線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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滲む
不思議な感覚だ。
癒しを感じてる。
形など無くていいんだ、囚われる事はないんだよと、優しく柔らかく語りかけられてるような感覚だ。
なにか…肩の力がスーって抜けてる。
ファーストカットは横浜氏のUPからだ。
まるで物語の羅針盤のようで、進んでいく道が示される。彼は彼の非日常に出くわしたのだ。
見た事もないモノに遭遇し感情が動く。
タイトルコールまでの導入は大好きだ。
緩やかに、されど鮮烈に作品に誘われる。
前半は逆光とハレーションが印象的だった。
主観の表現の一つなのだろうけど、的確だった。眩しく写っていたのだろう。なんかこおいう感覚ってあったなぁと思う。いつ頃から忘れてしまったのだろうか?
成長と言えばそれまでなんだけど、昔、世界は未知なるモノで溢れてて、掻き立てられる好奇心は止めどなく、それらは常に目映く光ってたように思う。
大人になるにつれ、物事を知り限界を感じ、手の届かぬモノを手が届かないと断定し、いつしか億劫にもなっていったのだろうなぁ…。
突き動かされる衝動に身を任せていた頃が懐かしく、作中の人物達がとても眩しい。
役者陣は皆様素敵だった。
題材とかテーマに由来するのかも知れないが、素体とか自然体なんて印象を受ける。
三浦さんが抜群で…水墨画の本質さえ纏っているような雰囲気に魅せられる。
芸術家らしいエゴイストさにも説得力がある。
差し障りなければ円熟した色気と絶賛したい。
清原さんなどはノーメイクにも見える。そんなはずはないのだけれど「素材」に焦点を当てた結果なのかと、細やかな演出の一端を勝手に想像したりしてた。横浜氏も見事で…脱力と言うのだろうか?アレが彼の自然体だとは思えないのだけれど、自然体ですと言われても納得してしまうくらい違和感がなく仕上がってた。
印象に残るのは、病院のロビーで彼が心情を吐露するシーンだ。このシーンの主役は間違いなく彼なのだけど、彼を写す事をしない。後ろ姿だったりボケてたり。
まるで、監督が「そんな顔見せたくも、見られたくもないよね」と優しく慰めてたように感じてた。
人が人に接する時の距離感というのだろうか?優しさが含まれる視点を体験させてもらったような気になってた。
とかく現代は主張が激しい。
こうあるべきとか、コレが正解とか、ルールとか…四角四面で形に嵌められたり、形を要求されたり。
白黒つけりゃ安心なのは分かる。誰かの成功例に追随したくなる狡猾さも。
だが、少なくとも、雁字搦めにする必要はないように思う。余白を持たないとやり切れない事ばかりのように思う。水墨画のように滲む事を受け入れればいいんじゃないかと思う。
後半、摺った墨が全く水と乖離して、墨の輪郭を明確に写す。アレが個人の意思だとして、それを用いて描いた水墨画は漆黒ではなく、溶け合い柔らかな濃淡を滲ませて完成する。
人も意思も滲んで溶け合って形成されていけばいいのだと、白は白、黒は黒でなければいけない時もあるけれど、そうでないものでも、ちゃんと行き着く場所はあるのだと、そう言ってもらえたような気がした。
そして、素体だからこその良さはあると。
他人の為に着飾る事はなく、他人の為に化粧をする事もなくていいんだよ、と。
独善的で排他的な「我が道を行く」ではなくて、共存と学びを携えた「我が道を行く」ってのもあるんじゃないかと。
なんか俺は今とても和やかだ。
日本版ショーン・コネリー
悪くはない、白紙は、才能がある。
しかし、出来る、出来ないは、
やらなければ分からない。
「僕は、線を描く」ではなく、「線は、僕を描く」の意味、分かりました。線は才能なんですね。
今の三浦友和、どの作品もいいですね。特にこの作品のは。「さよならジュピター」の三浦友和、何処に行ったんでしょうか。
水墨画…⭐︎
「ちはやふる」は鑑賞していないので、比べられないのだが…
行く予定ではなかったが、評価が高かったので行ってみることに。
いやぁ、なかなか面白かった。
水墨画がというジャンルに、スポットを当てたところも素晴らしいが、
何より作品としてまとまりがあり、個人的には今年見た映画の中でも
結構上位にランクイン。
予告編では、横浜流星主演とのことだったので なんかアイドル映画の
隣くらいのイメージでいたが全然違った。
横浜流星が、今までとは違う雰囲気を醸し出していて良いし、その他の
脇も手堅く固めている。
清原果耶が、三浦友和演じる水墨画の大家の孫にピッタリ。
江口洋介や同窓の細田と河合もハマり役。
物語自体は、喪失と水墨画に出会ってからの再生が描かれているが、それも
変に作り込まずに素直に描かれていて好感が持てる。
鑑賞後、本当にもっと水墨画を見てみたいとしみじみ思った。
エンドロールの前に、CGと思われる水墨画で、登場人物の紹介があるのも、
気が利いて素敵だった。
ただ、劇中のピアノを含むインストは物語に合って良かったが、女性ヴォーカルの
歌はうるさいだけで邪魔。
⭐︎-0.5
どうしてこうなるのかなぁ…と残念。
もっとシンプルにして欲しかった
私個人の好みの問題だと思いますが、千瑛さんを無しにするか、もっと抑えた出方が良かったと思いました。
その分、主人公が水墨画を描きまくったり葛藤しているシーンや、師匠や胡峯さんの場面をもっと多くして欲しかった。
水墨画サークルとか美人絵師…というくだりもいらないと思いました。
そして、故郷でツバキを見つけるシーンも、一人で行って霜介自身が花を見つけて拾い、一人で泣く方が良かったなぁと思いました。
主人公の心の変化、水墨画への向き合い方の変化などをもっと丁寧に映像や表情で表現して欲しかったです。横浜流星さんは細やかな演技のできる俳優さんだと思うので、そう言うのをもっと出して欲しかったです。
連載漫画でしたら、千瑛さんの出番があれくらいある方が良いと思いますが、映画なら霜介の心の変化と成長のみに焦点を当ててもらいたかったなぁと思いました。
あと、映画館の設備の問題が知れませんがBGMが結構うるさかったです。
と、不満ばかり書きましたが、根幹となるストーリーも役者さんも良かったです。水墨画自体も水墨画の話も面白かったです。
良い映画でした
『ちはやふる』は観ていません。原作小説既読です。ストーリーは小説と少し変えられていますが、脚本が良いし映画の方が視覚にうったえてくる水墨画が圧巻でした。主演の横浜流星さんの最初のシーンから引き込まれてました。本当に繊細な演技で青年の喪失から再生まで表現されていたと思います。(流浪の月とは別人のようです)清原果耶さんは相変わらず上手いです。キャストは少ないですが全員が演技達者なので飽きませんでした。最後は清々しさが心にじわっと沁みるストーリーです。最後のエンドロールまで水墨画が素敵でした。ただ曲が少しイメージと違うように感じました。
水墨画に一見の価値あり💕
原作がとても好きで、水墨画を見たい見たいと焦がれていました。
今作でその夢が叶いました。
原作とは全く違う物語は良くも悪くも普通で、特に感動はありません😅
それでも…‼️数々の水墨画がとてもとても素晴らしい✨
水墨画だけでもというか、水墨画だけ、見る価値あると思います。
原作はやや一本調子な印象です。だから、映画の話に感動して原作を読むと、ちょっと物足りない思いをするかもしれません。
原作に感動した人が見て、いちばん楽しめる映画だと思います❣️俳優陣の演技はとてもよかったです。
白と黒に象徴される青春ドラマ
【鑑賞のきっかけ】
原作小説は、未読ですが、「水墨画」を通しての人間模様という、これまで目にしたことない内容の映画ということに興味を引かれての鑑賞でした。
【率直な感想】
<白と黒の二項対立>
主人公の大学生・青山霜介は、水墨画の巨匠・篠田湖山に目をかけられて、内弟子となり、修行することになります。
初めて湖山の家を訪ねた時、霜介は、水墨画を描く湖山の孫娘・千瑛の姿を目にし、これが初対面となるのですが、このシーンで、二人の服装に着目しました。
それは、霜介は、「白」のシャツを着ており、千瑛は、「黒」のドレスであるということ。
その後のシーンでも、柄物を重ね着したり、すべてではありませんが、基本的に、霜介は、「白」基調で、千瑛は、「黒」基調の服装です。
水墨画は、白い紙に黒い墨で絵を描きます。
二人が、水墨画の「白と黒」を表現している存在であると考えられます。
恐らく、霜介は、まだ水墨画を習い始めたばかりで、筆は握っていても、描く主体にはなりきっていない。だから、描かれる側の「白」で表現されている。
一方、千瑛は、まだ水墨画家として花開いていないけれど、十分に実力はつけており、描く主体になっている。だから、筆を持って描く側の「黒」で表現されている。
このように考えつつ、鑑賞を進めました。
映画は、中盤にひとつの見せ場を作るパターンがありますが、本作品でもそれを踏襲しています。
この見せ場で、面白いことに、「白シャツ」が重要なアイテムとして登場します。
なかなか面白い演出だな、と感じました。
その後、二人の「白」と「黒」がどうなっていくかは、ネタバレとなるのでこの辺りで留めておきますが、二人の心情や水墨画への向き合い方の変化によって、次第に服装にも変化が生じていきます。
<黒の濃淡>
水墨画の大きな特徴は、墨の黒色には、濃淡があって、そこから、描かれる対象物に立体感が生まれ、黒という単色でありながら、多くの人を惹きつける画法となっていると考えています。
この「黒の濃淡」は、「劇場映画」の撮影技術にも取り入れられているようです。
水墨画のように、単純な黒一色で表現しているのではなく、「濃淡」を描き出しています。
このため、例えば、バットマンの劇場映画では、夜のシーンに、黒いコスチュームのバットマンが現われたりしますが、バットマンが、周りの暗さに溶け込んだりせず、きちんとその動きが分かるのも、この技法のおかげです。
私は、絵画や映画の素人なので、詳しいことは分かりませんが、この東洋発祥の「水墨画」と、西洋発祥の「映画」の両方に「黒の濃淡」という技法が取り入れられていることは大変に興味深く感じています。
【全体評価】
「青春ドラマ」としては、霜介と千瑛の二人は割と淡々としているので、若者のはつらつとしたイメージを期待すると、ちょっと物足りなく感じる方もいらっしゃるかと思います。
私としては、「水墨画」の実力をつけていく中で、二人が成長していく様がこの映画の見どころと感じており、後味の良い作品でしたので、高評価させていただきます。
なかなか良い映画でした。
あまり期待せずに観に行きましたが、冒頭から吸い込まれていきました。
最後は、涙が出てました。
やっぱり流星くんはどんな役柄でも安定した演技をしますね〜
清原さんも、やっぱり綺麗で、可愛い!
クールな役柄で、たまに見せる笑顔がたまらん!
三浦友和さんも、なんか歳を取ってから演技に味が出てきたというか、ドラマクロサギでも良い味が出てる。
江口の兄貴はどんな役でもカッコいい!
あっ!肝心な映画の内容は観て楽しんでください!
豪華キャストですので、退屈せずにストーリーに吸い込まれていきますから!
やっぱり、キャストで映画の良さも変わりますね〜
芸術文化を浴びたい人へ。
芸術文化という心地よいミストを浴びている感覚。
「ちはやふる」の監督なのだが
勝敗を決める競技かるたとは違い
受賞を目指す大会の為
熱さが弱くなるのでは?
って思ってたら“静”の演出なのに
奥底が熱いのが凄かった!
素晴らしい。
横浜流星 さんはどんどん上手くなる。
そして個人的には 河合優実 さん。
メインじゃないのに存在感あったなー。
心落ち着きたい時にどうぞ。
水墨画って深いなぁ。
何故弟子に
とったのか、飲み込めないというレビューが多いようですが、作品に涙しているのを見ただけで誘うその軽さが湖山先生のいい所でしょう。別に弟子全員書画家にしなくて良いし、勿体ぶらない姿勢を三浦さんが好演したと思います。
今年の邦画のNO1🙌
よかった~🙌
水墨画と言うものを初めて知りました❗️
奥が深そうで面白いですね😊
世の中、いつ何が起こるかわからないと言う事教えてくれたあのシーンが。自分には一番刺さりました❗️❗️
キャストでは、清原果那と江口洋介が素晴らしかった👌
邦画では今年一番だと思います🙌
是非観てください🎵😍
起承転結がはっきりしている
ちはやふるの綺麗な起承転結と同じく
この作品もハッキリと区切りがあって見やすい
ただ、終わり方がさっぱり?しすぎてる?
なんかしり切れとんぼじゃないけど、個人的には最後はもう少し濃く描いて欲しかった。
清原果耶ちゃんはココ最近注目してる女優さんで、映画館の大きなスクリーンで彼女が動く姿を見れて満足。
ドラマでも自然な演技が好印象ですが、今回の役も自然で見やすかった。
江口洋介さんがどの映画、ドラマでもかっこいい…
今回の中盤なんて特に、家のテレビで見てたら声出ただろうなってくらいかっこよかった…。
水墨画の世界って今現在のこの日本でどんな位置なのかも、基礎的なことも何も知らないで見たので面白かった!これから展示会などがあったら見に行こうと思いました。
久しぶりの映画鑑賞、やっぱり秋の映画はいい!
これは良作
スッキリする感動作に仕上がっている。
原作は読んでいないけど、漫画は読んでいたので、ストーリーはわかっていた。漫画はわかりにくかった印象があるが映画は仕上がっていた。
個人的に好きな作品。
水墨画は生きてる
ムビチケが当たったので横浜流星ファンにまみれて鑑賞。
職人の技法を観るのはとにかく楽しい。
繊細でもありダイナミックな水墨画はとにかく美しい。
学生時代にやった中国水墨画の道具どこ行ったかな…。
線で描かれたような映画
凄く美しい映画でした。ストーリーにもよく出てくる「線」という言葉どおりの映画だと思います。
青山の「思い出すことも辛いのに忘れることもできない」というセリフが心に刺さります。映画ってこういったワンシーンが重要ですよね。
あと、西濱が龍を描く時の「あれっ」ってセリフの深さ、重さも好きです。
ただ1つ残念なのは、親友・古前君だけ全く世界観が違いチョットそこだけ違和感が残るところですね。
キャラと演技がそこだけ別世界って感じです。
水墨画の迫力と繊細さと奥深さ
水墨画をよく知らなかったが、人生半分損したのか?と思うくらい冒頭から水墨画の迫力、奥深さ、繊細さに魅了された。
スクリーン通してここまで計算できるものなのか?
三浦さんと江口さんの魂込めた演武?も圧倒の一言。
脚本に無理がなく自然。
そして、泣かされた。
個人的には今年ナンバーワンの映画。
大画面でこそ、見るべき作品。
横浜さんはこういう演技させたら天下一品だね。
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