こんにちは、母さんのレビュー・感想・評価
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母には母らしく、息子には息子らしくいて欲しい
試写にて!🎬
仕事や家族関係で疲れ果てた息子が久々に実家を訪ねると、母は恋をしていた―――
試写会会場で驚いたのは圧倒的年齢層の高さ。
60~80歳までの高齢者の方が圧倒的に多くアウェイだと感じざる負えなかった(笑)
私は若年層としてこの映画についてレビューしようと思います。
息子には息子でいて欲しい母と、母には母らしくていて欲しい息子のお話でした。
離婚間近の妻と家出した娘、トラブルメーカーの同期、頑固なホームレスなど、
母と息子を取り巻くキャラクターが登場し目まぐるしい日常を演出していました。
「渡る世間は鬼ばかり」のような家族やその環境を”喜劇的”に描くどたばたコメディと言った感じ。
ただどうしてもこの時代の価値観には馴染まない…
頑張って作品のアップデートを図ろうとしてるのは分かるんだけど、大いに山田洋次節とはミスマッチだと思う。
お家芸であろうあの独特の言い回しは、分かっちゃいたけど肌に合わない。
永野芽郁に『おじちゃまのお父様はどんなお方?』というセリフはあまりに不自然で寒くなってしまった。
とはいえギャグセンスは驚くほどハマった。
隔世遺伝だの劣性遺伝だの、容姿を間接的になじるセリフが悔しいほどにヒットしてしまう。
特にお相撲さんを見て「無駄がないね~~、私なんて無駄だらけよ」という流れからの、小遣いを大相撲の懸賞金の受け取るように手刀を切って貰ったシーンは面白過ぎた。
監督は御年90歳になるということで、戦争中や昔の価値観を風化させない役目を担っているんだと思う。
ホームレスのおじさんが『自分のことをできなくなったら終わりだ』と言ったセリフと、
ボランティア支援をしている母が放った『自分で自分の世話ができなくなったら終わりだと思う』と言うセリフにとても矛盾を感じる。
ホームレスを”戦争時代を語るストーリーテラー”として登場させただけになっていて、母自身が無意識の軽視発言をしている点に意図はあるのか気になった。
ただ『孤独に死ぬのが怖いんじゃなくて、いつ自分で歩けなくなって人様の世話になるのか心配』という底知れない恐怖は家族の支えこそが必要になってくるなと再確認。
全体的に見て自分は映画のターゲットユーザーではないなと認識したが、試写じゃなきゃスルーしていたタイプの作品からここまで学びを得られたことには感謝。
令和に作られた楽しい昭和映画
丸の内ピカデリーでの試写会にて鑑賞。
全体的には、微笑ましく安心して観られる山田洋次監督の下町ホームドラマであった。
笑えるところ、心動かされてホロッと涙するところなどはさすが。
松竹マークに続いて「現代(令和)のオフィスビルを見上げるシーン」を見ると「おっ、さすが松竹。令和の小津映画が観れそうだ…」と思ってしまう。
ただ、それに続いて描かれる某会社の人事部オフィスで、人事部長(大泉洋)の学生時代からの友人&同期入社社員が「人事部オフィスに自由に出入りできること」に、まず違和感を覚えた。現代の会社では、社内といえども「他部署への出入りはセキュリティカードなどで出入りが制限されている」ので自由に他部署の担当者が出入りできないのが普通であり、特に人事部などは人事情報(取扱い注意情報)が多いので特にセキュリティは厳しいはず…(^^;
更に、その他部署から人事部にやって来た社員が、人事部の担当女性に「食事の誘いをしながら、肩に手をかける」のも、これは一発アウト!
身体に触ったらセクハラである。
……ということで、いきなり序盤から「現代(令和)のオフィス」ではなく、「昭和のオフィス」を見せられたわけだが、全編を見ると「下町ものなので、母親(吉永小百合)の家もいろんな人が自由に出入りする」のに倣って、最初の会社オフィス場面が作られたようである。
ただ、令和に公開される映画としては、やはり違和感あったが、現代の会社勤めをしていないスタッフが作ると、こうした小津安二郎的な「昭和の風景」になってしまうのだろうな……と思うしかない。
それでも、物語が進むと、なかなか楽しいドラマになっている。
本作で、特筆すべきは、母(吉永小百合)の孫役に永野芽郁を抜擢したこと!
永野芽郁の感情表現、ヘソ出しルック、明るい雰囲気……抜群の存在感を見せてくれたと思う。もっと、出演場面が多くても良かった…。
令和の時代に撮られた気楽に観られる昭和映画である。
<映倫No.123518>
山田洋次監督、91歳になられて、まだ現役で監督をされていらして、う...
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