ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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自然と音楽と絵の美しさ
ノースカロライナ州の湿地帯で、金持ちの青年の死体が発見された。犯人として疑われたのは、そこで育ち湿地の娘と呼ばれてるカイアだった。彼女は6歳の時に父のDVで母が出ていき、兄姉達も出て行き、父と2人で暮らしていたのに、その父も出ていき、それから学校へも通えず、湿地でたった1人で貝を採り売って生きてきた。そんな孤独なカイアが心優しい青年と出会い、読み書きを教えてもらい、愛し合ったが、彼は大学へ行き音信不通となった。その後、金持ちの青年と付き合ってたが、その彼を殺した容疑者として法廷で裁判を受けることになった。さてどうなる、という話。
美しい自然美、音楽も心地よく、法廷での検察と弁護士の闘いも面白く、衝撃のラスト・・・驚いた。
全て悪いのは父親だけど、どうして一番ちっちゃな子どもを残してみんな出ていったのか、不思議だったが、そんなことはどうでも良いくらい自然な演技に引き込まれた。
初恋?の心優しい青年と結婚し、めでたしめでたし、で終わったら単純すぎるなぁ、って疑問に思ってたが、凄いラストだった。ストーリーも素晴らしかった。
カイア役のデイジー・エドガー=ジョーンズが美しくて、可愛かった。
期待し過ぎたかな
原作は読んでいません。素直に観終わった感想は、”でしょうね”でした。
ドキドキ感や考察はありません。特異な少女との恋愛がメインで流れていきます。
裁判での闘いや判決もあっさりしており、えっ?!まさか・・・これで終わり?
この流れでは、犯人は二択でテイトかカイヤになります。
ラストに期待しましたが、やはり”でしょうね”となってしまいました。
彼女は湿地になった
とても面白い作品でした。
どこをとっても映像が綺麗で、きっと湿地に行きたくなる。
見る人によって解釈が変わってくるラストも良かった。
結局チェイスは誰に殺されたのか。
監督のオリヴァア・ニューマンは「自然の摂理も描いている。(カイアの考え方は)社会の法則と一致するとは限らない」とコメントしている。
きっと、彼女は生きてる間もうすでに、湿地の一部になっていたんだと思う。
そんな彼女の心情は描かれることはなかったけど、彼女の書いた小説の一部と、エンドロールで流れた【Carolina】という曲が、すべてを物語っていたのではないでしょうか。
とてもいい作品でした。
自然と生きる知恵
湿地の生態系についての説明と映像が沢山あるので、自然の中にいるような雰囲気の映画で良かったです。
湿地の中の緑と鳥たち、川の下流の綺麗な海がとても印象的でした👏🏻✨
主役の俳優さんの優しい眼差しと演技が素晴らしく、感情移入してしまうシーンが多かったです😭
主人公の湿地での生活と出来事が中心になって、裁判が行われるストーリー進行なので、理解しやすく観客が置いていかれない作品でした!
ラストは生きる為に選択した行動をして、愛してきた自然にかえっていった終わり方でスッキリして良かったです☺️✨
人は生き方によって様々な人間性が生まれると思いますが、人付き合いや支えてくれる人は本当に大切な存在だと実感しました!
移りゆく自然と変わらない彼女。
変わるもの、去るものにとって捨てるのは簡単で、殻を閉じたもの、変化を受け入れないものは忘れられさられる。
二人の男が対象的に描かれているのがとても印象的だった。端々に本当に愛しているものとそうでないものの態度が出ている。それでもチェイスを許してしまうのは彼女がどうしようもない孤独を抱えているからだ。
自然を1番に愛し、湿地を愛しているからこそ孤立していくこのジレンマがなんとも言えないものです。
映像も綺麗でとても良かったです。
本格文芸ミステリ映画を堪能
1969年米国ノースカロライナの田舎町。
町はずれの湿地帯で、若い男性の墜落死体が発見される。
チェイスという名の彼は金持ちの息子で、町での人気者。
容疑者として逮捕されたのは、湿地帯にひとりで暮らす若い娘カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)。
幼いころに家族から見放され、湿地で暮らしてきた彼女は「マーシュ・ガール(湿地の娘)」と町のひとびとから蔑まれていた・・・
といったところからはじまる物語で、映画は50年代、幼い頃のカイアの家族の物語にとぶ。
町から離れた湿地畔で暮らすカイアの一家は子だくさんの一家で、軍隊還りの父親は暴力的。
何かなく母親を殴りつけている。
ある日、母は何も言わずに去り、カイアの姉兄たちも順々に去ってしまう。
テイトという貧しい家の少年と湿地で出逢ったカイアだったが、父親から会うこと禁じられる。
しかし、その父もカイアのもとを去り、ひとりで生きざるを得なくなってしまう。
それから数年・・・
ハイティーンになったカイアは、成長したテイトと再会し、彼から読み書きを教えてもらう。
昵懇となったふたりであったが、テイトは貧しさから抜け出すべく、大学に進学し、カイアのもとから去ってしまう・・・
といったことが、裁判前後の様子を挟みながら進行します。
この前半が秀逸。
久々の本格文芸映画の雰囲気があり、米国湿地帯の風景の美しさも存分に、アメリカ映画の浪漫を感じます。
で、テイトが去った後、カイアが出遭うのがチェイスで、金持ちのボンボン。
「みてくれ」はいいが、中身はペラいのがすぐわかるという代物ですが、世間知らずのカイアにはまぶしい・・・
と、やはり!な展開。
以降は、風景の美しさを排除し、若いふたりの人物接写中心の演出で、少々、飽きが。
さてさて、そんなこんなで、映画を観ている方としても、カイア怪しい・・・と思うのですが、幼い頃から書き溜めた湿地の生物の絵が出版社に売れ、本となり、事件当日の夜には彼女は遠方にいたことが判明。
裁判は、「マーシュ・ガール」と蔑まれてきた彼女への偏見を払い去ることができるのか、というあたりに焦点が移っていくが・・・
と、ここから先は書きません。
ですが、この映画を観て思い起こした映画をいくつか挙げると、『アラバマ物語』『きみに読む物語』『黙秘』など。
最後に挙げた一編は、カイアに寄り添う弁護士役をデイヴィッド・ストラザーンが演じているせいかもしれません。
ストラザーン、この手の米国片田舎映画には欠かせない存在ですね。
久々に、本格文芸ミステリ映画を堪能しました。
ということで、評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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