ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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巻き戻したら結末のタイミングが分かった
WOWOWで観ていてラストでモヤって巻き戻したらいつ殺したのかが多分分かった。
だから待ってたし石待ってたし構わないでとか帽子何回投げ返すねんというやりとりをしてたんだ〜とか、巻き戻すと辻褄が合った。
私の勘違いで真実は違うタイミングかもしれないけど。
つまらなくはないが途中ちょっと長いなと感じた。評判が良くなければ途中でリタイアしてたかもしれない。
弁護士のおじさんが不憫で一番優しい。
鑑賞直後から寝るまでこの映画のことを考えていて、直後より寝る前の方が『いい映画だったな』と思った。
原作の良さを生かした映像美
友人から原作を勧められ、1度目は読めなくて断念。日を改めて2度目の挑戦。最後の最後まで読み終えて、深い感動を味わった。
映画も高評価と知り、調べたら自分の地域は終わっていた…。
年末に息子が帰省し、娘も一緒にアマプラで鑑賞。途中までは、悲しすぎるとか辛いとか子どもたちは言っていたが、ラストは報われたので、いい映画だったと語り合うことができた。
長編を2時間ほどにまとめており、どのように殺害したのかの謎解きは、端折られていたが、自然の美しさを映像で表現されており、しみじみとそこから離れたくなかった主人公の思いを実感できた。知らない俳優ばかりだったが、見応えのある映画だった。
詳しく知りたい方は、是非原作をお勧めしたい。
みんなが高評価なのも超納得の超絶良質作品
見逃すところだったのをみんなの高評価に興味をそそられて遅れながらの鑑賞です!
結論から言いますが キャスト 映像美 自然体の演技 物語の構成も含めてみなさんが高評価なのも当然の素晴らしい作品で劇場で見てないのを一生後悔して生きていかないとダメなくらい良い作品過ぎてタイトルだけの判断で全く見る気にならなかった自分を罰して戒めたいと思います!
とにかく映像はイチイチめちゃくちゃ綺麗だし主人公の小さい頃から死ぬまでの話をコンパクトに上手くまとめていて見終わった後の余韻が凄くて原作者も凄いし監督も相当信用できる上手い人だなあと思いました。
主人公は自然の生物を見て育っているから邪魔なモノを排除するのは自然の摂理で当たり前なんだろうなあとも思いました。
あとイメージ的に裁判がメインの話と思ってたら純愛作品にミステリー要素を加えているくらいの感じで
最初にあいつが死んでるところからのスタートなので
何故そんな事になんねん?て思いながら見てるので全く飽きる事無く話が進んでいきますしオープニングの掴みが上手いですね!
しかも実際に殺人を行っているのに元々街の人間から差別をされていたという事で不利になるところを偏見抜きで客観的事実で無罪と思いきやの本当は犯人でしたってのがめちゃくちゃ面白かったです!
主人公が最後に鬼滅の刃の煉獄さんと同じパターンで死んだ母と会いながら最期を迎えるのも良かったですねえ〜
見終わった後は怪物やクロースやアフターサンなどを見たような本当に良い作品を見た時の満足感が得られてマジで劇場スルーした事を後悔してます。
去年の作品ですが今年見た作品の中でもアッサリベスト級の最高に良かった作品っすハイ。
去年見てたらRRRとザリガニでNo.1がどっちか悩むところでした。
She is not guilty
親にも捨てられた湿地の娘カイアが必死に生きる話。
ムール貝を採って生計を立てようとするカイアを手助けしてくれる黒人夫妻。字を教えてくれた幼馴染の青年テイト。そういう人たちのおかげでカイアはどうにかこうにか生きてこれた。だけど、生存が脅かされる状態になったら....彼女の言う「自然に善悪はない」との言葉が響く。
映画は主人公のカイアの半生が描かれ彼女の老衰死で終わるが、残されたテイトは貝の首輪を見つけて何を思っただろうか。私なら、あの首輪を家に置いておいたりはしない。カイアは何を思って置いていたのだろうか。余韻の残る終わり方だが、私はあまり気持ちの良いものを感じなかった。なるほどと納得はできるが微妙な後味の悪さ。
確かにテイトはカイアのところに戻るという約束を破ってしまった。カイアを深く傷つけた。それでも最後には戻って生涯をともに過ごすことになったテイトに最後にあんなものを残すのは愛がないと感じるのは私だけだろうか。しかし、だからと言って、幸せに何もなく終わりましたでは軽すぎる。見て損したとは思わないけれど、ちょっと難しい映画かな。
★追記
1)カイヤの描写....多分もっと粗野で野性的な感じだと思いました。近寄りたくないくらいの感じ。女優さんはとても美しい人でとても魅力的。映画のムードを一人で作り上げていたと思いますが、おそらくこれほどの美人じゃあないと想像します。でも綺麗な人の方が絵になるというか、共感しやすいね。
2)雑貨屋の黒人夫婦....ほんとうに良い人たちだったなあ。自分も、こういう人間でありたいと願うばかり。
3)裁判について....私は無罪が出るとは思っていなかったので無罪が出た時ほっとした。多分、日本なら起訴は無理。あるいは袴田事件のように証拠が捏造されるでしょう。
自然の掟?
弱肉強食ではあるが無駄な殺生はしない自然界
で育った娘の、ごく自然な裁きに見えるけど
冷静に考えれば、かなり用意周到で人間らしい
計画性のある殺人だよね。
被害者が悪人で殺されたって罪悪感を感じない
キャラだったので、勧善懲悪で纏まった結末ではある。
内容的には関係無いけど、この映画のラストが
タイタニックの最後のシーンと、被った。
雰囲気がとても好きな映画だった。
土砂降りの日にゆっくりしっとり観るのがお勧め。
湿地帯の雰囲気味わえる。
❇️🦞?『湿地帯の魔女と呼ばれて』の方が良くない?😆
ザリガニの鳴くところ
1953〜1969年 🇺🇸ノースカロライナ州 バークリーコーヴ
湿地帯で男の死体が見つかる。
容疑者となった女性。
この女性は湿地帯に住む彼女カイヤ。
何故彼女は湿地帯に住み着いてるのか?
幼少期からさかのぼり徐々に解る真実とは?
❇️🦞ザリガニなんてどうにも関係ない気がしました。★彡『湿地帯の魔女』とかほ方が良くない?😆
◉70C点。
★彡ラストのエンドロールの歌詞がネタバレとなっている様な気がしました。
🟢感想。
1️⃣この時代だからこそ警察に相談できなかったのかな?★彡男女差別や、湿地帯住人での差別とかあったのかと察しました。
2️⃣自分を変える勇気のない主人公。
★彡人を好きになっても自分は受けのまま動かないのはどうかなぁと思いましたが、後半は頑張ってました。
3️⃣主人公の賛否を問いたい。
★彡ネタバレできないので好きか嫌いかと言えば嫌いですね。😅
4️⃣エンドロールの歌の歌詞が主人公の心を表している⁉️
★彡多分ラストの歌はネタバレで闇を感じました。斬新で良い⭕️
あなたは私を見ていない…😱
5️⃣殴られたら殴り返す!
主人公の強い部分や自分のスタンスを基本は変えない気が強い一面もちゃんと解るシーンあり。
6️⃣軽薄なボーイフレンドの立ち振る舞いが⭕️
★彡絶妙に軽く、優しそうでそうでもない、いい加減な面や人の心に無断で入ってくる、感じが絶妙に良かった。
🈲ネタバレ保管記憶用(主人公目線なりきりバージョン❗️)
🌀私は幼少時代から父親のDVで家族を失ってしもうた。ほぼ一人でなんとかやってきた。
やられたらやり返したい性格も父親似なのかな?
私の体目当てで暴力を振るうバカなチェイスを殺す事にした。
婚約者には悪いけど、アイツは許せない💢
私はね、ビクビクしながら生きていくのはまっぴらごめんやねん。
完全犯罪を計画して高所から突き落として、アリバイを作るために、次の日はまた本の編集者の所に戻った。
このアリバイで、なんとか無実を勝ち取り、よりを戻したティトと生涯死ぬまで幸せに暮らしたんけど、なんか文句あります?
この映画を観た方へ謝罪します。
今まで無罪を主張して皆さんを騙してしもうた事を勘弁願いたい🙇♀️
そしてティト障害私を愛してくれてほんま感謝しとるで〜あと、弁護士や私に物を売ってくれたおじさん、おばさんありゃーす!
🪶 🤔🤫🤛💄👁️👩❤️👨🧶🪲🕷️🦋🦅🦞🦜🪽🕊️🍃🎂🚤🏡🏞️🛏️🪟📘📝❣️❤️🩹㊙️
ラストは蛇足
ミステリーもの、法廷ものを、陪審員ものの映画としては一級品。ただ、あの衝撃のラストの蛇足がなければかなり評価の高い作品として評価できたのに、もったいない。あの蛇足がなければ、正義は必ず勝つという心地よい余韻に浸れたのに、残念。
彼女は学校では何も学ばなかった。すべては自然から学んだ、ということ?
これ程、宣材カットに翻弄されたことは無いな!その美しい口唇にハマる~
~真相は 初恋 の中に沈む~
才能あるよね~作製した人 凄いわ。
宣材チラシの 麗しい女性の口唇・・・
少し半開きで、誘惑されてとっても心引き込まれる。
目の部分は見えず 川のボートになってて。
一目このカットを観ただけで
この映画に興味を抱き 遠征して観に行った。
今回は「ザリガニの鳴くところ」鑑賞です。
アメリカで2年連続最も売れた本で
本屋大賞(翻訳小説部門)獲ってるらしい。
原作:ディーリア・オーウェンズ氏
監督:オリヴィア・ニューマン氏
・キャサリン・クラーク(カイア)主役:
デイジー・エドガー=ジョーンズさんが
メッチャ素敵で麗しく美しい。24歳で過去作もあまりなく
今後が楽しみだわ~い (#^.^#)
・ジュリアンヌ・クラーク(カイアの母親):アーナ・オライリーさん
これまた超美人さん、この娘にしてこの母アリって感じw
・テイト・ウォーカー(初恋の人):テイラー・ジョン・スミスさん
・チェイス・アンドリュース(被害者:遊び人):ハリス・ディキンソンさん
1950年代頃のノースカロライナ州の湿地帯に住むある家族。
父は退役軍人上がりで家族に暴力をする毎日。
子供兄弟は5人いて最初に母が暴力に耐えかねて家出。
※何で子供らを置いて行ったんだ??
そして、兄・姉・姉・次男(ジョディ)が家出。
最後に残った末娘のカイアだけが父と暮らす。
しかし親父も家出行方不明で・・・カイア独りだけが湿地で生き抜いて
湿地帯の少女と周囲に言われるようになる。
学業してないんで野生化する少女。唯一、昔にボートで
出会った事があったテイトだけが微かに知ってる人物。
※実のところ、そんな一人で生きられるわけ無いやんかぁ~と激しく思うが。
小売商店の黒人夫妻が唯一の生命線だったんだと思うね。
テイトと偶然再会し、色々教わり 本を読み知識を高め
生物学者並みになるカイヤ。
えっそんな 勉強して成れんの?とは思うが、
やがて芽生える初恋。テイトと恋に落ちる~。
楽しい時間を過ごした二人だが、テイトは大学進学で
暫く地元を離れてしまう。 そして約束の再会の日、
もの凄く 逢いたかったテイトを待つ カイヤが切ない。
海辺で待つカイヤ、カイヤ、カイヤ。
遠くをジッと見つめ彼の帰りを待っている姿に心打たれる。
やがて夕方 遠くで花火が上がり、そして真夜中に。
いつしか 朝に成って・・・
母も兄弟も、そして 初恋のテイトまでもが 私から離れていくと
そう思っただろう。きっとネ。
そして やがて迎える二度目の恋。
船着き場で目をつけられた 遊び人チェイスの登場だ。
彼は案の定、カイヤの体目的だけで彼女を物にした!
それ見て俺は 何故か激オコっすわ~。
男って奴を全く解ってない純粋過ぎる彼女。
そして 其の頃、地元に戻ってくるテイト。
真面目なテイト、遊び人チェイス、純粋なカイヤ。
この三角関係になるが、遊び人は結局 カイヤ以外の
女性と婚約。
裏切られたカイヤが激高し、結局チェイスを殺した??
っていう展開なんだな。
初恋のテイトと寄りが戻っていくが、
チェイスの高見台からの落下死体が発見されて
容疑者カイヤの裁判が この映画中心で話は展開する流れ。
最終的にカイヤ無罪!テイトと芽出度く結婚。
しか~し、事件の日、遠方のホテルまで出版社の人に会いに行く
バスに乗るカイヤ。誰にも分かる様に化粧メイクばっちりの
美人に成って周囲に印象付ける。
その日また密かにバスで戻ってきて、チェイスを誘き出し
高台から事故に見せかけて落下させて、またホテルに戻る計画。
犯行時間はたった1時間。
携帯も無いし、その犯行は無理と結論つけた陪審員たち。
この真面目で学者並みの知識人カイヤ。
彼女が人を殺すなんてとは思う。
そして無罪になって数十年後、
晩年 夫のテイトが 惜しくも亡くなったカイヤの執筆本から
事件で争点になった カイヤがチェイスに贈った
珍しい貝の手製飾りが見つかる。
その飾りの有無は、唯一の殺意認定に必要だったからだ。
警察がカイヤ家宅を調べでも出なかったのに
カイヤの執筆本から見つかるって事は・・・
俺は 最後の最後に ドキッとしたわ。
あの1時間内の犯行を、彼女は見事に遣ってのけた
訳なんだろうかと・・・。
年老いたテイトが それを見つけて
そっと海辺の波寄せる砂浜へ置いた。
波が 真実を洗い消し去って行く~
本人の亡き今となっては、
真実は無意味なのか そう思った。
やっぱり美人に心許しちゃう
世間も加担したと思うね。
湿地帯でちょっと鈍ヨリ感あって
なぜか全くザリガニが出て来なかったけどもw
中々の展開流れに 自分なりに頷いた次第。
彼女に心奪われた方は
是非、劇場へどうぞ!
ミステリというより貧困、差別、偏見への問題提起
湿地というエリアにて、1人の若い男性遺体が発見されます。容疑者は湿地に一人で住む女性カイア。町では「湿地の娘」と呼ばれ変わり者とされています。そこから彼女の回想による生い立ちが語られていきます。当初は誰がこの男性を殺したのかですが、物語が進むにつれ貧困、DV、差別、偏見といのが浮き彫りとなります。ここが重要な点ではありますがあまり深くまたリアルにするのではなく、回想らしくソフトな流れです。カイアは犯人なのかは裁判での評決になります。ここも結果だけであり真相は明確にしません。物語はカイアが亡くなるまで展開されます。カイアの回想録といった物でした。ミステリやサスペンスを求めるとやや弱い話。貧困、DV、差別、偏見に対する社会派としては薄い話。どっち着かずという感想です。原作は未読ですが、なぜ引退した弁護士がカイアを弁護するのか?人間不信になったカイアなのにまた別の人を信じてしまうのはなぜ?そもそも最も幼いカイアを家族の誰も連れて行かず家を出て行ったのか?モヤモヤも残りました。
美しいロケーション
WOWOWで鑑賞。
ロケーションが美しいので映画館で観てもよかった気がした。
レストランでのホタルの話、家でまたホタルの絵。
これは伏線かと思ったがやはり。
その後の長い年月を描くのはラストシーンのネタバレのためかと納得。
エンディングロールの曲もよく最後まで聴いてしまった。
見終わって少しして思い出した、
判決がくだりテイトに歩み寄ったときお腹に手をやった、あのシーン。
もしかしたらテイトとすぐ一緒になったのは既に宿った命を…なんてことをふと考えた。
そこは種明かしせず鑑賞者に委ねるところということか。
生き物の営み、生存戦略に善悪はない。
獲物が捕食者を葬る〜湿地は親代わり?
親が居なくて湿地に住む娘カイアを
犯人と決めつける町の人々。
人気者と言われ妻も居たチェイス。
暴力的な父親のせいで母親兄弟と
次々に去って行ってしまい
最後父親とカイアだけになり、父親も去り、
カイア一人ぼっちになってしまった。
食べる物にも事欠き貝を獲って生計を立てるが、
大丈夫なのか?
学校にも通わず通えず
文字の読み書きもできない。
優しい親切な雑貨店夫婦の支えがあり、
どうにか成長できた。
幼馴染みのテイトとも再会して付き合ううち
文字も習い読み書きできるようになり、
湿地の生態の観察したことを
図や文字で表すまでになった。
互いの家族のことも話すうち愛し合い
いつしか幸せな時を過ごすようになり、
将来を誓ったのだが。
テイトは外の世界に憧れていた。
湿地を離れようとしないカイアと
外の世界を比べ‥‥
必ず会おうと誓った日に
オシャレして待っていたが
いつまで待っても帰って来なかった。
テイトが約束を破り戻って来なかった。
だけど、湿地はつまづいたカイアを慰める。
夕日に照らされた美しい光景。
5年前テイトに貰っていた出版社のリスト、
試してみようと思った。
直ぐに出版採用の知らせが届き、
程なくして製本された見本が届く。
カイアの湿地を文字と絵で綴った
初めての本だ。
テイトの裏切りに傷心のカイアに
口上手く言いよるチェイス。
外見はテイトに似ていたが、
中身は正反対だった。
結婚の約束をしておきながら
別の女性と結婚したのだ。
それでも強引にカイアに言いよるチェイス。
逆らうと暴力を振るわれ
家も荒らしまくられた。
怯えて生きるより
一人湿地で生きる方がいいと決心した。
湿地に戻りたいと自然をもっと探索したいと、
ただ一人愛する人と。
そのチェイスが亡くなったことで
容疑者とされ裁判にかけられるカイア。
幼い頃からの顔馴染みの弁護士に頼み、
裁判で闘う。
湿地の自然の知識が役立ったか。
赤い帽子の繊維が役立ったか。
❤️エンドロールでの歌とイラストいいですね。❤️
原作を読んでなくても「小説を映画化」したのがわかる映画
エンドロールの「貝殻」のイラストがよかった。貝は別の貝とはピッタリ合わないと聞いたことがあるので、テイトがカイア夫婦になったことは“自然だった”と思わせてくれた。
チェイスに贈ったネックレスが家に置いてあったのは、「バレたら捕まる」「バレなければ私は悪くない」と、自然に委ねたのだと思う。“湿地”という場所で自然を直に肌で感じて育ってきたカイアは、自然(流れ)に委ねた。
結果として、家の中からネックレスが見つからなかったのは「警察のずさんな捜査」を裏付け、“湿地の娘がやった”という偏見を外せてないことが証明された。
雑誌編集者との食事会で「自然界に善悪はない」とカイアは言っており、カイアはチェイスに怯えてその地で生きることを選ばず、生き残るためにチェイスを排除する道を選んだ。
1964年という時代、男尊女卑・人種差別の激しいアメリカで白人の若者から身を守るためには、幼い頃から誰にも頼れなかった境遇・弱肉強食の自然・虫たちに善悪などないという考えからも、チェイスに殴られたときから、チェイスは「大事な人」から「虫同様」の価値になった。だから殺した後も平気な顔で人と会えた。自然界では生き残るために当たり前に起きていることだから。
映画もすごく自然な流れで見やすかった。本当、小説見てるみたいでした。
大どんでん返しは必要か?
湿地帯に取り残された少女カイヤが殺人の容疑者となる。彼女にはアリバイがあるが、ある複雑な行動を取れば犯行は可能であった。しかし、自然の中で純粋に生きてきた彼女にそんな犯行が可能か?
裁判で弁護士が心を打つ弁護をする。湿地帯の女と言って蔑んで偏見を持っていた我々(陪審員も)は、今こそ偏見を捨て純粋に彼女を見るべきだ。
そして、彼女は無罪を勝ち取る。だがしかし。
何で「だがしかし」が必要なのだろうか?
彼女の犯行でなくてもいいと思うんですが。
あの胸を打つ弁護はなんだったんでしょうか?と私は思ってしまいました。
ノースカロライナ湿地の美しさ、そして最後の鮮やかな大逆転劇で強く印象が残る
オリビア・ニューマン 監督による2022年製作(125分/G)のアメリカ映画。
原題:Where the Crawdads Sing、配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。
女性動物学者ディーリア・オーエン(1949年米ジョージア州生まれ、ジョージア大で生物学を学びロサンゼルス大デービス校で博士号、同じくジョージア大で生物学学んだ夫と共にアフリカに長年移住)の初めてのミステリー小説(2020、世界で1500万部以上の大ベストセラー)が原作。
原作は読んでいなく、日本語版を視聴。
何より、ノースカロライナの湿地の自然及びそこで生きる生物の美しさ、更にそれらを描いた主人公カイヤ(デイジー・エドガー=ジョーンズ)によるスケッチの精巧さと見事さに心が奪われた。
カイヤは、前途有望な若者チェイス(ハリス・デイキンソン)死亡事件の殺人容疑者ということで登場する。カイヤの、母親は夫の暴力で逃げ出し兄弟更に父親も居なくなり、大自然の中でただ1人、学校にも行かず貝の採取で生きてきた少女という設定には、類型の覚えも無くかなり驚きを感じたが、原作自体の力だろうか物語的にとても面白く、随分と引き込まれてしまった。
彼女の初恋相手がテイト(テイラー・ジョン・スミス)。彼は親切な青年で、カイヤに文字を教えてくれて、図書館で生物学を学ぶことも教えてくれる。ただ、観客の予想通りというか、彼は都会の大学に行ったままで、約束を破って戻ってこない。そこに現れたのが町の有力者の息子でハンサムなチェイス。カイヤは彼と関係を持つのだが、彼はどうやら婚約者もいる様で遊びの相手だった様。
正直、人気者のチェイスが何故凄い美人でも無いエドガー=ジョーンズ演ずるカイヤを誘惑しようとしたのかには、説得力をあまり感じなかった。映画の中でも、取り巻きに不思議がられてもいたのだが、納得がいく説明はなかった気がした。一方、テイトはカイヤ無しでの生活は意味が無かったということで、湿地に戻って来て湿地研究の職も得てプロポーズしてくれる。カイヤ、どうしてそんなにモテるの?とは思った。
とは言え、殺人で起訴されたカイヤの弁護士トムによる法廷劇は、見どころ満点で面白かった。検察は、チェイスが身につけていた貝殻のネックレス(カイヤがプレゼント)がなくなっており、カイヤによる犯行と主張。弁護士役デビッド・ストラザーンの演技が実に見事であり、事件時被告は別の町におり、僅か1時間でバス移動による殺人を冷静に敢行する必要があり、とても無理でしょう。無垢な彼女を容疑者とするのは“湿地の子“と見る偏見からでしょうと、陪審員に強く訴えかける。その結果、めでたく無罪ということになる。
その後カイヤはテイトと結婚し、湿地の生物たちを本にして何冊も出版。当初テイトが怪しいと思っていた私だが、どうやらそれはハズレで、事故ということらしいと納得するのだが、最後に静かな大逆転劇があった。
自分も上手く騙されたと、思わず拍手を送りたくなる幕切れであった。見ている時は気が付かなかったが、主題歌はあのテイラー・スウィフト作詞作曲による書き下ろしのものだそう。
監督オリビア・ニューマン、製作リース・ウィザースプーン、 ローレン・ノイスタッター、
製作総指揮ロンダ・トーレフソン、 ベッツィー・ダンバリー、原作ディーリア・オーエンズ、脚本ルーシー・アリバー、撮影ポリー・モーガン、美術スー・チャン、衣装ミレン・ゴードン=クロージャー、編集アラン・エドワード・ベル、音楽マイケル・ダナ、オリジナルソングテイラー・スウィフト。
出演
デイジー・エドガー=ジョーンズカイア(高橋雛子)、テイラー・ジョン・スミステイト(近松孝丞) 、ハリス・ディキンソンチェイス(小林親弘)、マイケル・ハイアット(斉藤こず恵)、スターリング・メイサー・Jr. (楠見尚己)、デビッド・ストラザーン(牛山茂)。
なせか満足度の高い映画
そもそも主人公のひとり語りってどうにでも説明できちゃうから映画の質として低いと思ってるし、それに加えて俳優たちのシンプルすぎる演技、深みのない人物描写、途中見るのが辛くなって流し見してたけど、見終わったらなぜかすごい満足感。復習モノが好きってのもあると思うけど不思議な映画でした。湿地の娘のあまりの洗練さも見終わったあとはまあ良いかと思わせるほど。湿地の住人といえばペーパーボーイ 真夏の引力という映画のニコール・キッドマンとマシュー・マコノヒーが圧巻でしたね。あんな美男美女なのにザ・ホワイトトラッシュという様を見せつけてくれました。この主人公の女の子もあの味が出せればもうちょっと印象変わったかも。
そうきたか〜
途中から展開読めるけど、なるほどそうきたかーって感じでおもしろい。
父がこの子と2人になってから性的虐待しない展開でほっとした。
何かで読んだけど、この子が本当に好きだったのはあの貞操を捧げたDVおぼっちゃんで、やっぱ帰ってこなかった奴のことは一生許せなかったんかなって、しっくりくるなぁ。
最後は湿地と共に眠りについたのも…。
湿地がジメジメしてて、わーめちゃくちゃ虫がいそうって何回も考えてしまうし、あんまり美しいって思えないので、何度も観たい映画ではないですけど面白かったです。
良かった…
おすすめされて観ました!
個人的にハッピーエンドが好みなので、最近よくある「ラスト数分のどんでん返し」みたいなのが苦手なのですが(最後まで何があるか分からなくてドキドキするから落ち着かないと思ってしまう)、それは置いておいて良い映画でした。
あの貝ネックレスを取ったのって、疑われないように、もあるだろうけど、カイラのことを本当に好きで、そのままの彼女を見てくれて、自然のことも尊重してる気持ちからではなかったと分かったからあなたには付けてて欲しくない、ふさわしくないから返して!みたいな気持ちもあったんじゃないかなぁと、観て一夜明けてから思いました…。
カイラ亡き後日記を見つけたテイトの顔ね…。そしてそれを湿地に葬りさる、湿地は全てを受け入れる。あれをどうしたらいいか分からなかったのか、愛なのか。
でもカイラのテイトへの愛もまた本物ではあったと思う。
町の人から蔑まれて、ずっと天涯孤独で自然の中で自然と共に過ごしたカイラにとって、自然の方が身近で、生きる為にはカマキリのメスがやるようにオスの命を奪うことはむしろ自然なことに思えたんだろうなと。
ボンボン息子(名前忘れた)のお母さんすごいいじわるに見えるような演出であったり町の人が偏見たっぷりなように描かれてて、カイラが善人、町の人が悪みたいな構成が出来てたと思うけど、やっぱりカイラ殺人は犯してた。その上で「湿地の娘」カイラのことをあなた(視聴者)はどう思うかと問われる気持ちのする映画だったように思う。
ボンボン息子も誰にも本当の自分を理解してもらえないけどカイラだけはみたいな、彼女に自分の理想とか願望を押し付け投影してたんだと思う。風のように自由なカイラが羨ましくもあったんだろう。でも自分のモノにならないから癇癪でのあれかなみたいな…。ないわ…。
男の人とか社会とかにひたすら翻弄されまくっててほんとに見てて痛々しかった。
タイトルの意味は、お母さんが言ってた、殴られた時?お父さんがやべー時はザリガニが鳴くところまで逃げなさいってやつからだと思う。逃げなさい隠れなさいってことで、お母さんはそうした。カイラはそれもしたけどそれだけじゃなくて牙も向いた。
映画の中で彼氏たちはカイラを町の人の1人にさせようと試みたりしたけどカイラと町の人の間には心の深いところに超えられない壁があったんだろうね。
ミステリーになり得ないほど
差別的な容疑とは言え
殺人事件の犯行は明かさないまま
アンニュイ進行で淡々と半生を追う。
差別と愛憎の本質に迫る展開だし、
アメリカ映画だし、なるほどそういうテーマの
映画だよねと思った。
が、そこからのラストは久々に鳥肌エグい。
蛍は伏線だったのかよ!!
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