劇場公開日 2023年11月10日

正欲のレビュー・感想・評価

全394件中、201~220件目を表示

5.0「普通」を自認する人と、それ以外の人たちの居場所をめぐる争い

2023年11月22日
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鑑賞方法:映画館

知的

「普通」には幅があります。その幅をどこまで許容するか考える作品です。

稲垣吾郎演じる検事は、「普通」を自認し、身の回りの人にも「普通」を強要します。でも、その「普通」は相当幅が狭く、創造性や想像力を感じません。こんな「普通」がはびこったら、多様性がなくてつまらない社会になるでしょうね。

一方、稲垣吾郎以外の主たる登場人物は「普通」じゃないとされる人なので、「普通」を求められる社会での生きにくさ感じています。生きにくさに対抗するために、同じ「普通じゃなさ」を持つ人同士で連帯して、人生に明るさを作ろうとします。

新垣結衣や磯村勇斗は水を性癖とする設定でしたが、これはありとあらゆる個性や性癖、趣味、趣向を当てはめて考えを巡らせるというのが観客に求められているんでしょう。

世の中色々な個性や性癖、趣味、趣向があるので、「普通」の幅はけっこうあるはずなんですが、創造性や想像力が無い人はそうした幅が分からず、自分の基準のみを「普通」だと考えてしまい、結果として他人に対して手前勝手な「普通」を強要することになるという警鐘を鳴らす内容だと思いました。

児童をターゲットにする性癖の持ち主が逮捕されるシーンがありましたが、これは性癖を理由に逮捕されたのではなく、子供に対して危害を加えたり、人権を侵害したから逮捕されたのです。しかし、それにしても現行法では罰が軽すぎます。

最後、「普通」を自認する検事稲垣吾郎が家族に見放されたことを聞いた水フェチ新垣結衣は、逮捕状態にある同じく水フェチの磯村勇斗への「いなくならない」というメッセージを「普通」のこととして伝達を依頼します。

家族にいなくなられそうになっている検事に、お前は「普通」ではないと暗に伝えてイジワルしたわけです。

スカッとしました(もちろん水フェチ新垣結衣は、家族に見放されるのも「普通」の幅の中の話だと思っているとは思いますが、あくまでも検事稲垣吾郎に対する嫌みとして)。

いわゆる男女の結婚だけでなく、生きにくさに抗うためのパートナーというのもアリだよなだと感じられました。

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テレビウォッチャーつばめ

4.0自分は何者か

2023年11月22日
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鑑賞方法:映画館

自分もこの映画のように明日も生きたいか、生きる意味はとか考えてしまう時がある。周囲に合わせて会話するのも面倒くさい時もある。自分は普通じゃないのかもと時々思う。
「私を束ねないで」「皆んな違って皆んないい」など頭の中をよぎった。原作を読みたくなった。

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Olivia

3.0正しさとは。

2023年11月22日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

2022.01.08に原作を読了。原作の感想は「読み進めるにつれ、加速度的に他者と他者が繋がっていく群像劇。マジョリティに属さない、彼岸にいる、目立たぬよう、日々の生活を紡いでいる人々。多様性の受容が謳われる昨今、それでも受け入れられない選択肢がやはり存在するのは皆が気付いている。陽の当たるところ、当てても大丈夫なところだけにスポットが当たり、ヌメッとした得体の知れない何かは、多くの者に見えないまま。私自身も仕事はしているが、彼岸に生きていることを自覚しているので、かなり胸締め付けられた。」というものだった。

映像となった「正欲」を拝見し、普通を語る者の無自覚さ、能天気さに絶望的な気持ちになる。と同時に、なんやかやで日常生活を営めている私も、所謂普通さの何割かは有しており、無自覚に世間の常識を振りかざし、無意識に他者を傷つけているかもしれない。いや、おそらくそうだろう。
「普通」「常識」という言葉で一般化して理解しようとすること全てが悪いとは思わないものの、そのことに自覚的であるべきだな。そんなことを思う。

そして、一人じゃないって尊いし、大事なことだな。一人でも理解してくれる人、パートナーさえいればどれだけ心強いか。「いなくならないから」と言ってくれる人が、私も含めた全ての人の傍らにありますように。

あと、演出だとは思うのだけれど、検事がカチャカチャとスプーンで音を立てながらオムライスを食べる様がかなり気になった。

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Nori

4.0あなたにここにいてほしい

2023年11月22日
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岸善幸×新垣結衣×稲垣吾郎「正欲」、「LGBTQ +」の“+”についての映画でもあるんだけど、そこは主題ではなくて、人はそれでも繋がりを求めるべきなのか他者を理解しようともがくべきなのかという映画だったな。この映画は食事シーンが多いんだけど、新垣さんと磯村さんの朝食のシーンが素敵でした。

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ピンボール

2.0ちょっと良くわからない

2023年11月22日
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水フェチの何が悪いのか?別に公言してもひかれはしないのではないか?

終始淡々としていて何度か眠たくなってしまった。
最後の結末も中途半端な感じで結局良くわからない映画だった。

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れもん

4.0恋愛映画

2023年11月22日
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楽しい

知的

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ジラ

3.0思想のように

2023年11月22日
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ユート

4.0正欲

2023年11月22日
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知的

難しい

原作を読まないで、予備知識なく観る。正欲ってどんな意味なのかな?と思ってた。吾郎ちゃんファンとして舞台挨拶ライブビューイング目当てではあったが、それぞれの演技にビックリした。特にガッキーと磯村くんが今まで見てきた表情と全く違う。また大学生役の2人もとてもいい演技だった。吾郎ちゃんの相反する正義の中で生きてきた哀れみたいなラストがあってこの映画が深く心に刻まれる。

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のんたん405

4.0惜しい、今年公開じゃなければ。

2023年11月21日
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新垣結衣を中心に、「普通」ではない感情をもった人間たちが描かれる。

名前のない欲望を持つ彼らは、それを共有するコミュニティの形成すら困難になってしまう。だからこそ、誰よりも一人でいることに恐怖する。誰かと居られることに安堵する。

欲望を共有できる喜びを、映像を通して観客に訴えかけてくるようだった。

ただ、いくつかの描写の甘さはある。まず劇中ではYouTubeだとかYouTuberだとかの単語が頻出するものの、実際のページで表記されているのはnowtubeなので一々違和感がある点。加えて、群像劇の割にはいまいち展開の起伏がないという点。あと、ちょっと新垣結衣は可愛すぎて、一人ぼっちの役には合ってないんじゃないか、という点である。

そして、この映画最大の問題点は同年に「怪物」という名作が公開されている事だ。

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taktak

5.0いのちのかたちが違う

2023年11月21日
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誰も一人でないと良いね。

あっちゃいけない感情なんてこの世にない。

普通でないと自認する人たちの何気ない言葉がドーンと響きました。

何となく昔から「普通」という言葉が好きではない私には心地よい映画でした。

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Eiji

3.5常識・既成概念で差別する「普通の人々」

2023年11月21日
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原作を読んでないからあくまでも映画からの印象ですが。
ガッキーと磯村勇斗くんの「水フェチ」は、ある種の性的マイノリティであり、と同時に誰にも理解されない孤独に悩む人間。
彼らが、自分を理解してくれる人と共にいたいという感覚を表現したものとして、『流浪の月』に近い内容でありました。
ただ、『流浪~』と違うのは、主人公が被害者・容疑者側(ガッキーたち)ではなく、吾郎ちゃん演じる検事の寺井なんですよね(クレジットの順番的に)。

この検事を通して、常識・既成概念と言われる一般性にがんじがらめになっていることに自覚がなく、自分の考えと違うもの全てを「嘘」「まやかし」と切り捨て、理解しようとしない、「普通」の人間を描くことが主眼なのかと。

「普通」って実は、最も他人を理解しようとしない概念と思考法ではないか?
「他人の自分との違いを知ろうともしない」態度を、「常識」「普通」「良識」だとするなら、家族という一番近い存在すら理解できず、失うことになる。
この「普通」の残酷さ、無能さ、許容力の無さにより、世の中の不幸を招いているのではないかという提示をしているように思えました。
さらに踏み込んで、(ベストセラーとして話題になったときに目に入った書評で触れていた)容疑段階で佳道(磯村勇斗)を関係のないネットやマスコミが叩く、検事側に立った「正義の娯楽」をする人の悪意までを描くかといえば、それはなく。

たぶん、俳優陣からいって、マイルドな表現にしつつ、その「人の愚かさ」を一人に託したのかなと。
結果……

映画賞狙いっぽくて、エンタメからは遠い感じの"文芸作品"臭が強かった印象。
海外、特にフランスとかには受けそう。

付け加えると、不機嫌で無愛想なキャラなので、起用した意味がないだろう、どうなるんだろうかと思いきや、後半で横浜に移ってからはもうガッキーの美しさ全開。
その点は安心して観にいってもらえればと。

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コージィ日本犬

3.5多様性と性欲と正しさと

2023年11月21日
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興奮

知的

難しい

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烏丸沙鴎

3.5息苦しさ

2023年11月20日
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単純

原作既読だったので設定の意外さに驚くことはなく、忠実に映画化されていたと思う。
普通ってなんなんだろう?多数派の自分が知らぬ間に少数派にいることもある、多様性の難しさを感じる作品だった。理解しがたい感情や欲求を抱えてどうにか生きていこうとする「普通」の人を稲垣吾郎が演じているのが意外だった。

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ヘルメット

4.0いのちの形

2023年11月20日
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泣ける

悲しい

原作者の朝井リョウはやはり着眼点が凄いと常々感心させられる。
世の中は少しずつ多様性を認める風潮にはなってきたが、本当に万人が生きやすいと思える環境にはまだなっていない。
どこか形だけの、よそよそしさを感じさせる包容力を持った社会。
本当に皆が多様性を受け入れているのか。形だけ理解しようとしているだけではないのか。
この作品はそんな世の中の違和感やひずみのようなものを上手く捉えている。
と同時に、時代が変わっても決して受け入れられないような部分も人間にはあるのだと教えてくれる。
人は誰しも多かれ少なかれ秘密を持って生きているとは思うが、特に特殊な性癖やフェティシズムは隠しておきたいと思うだろう。
誰からも理解されることはない。
どころか知られた途端に誹謗中傷を受けるような。
どうして自分だけがこんな生きづらさを感じなければならないのだろう。
どうして自分はこんなに孤独なのだろう。
世界が全て敵だと思い、心を閉ざして生きてきた、そんな人の前に、もし自分と同じ趣向を持った人物が現れたら。
自分はこの世界に居ても良いのだと肯定された時、人は世界と繋がることが出来る。
その形は様々だ。
夏月が発した命の形が違うという言葉がとても印象的だったが、形は違っても自分と似た命を持った人間は必ず存在する。
画面を通して息苦しい生き方しか選べなかった人たちの、世界と繋がった瞬間の喜びが痛いほどに伝わってきた。
同時にその息苦しさを理解しようとしない無神経な人たちが放つ言葉に傷つけられる彼らの心の痛みも。
検察官の寺井が不登校の息子に、逃げると生きづらいままだと突き放す場面が印象的だったが、彼の言葉は正論のように聞こえるだけで、自分の生き方を肯定したいだけの言い訳にも聞こえる。
何故なら逃げずに立ち向かっても、生きづらさを感じている人はたくさんいるからだ。
実は普通に楽しそうに暮らしている人も、そのように見えているだけかもしれない。
自分は幸せだと思いたがっているだけかもしれない。
だから、自分よりも不幸そうな人を見つけて、善意のふりをして悪意をぶつける人がいるのだろう。
普通とは何か、まともとは何か。
その境目はどこにあるのか。
観ていて色々と考えさせられ、苦しくなる場面もあった。
そして寺井が言うように、社会には本当にヤバい奴がいるのだということも事実なのだと思った。
夏月や佳道や大也や八重子の、息苦しさを感じる彼らの虚ろな目と、それでも世界と繋がろうと賢明に生きる姿が強く印象に残った。

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sankou

4.5どんな欲があってもいい、公共の福祉に反しない限り。

2023年11月20日
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悲しい

難しい

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のりたまちび

3.0欲とは…

2023年11月20日
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悲しい

難しい

色々と語れるほど見解は持っていないが、常識とは、普通とは何か?よく良く考えさせられた…。
がしかし、原作は読んでいないが、物語として あの終わり方は余韻を残して観客に考えさせているのか?物足りない気もした。
敢えて言えば、自分は普通の部類だと思うが、最後にガッキーが言った『居なくならないから』というのは、どんな人にせよ、必要な(言われたい)言葉だと感じた。

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PIXY

4.5”寺井が最初に置かれた理由について”

2023年11月20日
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難しい

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szmushi

4.0原作既読

2023年11月20日
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と、言いつつ、ちょっとストーリー、忘れてしまってたのですが、あ、そうだった!思い出した次第。

私は、ゴローちゃん演じる検事にも共感できるし、ガッキーにも、磯村くんにも、共感できました。

フェチとゆうか、性的嗜好に目が向きがちですが、それは飽くまで一つのたとえであって

自分が正しいと思う世界が全てではないよ、というメッセージだと受け取りました。

無意識的にも社会のマジョリティと思ってるのか否か、明日も生きたいと思っているのか否か、によって、感じるものは違うかもなと思いました。

ダイバーシティって、色々矛盾もはらんでるし、難しいと改めて自覚する映画でした。

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Sakiko

3.5女子大生役の東野綾香さん良いですね

2023年11月20日
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悲しい

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ハム正子

3.5周りに理解してもらえづらい人たち同士が、 出会って、気持ちが通じ合...

2023年11月19日
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周りに理解してもらえづらい人たち同士が、

出会って、気持ちが通じ合えて、

って、素敵ですね

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jung