ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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異質なものを疎外する人間の性。
いやーな映画。描かれる父や恋人のクソな所業がとにかく許せなくて、映画のこととは思えないほどに腹立たしい。報道されることは氷山の一角で、いまだに至る所でこのようなことが起こっていることに嫌気がさす。
だからこそ、裁判後に訪れる穏やかで幸せな時間がとても沁みる。かつて話題になった某洗剤のCMでもあったのような老夫婦像。
そして、大ラスの展開はやっぱりといった感じで、してやったり。
この数年で観た映画で最高傑作!
展開はありきたりのようで、そうでもなし。
主人公のカイヤ(デイジー・エドガー=ジョーンズ)の
シュッとした演技力が全体の場と時間を引っ張っていく。
サスペンス・法廷劇・ラブロマンスと王道ごった煮に加えてフォレスト・ガンプフォーマットを使った鬼の4層構造。
スティーブン・キングばりの最後まで気の抜けない怖さと
人間のしたたかさ、たくましさが根を張っている映画だった。
チェイス役のハリス・ディキンソンは本当はいい人だと思うけどがっぷり見入ってしまうクソ野郎さ。こういう俳優がいるから映画は没入できるんだぜぇ。
湿地の自然が美しい
少女の成長物語+ラブロマンスを美しい湿地の自然と共に紡ぐ。
全体的に暗く物悲しさに包まれている時間が長い。
時代的にもノスタルジーを感じる映像。
ジャンピンは貝を買い叩いているのか?
税金払えるのか!
給食食べないのか!
グループホーム入った方がいいんじゃ?
母の手紙には何が書いてあった?
土地取られる?
変人扱いされてなければ、あの家で一人暮らしは危ない。
予告をまだ見ていない人は本編から観ましょう。
ザリガニは鳴かないそうです
けど、ワタシが泣けるわー
一人でも立派に生きていってくれー
けど風呂入ってんのか?女のコやしな。
心配や。
ええ彼氏できたやん。
次の彼氏は顔つきからしてクズ男やけど
それでええのかー?
前の彼氏とヨリ戻ってよかったやん
あーずっと寄り添って行くんやね
あー最期は幸せ満載で逝くんやね
完全に感情移入して
涙腺爆発のエンディング
で、真相はコレ?!
ミステリーならではの快感です。
80点
4
TOHOシネマズ日比谷 20221130
パンフ購入
やったー月間10本 新記録
湿地が美しい
予告編を観て結構なサスペンスかなーと思っていたら、
これはラブロマンスですね!
冒頭の家族が全員出ていって一人ポツンと湿地で取り残された少女の姿に、胸が苦しくなりました。
でも、あの雑貨屋さんのご夫婦やテイトに支えられながら、ささやかで幸せな生活を送っていたカイヤ。
だからテイトの行動には、オイ!!でしたね。
確かにわかるよ!!!
ここで帰ってきたら物語終わっちゃうからさ!!
でも、そりゃないよ!!!テイト!!
湿地はくすんだ色合いの緑や薄紫、薄い茶色で
彩られており、とても心が穏やかになる風景でした。
カイヤの本も読んでみたいですね!
終わり方も好きで、とても面白かったです。
まあまあ
まあまあ面白かった。けど、こんな美人が辺鄙なところにのけ者にされて住んでるのが意味分からん。彼女が好んであそこに住んでいるのはいいけど街の住民全員がのけ者扱いしているのがしらける。あと、真っ暗な中あんな高いところに登っていかないだろ、愛しの彼女が待っていたとしても。その辺しらける。
何通りも考えられるラスト
まず6歳の子どもを置いて自分だけ逃げた母親が許せない。カイアの幼少期のシーンが可哀想で😢...。テイトとジャンピンさんご夫妻だけが救いだ。チェイスに関しては最低の男という感想しかない。カイアに対してだけではなく、友達にも横柄な態度だったのでは?容疑者になり得る人は他にもいたかもね。ラストのあの表情は?そうだったのか!という驚きなのか、知っていたのか!かもしれないですね。
カイヤが湿地を離れなかったのは、母親が迎えに来てくれるのを待っていたからなのだろうか?
終幕近くまで真相がわからなかったので、それで、事件なの、事故なのどっち〜と思いながら観ていた。カイヤはすごい。学校にも通わず、一人でがんばって生きていた。チェイスの助けがあったとはいえ、字を覚えて、図書館の本を読破し、果ては観察眼を生かして自分で本まで出版しちゃうなんて… カイヤは母親のようにはならないと固く決心していたのかなぁと思った。暴力から逃げるだけの人生を送りたくはないと… 彼女は村のほんの一部の人たちからは協力されていたが、ほとんどの人からは差別されていた。それでもなお一人で生き続けていた。強いなぁ。彼女の人生を思うと、頭が下がる。それでよかったのだろうか? 私にはわからない。
井の中の蛙でも大海は知っとこう
親、姉妹に恵まれなかったが捨てる神あれば拾う神あり♪
見てくれてる人はいる。
人と関わり始めると孤独を感じてしまう。だけど悪いことばかりではない。
今、人と関わることが当たり前だけどこの映画を通じて関わる人を自分で選ばなければいけないことを考えさせられた。
本当に愛した人と人生を共に生きられたことで彼女は幸せだったのか…
最後【君に読む物語】思い出したくらい泣きました!
事件の真相は初恋のなかにある!!
1969年のノースカロライナ州
静けさの中で川から飛び立つ鳥の羽ばたき
湿地帯を覆う木々の自然界。
ある日、少年2人が見つけた沼に横たわる
男性の死体。
死体はチェイスでした。
カイアにチェイス殺害の容疑がかかります。
ストーリーは、孤独と初恋を主軸に描かれています。
父親に暴力を振るわれて、家を去る母親
それに続いて次々と家を出ていくきょうだいたち。
学校に通うことが出来なかったカイア。
何かあったらザリガニの鳴くところまで
逃げろと助言を受けていたカイア。
6歳の少女が孤独を抱えながら必死で
生きていく強い生命力を感じました。
湿地帯の地面に根付いた森林。
朝霧の靄がかかる中で水面に浮かぶボートを漕ぐカイア。
羽ばたいていく雁を見て、カイアがどんな人生
だったかを考えさせられるストーリーでした。
世捨て人
世間と距離を置き、男を通じて社会での身の置き所のなさにもがく女性が描かれている。どこで生きるか、どこで死ぬかってのにとらわれると人生はぎゅっと難しくなる。ただしこの人の場合は自分が1番生きる場所を最初から知っていたので、苦しさも増すし、木と木の間の「世間」の風穴から、火の粉もふりまくってくる。
しかし、作品は引き込まれない。サスペンス風だが話を動かしているのは愚かな男のようで、サスペンスの必然性がない。女性も男も幼稚に見える。マジカルニグロもまだやっている。
映画という総合芸術の高みを堪能できる名作
封切り当時、チラシ&ポスターのビジュアルやちらほら見ていたレビュー、コメントからなんとなくホラー色を感じてしまい、迷っている間に終わってしまいました。
それでも、映画仲間の人たちにも評判がよく、中には2022ベストムービーと言う人もいたので、ようやく下北沢トリウッドで。
2/11〜すでに上映していたのに気が付かず、3/10(金)で終わるところ、週末駆け込みで。
これは、観れてよかった!
ミステリー要素も映像美の要素も、普遍的な偏見や差別への警鐘も、自然(そのものも、それを体現する主人公という存在)への畏敬も全部入っていてあの完成度は凄い!
ストーリーや映像から芸術への昇華のさせ方などいろんな意味で実に「ビックリ」なクオリティ。
あまりの余韻にパンフレットを求め、映画館のスタッフさんに話しかけ、帰宅途中でじっくりと読んで映画を噛みしめました。
これはもう一度、もう二度見てもまだまだ映画の深みにハマる気がしました。
また、2014年に公開された『MUD』という、、マシュー・マコノヒー主演の少し設定の似た映画を思い出しました。(当時この映画にもいたく感動しました)
ちょっとエキセントリックなタイトルからは全く想像できない、こんなに美しく深層のあるドラマが描かれていたとは(墓場まで持って行く秘密はともかく)、原作にもそれを映像化したプロデューサーのR・ウィーザースプーンと制作チームにも、ただただ脱帽です。
ラストは、流れから「もしかして」と思ったらその通りでした。だからこそ、自然(とそれを体現した主人公)への畏敬がもう一つのテーマになっていると感じました。
主人公のmarsh girlは、荒ぶる自然そのものだった…ということが、映画の最後でわかるのです。
良い映画でした。語りたいです。
自然とともに生きた少女の残酷で幸福な物語
原作小説は読んでない上でのコメントです。
この作品はカイアという沼地で育った女性の半生を描いた作品でした。
カイアは幼い頃に家族が離散し、生家である沼地に残されたことで社会性がないまま育ってしまった。前半は幼い少女が一人で苦労して生計を立てる姿に心打たれました。しかし、成長するにつれ、初恋や本を出版するなど心地いい場面もありましたが、目を覆いたくなるシーンも増えました。ただ、思春期の感情に振り回されるシーンを生々しく描写したことで、頼る人がいない孤独感や信じてしまう一途な純真さも伝わってきました。こういった境遇や事情が伝わったからこそ、ただの殺人事件という薄っぺらいものにならなかったような気がします。
本作は受け取り手によって見方が大きく変わる作品だと思います。見終わった直後、カイアの軽率な行動や身勝手さが招いたことに納得がいきませんでした。でも、思い返せば、カイアにとって生きるために恐怖を消し、生きるために嘘をつき、生きていくために生涯隠し通しただけで、全ては生きていくための行動だったと思います。そこに後悔はないし、その後も必死に行きたカイアは強い女性だと感じました。
やはり、善悪で片付けられない作品は難しいです。
原作を読んでとても素敵で美しい作品だと思ったので映画も見た。 映画...
原作を読んでとても素敵で美しい作品だと思ったので映画も見た。
映画のロケ地はノースカロライナではなくルイジアナ州だそうだけど、小説を読みながら想像していた、カイアが生まれ育った湿地帯の美しい姿を映像で見られてとてもよかった。
この小説には様々な要素があって、素晴らしいミステリとしても有名だけど、貧困や差別を描いた社会派文学性もあり、親に捨てられた少女カイアが美しく聡明に成長する姿を描く成長譚でもある。
映画ではその要素が広く浅く取り入れられていて、カイアと恋人たちの恋愛シーンとミステリ要素を主軸にしている。あの濃厚な小説を2時間の映画にするために、やはりいろいろな要素が細切れにされていて、目まぐるしくいろいろな事が起こる。拘置所のサンディ・ジャスティスを映像に詰め込んでくれたのは良かった。
この小説で一番心に残ったのはカイアの成長譚としての要素で、一人の少女が差別や貧困に苦しみながらも賢明に生き、よい人達に出会いながら美しく育ち、そして秘密を残しながら去ってゆくところまでを丁寧に描いていて、それが最後に余韻となって響いていたと思う。
なのでその過程を丁寧に描いている小説のほうが最後の余韻も深く感じた。
あと自然は映像化してもその美しさは変わらないが、人物については映像化するとイメージが固定化してしまうので、文章で読んでいる方が想像力が良い方に働いて自由に読むことができ楽しく感じると思った。
原作を読みたくなる
面白かった。自然の美しさの中で育つも、人間の醜い部分の対比を見せられ、気持ちが入っていく。
小さい頃から孤立する環境に置かれ、それでも支援してくれる人がいる中で大人になり、恋や失恋を重ねていく。彼女の淡々とした演技がいい。
演出が上手いのか。
ディキンソンの存在感大きかったな。若手有望格らしく堂々とした中に繊細さが垣間見える。
ラストは原作どうなるのかな、是非読みたい。
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