グッバイ・クルエル・ワールドのレビュー・感想・評価
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タランティーノっぽい邦画を作ろうとして失敗した感じ。
基本的にヤクザ映画は大好きなのでそこそこ楽しめたが、無駄に長い、そして作りが雑(ラストで安西と刑事が偶然出会うことはあり得ないだろう)、というか登場人物の生き方が雑。俳優陣はそれなりに豪華なのだがタランティーノっぽい邦画を作ろうとして失敗した感じ。そもそも政春(斎藤工)が美流(玉木ティナ)にちゃんと正当な分け前を渡しておけば話は終わっていたのではないか?音楽が良かった。そして奥野瑛太(最近よく見る気がする、顔は知っていたが名前は知らなかった)が一番ヤクザっぽく見えた。
豪華メンツ
シアン強めでグルーヴィにいっちゃう?
北野武かタランティーノか、、、
あるいはオリバー・ストーンの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のようでもある。
血しぶき飛び交うアクション作品だ。
画面の色調も青が勝ち気味で、よりクールに、よりプラスチッキーな感じを醸し出すので、大きめのボリュームで入っているグルーブ感強めの挿入歌群との相性がとても良い。好きなトーンだ。
印象的だったのは、アンザイ(西島秀俊)の元舎弟・飯島を演じた奥野瑛太だ。行き場を失った″どチンピラ″の姿を見事に演じ・・・というより、憑依させていた。
ホンモノだった。
違和感なくラストまで見続けられたのは、キャスティングが素晴らしかったからだ。
西島秀俊、大森南朋、鶴見辰吾、奥田瑛二、モロ師岡、斎藤工、玉城ティナ、宮沢氷魚、三浦友和、片岡礼子、、、
みなさん、ビッタリはまってました。
ありそうで、実は、なかなかない、素晴らしい映画だった。
思ったよりあっさり。ウケる人にはウケるかも?
まず結論から言うと、思ったよりあっさりした映画でした。決してダメというわけではないですが、予告編での誇張が過ぎた映画の一例ですね。もちろん拳銃だのライフルだので銃撃戦もあったしグロデスクで刺激の強いシーンもそれなりに見受けられましたが、淡々と続くシーンも多かったし、人間ドラマ的な部分が強かったですね。
序盤のいきなりの展開ではワクワクさせてくれました。金があるというだけでここまで人は狂ってしまうのか。強盗団、ヤクザと曲者たちのオンパレードで、なかなかに良い滑り出しだったと思います。とはいえ中盤で突然失速した感が否めないと言いますか、もっとてんこ盛り展開があっても良かったですね。もちろん落ち着いたシーンがあるのは良いんですが、もう少し短くして銃撃シーンを増やしたらさらに面白かったかも。だって「銃撃戦クライムエンターテインメント」と謳ってるんですから。自分の期待も少し大きすぎたのかもしれません。がっかりとまではいかなくても、少しばかり期待を裏切られたような気分はどうしても否定できないので、あんまり期待するのも考えようですね。ここまでちょっとしたダメ出しが続きましたが、序盤と後半は面白かったといえると思います。特に宮沢氷魚演じる矢野と玉城ティナ演じる美流の狂っていく感じが好きです。周りへの執着心、復讐心がとんでもないなと思いました。西島秀俊を筆頭とした他の出演メンバーもなかなか今までにはないようなクセの強い役柄だったんじゃないでしょうか。殺し方がぶっ飛んでるのもこういう映画ならではですね。最後が割と意外性のある終わり方だったのは好評できます。
面白い映画の部類には入ると思うので、これからはもっと激化した、同じようなジャンルの邦画作品が現れるといいですね。
悪党ばかり
「何にも思い通りにならねえな」
思い通りにならない生き方を強いられた人たちの物語。
強盗団とヤクザとの戦い。それに絡む悪徳刑事。
よくありそうなシチュエーションですが、なかなかおもしろかった。
強引なストーリーもありましたが、
そこはおもしろくするための展開、と割り切って見てくださいw
音楽がいいですね。ボビー・ウーマックにウイルソン・ピケット。
作品力低いけど西島秀俊ファンのみ楽しめる
西島秀俊、斎藤工、三浦友和、玉城ティナ、宮川大輔は即席の強盗団。 1億円近いヤクザの金を奪ったが、 当然のようにそれぞれが追われる身となる。
動画配信で映画「グッバイ・クルエル・ワールド」を見た。
劇場公開日:2022年9月9日
2022年製作/127分/R15+/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
西島秀俊
斎藤工
宮沢氷魚
玉城ティナ
宮川大輔
大森南朋
三浦友和
奥田瑛二
鶴見辰吾
片岡礼子
西島秀俊、斎藤工、三浦友和、玉城ティナ、宮川大輔は即席の強盗団。
1億円近いヤクザの金を奪ったが、
当然のようにそれぞれが追われる身となる。
ヤクザに雇われている刑事、大森南朋が5人を徐々に追い詰めていく。
ヒリヒリするような描写が続く。
ジャンルで言うならサスペンスアクションだと思う。
終盤で意外な裏切りの場面がある。
西島秀俊
「静かに暮らしたいだけなんだ」
「オレは家に帰りたいだけなんだ」
まったく同感である。
何事もなく平穏に暮らせることが幸せなんだと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
大森監督流のフィルム・ノワールとして
人的な信頼関係ではなく、その時々の利害関係によって(かろうじて)繋がっているだけで、それ故に、事務所のドアを鋼鉄製のものに変えたり、監視カメラで周囲を窺ったり、万一(?)の抗争に備えて常に事務所に若手(兵隊)を侍らせておかなければならないという特異な世界のことですから、その中に恒久的な「居場所がない」のは、当たり前といえば当たり前なのでしょう。
そんな「cruel(残酷な、過酷な)world 」ならぬ「狂える世界」の中でも、少しでも浮上しようとして、もがき苦しむ姿を見るのは、切ないといえば、切ないものです。
億単位のお金にはとんと縁がなく、月々のクレカの支払を決済できて安堵する小市民の評論子には無縁の世界ですが、もともと映画は(タキシード・夜会服の正装で)紳士淑女が観ていた時代から異世界を描いて来ましたから、これはこれで、大森監督流のフイルム・ノワールとして、良い作品なのかも知れません。
少なくとも「カネを返せ」「時間を返せ」という一本ではなかったと思います。評論子は。
全員がいかれていた
クライム・ムービーってやっぱりセンスが大事ね
つくづく日本映画はタランティーノに成り切れないと思ってしまった。
別にそれを狙った訳じゃないかもしれないが、大金を巡るクライム抗争劇、クセあるワルたち、バイオレンスにクールな楽曲…どうしても連想してしまう。
一応それなりに面白味のある題材なのだが…。
ヤクザの資金洗浄が行われているラブホテルを強盗団が急襲。大金をゲットする事に成功したが…。
強盗団は互いの素性を知らず、一夜限りの結成。もう関わり合う事は無いと思われたが…。
ヤクザは癒着している刑事を使って追跡。強盗団に情報提供だけの利用されたラブホ従業員と裏切りに遭った一味の若い女を突き止めた事により…。
強盗団の面々、刑事、ヤクザ、若いカップル…各々の思惑が交錯。
取り分を巡って仲間割れ。
せしめた金で人生再出発と穏やかな日々を得ようとする者もいれば、金欲しさに新たな強盗計画に加担する者も。
ヤクザの金を盗んだらどうなるか…?
刑事も弱味を握られ、従うしかない。
若いカップルは自分たちを裏切った連中に復讐を…。
面白味はあるのだが、どうも弾けない。
こういうクライム・ムービーの定石は踏まえている。裏切り裏切られ、殺るか殺られるか、死ぬか生き残れるか…?
では、何が足りないのか…?
見てすぐ分かった。
センスの欠如だ。
登場人物たちもクセあるように見えてステレオタイプ。
彼らが織り成すギスギスした人間模様も型通りで、これといったユニークさに欠ける。
それから、圧倒的にユーモアやエンタメ性が足りないのだ。
その辺タランティーノは…いや、比較するのはよそう。タランティーノでなくとも三池崇史の『初恋』なんかは快作だった。
もっと快テンポかと思いきや、シリアス路線。
クールでイカしたクライム・エンターテイメントより、アウトローたちの顛末を描きたかったのだろうか…?
にしても哀切やスリルが感じられない。ただバンバン銃を撃ち、人が死に、血が流れるだけ。
何処かで見たシーンや演出の連続。古びたセンスに酔いしれ、カッコつけている演出や作風に温度差を感じてしまった。
西島秀俊が主演となっているが、アンサンブル色が濃い。
実質主演の西島秀俊のパートやキャラが弱い。三浦友和のパートとキャラも同じく。
キャラのインパクトなら極悪の斎藤工とリアル過ぎる奥野瑛太。
ドラマ面なら大森南朋演じる刑事か宮沢氷魚&玉城ティナのカップルの方が印象的。
この二人が斎藤工に復讐するシーンはスカッと痛快なのだが、素人二人があんなに容易く殺人カップルになれる…?
大森立嗣監督の作品は割りと好きだが、今回はまあまあ。『ゲルマニウムの夜』だけは全く受け付けず、あれよりかは酷くないけど。
この題材なのでエンタメ性の高いクライム・ムービーを勝手に期待した方も悪いが、作品自体も何とも言えず。
もっと突き抜け、エンタメに徹して欲しかった。
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