線は、僕を描くのレビュー・感想・評価
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自分と向き合う事が水墨画なの?
想像してたテイストとは結構違ってました。
てっきり水墨画のコンテストとか、ライバルとのバトルとか、部活の友情とか恋話などの正統派青春物語かと思っていたのに、それら無かったな。
法学部の大学生、霜介がバイトをしていたら突然、水墨画の巨匠、湖山に弟子入りを提案される。ん?描いた事のない奴を??どうもチラッと見えた彼の人間性から才能を見出したっぽい。は?水墨画はテクニック関係ないの?
その後出逢う、巨匠の孫、千瑛、彼女はお爺ちゃんとソリが合わす、ツンツンしてる。
この2人が水墨画を通して成長していくお話。お互いが抱えている過去、それほど重くなかったかな。家族と向き合い自分を見つめ直しましょう的な。敵がいないのでハラハラドキドキはない、ジンワリしたストーリーでした。
楽しかったのは、江口洋介演じる西濱さん、巨匠のウチの事、面倒見まくりしてるので、もしかしたらと思っていたら、やっぱり!人は何かになるんじゃなくて、何かに変わっていくもんだね。そこそこ楽しめましたよ。
テーマとエンドロール
龍が紙の上を這う
できるできないではなく、やるかやらないか
原作がすごく好きで映画化と聞いて、しかも流星くんが演じると知り一番見たかった作品。
もともと水墨画をしていた父が買ってきた本でした。
水墨画展にも何度か行ったし、モノクロの中で描かれる世界観がとても美しく、生きるとは何かを考えさせられた。
映画は、いきなり流星のアップで始まり、ちょっと違和感。しかも長い、、。
展示会場が神社だったのにもびっくり。そしてそこでタバコを吸うのも違和感。ちょっと神様に失礼では?
そして展示の方法も建物に立て掛けてるだけ、というのは作品の扱いが雑では?剥き出しなのに、倒れたり雨が降ったりしたらどうするの?
やはりここは原作に沿った展示会場の方がよかったかな。
原作ではタバコを吸うのも深い意味があったが、映画では感じられなかったのが残念。
でも湖山、湖峰のライブパフォーマンスはよかった!
流星はすべて自分で描いたといっていたが、二人はどうだったのかな。
でも、三浦さんの繊細なタッチ、江口さんの大胆な筆さばきには、ワクワクした。
霜介の過去も原作とは異なっていた。自然災害?妹いたっけ?と考えてしまった。人生何があるかわからないが、「家族を失ってから能面のようだったけど霜介変わったね」と言われているのも少し違和感。そんなに喪失してるようには感じなかった。多分、いきなり水墨画に出会うところから始まってるからかもしれない。だから、喪失感のある霜介のイメージがなかった。
本を読む以上に絵を見ることで、水墨画の繊細さがよりリアルになり、私も線を描いてみたいと思った。
終わり方は少し物足りなかったかな。
千瑛はイメージ通りでした。美しかった、着物もよく似合ってますね。で、最後納得のいく作品描けたんだっけ?印象にない、、あれ?
挿入歌「LOST」は霜介の気持ちを表していてよかった。もっと聴きたいと思った。
墨の匂い…を感じた
真っ白な紙に描く線
清々しい感動作
平凡な話を1人で年一候補にしてしまう清原伽耶
いやいやいや。
個人的には、コレも年一候補だす。と言うか、またROBOTですよ。最近キレがあるんじゃないですか?キノが完全失速してるんで期待してます。
メインテーマになってる音楽を鼻から惜しげもなくガンガンに押してきます。コレがですね。ピアノが良いんですよ。明確に良いって分かるくらいに良くって。エンドロールを見たら、山田武彦さんでした。やっぱ実力あるんだと思った次第です。
物語りの方は、世の中そんなに甘くねーから!と軽く毒づきたくなるよな、甘ちょろワールド。三浦友和の吹き替えなしの筆捌きに軽く驚き。水墨画の素晴らしさに目を奪われ、掴みが良いんです。冒頭の好感度がダレないうちに清原伽耶が登場。この子の存在感ですよ。凛とした美しさですよ。
物語りが平凡で、起伏に乏しい事がバレてしまう頃には、清原伽耶にココロ鷲掴みにされてますんで、白ける事もなく「やや平坦」なクライマックスまで一直線。からの「行ってきます」。
全体的に淡々としてます。内心描写も舌足らず。セリフは少な目。演説かます人物はカオタだけ。って言う、フランス的しつこさの無さが良いです。
凡ゆる言葉での解釈が可能な「線は僕を描く」と言うタイトルも、押し付けがましさ・講説感が無くて好きだし、色恋沙汰にならないとことか最高。
良かった。
とっても。
タイトルバックとエンドロールの静謐な美しさには胸を撃ち抜かれました。
まったり
【"椿の花。自分の線は自分で見つけ自らと向き合う。"水墨画に魅了された青年が、深い悲しみを乗り越えて行く。大きな和紙に墨の濃淡を織り混ぜながら、様々な自然の姿を描き出すシーンも素晴らしき作品である。】
- 霜助(横浜流星)は、絵画展の設営のバイトをした際に、千瑛(清原果耶)の描いた椿の花の水墨画を観て、涙を流す。彼は深い悲しみを抱えていたのである。 -
◆感想
・久しぶりに映画館で映画を観て、涙が滲んだ作品である。
- それは、霜助の家族に起きた悲しみからでもあるが、彼が水墨画に魅了され、自分と向き合い前を向いて行く姿が、心に響いたからである。
横浜流星さんの前半から後半にかけての筆運びの違いにも、注目したい。-
・千瑛も水墨画の巨匠、篠田湖山(三浦友和:名優の粋に達して来たと思う。)の孫で、期待されるプレッシャーに押し潰されそうになっており、水墨画を描く楽しみを、忘れていた。
- 清原果耶さんが、水墨画を描く楽しみを忘れ、プレッシャーに悩む女性を好演している。着物姿も美しき哉。-
・水墨画を描くことに、哀しみを忘れるが如く、没頭していく霜助。千瑛は、時折アドバイスをするが、湖山は”悪くない”と言いながら、端渓の硯で何度も墨を刷らせ、水に溶ける墨の度合いを見て”もう一度”というばかり・・。
ー 小学生時代、習字を習っていたが墨をする大切さを叩きこまれた。当時は、嫌だったが現在は字も含めて、習わせてくれた両親には感謝している。
その後、大学の時に中国を一カ月放浪した際に、京都の寺社で見ていた水墨画を実際に描く人の姿や筆遣いを間近で見る事ができ、端渓の硯に出会い、中国の職人から良い硯の見分け方を教えて貰った事を思い出したシーンでもある。-
・一番弟子の湖峰を演じた江口洋介さんも、篠田家を明るく支える男を好演している。
<能面の様な表情だった霜助が、水墨画に魅了され、深い悲しみを乗り越え、前を向いて行く表情と姿が、とても佳き作品。
端渓の硯で墨を丁寧に擦り、感情を乗せた筆が、大きな和紙に濃淡を絶妙に織り混ぜた様々な自然の美しき光景を描き出す幾つかのシーンは印象的で、実に佳き作品でもある。>
■2022年11月6日 追記
今作を鑑賞したのは、2週間前だが、今作と並ぶもしくは超える作品が「パラレルマザーズ」「窓辺にて」etc.であったので、評点を4.0点から4.5点に変更します。
私は、映画を観ていて琴線に触れる作品には高評価をしますので。
悪しからず・・。
らしく
前に進む為の物語
監督のメッセージが欲しい
好きです
とても良い映画でした!
冒頭から横浜流星さん演じる霜介の表情に心を掴まれ、一瞬で物語に惹き込まれます。
その後にある水墨画パフォーマンスに圧倒され、釘付けでした。凄いです!
劇中に水墨画を描くシーンは沢山出てきますが、線を描くシュッという音や小皿で水を切る音がとても心地よく、白と黒だけなのにあんなに色鮮やかな生きた絵になるのが本当に凄い....
流星さんは1年以上かけて水墨画を練習されていたと聞いて、役に対する姿勢が本当に素晴しいですね。
霜介は過去のとある出来事で時が止まっていて空っぽな雰囲気がありますが、水墨画との出会いや三浦友和さん演じる湖山先生や江口洋介さん演じる西濱さん達と家族のような穏やかな日々を送っている姿に温かな気持ちになります。
ですが、前に進めないでいる理由を知ってからそれらの日々を振り返ると涙が止まりません。
楽しそうに水墨画を描く様子、周りの人達と関わることで明るくなる変わる様子、寂しげな表情、涙、どこを切り取っても繊細に演じられている流星さんのお芝居はとても魅力的でいつも心を奪われてしまい目が離せなくなります。
また、清原果耶さん演じていた強くて美しい、だけど心を閉ざしている千瑛も素晴らしかったです。強いだけではなく優しく弱い姿、表情ひとつひとつがとても繊細で一瞬も目が離せません。流石です。お着物姿はうっとりするほど美しいですね...
湖山先生の優しくて可愛らしい雰囲気もほっこりするのですが、西濱さんのカッコ良さにしびれました。気のいいお兄さんかと思いきや、水墨画を描く姿にしびれました!!
湖山先生や西濱さんが伝えてくれる言葉の数々が心に残ります。
「出来るできないじゃなく、やるかやらないかだよ」「何かになるんじゃなくて、変わっていくものなのかもね」
自分自身に刺さりました。
三浦さん江口さんの存在がとても大きくて、若い2人を支えてくれていますね。
予告を見ていて、霜介の喪失と再生の物語だと思っていましたが、霜介と千瑛2人の物語だったんですね。2人の友情でも愛情でもない、ライバル?戦友?のようなとても良い距離感の関係がとてもよかったです。
「線は、僕を描く」というタイトルの意味が見終わって初めてわかりました。私の線は見つけられていない気がする...
あとはエンドロールがとっても素敵でした。作品の余韻を感じられて、見終わった後の満足感が半端ないです。
音楽も素晴らしかったし映像もとても綺麗で、書ききれないことが沢山あります。
原作を読んでから、是非また映画を観にいきたいと思っています!
ベタだけど爽やか
理屈じゃないよね
映画の序盤、三浦さん演じる湖山が大きな水墨画を描くシーンが有るんだけど、シーンと言うより描かれていく絵そのものに胸を打たれるの。
もう理屈じゃないんですよね。開始早々、水墨画に心を掴まれちゃった。
もし、そこでこの映画が終わっても、満足してたかも。
それから、千瑛の登場シーンが美しいの。
光の中の清原さんが美しいの。
今まで観た清原さんで、一番美しいと思った。
千瑛はこの時は迷いの中にあったのだろうけど、霜介には美しく輝いて見えたのでしょうね。
それでですね、話は戻りますが、私は水墨画に対する知識はほぼ無いです。
それでも、この映画に登場する水墨画には、心を動かされたんです。
水墨画に限らず芸術って、それでもいいんじゃないかな。理屈じゃなくて感じれば。
そして、映画も芸術だと思うんです。
勿論、映画を楽しむには頭で考える事も必要です。
だけど、理屈を抜きにして感じる事も大切したくなりました。
そう言った意味では、この映画は、涙腺を刺激されるシーンや見とれてしまうシーンも有ったし、全体から温かさの様な物も感じたから、良い作品なのだと思うんです。
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