犬も食わねどチャーリーは笑う

劇場公開日:

解説

ある夫婦の互いにゆずれないバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ。

結婚4年目となる裕次郎と日和は、表向きは仲良し夫婦に見えたが、鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出さすツールとして出合ったのが、SNSの「旦那デスノート」だった。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。書き込んでいるのは、チャーリーというハンドルネームの人物だった。チャーリーとは、裕次郎と日和が飼っているフクロウの名前と同じで……。

裕次郎役を香取、日和役を岸井ゆきのが演じるほか、井之脇海、的場浩司、余貴美子らが脇を固める。監督は「箱入り息子の恋」「台風家族」の市井昌秀。

2022年製作/117分/G/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2022年9月23日

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(C)2022“犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

映画レビュー

3.5いかにも日本的な仮面夫婦。笑えるかどうかは観客次第

2022年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

市井昌秀監督の出世作「箱入り息子の恋」(兼脚本)は、かなり昔に観て細部を忘れてしまっているものの、不器用な男女の恋の機微を繊細に描くストーリーが好ましく愛おしいと感じたことを覚えているし、星野源の演技者としての魅力を広く世に知らしめる一作でもあった。

「箱入り息子の恋」が恋愛の上り坂を描く話なら、市井監督がやはりオリジナル脚本で臨んだ「犬も食わねどチャーリーは笑う」は結婚の下り坂、あるいは崖っぷちを描く話と言えるだろうか。香取慎吾が演じるホームセンター勤務の裕次郎は、客として出会った日和(岸井ゆきの)と結婚して7年後、共働きの妻に食事の支度や掃除、ペットのチャーリー(ふくろう)の世話まで押しつける身勝手な夫になっている。日和の不満に気づかない鈍感さのせいで、得意げに披露する雑学が余計にうっとうしい。だが日和は、直接言えない日頃のうっぷんをSNS「旦那デスノート」にぶちまけていた。職場の同僚からそのSNSの存在を教わった裕次郎は、“チャーリー”名義で書き込む妻の本音を知ってしまい……という展開。

香取は今までにない役柄に挑戦しているが、SMAP時代にバラエティ番組などで発揮していたコメディアン的資質を封印したことで、笑っていいのかどうか分かりづらいキャラクター描写になってしまった気がする。また裕次郎と日和の関係性も、同調圧力が強く本音を隠しがちな日本人の夫婦にありそうなエピソードで語られるが、観客が既婚者なら思い当たるふしがあるかどうか、あるいは両親や身近な夫婦などに似た状況があるかどうかで、楽しく笑えるか、それとも苦笑いになるのかが分かれそうだ。

ファミレスで空いたボックス席をはさんで裕次郎と日和が会話する場面、終盤の日和が勤めるコールセンターでやはり日和と裕次郎が距離を置いて対峙する場面では、ワイドな画角を活かした映画らしいショットが印象的だが、後者のシークエンスでは夫婦のやり取りを日和の職場仲間が(ひっきりなしの着電を放置して)延々と見守るという状況が、あり得なさすぎて観ているほうが気恥ずかしくなってしまう。

あと、中田青渚や徳永えりなど、若手の成長株の使い方がちょっともったいなかった。脇キャラに長々と尺を割くわけにいかないのもわかるのだが。

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高森 郁哉

3.5香取慎吾が体現する、シンプルで明瞭なメッセージ

2022年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

香取慎吾の主演作。これまでにキャラクターものを演じることも多かった香取だが、
今作では等身大の平凡な男として、作品世界を生き切っている。
少々鈍感すぎて、「妻」を苛立たせる要素がたっぷり過ぎるほどに詰め込まれているけれど……。

世の中の夫たちには、身に覚えのあるエピソードが幾つかは潜んでいるような気がします。
かくいう私も、本編を観ていて背筋がゾゾゾとしたくだりもあったんですけどね(苦笑)。

「旦那デスノート」なんていう、ドギツイ単語が強烈なインパクトを放っていますが、
この作品が伝えたいメッセージはもっと明瞭でシンプルなものです。
市井昌秀監督をはじめとする製作陣の思いを汲み取った香取慎吾と岸井ゆきのが、
作品をコメディにも、ヒューマンドラマにも仕立ててくれます。

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大塚史貴

3.5☆☆☆★★★(ちょい甘で) 原作?ノベライズ?とりあえず小説版とし...

2024年3月15日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★★(ちょい甘で)

原作?ノベライズ?とりあえず小説版としておきますか読了済み。

ちょっとだけの感想で。

あ?惜しい!笑えそうでなかなか笑いにまで繋がって行かない。
小説版を読んだ時には、最後に訪れる《阿鼻叫喚に至る)罵り合いに、思わず大笑いしてしまったのに、、、
そこに至る多くの伏線もあり、「お?これは上手いこと行けば、劇場内爆笑するかも?」と思ってはいたのだけど。
〝 その場面 〟の演出が今一つだったのが恨めしい。
《その時》主演の2人にフォーカスし過ぎていてしまい、コールセンターとゆう場所の〝 妙 〟が死んでしまっている気がしている。
結婚式の場面の《あの場面》ではクスクスと笑わせてくれたのになあ〜

それでも岸井ゆきのは素晴らしかった。
彼女を見るだけで入場券を買う価値は充分にある(6回観たら1回無料を使って観たけど)
彼女の喜怒哀楽の表情を存分に堪能すべし…と言わせて貰いたい。

「それしか強調するモノは無いんか?」と問われたなら、「それだけでもいいじゃないか!」と言うしかないだろう…と。

言ってしまえば、『花束みたいな恋をした』の冷え切った夫婦版と言って良いのかな?

い い 意 味 で

2022年9月30日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン7

ところで、ラストシーンだけ小説版と変えていた。
小説版では〝 あの2人 〟

まあ、そこまで小説版の通りにしなくてもいいか?…ってところですかね。

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松井の天井直撃ホームラン

3.0笑って良いのか分からないです、結婚してないので、、

2024年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

序盤は面白かったんだけど、段々とメッセージも展開もバタバタして惜しいな〜、、という印象。理解し合うことは大切だけど、順序や形を求めないと分かりあえない部分も多いと思う。

割と設定はありそうで斬新。しっかり夫婦としての期限が切れており、旦那デスノートを知ってしまう。さらに、それが奥さんであることも前提で進んでいる。CMできみまろが漫談風に宣伝していることからも、夫婦のすれ違いとあるあるコメディのテイストが強い。色々な顔を覗かせながら進めてくれるが、中盤でひとまずピークになってしまった。言いたいことをネットに吐くのはたしかに楽だけど、その言霊を浅はかにしているのは、なんか違うと思わせる。きっと、メッセージ性のブレが出ているからだろう。

主演は香取慎吾さんと岸井ゆきのさん。年の差で立場も違う…そこを引き出しながらも夫婦である以上、上辺の対等さをうまく描いている。ただ、それも暴発寸前な状況なので、ありがちな展開が詰め込まれて、よく分からない終盤になってしまったのかなと思う。非現実らしさはフィクションらしいと褒められなくはないけども…。

写った島忠が知っている島忠で面白かった。なんとなく気になったあの人との接点も忘れそうになるけど、思い出せる場所や機会があることは良いことなんだと改めて思った。

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たいよーさん。