さんの音楽もとても素晴らしく美しく…
だからこそ、揺さぶられる感情があります。
近々もう1度、劇場で観たいと思います。
109シネマプレミアムは、坂本龍一さんが音響監修を手掛けているとのことなので、そこで観ます!
映画を観ながら色んな事を推理したり勘ぐったりしていた私も怪物かもしれない。
怪物だーれだ。
ラストの意味
ハッピーエンドにもバッドエンドにも、どっちにもとれるような終わり方は、あえてそう作っているのだと思いました。
ハッピーエンドか、それともバッドエンドになるかは、この映画を観た我々の、これからの行動次第で決まると言われているような気がしました。
テーマ性、脚本、演技、映像、演出、そして坂本龍一の音楽。すべてがハイレベルでした。
私はこんな物語は、たとえ思いついたとしても怖くて書けない。色んなしがらみのせいで保身に走る人が多い中、こんな映画を作って発表した勇気と誠実さを評価したい。表現に携わるプロとしての、そして何より「人間」としての本気を見ました。
ジョバンニとカンパネルラ
何度も何度も、丁寧に視点を変えてみせてくれて、その度に怪物の意味合いが変わる、重なっていく。
お母さんは絶対じゃないし、先生はおかしくない。
ある面100%ダメに描かれていた★パパすらも。
廃列車での少年たちの戯れは、ある種色気すら感じるところもあった。二人のやり取りには銀河鉄道の夜を感じた。
是枝監督は可愛い少年たちを魅せる。。
自分の考えなしの行いが誰かの怪物になってる。今も。
怪物というwordの使い方、予告も上手い!
まず、音楽
邪魔にならない主張の塩梅が素晴らしく、本当に美しかった!!!
そして、何にも増して、子どもたちの瞳が美しくて、
それだけで、なんだか泣けてきた…。
人は誰にとっても、捉える側の価値観で怪物になりえる、
母親の「私が話しているのは人間?」のセリフの通りで、
彼女からしたら、話の通じない先生たちは怪物で、
保利先生からしたら、生徒も先生たちも母親も怪物で、
理解できないものは、怪物というWordに当てはめてしまえるのかな。
そして、無垢なとは言い切れない大人になりかけの子ども…
湊は、周りと違う自分を見つけたとき、
また、お母さんの期待する人間に成れないかもな自分に気づいたとき、
自分の中に怪物がいるような気持ちになっちゃたのかなー。
汚れていない分、ウヨウヨと不安の怪物にどうしていいか判らなくなっちゃたのかなー。
依里くんは、あんなお父さんでも大好きなんだよね…
だから、戻ってきて欲しいがために、なまけものに徹していたのに、
急に怪物のごとく動き出しちゃった?
ここで、二人に好かれているが故に翻弄される保利先生、
良い人だったのに、かなりの被害者か?!
いちばん、振り回されているし… 苦笑
そして、田中裕子、結局、今回も一番、印象に残っている。
この校長先生が、自分の中の怪物も、周りの怪物も飼い慣らせている、
いちばんの怪物やも知れん。
また、予告編も上手い!
“怪物”というWordに観客の注意を向け想像を掻き立てる感じに作られてて、
これにもやられた!!
子ども時代の息苦しさを改めて感じた。
是枝監督作品は、普段忘れている心の下に沈んだ澱を、下からかき混ぜる。
観た後、いつも何とも言えない酸っぱい気持ちになる。
今回も、そんな映画だった。
私自身、男の子を2人育てたので、つい母親目線で観てしまった。
いやー、この状況、身が持たないよ。
先生方も学校も変だし、父親たちもダメだ。
湊たちが秘密基地を作りたい気持ちは分かる、でも、数々の奇行、危険行為は、ホンマに勘弁して欲しい。
今回一番感じたのは、「学校」という場、ホントに子どもの成育環境としてこのままでいいのかという点。
私自身、学校はしんどかった。
教師で尊敬できる人は10人に1人くらいだったし、クラスメイトで友達になりたい人はほとんどいなかった。
いじめに加担もしなかったけれど、特に助けもしなかった、学校の人間関係に無関心だった。
勉強を効率よくするために通っていたけど、「学校は刑務所のようだな。刑務所はここよりひどいだろうから、絶対に犯罪者にならないようにしよう」と思ったことを覚えている。
少子化対策の前に、今存在する子どもたちにきちんと向き合う必要があると思う。
坂本龍一さんの音楽は、クラシックのように魂に響きます。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
冷静に見れない
湊くんが刺さりすぎてどうにかなりそうだった。
母視点ではとにかく不安で湊くんが心配でキツかったんだけど、先生視点で謎が深まりそれでも何であれ湊くんを救いたいって思ってたら、湊くん視点ではもう、ふたりで遊んでるだけでも涙が止まらず、最後は嗚咽を上げながら泣いてました……いろいろ考えないといけないことはたくさんあるんだけど湊くん、そして星川くん二人のあまりの尊さにやられてしまい、他のことが考えられません。まだ全然消化できてないし、冷静に見れるようになるまで時間がかかりそうですが、何度も見たいと思います。
羅生門スタイルはあります
同じ構成で思い出したのは、イタリー映画の「人間の値打ち」です。クリスマスイブに起こった交通事故の真相を、3つの人物の視点を重ね合わせることで多面的に語ってゆくミステリー。
「ファーザー」も近いかな。
深い映画であった
3つの視点で物語が展開される
3つが並行に進むのではなく、
母子家庭の母親視点で物語が進み
時間が戻って次は教師視点での物語が進み
また時間が戻って最後は子供達視点で物語となる
この直列で真実が少しずつ明らかになる進み方が新鮮で
すっかりとのめり込んで観ていました。
日本が抱える数々の社会問題を描いて
コミュニケーションのすれ違いが様々な怪物を生み出していると感じさせる
ラストは観る人にいろんなことを想像させる
死生感を小学生が考える世界こそ怪物なのかも
まず脚本賞を受賞になるほどなと。
名優揃いで引き込まれる、嘘にいじめ問題、モンスターペアレント、学校という社会の間違った守るということ、発達障害や母子家庭、父子家庭などの人と違うことへの偏見、今の社会の生きにくさから感じる人それぞれが感じる嫌悪感こそこの映画の言いたいことなのかなって思いました。
それらから逃げることも時に必要で、そんな場所や人がいることこそ幸せなのかもしれません。
田中裕子さんの幸せについての台詞が胸に残りました。
怪物は誰なのか探さなくていい。
人は様々な顔を持つ。
怪物だーれだ?
誰が怪物なのか、わからない。
全員が見る角度を変えると怪物に見えたり天使に見えたりする。
怪物は探さなくていい。
みんながみんな怪物の顔と人間の顔を持っているのだから。
2時間ドラマのサスペンスやミステリーとは対極だ。犯人探しをして最後に、こいつが犯人だった!と分かってスッキリする。
そういう作り物が嫌いだ。
だからなんなの?この人が犯人だから何?と一気に心は物語から遠ざかり、どうでも良くなってしまう。
だけどこの作品は違う。
頭を使って犯人を探すのでは無い。
心の方が物語に吸い寄せられ惹き込まれていくような感覚だ。
火事は全てを失うものでもあり、遠くから見ると美しくもある。
猫を葬るのは残酷にも見えるし、優しさも垣間見える。
こびりついた床の汚れをこそぎ落とすのは頭の下がる行為にも見えるし、自らの罪をこそぎ落とそうとしているようにも見えてくる。
少年二人が本当に素晴らしい。
片方ずつ靴を分け合って歩くシーンはたまらなかった。
2人だけの宇宙が存在する廃列車。
いつか逆再生する日は来るのかな。生まれ変わりはあるのかな?
坂元裕二の脚本は細かすぎていちいち他人に言いにくい事や言わなくていいこと、自分でもよく分かっていないけど、モヤモヤしていることを本当に上手く的確に代弁してくれるから好きだ。
言葉に出来ないことは吹奏楽の音に載せればいい。
声は出なくても怪物の悲しい鳴き声のように、いつか声に出せるまでいつまでもいつまでも響き続けるのだろう。
109のプレミアムシアターで贅沢に鑑賞した。
坂本龍一の美しいピアノの音を、坂本龍一が日本一音のいい映画館だと評した映画館で観る事ができたのも本当に素晴らしかった。
怪物は誰か
怪物観ました。
皆んな、いい、いい
言うもんだから期待高で映画館へ。
情報は出来る限り、入れないようにしていたので、タイトルと出演者、監督、坂本龍一ぐらいの情報で観に行きけました。
タイトルが強烈なので、初めは誰が、何が怪物なんだと、自分でもタイトルに先入観があるためか知らない間に怪物探しをしていました。
それぞれの視点で展開していくうちに、
怪物らしき物や人物がどんどん変わっていき、
混乱しましたが
基本は皆んないい人じゃん。皆んな一生懸命に生きてるよね。と思ってきました。
その内にLGBTの色合いが濃くなり
ラストシーンを見終わった頃には、
怪物探しをしている自分が、
実は怪物だったのでは、
と思ってしまった次第です。
是枝監督に怪物探しをしているあなたが、あなたの思考こそが怪物を生み出し、不幸の連鎖を引き起こすのだと、突きつけられてしまった感じでした。皆さんはどうでしたか?
私はエンディングの坂本龍一の曲が流れている中で、しばし呆然としてしまいました。
好きな映画ではないけど、映画を観たと言う実感が湧く映画でした。
出演人ですが
初めは安藤サクラさんの自然な演技に感心してましたが、永山瑛太さん、田中裕子さんは更によかった。
それに匹敵するぐらい子役の2人は素晴らしい。
kids are alright
怪物はいなかったのか
タイトル、予告編から想像する話と全然違くて
ぐいぐい引き込まれてしまった
三幕目は至高
春から夏にかけての映像
諏訪湖の自然の美しさ
子役演出
彼らの「わからなさ」に何度も涙腺を刺激される
そして(途中で思い出した)坂本龍一のサントラ
エンディングの余韻に震えました
LGBT理解増進法なんておなしな法案ができましたが、
彼らの未来が大丈夫だったらいいなと
「誰にでも手に入らないものは幸せではなくて、誰にでも手に入るものが幸せ」
全員のそれぞれの視点からみた時に分かる作品
映画始まってしばらくは
とてつもない不快感、憤りを感じながら観ていました。笑
それぞれの視点の話が1人ずつ流れます。
全員の“認識のズレ”で起きていく問題がこの作品をとてもすごいものに。
見終えた時にはなんとも言えない感情に…
最後のシーンの解釈は人それぞれだと思いますが、私は観てよかったと思いました。
視点切り替えが面白い
何の予備知識も入れず、映画館で観た予告だけで惹かれて観にきたので、ナニか森に得体の知れない怪物が潜んでる…とか、そーゆー類の映画だと思ってましたw
だからホントに途中まではいつ、どんな怪物が出てくるんだろーって、ワクワクドキドキしてましたw
麦野親子のシーンから始まって、お父さんが亡くなってシングルマザーと小学生の男の子の2人での生活だとすぐわかる。
少しずつ様子がおかしくなる息子の湊に不安になり、息子が学校の保利先生にいじめられてるかもしれないとなり、学校に抗議に行く母。
学校の校長先生はじめ、保利先生、その他の先生の様子がおかしい。対応が酷くてイライラする。
特に校長先生。
話合いの中でもしかしたら息子はクラスの男の子を虐めてるかもしれない…という問題も浮上してきた。
その男の子がクラスメイトの星川依里君。
と、物語は湊の母役の安藤さくらの目線で展開していく。
で、その後、息子の湊目線、保利先生目線、校長先生目線、星川君目線と切り替わってちょっとずつ答え合わせをしていく感じで物語が進んでいくのが、すごく面白かった。
大人の醜さ、子供の危うさ、言葉の重み、イジメだけじゃなく、色んな感情をとても上手く表現してた。
全部を解明してくれてはなくて、『え?これって?』という疑問がいくつか残されてて、観る人によって解釈が分かれる部分が散りばめられてた。
かと言ってモヤモヤが残るのとはちょっと違う感じでした。
坂本龍一さんの音たちも、物語ととてもいい重なりをしてて、良かったです(^-^)
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