怪物のレビュー・感想・評価
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現実的な問題とサスペンス・ミステリーの融合
内容は言わずもがなヘビーですが、物語の運びがスムーズでどんどん進んでくれるので、映画としてとても面白いです。
なぜ?と感じていた部分が進むにつれてキチンと分かっていくので、サスペンス・ミステリーとしての気持ちよさもあり。
登場人物の誰しもが怪物っぽさを持っているところが現実的でした。
それぞれ自分が正しいと思う行動をしていて、でもそれが他人にとっては正しくない場合もある。しかも正しさを盾に守ろうとしている存在にとっても…
対話・相互理解は重要ですが、話さない自由もあるよなと思いました。
登場人物1人1人の人間性やバックボーンも、限られた上映時間の中で最低限、しかし十分に描かれていたと思います。
是枝さん、坂元さん、凄い…
「面白い」と言わないといけないのか…
是枝裕和監督、坂元雄二台本の作品。
どちらも好きなクリエイターのため、楽しみにしていたけど思ったほどの面白さを感じなかった。
3人の視点で順番に展開され、また2人の子供が抱える事情・葛藤をあえて明確に示さないため、いろいろぼやけすぎていた気がする。
見る側の考えの余地を当たることができるため、ぼやさせること自体は悪くないが、それでもぼやけすぎ。
坂元雄二らしい言い回しもあったけど、今回は作品の雰囲気を尊重したのか、あまり坂元雄二節が見られず残念。
是枝裕和監督、坂元雄二台本の作品のため、「面白い」と言いたいところだが、そこは素直にまずまずの評価だっという自分の完成を大切にしたい。
保利先生かわいそう‼️‼️‼️
ビルが燃えてるところから始まる。そこに息子が来て「人間の脳に豚の脳を移植したらそれは豚?人間?」という
そんな中息子の片方の靴が無くなったり保利先生にお前の脳は豚の脳みそだと言われたと母親が聞いて学校に伺う。
校長は生きているのか死んでいるのかも分からない表情、担任の保利先生はなにかを暗記してうろ覚えのような口調で謝り出す。先生たちの態度に怒る麦野母。それでも保利から麦野に対しての暴力や暴言が耐えずまた母が学校に行く。保利先生が「麦野くんは同じクラスのよりくんをいじめてますよ」と発言。そこで麦野母がよりくんの家を尋ねると麦野の靴が片方あったり火傷したあとなどの不可解なことがあった。そのあと家に帰ると麦野のカバンからライターが出てきた。
一方、保利視点から見ると麦野が暴れているところを止めようとして手がぶつかってしまい鼻血が出ただけなのに、これらが大事になり保利は謝罪会見をする。新聞にもなった。
そして家にカメラマンが来たりそのせいで彼女も失ってしまう。豚の脳みそらしきものが置かれていたりなど嫌がらせを受け保利は限界そうだった。そして実はよりは他のクラスメイトからいじめられており麦野は傍観していたが、2人気にりなった時は仲良くしていた。
終末になると麦野とよりが仲良くしてるところがよく見られた。よりの家に尋ねた時よりが虐待されている描写があったこれは私の推測だが麦野はよりのことが好きなんじゃないかと思った。
映画のタイトルの「怪物」とはいったい誰のことだろう? 校長?教頭たち?保利?依里?湊?依里の父親?オバマ元大統領は2023年に見た好きな映画の一つにこの「怪物」を挙げているらしい。
動画配信で映画「怪物」を見た。
2023年製作/125分/G/日本
配給:東宝、ギャガ
劇場公開日:2023年6月2日
安藤サクラ(早織)
永山瑛太(保利)
黒川想矢(湊)
柊木陽太(依里)
高畑充希(広奈)
角田晃広(正田)
中村獅童(清高)
田中裕子(伏見 )
予備知識なしで見はじめる。
知っているのは監督が是枝裕和、
永山瑛太と安藤サクラが出演していることだけ。
物語は雑居ビルの火災からはじまる。
早織の息子、湊は学校でいじめられているようだ。
「自分の脳は豚の脳と入れ替わっている。担任の保利にそう言われた」と話す湊。
早織は学校に乗り込んだ。
校長や教頭たちは頭を下げるだけでまともに向き合おうとしなかった。
沙織は何度も学校に押しかける。
保利は「湊は同級生の星川依里をいじめている」と話した。
しかし依里は「自分はいじめられていない。保利はいつも湊に暴力を振るっている」と証言した。
保利は保護者会で謝罪させられた。
そして退職に追い込まれる。
星川依里は友達がいない。
宇宙人と呼ばれてクラスでいじめの標的になっている。
依里が湊にいじめられた確証を得ようと保利は星川家を訪ねた。
依里の父親は息子を化け物と呼び、
「頭に豚の脳が入っているから人間に戻そうとしている」と平然と語った。
ひとりの女生徒は湊がネコをいじめていたと保利に話した。
保利の家には週刊誌の女性記者が押しかけた。
雑誌記者が片山萌美だったのでちょっと驚いた。
他の是枝監督の作品にもちょい役で出ていた。
週刊誌に暴力教師と書かれ、学校を退職する保利。
雑居ビル火災の夜、ライターを持って出歩いていた依里。
映画のタイトルの「怪物」とはいったい誰のことだろう?
校長?教頭たち?保利?依里?湊?依里の父親?
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
オバマ元大統領は2023年に見た好きな映画の一つにこの「怪物」を挙げているらしい。
教職志望者が減らないか心配
感想メモ
母、教師、息子と視点が移り変わる度に、自分が如何に物事を思い込みによって見ているかに気付かされる
誰もが誰かにとっての怪物になりうる
普通に結婚して普通に家族を持って、普通が幸せだよ、という母親の何気ない言葉、その言葉で息子は自分は幸せにはなれないと悟る
ホリセン何もしてないのに辞めさせられて可哀想、しかしあなたの息子イジメやってますよ、なんて確実な根拠もないのに親に言っちゃうあたり教師には向いてない、謝罪する時に飴食べるのもどうかと
しょうもない、しょうもない
誰かに手に入らないものは幸せなんて呼ばない
この言葉に救われる人は多いと思う、気づいたら泣いてた
台風が上がって、生まれ変われたかな
笑顔で草むらを疾走している最後のシーンは希望を感じられて良い
手と鼻の接触ってこれだよ?、が好き、なんかツボ
坂本龍一さんのピアノ演奏も素晴らしい
この作品は母親視点・担任視点・子供視点の3点から物語を見せてくれる。
鑑賞している私たちに母親と同じような憤りを抱かせ、担任と同じように不条理でがんじがらめにされる理不尽さに心を締め付けられ、最後にあの2人の子ども達の世界に引き込まれて抜け出せないまま、晴天の下で楽しそうに駆け出す2人を見送って、優しいピアノの音と共に作品は終わってしまう。
いろんな感情を与えられたままの私たちは、この登場人物たちを、あのラストを、どう捉えたらいいのだろうとモヤモヤしたまま置いてけぼりにされてしまう。
他の方たちもレビューしていましたが、
私もきっとあの2人は土石流に巻き込まれてそのまま…だと思う。
この“怪物”だらけの世界から抜け出しあの壊れた列車に乗って新しい世界へ行こうという発想が、、
小学生だから、もしかしたら本当はそんなこと出来るわけない、ありえない、って少しは頭の中にあったかもしれないけれど、唯一心から信頼し合える、心から想い合っている2人はもうそうするしか心から笑い合える世界はない、って思っていたのかもしれないと思ったら胸が締め付けられる。
それに小学生の生活もしんどいよなぁ、、って思う。
親からは悪意のない価値観を日頃からぶつけられ、学校へ行くとあぁいういじめっ子は必ずいる。
小学校って、人間の汚さや周りの無関心さを学ぶ場だとも思うし。
思ってた以上に学校の教師はそこまで悪い人達はいなかったように思うけれど、でもやっぱり無関心さから、本当に子ども達には寄り添えてなかったと思う。
校長先生の心の闇も星川くんの父親の闇もドス黒くて見ているだけでしんどい。
安藤サクラ演じる母親も、活気があって子供思いで一見良い親なんだけど、意外とあぁいう親の方が子供は追い詰められたりするし…なんだか難しいなぁ、、
担任の先生が子供たちの嘘で追い詰められていく様は、嘘のようだけど実際起こり得そうでゾッとする。
観ていてすごくモヤモヤとした感情に飲み込まれそうになっていたけれど、終盤の坂本龍一さんのピアノ演奏が流れてきてから自然と気持ちが晴れていったような気がした。
そして、なぜかすごく泣きたい気分になった。
坂本龍一さんは、本当にすごい方だったんだなと気付かされた。
ご冥福をお祈りします。
普通じゃなければ可哀想なのか?幸せじゃないのか?
最初の重要な展開を見た私も母親や先生と同じように真実を知らなかった。
ただ、2人だけの世界で幸せに生きているという真実を2人だけが知っていればそれでいいのかもしれない。
多くの人が手に入れられるものが幸せ、当たり前のことが当たり前にできる環境が幸せであるように、2人にとってはこれが当たり前で、幸せなのだと思う。
もはや真実を知りたいという自分のもやもやを満たすためだけの行為すら正しいのか分からない。
誰かが嘘をついてる、ついてない。
誰がやった、やってない。
自分は間違ってない、貴方が間違えてる。
自分のため、学校のため、利益のため真実を虚偽にするような屈折した考えをするのはいつも大人たちで、自分を犠牲にしてでも目の前の幸せを守りたい気持ちを優先できる子供達の素直さに、自分の10代を思い出した。
こう言った「何気ない日常にある何か」について触れる類の作品はいつも「普通」や「当たり前」とは何なのか考えさせられる。
ラストシーンでは映像の色味ももちろんだが、世界が明るかった。2人だけの世界で幸せに暮らしている、つまり死を意味するのかと個人的には感じました。
衝撃
タイトルが秀逸
事前情報なしの鑑賞。タイトルから、キャハハと笑いながら人を殺めるこどもたちのホラーサスペンスかなと思ったら全く違いました(反省)
主役の交代と時系列が前後する構成でややこしいが、伏線が自然に印象づくように作られていて、回収パートではどれもが全く違うかたちで出てくる。
「嫌な奴」として出てきた人物が、別の視点では「いい人」になる。チラホラ嫌な奴が残っていたがそれは単に掘り下げる尺が足りなかっただけで、また別の視点で見ればその人にも主張がありストーリーがあるのだろう。
そうなると結局、怪物だーれだ?とのキャッチコピーに対し、素直に怪物探しをし、ある場面ではあいつムカつくだとか、次の場面ではあいつが悪いだとか、そういう犯人探しをしていた自分こそが怪物なんじゃないかと思えてくる。
ラストは作り手からの優しさとだ思います。あれがなかったら本当に誰が悪かったのか、どうすればよかったのかを探す怪物になってしまっていた気がする。
それにしても子役含めてみなさんの自然な演技が素晴らしいですね。
安藤サクラさんと瑛太さんの、主役パートの凛とした感じと、そうじゃないときのモブっぽさの差が改めて役者さんや演出の力を感じます。
思わせぶりの怪しい物語の略、怪物
家族がテーマの是枝監督、今回は小学校を中心にシングルマザーの母子、父子家庭、校長夫婦、担任の先生カップルなど多彩な登場人物に日常的な嘘や思わせぶりがもたらす困惑や葛藤が2時間越えの長尺で語られる。
怪物とは誰の中にも存在しうる心の闇と言いたかったのだろうがモンスターと言うより怪しい物語の略の方が当たっているかも・・。
息子は担任の先生に暴言や暴力を振るわれたと言い、母は学校に乗りこんで大騒ぎだが話が進んでゆくうちに子供の嘘だったと明かされる、事程左様にある描写を見せ、後から伏線回収の様な別の視点を重ねて見せるという観客を混乱に落とす手の込んだプロットの連続、母は亡くなった父は素敵なラガーマンと言っていたけど小学生の息子は父が不倫旅行で事故死と知っていたり、校長の夫が孫をひき殺したと言っているが本当は校長の過失とか、子供が放火魔らしいとか思わせぶりが駆け回る酷い映画でした。確かにフェークニュースや誹謗中傷のSNSが拡散する今日では人の言葉の何を信じるかは重い社会問題ではありますから、悪意の有無とは別に虚言をテーマに人間関係を描きたかった動機は察せられなくもありませんが例によって作家性が強すぎて苦手な部類の映画でした。
最後まで見るべき映画
シングルマザー視点からの先生の対応の疑問点を先生視点から回答していくことでスッキリしていき最後に子供視点にて子供の変化(成長)を見ていくができる。
本当の悪(校長、親、マスコミ)を探してしまうがその必要がないくらい子供2人の変化が素晴らしい。
本当に考えさせられる映画
良い作品 是枝監督作品にしては物足りない
「怪物」は私たちが作っている幻影
アマゾンプライムで無料配信されるようになったので視聴。是枝監督の作品は、かなり好みです。随分と前にレビューをいくつか読んで面白そーだなーと思っていました。「怪物」という表題がつけられているけれど、劇中、「怪物だーれだ」の遊びがひねりになっているように感じた。「怪物だーれだ」に対して、相手が質問をして、その解答で、怪物が絞られていって、相手が怪物を特定するという遊びだが、質問で分かるのは、ある特定の視点に対する回答、つまり一つの側面でしかない。
この映画は、ある人物の視点から見ると、周りの人間が、まるでモンスター(怪物)のように見えてしまう作りになっている。しかし、それぞれの視点から見えたものを総合すると、誰ひとりとして怪物なんていないっていうことに気づく。怪物に見えてしまうのは、私たちが様々な間接的な映像、事件などを見過ぎていて、それでバイアスがかかって、ついついフィルターの目が見てしまうからなのだと訴えているかのよう。学校は、先生をかばおうとしているとか、親は、子どものためにモンスターになってしまうとか、子どもは何を考えているのか不可解だとか。それが大きなテーマか。
と同時に、「湊」と「依里」の二人が築く世界は、「スタンドバイミー」的な逃避行にも見え、そういった世俗のフィルターがかかっていない純粋な世界にも見えた。そこに達するには、バイアスを突破して、人間と人間とが向き合うしかないのだよって、是枝監督は言いたげに見えた。
凝りに凝った構成 まさにあっぱれ
是枝裕和監督作品ということと、様々な賞を受賞した作品ということで、かなり期待して鑑賞。
あらすじは全くチェックせずに観始めたため、前半のいじめや虐待をおもむろに匂わせるシーンの連続に気持ちが相当沈む。
この気持ちのままでラストまで観きることができるのかと不安を感じ始めたころ、中盤に入る。えっ、そういう構成だったの…。
これはあっぱれ!全然下調べなしの状態からのこの流れはあまりに見事で、テンションは一気に最高潮へ。
そしてそこから衝撃のもう一回転。
ラストシーンの、悩みから解放されたが如くはしゃぎまくる2人の幸せあふれる姿には、自分でも嬉しいのか悲しいのか判別できないまま高ぶった気持ちを抑えきれず思わず落涙。
さすがは是枝裕和監督。尊敬です。
そしてエンドロールで「音楽 坂本龍一」。心の深いところに染み渡るのだが、下手に目立たせない絶妙な天才的メロディー。教授、これまで本当にありがとうございました。
保利先生側からみた話がかわいそう
作中では小学5年生の麦野湊が急に髪を切りだしたり、おかしな発言をするようになり、その理由を母親に問い詰められた湊が担任だった保利先生に「お前の脳は豚でできている」と言われたと嘘をゆいたところから物語が進んでいきます。序盤では湊が嘘をつく理由が思い当たらなかったので、単に担任のいじめを容認している学校側と母親との間で話が進んでいくのかなと思っていました。しかし話が進むにつれて、保利先生側の視点で話が進んでいき、男の子を好きになってしまった湊と愛着のある学校にい続けたい校長側の身代わりとして使われていて、子供も大人も自分に嫌なことが迫ると誰かを身代わりにして嘘をつくんだなと思いました。
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