バビロンのレビュー・感想・評価
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忘れられつつあった映画創生期の狂騒を蘇らせた一作
長いけど面白い、というか、4人の主人公の物語がそれぞれ目も離せないほどに面白く、時間を感じさせない一作でした。本作の時代背景についてあまり知らない…、という方でも、約100年前、産業としての映画がサイレント(無声)時代からトーキー(有声)へと大きく姿を変えつつあり、同時に映画制作にそれほど大きな法的規制がかかっておらず、ハリウッドは一種の無法地帯的な側面も持っていた…、という時代が舞台と、さしあたって頭に入れておくだけで、十分楽しめると思います。
予告編で期待させてくれる、豪華で退廃的な狂宴は、導入部からいきなりかましてくれるので、鑑賞のテンションは否が応でも高まります。主人公達の中でも、ブラッド・ピット(ジャック)とマーゴット・ロビー(ネリー)は、実際の俳優としての彼らの姿をどこか連想させるところがあり、その優雅さも備えた演技巧者ぶりのおかげで、本作が栄華の後の凋落を描いている物語であるにもかかわらず、過剰に陰惨な描写にはなっていません。
むしろハリウッドの闇の部分を担っているのがトビー・マグワイアというところが、ちょっと意外なところです。彼が登場してからの「地獄巡り」は、神話的でもあるし、ちょっとこれまでの展開とは雰囲気が違ってもいるんだけど、しかしどこかユーモラス名ところでもあります。
全体的に非常によく練られた語り口なので、登場人物の多さの割に物語の流れを追うこと自体はそれほど難しくないんだけど、終盤の展開はちょっと意表を突かれる人もいるかもですね。音楽は同じメロディが何度も繰り返す特徴的なもので(さらに『ラ・ラ・ランド』を連想させるような曲調もちらほら)、特に"Voodoo Mama"は耳から離れない強烈な印象を残します。
好きなものをぶち込んでやったぜ!
はい。よく私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
この映画って毀誉褒貶が凄いですよね。
週刊文春の星取りが最低が星一つ、最高が星取り五つ。高低差が高すぎて耳がキーンってなります。
映画ってリリースされた瞬間から観客のもの。どっちも有り。と・・・言うより実に面白い。私は高評価なんですが・・・その前に個人語りを・・・
銀座の山野楽器の裏に映画館が有ります。シネスイッチ銀座。昔は銀座文化。結構行ってたなあ、銀座文化の頃は名画座だったからね。
この映画館で観たのは「ニュー・シネマ・パラダイス」とか「ライフ・イズ・ビューティフル」とか割とあります。
偶然、蛭子能収夫妻も目撃したことも有ります。
それで、少し自慢になっちゃうんですが「雨に唄えば」を観た事があるんですよ。10年前くらいかなあ。
シネスイッチ銀座で。
パンフレットも復刻されててね、劇場を出たあと妙齢のご婦人に話しかけられました。
ごめんなさいねえ。初公開は昭和何年?
えー丁寧に対応しましたよ。そのご婦人はリアルタイムで鑑賞してたかもしれません。
さて「雨に唄えば」なんですが面白いんですよ。
これがまた。あの有名な雨のシーン。なんか泣けちゃうんですよ。良くって。テーマはバックステージもので、映画が無声映画からトーキーに変わる頃。
計算しました。初トーキーの「ジャズシンガー」(1927年)25年後に「雨に唄えば」(1952年)
そして今、2023年です。「雨に唄えば」から71年ですよ!光陰矢の如しです。(日本公開は昭和29年)
今はその頃の描いた未来です。残念ながら空飛ぶ車は有りません。チューブの中を走っていません。戦争は無くなっていません。
公園のベンチ越しに夜の風が吹いています。
悲しいですね。人類は進歩しているのでしょうか?
さてこの映画の感想です。
メインの登場人物は4人。
サイレント映画のスター ジャック・コンラッド(ブラッド・ピッド) 新人女優のネリー・フロイ(マーゴット・ロビー) 映画製作を夢見るメキシコ出身の青年 マニー・トレス(ディエゴ・カルバ) トランペットの名手の黒人 シドニー・パーマー(ジョヴァンナ・アデボ)
この4人の群像劇なんです。ストーリーはあって無きが如し。でも飽きない。魅入っちゃう。
一番の功労者はマーゴット・ロビーかな。
最初のパーティシーンからね、ノープラでね。弾け過ぎだろお前!キレ方がね、ソーキュート!
完全に主役です。代表作になりそう。
今まではハーレークイーンとかトーニャ・ハーディングとかビッチでもアクション重視のイメージ。本作はビッチでも手は出さないで口に出す。(または口から出す)
処女的衝撃❗️
いきなりシブがき隊か‼️
ブラッド・ピッドは落ち目の無声映画のスター。いつものアクションはかなり控えめ。て言うより、なし。
それでも大画面でブラピを拝めるのは眼福です。正直・・・
Z okkon命
だからなんでシブがきなんだよ‼️
さてと・・・前述したように低評価の人もいますね。
アメリカも日本も評価は真っ二つ!
モーゼの十戒か!
それくらい割れてます。わかる。わかるよ。いきなりの象の件ね。そこで嫌悪感を感じたら、無理。帰って下さい。とっとと。
ここで暫し脱線します。
私はあるレビューで、お金を払って吐瀉物は観たくないよ!って書いたんです。全面撤回します。あんときはある鉄道の値段の高さに腹が立っていたんです。それで八つ当たりしました。
思えば大好きな「スタンド・バイ・ミー」だってね、チェリーパイ競争からのカオス、吐瀉物まみれ。
だからね謝りたい。真剣に。
ごめんね、ゲロ。
友達か‼️
あん時は私もまだ若かったからね。
割と最近だよ‼️
当初のパーティシーンがね、良いんです。最新のステディカムで超長回し。ヒュンと横移動して。JAZZが鳴り続けています。
ひょんなことから映画に出れる事になったネリー。もう有頂天。田舎娘ですから。ネリーを屋敷に導いたマニーは呆然と見送ります。
でもマニーはジャックの知遇を得て付き人になります。
さてネリーは撮影現場で渾身の演技。見事なダンス。
そして何回でも涙を流せる。
徳光和夫か‼️
この野外でのバックステージが楽しくて楽しくて。カメラが壊れた。探しに行けマニー。
撮影中に事故で人が死んだ。ケセラセラ。全部楽しい。
そんな感じでネリーはスターに。ジャックは出番が減る。マニーは会社の中核に。黒人のトランペッターのシドニーは映画の主演に。
そして物語はトビー・マグワイアの出番から転調するんですね。メジャーコードからマイナーコードへ。
さらにエンディングでデイミアンマジック炸裂!
なんか花(アカデミー賞)も実(興行収入)も得た、大監督デイミアン・チャゼルが好きなものを全部ぶち込んだ映画かと感じました。All that's JAZZ!
インモラルだけどイノセント。ダークだけどピュア。
ハリウッドの黄金時代を雄弁に語っています。
豪華絢爛なんだけど今の風潮に異を唱えています。R15もガッテンだよ!たっぶり毒を盛ってな!
泣く子も黙るよ!
言いたい事も 言えない世の中じゃPOISON
なんで反町隆史❓
余談 この歌は泣いた赤子が泣き止む歌らしいです。まじっすか?
デイミアン・チャゼルよ。面白い映画をありがとな。
礼を言うぜ。
クソお世話になりました!
いきなりワンピースネタかよ‼️
多分ですがデイミアン・チャゼルの呼吸なんですよ。あるシーンは長回し。またあるシーンはカットを激烈に割る。それに乗れるか乗れないか。運命の分かれ道。
そんな大層なものじゃねえ‼️
とっちらかっててごめんなさい。あの映画とあの映画を猛烈に観たくなりました。ヒントは本文中に有ります。隔靴掻痒の思いです。
お付き合い頂きありがとうございました。
バ・バ・バビロン的な
意味がよくわからんとこがあっても飽きずに3時間観られる、ただ眺めていても楽しい作品ではある。アバンタイトルでの乱痴気パーティの流れは、クラブで蛍の光が流れたら夜が明けてた的なギャスパー・ノエのCLIMAX感があったり、何度か出てくるウンゲロはジャッカスだったり(違うか)。ラストは、またラ・ラ・ランドかよ!と思いつつも半強制的にじんわり、監督お得意の手法でチャゼる展開(意味不明)。
逆に言うと、中途半端な映画ファンの自分には、1回観ただけで心底むちゃくちゃおもしかったわ!と言いづらい映画で、1世紀近く昔のハリウッドについてのけっこうな映画史的知識やシネフィル度合いがないと、なんのこっちゃなところが出てきてしまう。実際、鑑賞後にググって町山智浩の解説や監督インタビュー、北村紗衣のブログなどで、当時のどんな人物やエピソードが下敷きになっている作品なのか、なるほど納得、また観ても…という気に。ある意味正しい映画の楽しみ方をしたくなる作品かもしれない。
しかしながら、おかわりするには再度の189分に腰が引ける。ほかに観たい映画、今月目白押しだし。チャゼル監督はセッション107分、ラ・ラ・ランド128分、ファースト・マン141分と、作品を重ねるごとに上映時間が伸びている。次回作は5時間超えだと思う(無根拠)。映画愛もジャズ愛もわかるけど、そのへんはマッドマックス怒りのデス・ロードで480時間分の撮影フィルムを120分にまとめたジョージ・ミラー監督を見習ってほしいもの。
下品で汚い事この上ないニューシネマパラダイス(笑)
みんな懸命に映画の事を考えて多少どこか狂いながら生きていた時代。
ビジネスというだけではないが、破滅に向かってまっしぐらに突き進んでいるのが分かるだけに辛い。
冒頭の乱痴気パーティを耐えられるかどうかで、その人のこの映画の評価が決まるんじゃないかな。
初期ハリウッドの興亡記
Holy sh○t!
冒頭シーンでいきなり象から大量の落とし物があり、この先見て大丈夫?と不安になった。今思えば、これからお見せするのはク○みたいな世界の話ですよ、という監督の予告だったのだろう。半端ない量だった。観客に喧嘩を売るような、ギリギリの量w。
そして、1920年代のハリウッドといえば黄金期の輝かしいイメージだが、本当は海千山千のキワ者の集まる、そこだけで独立した王国のように治外法権で猥雑な、目も当てられないとんでもない場所だった様子が描かれ、続いてプロデューサーも役者もスタッフも撮影方法もイカれていて危険で、でもみんな良い作品を作ろうと必死だったこと、映画は気軽に大衆が楽しめるエンターテイメントであって演劇に劣るものではないということ、トーキーへの移行の過程が、三人の主人公の物語に寄せて描かれていく。
ラストで数々の歴史的なハリウッド映画のカットに涙する主人公に心が少し洗われたw。なるほどなるほど、本作は監督がハリウッドに愛を叫ぶ作品でもあったのだった。
ゴージャスな質感で繰り広げられるデカダンス。熱いトランペットの響き。再現される当時の撮影風景。贅沢かつ技巧を凝らした美術、衣装、音楽…色々と目が眩み、お腹がいっぱいになった。
マーゴット・ロビーの振り切った演技も素晴らしかったが、レッド・バトラーのような哀愁漂うブラピがとても素敵で、彼のキャスティングは監督の言うように大成功だと思った。
色々詰め込み過ぎな気がする
サイレントからトーキーに以降するハリウッド黄金期。
野心溢れるマニーとネリー、既に大スターのブラビ(役名忘れた)の栄光と挫折を軸に時代の雰囲気を味わえる快作。
撮影現場の適当さや、ハーレークィンよかブッ飛んでるペッタンコのネリーのキャラなど面白かったがいかんせん3時間は長い!(アバター2よか短くは感じたが)でも観て良かったとは思う。
鑑賞後のとても深い余韻。
最初はよくある冴えない主人公のサクセスストーリかと思い気楽に観て居たが、徐々に濃密になり沼にハマって行く様にズブズブと映画の世界観に溺れていく感覚。
マーゴット・ロビー、ハーレイ・クインのイメージが若干チラホラ見えるも各シーンで別の顔を魅せ充分すぎる存在感。
ブラッド・ピットの本編の勢いとは逆に存在が薄れ失速して行く姿がなんともリアルで哀愁より悲壮感に包まれていく雰囲気がより世界観に引き込まれる。ブラッド・ピットのあの映画に対するセリフ。観客や業界に投げたセリフの様で胸が熱くなった。
ラストの数分では映画の歴史を観る事になる。
最初はIMAXでなくとも…と感じていたが、激しいフラッシュバックと共に移り変わる時代と映画の歴史を表したかのようなシーン。この演出を観た時、IMAXを選んで正解だったと思わせられた。 ※激しい点滅に注意⚠
鑑賞後はとてもとても深く深く余韻に浸りました。
贅沢な時間
オープニングから下品で汚くて、こんな映画なんだっけ???と思って諦めました。約3時間、宿直明けでの鑑賞、寝るかもと思いましたが、最強の娯楽エンターテイメント🔥気付いたら楽しんでいました。
ネリーの破天荒な人生とそれに翻弄されて成功の道を捨てるマニー、わかっているけどそういう生き方しかできないジャック。
それぞれの人生と映画の歴史を垣間見て終わる3時間。破茶滅茶ストーリーだけどスケールの大きさと迫力のある音楽、最高のエンターテイメントでした。
主演だけどこういう立ち位置。ブラッドピッド最高💖💖💖
良き時代の中でも
映画作りというのテーマに取り上げた作品。
何十年も前にの時代は、はちゃめちゃだったのかと思うくらいの冒頭だった。
セックス、クスリなんでもお構い無し!
それでもいざカメラが回ると別人の様に変わるブラットピットは、流石の演技と感じました。
そんな時代だからこそトラブルや事故など絶えない中でもみんなが良いものを作ろうとしてるいる姿勢や緊張感などが伝わってくる。
時代が変わって、そういったものが忘れられるつつある中でも映画というものにしかない魅力があるんだなと感じた。
最後の10分で色んなものをみた。
そこで流れるものの中の一部に自分もあるのかもしれない。
今ある幸福に感謝したい。
はちゃめちゃな展開から最後までのストーリーが良かった。
所々で昔の映画のオマージュと思われるシーンもあって何の映画だったけな?と考えてしまった。
とても面白い作品でした。
少しうんざりする
ポイントで暇つぶしにみて、気分転換にはなった。映画をつくるひとたちは、映画のようなバカみたいな人生だった、ということがいいたかったのか?!共感できなかったですね。「セッション」はすごかったのにな~。
STARDOM STAGE
今年1発目の3時間越え映画。長い映画はやはり苦手なんですが、予告を観る感じそんなものをすっ飛ばしてくれそうな気がしていざ鑑賞。久々にキャラメルポップコーンをお供にして。
全体的に凄かったのですが、凄かったとだけしか感想が残らず、ドラマに惹かれるものは少なかったです。
役者陣は最高の一言に尽きます。特にマーゴット・ロビーは化け物でした。ビッチな立ち回りから、繊細さを求められる場面まで多くの顔と動きを使いわけて劇中の観客も、鑑賞してる観客をも虜にする素晴らしい演技でした。彼女の演技を堪能することができただけでも今作を観る価値はありました。ディエゴ・ガルバは今作で初めて観ましたが、裏方からスターダムに駆け上がっていく様子が激アツでした。偶然のチャンスを必然に変えてプロデューサーへ監督へとハリウッドの変換期にジャストでハマり時代を切り開く、カッコいいです。ブラピは今作では主演のポジションでは無いかなって感じです。3番手に控え、苦悩に浸るベテランに徹していました。そのためブラピ目当てで行くと肩透かしを食らうと思います。
音楽面も最高で、寂しげな場面からパーティなどで大盛り上がりするシーンの緩急の差が音楽にも滲み出ていて、高らかなシーンは常に高揚感に包まれ、トランペットを吹くシドニーの熱意がビシビシと伝わってきます。映画にとって音楽は本当に大切なんだなとハリウッドの転換期と共に味わえました。サントラも素晴らしかったです。
物語のブラックなところはとても好きで、初っ端象がフンを撒き散らすシーンはいきなり爆笑ものでしたし、滝のようにゲロを吹きかけるシーンも汚いというより、一つのシーンとして魅力のあるものに仕上がっていました。性行為がモザイクで隠されていたのは少し残念でしたが、R15+でもここは隠されるんだな…と。ネズミも丸呑みしますし、調教なんてもんもあるので、ここに耐性がない人にはこれがしばらく続くのでキツイと思います。
肝心のメインストーリー、前半は結構楽しめたんですが、尺の長さが響いてしまい、後半のドラマはくどく思えてしまいました。スターダムに駆け上がるまでは良いんですが、駆け上がった後はひたすらに辛い展開が続き、メイン3人のそれぞれが繰り広げられるのもあってつまらないまではいきませんが、魅力にはやや劣るかなと思います。終盤のカオスさは良かったんですが、シリアスに振り切るとどうにもテンションが上がらず。3人中2人は悲しいラストを辿ってしまうのもなんだかなぁという感じでした。
映像に音楽に役者は一級品、話には乗れずでしたが、圧倒的な作品でした。これ吹き替えでも見てみたいですね。
鑑賞日 2/14
鑑賞時間 9:40〜13:00
座席 K-27
とてもよかった
映画がサイレントからトーキーに変わる時代を中心に、映画業界人を描く。「私は生まれた時からスターよ」と言う女の子が一夜にしてチャンスをものにしてスターの座に駆け上がり、なんとか業界に入り込んで下働きからちょっとずつ監督にまで出世する青年が、二人とも懸命に生きていてまばゆい。マーゴット・ロビーが散々悪態をついてゲロをぶっかけるのが気持ちいい。誰もたよらず、言い訳もせず身一つでのしていくのがかっこいい。そうして時代を築いた彼らが、人生の夏を終えて秋風が吹き始めると、これが厳しくてあっという間に真冬、みたいな無常がずしんと来る。
3時間もあって最初の1時間が経過したころからトイレに行きたくなり、早く終わって欲しかったが面白かった。またそのうち見るだろう。
スターは、なるんじゃない。生まれつきよ。私のように。
サイレントからトーキーへ時代が移り変わる映画界が舞台。時代の変化についていけなかったスター、時代の波にうまく乗った演出家、そして、時代に弄ばれた寵児のヒロイン。
連日の乱痴気パーティー、大勢の出演者とキャスト行きかうロケ現場、さぞや大金が動いていそうなこの頃の華やかなりし映画界。皆、なにかに踊らされているようで、どうもそこは本当は天国ではなくてディストピアなのではないか、と自分は思った。なぜなら、彼らの陽気でハッちゃけた姿に、何度も眉をしかめる気分になったから。でも、自分はあんな刹那的な生き方はできないが、それを悪だとは思えない。それもまた、人間の姿だもの。実在する夢の世界で生きていた、とでも言おうか。
ブラピもマーゴット・ロビーも華があるなあ。そのかわり、ディエゴ・カルバの演技が理性的に見えるおかげで、ただバタバタ突っ走るだけの映画じゃなくて深みがでた。
長いなあ、と思ってたら189分だって。でも、その長さを退屈にも疲労にも感じさせない。愛の溢れる「映画」賛歌映画。
万人ウケする映画ではない
公開2日目に鑑賞して来ました。
良かった点
○マーゴット・ロビーの狂った世界を生き抜く女性が
カッコよく素敵でした!なんならマーゴット・ロビーしか
観てませんでした笑
悪かった点
○いらないシーンが多かった
ネズミ生喰い男、ヘビとの戦いetc
とにかく長いので眠気とかない時に行くことをお勧めします。
○アップテンポの音楽で次に何が起きるのかワクワクするが
なにも起こらない、、
評価する人と評価しない人に大きく分かれそうだなと
思いました。
難しい事に挑戦して『魅せる』が強調されてて
肝心の内容が疎かになった作品
デイミアン・チャゼルの「←今ここ」映画
映画の中で語る映画論(映画界論かも)ってのちょっと苦手なんですよ、この映画は人がいっぱい出てきて、どんちゃん騒ぎがあって、前半カジュアルに人が死亡しちゃうのでその分は楽しめます。
3時間以上の上映時間は妥当かなぁ、チャゼルのメッセージへの共感度合いで好き嫌いは分かれそう。自分の場合はそんなに好きな作りじゃないけど、わかりやすい対比が多々盛り込まれてて、ド派手なので星3.5つけちゃいますね。
ゾウの失禁(うんこ)で始まりマニーの失禁で映画人生が終わってるので、肛門期スタートってことでフロイトの発達論が念頭にあるのかもしれない。
「自分たちは長く続く何か大きなものの一部なのだよ」と監督・脚本家が語っている(今ここ)ので、マニーが最後に泣いたのは「やらかした自分の人生」が映画界の未来に続いていることを認識できた涙、逆にコンラッドは長く続く何か大きなもの一部だったことがわかって絶望したってことだと思う。かつて作品賞が取れなかったチャゼルの心情が入っているんだとすればちょっと熱いかもですね。
エリノアとコンラッドとの会話で、これからコンラッドのようなスターは何百人も現れるってだろうってのあるんですけど、ここで鬼滅の刃の思い出したのは自分だけでは無いはず!まあ縁壱の方が偉いが。
ハリウッドの幽囚たちが描く、淫靡で儚い黄金絵巻。 花火のようにパッと短いランタイムじゃダメなんすかね…。
サイレント映画時代のハリウッドを舞台に、夢と野心に燃える映画人たちの栄華と衰退を描き出したヒューマン・ドラマ。
監督/脚本は『セッション』『ラ・ラ・ランド』の、オスカー監督デイミアン・チャゼル。
ハリウッドの大スター、ジャック・コンラッドを演じるのは『セブン』『オーシャンズ』シリーズの、オスカー俳優ブラッド・ピット。
女優を夢見る奔放な女性、ネリー・ラロイを演じるのは「アバウト・タイム 愛おしい時間について』「DCEU」シリーズのマーゴット・ロビー。
ハリウッドを牛耳るギャングのボス、ジェームズ・マッケイを演じるのは『スパイダーマン』シリーズや『華麗なるギャツビー』のトビー・マグワイア。なおマグワイアは本作の製作総指揮も担当している。
ジャックの再婚相手であるブロードウェイの女優、エステルを演じるのは『ファンタスティック・ビースト』シリーズや『mid90s ミッドナインティーズ』のキャサリン・ウォーターストン。
ネリーのライバル的女優、コリーン・ムーアを演じるのは『スリー・ビルボード』『ガンズ・アキンボ』のサマラ・ウィーヴィング。
ジャックの妻、イナを演じるのは『TIME/タイム』『her/世界でひとつの彼女』のオリヴィア・ワイルド。
第80回 ゴールデングローブ賞において、作曲賞を受賞!
古代バビロニアの中心都市バビロン。そこは「大淫婦」と称される繁栄と退廃の都だった。
本作で描かれるハリウッドは、まさにこのバビロンの如き混沌の坩堝。光に群がる虫のように、夢と栄光という黄金に誘われてやってきた人間を幽囚にする魔境である。
当代きっての名匠デイミアン・チャゼル監督は、都会的で洗練された、どこかデタッチメントな雰囲気を醸す筆致によって1920年代の黄金郷を見事に現代に再現してみせた。
過剰なまでに華美で露悪的な世界観はリアリティがあるとは言い難いが、監督の目指しているのは現実の再現というよりは人々が持つイメージの再現なのだろう。
「こうだったんじゃないのか?」「こうだったらエキサイティングだよな」という観客の夢を具現化しており、この夢物語の中で観客を3時間以上も遊ばせてくれる。
本作は舞台美術や衣装などの細かなディテールや、ジャズを基調としたクールな劇伴を思う存分味わいたいという観客には大変喜ばれることだろう。
チャゼル監督は、「夢を掴むための犠牲」と「女のいない男たち」を一貫して描き続けている。
本作でもそれは健在で、「夢」を叶えるための覚悟を観客に問いかけた上で、仮にそれを叶えたからといって幸福になるとは限らないことを提示する。
彼が紡ぐのはきまって残酷な物語なのだが、今回はより一層悲劇的で皮肉なものになっているように思う。
彼の作風のもう一つの特徴はエンディングのキレの良さ。
これは彼がまだ映画監督になる前、脚本家だった時代の作品にも見て取れる特徴であり、『ラスト・エクソシズム2』や『グランドピアノ 狙われた黒鍵』といった、作品自体の出来は「う〜ん…」といいたくなるようなものでも、そのエンディングははたと膝を打ってしまいたくなるような出色の出来である。
今回のエンディングも、優しさと映画に対する愛が詰まった素晴らしいものだった👏
偉大なことを成した者も、道半ばで息絶えた者も、全ては大いなる流れの一部でしかない。いままでにも増して非情で悲劇的な映画だったからこそ、このエンディングで救われたような気持ちになれた。
天才デイミアン・チャゼル。彼が撮るのだから最低限の品質は保障されている。箸にも棒にも引っかからない映画では断じてない。
その上で言いたい。
………ながいしつまらなかった(ボソ。
いやこれ、あまりにも長すぎやしませんか?「あぁ。もうそろそろクライマックスだな…」と思って時計を見てみるとまだ2時間しか経っていない。ここからさらに1時間もあるのかよっ!?と絶望的な気持ちになってしまった。
こんだけ長けりゃ、面白かった場面も色褪せちゃうっつーの。
本作は3人の登場人物をそれぞれ主人公にして描くアンサンブル映画。
正直いってこれが帯に短し襷に長しといいますか、無駄に長いのにも拘らず語りが足りていない。
冒頭のパーティーシーンや破茶滅茶な映画撮影シーンなど、一つ一つがメガ盛りマックスって感じの長さなのに加え主人公が3人もいるからまぁ物語の進行が遅い。そりゃ3時間超えるわ😅
だがしかし、190分は長いとはいえ、3人の栄光と挫折を描き切るには十分な時間とはいえない。
最も気になったのは映画人を夢見るメキシコ人・マニーのパート。ジャックの付き人だった彼が映画会社の重役に登り詰めるまでの過程がぶっ飛ばされているから、「えっ、いつのまに?」感が否めない。
ジャックに関しても、彼の遺作となったクソ映画がどのくらいクソな作品なのか映像として見せて欲しかった。
また、袂をわかったマニーのことをジャックがどう思い何を感じていたのかも描かれていない。師弟の確執なり対立なり和解なりは描いて然りなのでは?
ネリーに関してはレディになる為の特訓描写が一切描かれていなかったので、社交界をぶち壊すという一連のシーンも「そりゃネリーならそうするわな…」という感じで観てしまい、なんだか上滑りしているような印象を受けてしまった。
多分これ、ドラマ向けの脚本というか物語なんだと思うんです。尺が1話1時間で1クールあれば、十全に描き切れたのかも知れないが、一本の映画に纏めるにはちょっと厳しかったんじゃないの?
長すぎるランタイムと同じくらい気になったのは、後半マニー&ネリー編とジャック編の温度に差がありすぎたこと。
我が世の春が過ぎたことを知ったジャックが拳銃自殺するというトラジックでリアルな展開と、ギャングに偽札を渡してしまって大騒動を巻き起こすというコミカルでシュールな展開。この2つが並列的に進行するので、一体どういう感情で映画を鑑賞すれば良いのかよく分からん。
第一、この映画は1920年代ハリウッド残酷物語のはず。ギャングに偽札渡して破滅するって、それ1920年代もハリウッドも殆ど関係ないじゃん。
荒唐無稽な映画にしたいのであればもっとコメディ寄りに作るべきだし、純文学的な映画にしたいのであればもっと写実的な展開で物語を進めるべきだったのではないだろうか?
大便、小便、ゲロといった汚物や乱交パーティーが盛りだくさん。
とにかくドギツい要素がてんこ盛りだが、それら全てがあんまり汚く映っていない。
都会的で洗練されているのがチャゼル監督の持ち味ではあるが、ここはもっと汚く映して欲しかったところ。
絢爛豪華な夢物語的世界観を強調したいのであれば、汚かったり残酷だったりする描写はありのままスクリーンに映し出すべき。なんか気取ってる感が拭いきれていないんだよな〜…😑
とにかく、キャリアが進むにつれてどんどん冗長な映画を撮るようになってしまったチャゼル監督。
『セッション』の頃を思い出して、100分くらいの映画をサクッと作って欲しい。本作だって、もっと的を絞って物語を紡げば120分くらいで描き切れるだろうに。
パッと夜空に散る花火のような、景気の良い映画が観たいっす。
長けりゃ良いってもんじゃないよね。。。
全385件中、201~220件目を表示