ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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心震えるラブストーリーの秀作
原作未読の予備知識なしで観たため、サスペンスだと思っていたら、いわゆるラブストーリーで意外でした
ストーリーは特に目新しさや驚きもなく淡々と進みますが、作品自体はアメリカのノースカロライナをバックにした重厚で美しい映像と緊張感漂う上手い演出で、結果とても高い品格を備えた見応えのある秀作として完成されています
幼少期に親兄弟に見捨てられ、沼地で孤独に生きてきた少女カイヤが成長し抱くピュアな恋心が見ていて切なく、それを弄ばれた事が判った時の絶望感がたまらなく悲しかった
そして自然界では善悪が無く、雌カマキリは身を守るために雄を殺す、と劇中 口にする様にカイヤは雌カマキリと化して自分を弄び暴力的になったチェイスを葬ったのでしょう、私の中でもアリな選択です
その主役のカイヤを演じるデイジー・エドガー=ジョーンズさんが役にピッタリハマっていてエネルギッシュな確かな演技で魅せます、それに加えとても綺麗で素敵な女優さんでした、今後の活躍に期待です
最後はカイヤは人生を全うし、"ザリガニの鳴くところ"でママと再会し逝く
とても見応えのある秀作でした
信じられない
あまり事前情報は入れずに観た。
雄大な自然の中で物語が進み全体的に静かな雰囲気。
そして観ていくうちにカイアに知らず知らずのうちに惹き込まれていく。
僕は後半裁判が終了する頃には、「この物語はミステリーというよりはこの事件を通してカイアの成長を描くヒューマンドラマなのかな」と思っていた。
ただ最後の10秒でこの作品がミステリーであることが思い出される。
自分にはこの展開は予想できなかった。
というか、カイアが魅力的すぎてそういう発想にならなかったというべきだろうか。
映画が終わった後もなんだかんだ理屈をつけて受け入れようとしない自分がいることに驚いた。
作品の中の人物にそこまで惹かれていたのかと。
そういう意味で言うとこの衝撃は日本の“イヤミス”と称される作品群と似たようなところがあった。
ザリガニの鳴くところに行き着いた彼女は、そして湿地となった。
ザリガニが鳴くなんて聞いたことがない。おそらくこれは一種の比喩的表現だろう。ザリガニの鳴き声が聞こえるような世界、それはまさに人知を超えた自然界の奥深くを言うのだろう。
主人公カイアが幼き頃、湿地に建つ家で家族は仲睦まじく暮らしていた。しかし、ベトナム戦争帰還兵の父はPTSDで心を病み、家族への暴力が絶えなかった。家族はやがて幼い彼女だけを残して離散し、そして父もまた失踪する。
一人残されたカイアに対して偏見に満ちた世間の目は冷たく、雑貨屋の黒人夫婦を除いて誰も手を差し伸べるものはいなかった。彼女を受け入れてくれたのは自然豊かな湿地だけであり、その自然の宝庫に囲まれた家で彼女は生きる術を身に付け、たった一人生き抜いてゆく。
世間からの冷たい仕打ちに貝のように心を閉ざした彼女だったが、幼馴染のテイトは彼女をなにかと気遣い文字まで教える関係になる。
深い絆で結ばれた二人。しかし外の世界を拒絶し湿地から離れようとしないカイアへの思いと、外の世界とのはざまで揺れ動くテイトはカイアを裏切ってしまう。
愛する人を失ったカイアの心の隙をつくように現れたチェイスにカイアは身をゆだねるが、それも所詮はチェイスにもてあそばれただけであった。
家族を失い、唯一愛した人にも裏切られた彼女は更に世間を拒絶し、その心は湿地へと傾倒してゆく。孤独を紛らわすかのように湿地の自然観察に没頭する彼女はいつしかその自然と同化していった。
そんな時、チェイスの遺体が発見されカイアは容疑者として逮捕されてしまう。果たしてチェイスの死は事故か、カイアによる殺人なのか。
正直、出版社の人間との会食中の会話でラストの落ちは読めてしまうが、本作のテーマはもっと深いところにある。
身寄りのない幼い彼女に手を差し伸べず、狼少女だの、人と猿のあいのこだのと蔑み、拒絶した世間が今度は人間たちの尺度で彼女を裁こうとする。しかし、彼女にとって世間のいう善悪など関係ないのだ。彼女は世間からつまはじきに会い、世間とは隔絶した世界で生きてきたのだから。そんな彼女を今更、自分たち人間社会の尺度で裁くなど、彼女にとっては理不尽以外の何ものでもない。
開発によって住むところを奪われた野生動物が人里に降りてきて、農作物をあさったり、人を襲うことがある。彼らにしてみれば生きるための至極当然の行為である。しかし、人間は彼らを害獣と呼び、駆除してしまう。
自然に善悪などない。みな生きることに懸命なだけである。しかし、人間はそれに対して自分たちの尺度で善悪の区別をつけたがる。
彼女が犯したのは人間社会でいうところの殺人である。しかし、自然界では生き抜くための至極当然の行為だった。
たった一人社会から隔絶した世界で一人生き抜き、人間社会ではなく自然界に生きる彼女を人間の尺度で裁くことに一体どんな意味があるだろうか、と考えさせられた。けして殺人を肯定するわけではないけど。
本作のラストは確かに衝撃的だが、逆に妙に納得のいくものでもあった。後、弁護士さんは最高。
湿地の映画
ストーリー、映像共に素晴らしかったです!!
両親に捨てられ、町の人からは避けられ、湿地で1人になった少女カイヤ。
唯一優しくしてくれた雑貨店の夫婦からもらったドレスを大事そうに撫でているシーンは胸が打たれました…ちゃんと女の子なんだなと。
湿地の中で一人という特殊な環境で生きてきたカイヤにとって、人間も湿地の生態系の一部に過ぎなかったんだろうな。ただ、出版社との会食のシーンで、カイヤが語っている言葉は、自分に言い聞かせているのかなとも感じられました。
それは、生き延びるための必然
ノースカロライナ
アメリカ合衆国東海岸の中部
山岳・平野・海岸の分布がまんべんなく
気候も温暖で済みやすいため
全米第9位の人口である
今作はそのノースカロライナの
自然の中でもボートでの移動が
当たり前のような湿地帯が舞台に
書かれたディーリア・オーエンズの
ミステリー小説の映画化
でどうだったか
小説原作だからというわけでも
ないでしょうが画面外の
インフォーメーションが多く
常に見る側の裏をかいた展開は
最後までハラハラ見れました
わりと一本道で退屈な洋画の
ミステリー映画と違い
ほうと思わせる部分もあり
面白かったです
どことなく不自然なところは
あちこちあるんだけど
なんだろう
日本人には合ってるかも
しれません
1960年代が舞台
湿地帯で見つかった地元の名士の
息子チェイスの死体を子供が発見
警察は近くにあった物見小屋からの
転落死と断定
しかし警察や地元住民はあたかも
特定の「湿地の娘」がやったに違いない
と決めつけるような噂を広め
遺留品に残っていた赤い繊維が
その「湿地の娘」と言われる娘
カイアの家にあったニット帽と
一致するとそこから
逃走するカイアを逮捕し拘留
殺人容疑で告発されてしまいます
「帰りたい 死刑でも何でも関係ない」
頑なに口を閉ざすカイアですが
弁護を申し出たミルトン弁護士が
少しずつ彼女から話を聞いていきます
湿地の娘とは何か?
カイアは元々兄弟で大自然の中で
仲良く暮らしていましたが父親の暴力に
耐えられなくなった大好きな母親が失踪
他の兄弟も家を去りカイアは
兄のジョディからお前も出ろと
進められますがカイアは
「窮地になったら
ザリガニの鳴くところへ逃げろ」
と母に言われたことを忘れず
父との接触を避けながら母が
帰るのを待っていました
学校にも行かせてもらえないカイア
でしたが周辺にはテイトという
同い年くらいの少年もおり
支えになっています
おそらく戦争の後遺症で
他人を極端に信じなくなっていた
父との距離感がわかってきた
カイアに父は少し優しくなりましたが
そんな二人のもとについに母から
手紙が届きますが父はその手紙を
見るなり燃やして父まで
いなくなってしまいます
カイアは一人になってしまいますが
ここから凄いのが彼女
ムール貝を採りに行き前から
ガソリンなどの取引をしていた
ジャンピンとメイベルの
黒人夫婦の営む店に交渉に行くと
聖書に教えに忠実で優しい
メイベルは事情を察して
一人になったカイアを色々
手助けしてくれます
カイアは学校もなじめず
一人になった家で母が描いていた
動物や植物を観察しては
ひたすら絵を描く毎日
そんな生活をしながら
ティーンに成長したカイアは
他人との接触を極端に避ける毎日
ですがある日青年に成長した
テイトに再会
読み書きができないカイアに
テイトは少しずつ教えていき
カイアは家にあった書物を
読めるようになっていきます
テイトは家にあったカイアの
絵に感心し二人はプラトニック
ながら恋が芽生えていきます
このように
テイトは漁師の息子ながら
非常に頭がよく
父からは大学に行って立派に
なることを期待され自分も
望んでいました
そして大学に合格し喜ぶ
テイトですがそれはカイアとの
別れを意味します
カイアはやはり悲しみますが
必ず迎えに来る
6月の花火を一緒に見ようと
約束しテイトは去ります
そしてテイトはメモを渡し
カイアはその言葉を信じ
6月におめかしして約束の
場所で待ちますが・・
テイトは来ませんでした
カイアはやはり人を信じなく
なってしまいます
その後湿地で遊んでいる
「いいとこの子」チェイスが
カイアとひょんなことから出会い
積極的に言い寄ってきました
最初は避けつつも心に隙間があった
カイアは受け入れてしまいます
そんな折に町に
テイトが戻ってきてその様を知り
チェイスだけは絶対ダメだと言いに
カイアの家に来ますが
まぁ顔も見たくないですわね
どうもテイトは自分の元へ
来てほしい気持ちはあったようですが
何を言ってもカイアは
湿地から離れることはないだろうと
達観し会いに来れなかったのです
それを打ち明け懺悔すると
カイアはすこし態度を和らげます
確かにチェイスはどうも合いそうな
人間ではないのは自身もわかって
いたのでしょう
一方でカイアは
家の土地の所有権を得るには
未納の税金を納めなければならなかった
事でテイトの残した出版社のメモへ
自分のイラストを送ると
すぐさま本にしたいと返事が来て
5000ドル(1960年代当時で180万円?)
を手にし税金も納めて所有権を
手にし改装してきれいにするなど
自活能力に磨きがかかってきました
その後チェイスは予想通りカイアに
力づくで強引に迫ってきますが
カイアも強いのでボコボコにやり返すと
自宅を荒らされたり仕返しが
ひどくなってきました
そんなところへテイトが来て
チェイスに殴られた顔では
出版社のところへ行けないと泣く
カイアに負けるな行けとテイトは
強く言います
そしてカイアはテイトに言われるまま
ジャンピンの店でバスの時刻表を
メモさせてもらい朝一のバスで
町を出ていきました
その晩の未明にチェイスは
死体で見つかっています
ここで裁判シーンに戻ると
検察はカイアをチェイスの殺人容疑を
陪審員に訴えます
チェイスの母親も息子が大事に
していた貝の首飾り(カイアが贈った)
も付けていなかった
この娘が殺して奪い返したのだと
訴えます
しかし決定的な証拠はなく
ミルトン弁護士は先入観にとどまらず
湿地で一人でたくましく生きてきた
カイア境遇もかんがみて
犯行時のアリバイもある彼女を
決めつけで判断しないで欲しいと
陪審に訴えます
その結果
カイアは無罪を勝ち取ります
その後カイアは図鑑出版を続け
テイトと結婚し子供ももうけ
湿地で幸せな日々を過ごし
途中世話になった黒人夫婦の
ジャンピンの死も経験し
ついには老婆になります
そこでふと夜中にボートを
こぎ出した先で
カイアを引き取るつもりだった
のに手紙を破られ思いかなわず
病気で死んでいった母の幻影を
見ます
その後戻ってきたボートに
駆け付けたテイトが見たのは
事切れたカイアでした
家にある書物などから
思い出にふけるテイトですが
「生存するためにしかるべき行動をとる」
と描いた本に描かれたチェイスと
その首に付けられた珍しい貝の
ネックレス
そのネックレスがその本に
忍ばせてあったのです
テイトはそれを見て
戦慄するのでした
これが何を意味するか
わかりますね
ジャンピンも墓場まで秘密を
持って行ったのですね
この映画の面白いところは
結局父親の忠告もテイトの言うことも
素直に聞いてそれが正しかった部分が
あったという部分
その中で生き抜いたカイアが
自然の中で見つけた教訓
「生物が生き延びるためにする
行動に善悪はない」
これが人間社会の裁判という形式で
決して越えられることはなかった
という皮肉と重なってる
とこが個人的に面白かったです
海外での評価は高くなかったらしいけど
説明不足と思われるのかなこういう
造り?
「誰も私を見なかった」
カイアという女がいた。湿地に暮らす彼女に家族が居なくなったのは随分昔のこと。暴力を振るう戦争帰りの父親がすべてを壊し、母、兄弟、遂には父親も彼女を見捨てた。カイアを見ていたのは湿地だけ、カイアを知ってるのも湿地だけ。10余年たった独りで湿地に引きこもって生きてきた。
そんなカイアの魅力に溺れる男がふたり。幼い頃、まだ家族がいた頃からカイアを気にかけていた優しいテイト。カイアもテイトも湿地を愛していたので意気投合する。しかし、湿地には何も無い、仕事がない…と、彼は去る。そこへやって来るのが町一番のクォーターバック、チェイス。いわゆるカーストの頂点にいる町の人気者。こいつがドヤ顔でハーモニカを吹き鳴らし、カイアを口説く。でも実はこのハーモニカ男には婚約者がいた。町で鉢合わせてその事実を知ったカイアは、自分勝手で暴力的なチェイスに追われるようになる。「違うんだ、説明してやる」何も違うくはない。カイアは知っている、DV男の生態を。カイアは知っている、湿地で生き抜く術を。ホタルの光が2種類あるように、カマキリのメスはオスを食べるように、自然に生きるものたちは、ただ生き抜くために。そこに倫理はなく、罪もない。部屋いっぱいの鳥の羽根、果たして彼女は学者か魔女か…?遺された彼女の絵日記には、湿地の生き物たちが。危なかったら「ザリガニの鳴くところ」まで。カイアはそうやって生きた。
原作者のディーリア・オーウェンズは生物学者。美しくミステリアスなノースカロライナの湿地と言葉、それだけで価値があると思う。そして実は法廷シーンにカメオ出演しているらしい。かわいい。
映画館で見るべき美しい映像
野生児、、。
犯人は元彼?
で、彼をかばっている??
と思ったけど、彼女はそんな人間臭くなかった。
裁判では自分たちとは違う人間への偏見や思い込みで有罪に傾くが
こんなピュアな人間が犯罪なんてできるはずがない、と、裁判ではひっくり返る。
そう、本当に彼女はピュアだった。
狩りもする、逆襲もする野生動物だったのだ。
悪意のない純粋な人間は殺人などするわけがないという思い込み。
湿地に生きる野生動物のような美しい彼女。
最後はもうストーリーとかそんなのどうでも良くなった。
映画のテンポ、画、トーン、演技=総てに魅了された 人里離れた自然の中の湿地帯の一軒家でDVされ、一般社会風土からは阻害され孤独となった少女が生きる術を備えていく姿を、裁判をとおし顕に・・・
ミステリーモノと思い鑑賞してましたが、映像と共に物語に引き込まれました。
主たる登場人物は、少女カイア、子供時代よりのテイト、遺体で発見されたチェイス、雑貨屋夫婦、弁護士。
物語は、裁判を通じ少女の関わったものを見せていく
(人柄、人格、家族、社会)
誰にも心許さないように教えられ生きていて心許したテイトとチェイス。が青春のよくある苦難に遭遇しながらも湿地帯の自然で癒やし、自らの才能と助言で苦境を・・。
この映画のトーン(流れ)が私的にハマってしまいました。
映像(自然の生態系)(カメラワーク、映像のテンポ、描写)、絵、ドラマテンポ、人物描写、音楽など。
描いているのは1960年代時代のアメリカ社会、アメリカの闇ともいえる事柄、マイノリティ、人種差別、DV、格差社会、戦争帰還兵、陪審員裁判制度の危うさ・・・。
が、しかし、そんな暗いドラマの中に、少女と共に共感出来る【救いの映像】湿地帯の自然、生態系(鳥、虫、貝)と少女の絵。外の世界では雑貨屋夫婦の自分の立場がありながらも応援する姿勢。徐々にわかってくる弁護士の動機と姿勢などえがかれ、苦難が何度とも訪れる度に美しい映像と共にリセット。それをのりこえ、たくましくもなっていく生きざま。
最後の展開は、ある部分よりドウそれを出してくるかに・・考えを巡らせながら見るに至りました。
⭐久々の秀逸な作品
単純にホラーとかサスペンスとか青春も入りの、人間ドラマ、社会はドラマ、生涯モノとか 枠に入らない・・入れたくない・・
出版社との食事時のカイアの昆虫と同じ行動行動をとったで、「そこに 善悪はない。ただ生きるために必要なことをするだけ」のエピソードが、大自然の湿地帯でDVや社会から阻害された中育った少女の、
【生態系の保身術を使っただけ】
がこの映画ドラマを構成する真髄の要素をしめているように感じました。
★Digital5.1CH鑑賞
★重低音 ─
★音圧 ─
★移動音 △
★分離度 ○
★サイド(左右、後、活躍度) △
★サラウンド △
スクリーン画面側は、左、中、右、それぞれに音を振っています。湿地帯、密林で、密林の自然音(環境音)
ほぼ全編、スクリーン側がメイン
静かな、大自然に染まり行く映画
一人の孤独だった女性の映画、というのが全てです
オチについてはあるシーンのセリフで想像が付いちゃいましたが、ただ、オチを成立させるためのミステリ的な考え方をしだしたら、
1.どうやって誘い出した?
2.証拠はどうやって拭い去った?
みたいな細部がやや気になってしまう感じですね
後、最初のシーンも急にボートによる逃走とか、トリック成立のための要素かもですがイマジナリーラインを踏み越えててかなり気になりましたね
まあ、てな感じでミステリとしては微妙ですが、一人の人生、静かな湿原の生活は、ターシャ・テューダーを想起させる穏やかさと厳しさがある、大自然がとにかく美しい映画になっていたと思います
正直、殺人に係る話を丸々カットで、湿原で暮らした女性の物語として見るだけでも全然アリだった気がしてます
その意味でも、情景とその生き方を見るだけでも、価値ある映画だと思います
あ、ラブシーンはちょっとくどい気がしましたね
人生に入り込んできた男達に振り回されて…
幼い頃、父の暴力により家族がバラバラになり、
湿地に1人残された少女は
そこでたくましく、1人、生きる。
もし、
かまってくる男性達がいなければ、
カイアは1人、
それなりに幸せに生き抜いたのかも…
カイアの人生に
入り込んできた男性達によって、カイアの人生は
乱された…
あれは正当防衛にならないの??
そうじゃないといつか、
逆に殺されてたかもしれないよ…
理不尽だわ…
良くやった、
最後まで逃げ切った‼️
ずっと待ってたお母さんが
最期は迎えにきてくれたね。
やっと解放されたね。
安らかに。
ミステリーではありつつも、彼女の人生の物語。
湿地帯で発見された変死体、容疑者はそこで孤独に暮らす若い女性…
重たいけど傑作でした。裁判の進行とともに明らかになるのは彼女の人生そのもの。重い内容に反して、それを包み込む大自然、水や緑や生き物たちの本当に美しいこと。オチに賛否あるみたいだけど、わたしは途中で予想できたものの良い結末だと思います。
ただ、テイトや雑貨屋夫妻は事実を知っていた…の方が良かった気がする。せめて、雑貨屋夫妻だけでも。誰か、「知ってはいるが彼女を許し、守る」人がいて欲しかったし、彼女も「すべての人を偽っていた」人にはなってほしくなかった気も…。
とはいえ、あの深い緑、幻想的な湿地帯には秘密が似合うのかもしれないですね。
ちなみにわたしがいちばんひどいと思ったシーンは、モーテルの部屋でチェイスが、カイアの服すら脱がせず、前戯もせず、いきなり挿入し性行為を行ったシーンです。あれは紛れもなく性暴力であり、レイプです。殴る、蹴る、と変わらない。あれでチェイスが最低な暴力男だとわかる、見ててほんとにつらいけど、説明せずに見せる上手いシーンでもあると思いました。
素晴らしいミステリー
3日連続映画鑑賞を楽しんでおりました
本日3日目
思い切って洋画みてきました
しかも字幕やったけど
すごいミステリーだわ
少しネタバレ含みます
てっきり元彼の犯行かと思ってたら
事故だったんだー
途中から彼女が疑われてることに
おかしいと思えてくる
弁護士の言葉どおり
今まで彼女に手を差し伸べたのは雑貨屋の夫婦だけだった
自分を含め全ての人が彼女を見て見ぬふりをした
陪審員に話しかける
映画を観てる自分もそう思ってた
途中色々と差別ではなく区別してしまう感情も出たのは確か。
なので尚更彼女は幸せになってほしい。と望んだ。
自分も含めた傍観者達の無責任さを乗り越えて
結果的に彼女は自分の手で幸せを掴んだんだな
最後の最後が衝撃のミステリーでした!
私は湿地帯では暮らせない
ザリガニが鳴くところ
ノースカロライナ州、湿地帯
森の奥に一人で生きてきたカイア。
アメリカでベストセラーになったミステリー小説
物語は紐解くと
初恋の切なさが胸に刺さる。
嫌な男はどの時代ににもいる。
最後のラストの結末は
ドキッとしたが、それはまさにあの塔から見た広大な湿地帯に
その罪は隠されてしまうのでしょう。
夢小説か
うーん、女性が書いた話だなぁというのが最初の感想。
サスペンス要素は皆無。
オタク女子が書いた夢小説。
二人の男の間で揺れるワタシ。
暴力をふるう元軍人の父、出ていく母、大人になってから戻ってきて味方になる兄、理解があるがちょっとしたきっかけで別れる恋人、寂しいときに付け入るクズ男(良家のボンボンで婚約者あり)、心配し世話を焼いてくれる善人の夫婦、等々…
どこかで見たことのある設定の寄せ集め。
サスペンスだと思っていたので犯人を推理しながら観ていたけれど、なんのひねりもなかった。
弁護士が最初から挙動が怪しかったので、てっきり彼が真犯人か、もしくは元彼兄貴善人夫婦が協力して始末したとか考えていたのに。
あと、沼地で暮らしてる割に綺麗過ぎる。
綺麗過ぎて、街で嫌われてる設定が薄まる。
キスシーン多めのサスペン・・・いや、恋愛映画
メスのカマキリだったか、ホタルの話で犯人が誰か確信しました。
「きっとあいつが犯人だ!」という決めつけで彼女は裁判にかけられているが、
映画を観ている側は「あんな自然で生きている純粋な若い女性が殺人なんてするわけない」という決めつけ視点でどこか見ていて、
「あんな娘を裁判にかけるなんて偏見に満ちた愚かな大衆たちだな」と思っていた自分たちにラストでブーメランが返ってくる。自分たちも勝手な思い込みで彼女を見ていたことに気付かされる。
そこが面白い。
内容は恋愛中心で、ミステリー、暴力、孤独、貧困、魔女狩り、田舎のあーだこーだなど、色んな要素が入ってる。
法廷ものかと思いきや、細かいところは雑っぽい。
女性が望む幸せというか、女性が好きそうな、共感しそうな要素が詰まってて、そりゃヒットするわと納得。面白かったです。
それにしても女性は「作家で成功」「男に求められる私」って設定ホント好きだな。
黒人の売店のおっちゃんの演技が何気に最高だったりする。
主人公視点の見せ方、感情の見せ方がうまいと思う。ただ貧困の湿地帯なんだからもっと汚く、みすぼらしい感じがあったほうがリアリティ増すと思うので説得力に欠けて残念。
誰が部屋を片付けたのだろう?
まったく事前情報ゼロで鑑賞。ベストセラーのミステリー小説が原作だそうだ。そのとおり、殺人があり、犯人と目される女性が捕まり、後半は法廷ドラマとなって、犯行の真相が、彼女の生い立ちや恋愛遍歴を再現するかたちで、明らかにされていく。とまあ、無数にある事件物ではあるが、舞台がノースカロライナの湿地帯という魅力的な場所。ヒロインは親に棄てられた妖精のような美少女。というビジュアルの強みで、観客にアピールしているようだ。
事件の真相は、ほぼ予想通りだし、動機も共感はできる。そこは、事件物映画の文脈の教科書通り。といっても、まあ原作がそうなのだろうから。
邦題は原作の原題通り。これはタイトルマッチで悩んだろうなあ。意味不明だもの、一見したら。逆に『謎めいた』タイトルで客を呼んでいるかも。
深読みすれば「Where the Crawdads Sing」というオリジナルタイトルは、Crawdadsをcrawとdadsの間に補助線を引かせているのかもしれない。
ムール貝
いちばんびっくりしたのはムール貝🤣
最初、球根でも収穫してるのかと思った!!!
ムール貝食べるたびこの映画を思い出す
あと別れてからもずっとあの手作りの貝のネックレスしてるって結構引きずってるよねえ🤣
ボンボンゆえ、自然で逞しく生きる彼女に惹かれたのかなあ🤔そう思うとなんか可哀想な男だな
足跡消したりアリバイつくるくらい頭回るのにネックレス回収したのも意味不明🥹
ザリガニは出てきません
示された“事実”からでなく、“伏線”から真相を予想させる作りであり、つまりミステリではなかった。
強いて言うなら恋愛サスペンス、もしくは人間ドラマかな。
とはいえそれは宣伝が間違っているというだけで、作品自体はとても良かった。
演者はみな達者で、映し出される自然もとても美しく、メリハリのある構図と相まって飽きがこない。
家族に捨てられ、嘲笑されたトラウマから学校はおろか社会からも距離を置いたカイア。
青年期のテイトと再会したときは、(初対面ではないのに)完全に警戒する獣の対応だった。笑
それが、チェイスとの出会いからはややスムーズになり、本を出し、出版社の人間とも交流した。
もともとお洒落したり“女の子”としての感覚はあったが、人間性社会性を高めていく描写は非常に丁寧。
しかし、やはり彼女の家は最後まであの湿地帯にあった。
そういうことなんだと思う。
ところで、『ザリガニの鳴くところ』って何だったんだろう。
そこに「逃げろ」と言っていたから、『誰にも見つからないところ』ってことかな。
思っていたより、
思っていたより重くなかった。(映像がきれいだったからか)
思っていたより爽快感もなかった(法廷ものなのに)
思っていた(思わされていた)より驚愕しなかった。
思っていたより感動しなかった。
(最後の、あっと言わせてやろう、というのに引っ張られていたみたいでちょっといや)
思っていたまんま白人の男はクズ。(偏見です)
思っていたより主役のデイジー・エドガー=ジョーンズがきれいで魅力的だった。(少女時代の子役からつながらない)
米国の文芸ミステリーという好きなジャンル、期待しすぎたのか、多分原作ではしっかり描かれているんだろうけど、引っかかるところが多くて思ったほど感動できなかった。
・なぜ一番幼い子を置いてみんな出て行ったのか。
・どうやってひとりで暮らしていけたのか(貝だけじゃ無理でしょ)
・そんなに簡単に本を出してくれる出版社があるのか
・絵は上手く描けるようになったとしても学術的とも言える知識をどうやって身につけたのか
・電気もない生活でどうしてあんなに身奇麗にしていられるのか、、、等々。
最後にあっそうだったのか、じーんと胸が熱くなって感動できるのがいいな。気分悪くなるより。
(差別、初恋、殺人、美しい自然、とよく似た題材を扱った米国文芸ミステリー、工藤夕貴とイーサン・ホークが主演した「ヒマラヤ杉に降る雪」が好きでした。)
帰ってからティラー・スウィフトの「キャロライナ」を聴き返したらもう一度観たくなった。
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