劇場公開日 2022年12月23日

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かがみの孤城のレビュー・感想・評価

全308件中、241~260件目を表示

4.0主人公はウザめだけど話はよくできてる

2022年12月27日
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普通に面白かった。結構伏線あるし最後に納得できてきちんとした物語だった。
特に入場特典が良くできていて子どもは好きだと思う。子供から大人まで楽しめる物語はなかなか無い。良作だった👍 真実はいつもひとつ‼️

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映画すき女子大生

5.02022年、観納めに

2022年12月27日
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泣ける

原作も読んでないし、あまり期待せずに観に行ったのですが…。

心に刺さりました。

辻村深月さんの他の小説も読みたくなりました。

今年の映画の見納めにピッタリな映画になりました。

もう一度観たい!

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M.H

4.5人と人との繋がり

2022年12月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

人との繋がり
それは楽しいことも嫌なことも伴う。
そんな中で自分は他の人に何をしてあげられるだろう。
こころの中の苦しさに気がついてあげられるだろうか。
人の繋がりの温かさ、残酷さを認識させられると共に
自分の他人への接し方を考えさせられる作品だった。
自分も誰かにこの人がいて良かったと思われるように
なりたいと思わせてくれた。

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かふえ

4.0モンサンミッシェル

2022年12月27日
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予告がガンガン流れていた本作
本屋大賞受賞とのことですが、狼の被り物にう~んと全く期待せず鑑賞
内容はイジメ、不登校、虐待など結構重いですが、悩めるジュブナイルに居場所をというファンタジーぽいけどとても心温まるお話だった 個室が豪華で羨ましくなった  無理に勧めないところも良い パラレルでなければ、それしかないでしょとは思ったけど 人と繋がるっていうのはこういうことなんですかね しかしその後が気になるストーリーではあります

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ゆう

5.0ちょっとあなどってた

2022年12月27日
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鑑賞方法:映画館

予告編から、みんな学校に行っていない子たちという事は分かっていた。
子供にとって学校は、世界の大部分を占める場所。行かないんじゃなく行けない、でも親を想って理由を言えないのを見るのは、なかなか辛いものがあった。

中盤あたりで予想外の展開があり、7人の微妙な噛み合わなさの違和感はなんだろうと考え、後半でそれぞれ抱える問題が分かり、そして物語の軸が判明したあたりは、切なさでいっぱい。
きっと実写だったら観てられないと思う、アニメで良かった。

『アクセルワールド』ファンとしては、春雪にフォルムが近いウレシノに肩入れしてしまった。

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コビトカバ

5.0色んなところに意志を感じられて、泣けた

2022年12月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

原作は読んでおりません。だから、このアニメがどこまで原作に忠実なのか分かりませんが、アニメならではの分かりやすさと純朴さが大きな感動を生んでいた気がしました。
確かに、設定や秘められたら事柄の重要性は大きいもので、内容を知って見たりネタバレされたりすると面白みが相当そがれる気がしますが、映画を見れば早い段階で設定とか隠されている事柄が何となく想像できてしまうくらい分かりやすいので、決して謎解きだけの作品ではないと感じました。その設定から紡ぎ出される様々な物語を存分に楽しむような作品だと思えたので、原作を読んでいたとしても、はたまたネタバレされて不満に思いながらの観賞だとしても、かなり感情が高ぶるのではないでしょうか。
そう言いつつも、アニメーションとか絵の質はそれほどでも・・・と正直・・・。しかし、CVの演出などをみても内容やストーリーを非常に大切にしている意志を何となく感じたり、あまり・・・と思ってしまった絵ではあるけれど、とにかくあらゆる話の絡み合いを分かりやすく伝えること重視という意志みたいなものを感じたりと、とにかく物語の中にある心をゆさぶる部分を大事に大事にという意志の集合体みたいなものを感じとることができました。
絵はあまり・・・と言ってしまいましたが、最後の最後まで創意工夫をこらした絵による演出は非常に素晴らしいものがありました。
めっちゃ感動した作品です。

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SH

3.0原作既読者にはイマイチ

2022年12月26日
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皆さんの評価がとても高かったので映画館に行きました。
確かに悪くはなかったと思います。
ただ…原作はもっと深みがあった…特にみんなが抱えてる事情が明らかになるシーンとか…。
なので、私としては正直期待外れでした。
原作の衝撃が強すぎただけかもしれませんが…。

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T A

5.0優しく、強く。

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

冒頭の数分で主人公の少女の置かれている状況が理解できる、タイトルが出てからの数分で物語の世界に引き込まれてしまった。

映画化のニュースがあった時から楽しみにしていた。
予告を観てちょっと合わないかなと思った。
オオカミ様の声を芦田愛菜先生が演じているのを知った。芦田愛菜先生の声が聞けるだけでもいいなと思って観に行った。
思い切って観に行って良かった。

優しい物語、優しい画、優しい音楽。このタッチでないとだめだったんだな。
後半、優しいだけの物語ではなかった。
怒涛の盛り上がり、音楽も。泣いた。

優しくあれ、強くなれ。
この映画を必要とする多くの人に届きますように。

芦田愛菜って天才だな。
主人公の少女を演じた當真あみをはじめ、俳優さんたちはみんな才能に溢れているな。

原監督は優しい人なんだろうな。

いい映画だったな。
一年の締めくくりにこの映画を観ることができて幸せだったな。

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大吉

5.0ノーマークだったけど、、、超感動、めっちゃ良作!!

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

評価サイトの口コミが良かったので
なんとなく観にいったら、

観れて本当に良かったと思える作品!

最後は、涙がつら〜っと流れてました。。

2022年の心の汚れがキレイに流してくれる
年の瀬に最高の映画でございました!!

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ロッキー

4.5つながる手と手

2022年12月26日
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「河童のクゥ」の監督さんだ!と、親子で公開をずっと待っていた本作。子は「図書室にあるみたいだけれど、なかなか借りれなくて」と、原作未読のまま。私はだいぶ前に読んで「ほう…」と息を呑んだ記憶はある。それぞれに、ぼんやりとしたイメージのまま、スクリーンに向き合った。
 始まりは、雨。「学校に行かないのではなく、行けない」と母親に伝えることすらできずにいる、主人公•こころの気持ちそのままの天気。うつうつと日々をやり過ごしていた彼女に、突然転機が訪れる。光り出した自室の鏡の向こうは、不思議な城。そこに集められた7人は、皆どうやら学校に行ってないらしい。城のどこかに隠された鍵を見つけ出せば、願いはかなう。けれども、引き換えに城での記憶は失う。彼らは、とまどいながらも城と日常を行き来する生活になじんでいき、不思議な一年を過ごすことになる。
 夏休みをはさんで、彼らの日々は流れるように過ぎていく。まるで本のページをめくるように。城でのゆるやかな共同生活の中、互いを少しずつ知り、自分にも目を向けられるようになったころ、3月という期限はもう目の前に迫っている。城での生活(鍵探し)、城の外の生活…「進路」にどう向き合い、何を選択するのか。彼らの心に、再びさざなみが立つ。たっぷりあると思った一年が、早くも終わりに近づいている、と気づく学生時代の冬の慌ただしさが、ふっと鮮やかによみがえった。
 見つけ出せない鍵、城のあちこちに付けられた印、知っているようで知らない、お互いのこと。謎に次ぐ謎だが、ヒントが画面のあちこちに散りばめられているのが心にくい。直接的な文字と違い、画面から「何か」を拾い出せる利点が生かされている。城の中外さまざまな部屋の装飾、彼らの服装や顔立ちなど、「もしかして…」、「そういえば!」という気づきに満ちていて、観ているときも観てからも、わくわくとした。
 鏡に「引きずり込まれた」こころたちが、クライマックスでは、大切な人を「引っ張り出そう」と必死に手を差し伸べる。時や場所を越え、互いにどこかで支え、支えられている。さらには、かつての自分が、未来の自分や誰かを支えてくれる。シンプルながら力強い、画面いっぱいに描かれた腕の曲線が忘れがたい。
 最後に「城の謎」が明かされ、物語は幕を静かにおろす。(ちなみに、オルゴールの曲はシューマンのピアノ曲集「子供の情景」の「トロイメライ(=夢想•夢心地)」。)城の住人「オオカミさま」の顔は明かさず、仮面をはずした手元にとどめる描写に、またしても感嘆した。
 観終えて「ほおー…」と言葉を失う5年生をよそに、時系列の行き来がいまだ苦手な1年生は「なんかよくわかんなかった!謎だらけだった!」を連発。そのくせ、翌日書いた作文は、本作イチ押しの内容だった。ふーん、それはそれは…と思ったので、私も一文。5年生は、さらに原作本を読みたくなったらしい。「あの子いいな」と言った子は、物語ではさほど目立たない彼だった。子の知らない面を垣間見た気がして、再びほほう、と思った。
〜追記〜
「必ず鑑賞後に開封すること」と書かれた赤い袋に入った来場者プレゼント。いそいそと開けて、「わあ!」と親子で見せ合った。文字どおり、最高のプレゼント。思うだけで、顔がほころぶ。

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cma

4.0真実は一つ!

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

幸せ

原作も事前情報も知らず映画館での予告編だけで見ました。
ちょっとイジメがテーマの映画たからキツい所もあるかも知れない。中学生のガキのやる事だから実に下らないが、人によっては微妙な気分になるかも知れない事を先に書いておく。
ただ見終わった後味は爽快だからそれも書いとく。
色々背負い込んだ物を色々な人の力を借りて乗り越えて成長していく、そんな映画。
多感な少年少女だけでなく皆にお勧めできる良い映画だ。是非見て欲しい。

イジメで不登校になってしまった中学生のココロ。
ある日自室の鏡の向こうの世界に引きずり込まれた。
そこは絶海の孤島のお城。同じく引きずり込まれた六人の同年代の少年少女が待っていた。
そして怪力の狼少女(オオカミ様)が扉の開かない部屋の鍵を探す様にお願いする。その鍵で部屋の扉を開くと何でも願いが一つ叶えられる。その代わり7人いた時の記憶は全て失われる。鍵が見つからなくても構わない。その場合はここでの思い出は消されない。全て自主性に任せる。各自プライベートな部屋は用意されている。サロンも食堂もある(食べ物と水は無いが)。好きに使って良い。ただし城に入れるのは日本時間の9時から17時の間だけ。来ても来なくても良い。ただし17時を過ぎて城にいた場合は連帯責任で全員巨大狼に食べられる。期限は来年の3月30日までの10ヶ月程。それを過ぎると城は消滅する。
何とも不思議な話である。ずっと城に住んで良いのかと思ったら違っていた。お願いはするが鍵を探すのは自由。何がしたいのか分からない導入部。
彼らは城に来て鍵を探したり遊んだり勉強したりと思い思いの生活をする。徐々に親睦も深まるが鍵は一向に見つからない。
何故彼らなのか?何故中学生ばかり集められたのか?何故7人なのか?鍵とは?狼少女とは?実はここまででも伏線は色々ある。
全て意味がある事ばかり。
そしてこの物語内で全ての伏線は回収される。
つまり真実は一つしかないのだ。
それが解き明かされた時何かが起こる。
親切過ぎる内容なので見ていくだけでどんどん謎が解けていく。そして驚愕の真実へ。
是非じっくり見て欲しい。
嫌なシーンも多いが基本的に心温まる良い話である。

最後に、入場時に特典配ってくれるけどネタバレの絵が描いてあるから見ちゃダメだよ。
封にも大きく書いてあるけどね。
まあ見たからと言ってそれだけじゃ直ぐに分からないかもだけど映画を最後まで見るとああそうか!と言う映画のその後が分かる。

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ひろちゃん千葉

5.0トラウマを乗り越える、そして秘密を解き明かし◯◯をてに入れろ。

2022年12月26日
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主人公含め集められたメンバーはなにかしらのトラウマをもっています。
狼様は◯◯を解き明かし◯◯をてに入れれば解放されるといいます。
しかしながら、解放されると◯◯がなくなるといわれます。
それでも集められた人たちは◯◯を探すため奔走します。
その後のストーリーは是非とも劇場でご確認ください。最後の歌で泣いてしまうかもなのでハンカチの用意を。
人気の女優さん、声優さんたち勢揃いなので凄かったです。
あるキャラクターのセリフがでてきますが、ご愛嬌を。笑

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流浪の旅人ぱぱや

4.0原作未読。 現在学生や学生時代が近い人たちにはとてつもなく刺さって...

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

原作未読。
現在学生や学生時代が近い人たちにはとてつもなく刺さっているようです。
個人的には変なひねりもないし、オーバーな展開もないし
割と淡々と進んでいくストーリー、だからこそ終盤の割と重めのエピソードと
伏線回収が生きてくるのかなと好感が持てました。

キレイにまとまっているけど決してこの世は美しいだけの世界ではなく
世界は変えられないかもしれないけど、あなたは自身は変わることができるかもしれないと
エールを送ってる感じも良かったです。

私自身は大人なので、いくら時代が進んでもこの世が不条理で偏っていて、みんな寂しやりがでだからこそ保身のために誰かを傷つけてしまう現実を知っているけれど、
それでも中には美しいものもあることを知っています。
それがあの9分間で知る事が出来ます。

星を4つにしたのは、やはり声優かな、、、
やっぱり素人感が出てしまって時々現実に引き戻されてしまう。
ただ、主人公がプロの人がやってしまうと日本アニメ独特のあのキンキンとしたアニメ声に
なってしまって初々しさがなくなってしまうから仕方ないのかな。
あと、集客しないといけないから人気俳優を配置するのも、、、

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ごぼう

4.0人間関係という名の"戦い"

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

原作未読です。
感想
リアルな不登校描写とファンタジーな世界感が見事に融合した見応えのある青春群像劇だった。長編小説が原作の為、尺の都合上展開が早足に感じる部分はあった。
・物語構成
物語前半は孤城に招待されたゲストの子供達の紹介と深掘り、後半では怒涛の伏線回収とキャラクター達の成長潭を描いていた。子供達が不登校になった原因を描く描写がどれもリアルで生々しく、観ていて辛かった。その分各メインキャラクター達がどれも魅力的に見えて楽しめた。しかし、長編小説が原作の為、展開自体はかなり早足でもう少し、細かく描写して欲しいと思う部分もあった。
後半の伏線回収パートは伏線がかなりわかりやすく提示されていた為、あまり意外性は無かった。
最後には、"明るく前を向いて不条理に立ち向かって行こう"と思える様な勇気をもらえるラストになっていたのでとても満足できた。

・作画
A1picturesが制作していたので、安定の綺麗な作画でとても観やすかった。
・声優
ゲスト声優多めのキャスティングだったが、違和感なく観る事が出来た。
・ED
本編後のED映像が、本編の余韻に深く浸れる映像とそれに合った主題歌だった為、感動して泣いてしまった。
・入場者特典
ネタバレ厳禁の"物語のその後"が観れるイラストカードだったので、鑑賞後も映画の余韻に浸る事が出来た。

総評
ストレス社会の今を生きる全ての方に観て欲しい、優しい青春群像劇。原作の方が深く描かれている気がしたので、原作も読んでみたいと思った。

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Y K

5.0マイノリティを受け入れる物語

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

負を抱えている人をつまはじきにするコミュニティが多い世界への救いになるかもしれない物語です。

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chihaya

4.0本格ミステリー的な「仕掛け」が物語構造に直結した、ヒキニート少年少女の救済物語。

2022年12月26日
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鑑賞方法:映画館

予告編観て、やたら胡散臭い設定語りをきいたり、「私たちは助け合える!!」とか「生きなきゃ」とかマジでいってるのをきいて、「くっそさみーな、これヤバい地雷なんじゃねえの」とかイタい映画扱いしててごめんなさい。
とても良い映画でした!!
自分の「泣ける」要素にはひっかからなかったけど、斜め前の若者は終盤「ううううう~」とか思い切り嗚咽してました(笑)。
あの予告編を観て、「うわっ」とか思っちゃった(俺みたいな)人も、騙されたと思ってぜひ観てほしいところ。観終わったときには、きっとすさんだ心も浄化されていることでしょう。

原作未読。原監督の作品も、『河童』以来、とんと観ていない。
なので、映画館でかかった予告編の内容以外は、ほぼ予備知識ゼロで視聴。

出だしは、正直かなり微妙な感じがしていた。
ヒキニートやってる人間が、突然一カ所に集められて、いきなりあんな自己主張しながらお互いしゃべったりできるわけねーだろ、とか(コミュ障や発達要因があって間合いがとれないせいでハブられるヤツが、あんなふうに「普通の人間」を「擬態」なんかできないというのは、残念ながら本当だと思う)。
ヒキニートどうしが最初に自己紹介するのに、いきなり下の名前で語り合うとかマジありえねーだろ、とか。
だいたい、みんながちゃんと前を向いて、相手の目を見てしゃべってること自体、俺の知ってるニートじゃ全然ないんだけど、みたいな。

ただ、観ているうちに、ここに集められた子供たちというのは、単に社会不適合で引きこもっているというよりは、外的な要因がメインだったり、「できすぎる」せいで集団から浮いてしまっていたりする、いわゆる「社会復帰可能」なタイプの子たちばっかりなんだな、ということに逆に気づいて(=敢えて、救済可能な子たちだけが集められている)、制作者に対する不信感はだいぶゆるんだ。
要するにこの映画は、ヒキニートのくせになんでしゃべれるんだ、ではなく、ヒキニートのなかでも救える可能性のありそうな子たちだけが「敢えて」選ばれている、その「物語内の理屈」を考えながら観る映画なのだ。

他にも、出だしでは「おかしい」と思ったことが、観ているうちに納得がいった部分が、この映画にはいろいろとある。

7人の少年少女が、異世界にあるらしき絶海の孤城に集められて、狼の仮面を被った少女に「鍵」を探して見つけられれば、なんでもひとつ「願いが叶う」と言われる――。
このなんだか出来の悪い「なろう小説」みたいな設定も、じつは、「いかにも無理やりでっちあげたみたいなイタい設定」であること自体に、とても「切実な理由」がちゃんとある。

それから、僕個人は大変気になったのだが、この映画は、背景美術がやけに簡素というか、質素というか、予算が足りないみたいにあまり描きこまれていない。
特に城の内部のシーンでその傾向は顕著で、書き割りみたいというか、薄っぺらいというか、これが新海誠や宮崎駿だったら、みっしりと「古城」っぽい要素を描き込んだんじゃないかなと思えるくらい「なんにもない」。
最初は単純に、もともと児童向けアニメ出身の監督だから、なるべくキャラクターに集中して観られるように、あえて背景はシンプルにして意識を散らせないように作ってるのかな、と思いながら観ていた。でもその割に、床への映り込みや、鏡への映り込みといった細部(かがみの孤城だしね)には異様にこだわってつくってあるし、これだけやれるのなら、もう少し「リッチな画面」でつくれただろうに、と。
でも、物語の「真相」を知って、やはり思いを改めた。
この城には、「書き割り」のようである「理由」がちゃんとあるのだ。
ぼくらでもなんとなく想像がつくようなものでしか、城を「構築」できない切実な理由が。
その理由は、先に触れた「設定のダサさ」とも、きちんと連動している。
「何がこの城を生みだしたか」から逆算して、ちゃんと全てが組み立てられているのだ。

この「逆算」という要素は、本作を語るうえで大変重要なファクターだと思う。
多くの人は、『かがみの孤城』のことを「学校に通えない子供たちの救済」を目的とする、ある種のファンタジーとして捉えるだろうし、それ自体は間違いではない。
しかし、本作における物語の組み立て方は、じつは「ファンタジー」のそれではない。
間違いなく、本作は「本格ミステリー」として組み立てられている。
幾重にも伏線を張り巡らせて、その解決によってカタルシスを生み、想像していた世界観とは異なる「真相」を呈示することで、観客の先入観を「反転」させる。
この本格ミステリー的な「仕掛け」を実現するために、「後ろから逆算して」入念に、箱根細工のように組み立てられた作品――、それが「かがみの孤城」という物語の本質だ。
だから、ネタの実現のためには若干の「設定上の無理」や「現実ではありえないこと」も、ある種の「ルール」として押し通さざるをえない。そこがクリアされないと、本格ミステリーとしてのギミックが発動できないからだ。
その意味では、本作は世にはびこる「なろう系」や「異世界もの」より、むしろ綾辻行人の『時計館の殺人』や乾くるみの『イニシエーション・ラブ』あたりに近い作品だし、漫画ジャンルでいえば、荒木飛呂彦や福本伸行に近いテイストの「ミステリー・マインド」の充溢した作品だということができる。

先に触れた、かなり違和感のある「いきなりの名前呼び」に関しても、じつはいくつかの理由で、この作品の「ネタ」を成立させるためには、とても重要な要素だったりする。
これは、そのまま「なんで1年近くも比較的みんなで仲良く付き合ってるのに、お互いのフルネームを知らないのか」とか、「なんで彼らは自分の境遇や周辺の流行りものについて、1年もいっしょに居ながら、たいして情報交換を行っていないのか」という、ある意味「致命的」ともいえる作劇上の問題とも直結している。だって、実際にそんなことはまずありえないわけだから。
でも、そこは「ルール」として押し通すしかない。
そのことで可能となる、本格ミステリーとしての「仕掛け」が、本作では何よりも優先されるからだ。

要するに、『かがみの孤城』は、「とあるネタ」を成立させるために、いろいろと無理を重ねて「人工的に構築」された、絵に描いたような「本格ミステリー」映画なのだ。
このことに思い至って、僕のなかでの本作への「マイナスの先入観」は雲散霧消したのだった。
なにせ、お涙頂戴の気持ち悪い人情噺やそれを作りたがる連中の100倍、僕は本格ミステリーとそれをあくせく作ろうと努力する不毛な作り手たちに、大いにシンパシーを感じているので(笑)。

ただ、このミステリー要素に関しては、ひとつ気になるところがある。
真相に直結する具体的な「ヒント」が、中盤も早いうちに、かなり「あからさま」に、「むき出し」のような状態で、けっこう「唐突に」呈示されるのだが、あれって原作でもああなってるんだろうか?
そのせいで、僕のなかでは「ああ、○○は○○なのか」とまずはすぐ気づいてしまい、そこから「逆算」して、この物語の仕掛けにも、なんとなく思い至ってしまったという……。
正宗が、別の仮説を語り出したときには、「ええええ? そっちに話が行くのか??」と逆にびっくりしたくらいのものでして……(結局は当初予想した方向にまた話は戻ったわけだが)。
あれ、あんな違和感の残る形で出さないほうが、映画を観ながら真相にたどり着く人間の数を大分減らせたと思うんだけどなあ。まあ、そのぶん「気づかなかった」人にとっては、「あれだけあからさまにヒントが出てたのに、なんで俺気づかなかったんだろう!?」って、逆に「傑作」評価の基盤になるんだろうけど。

出だしで多少胡散臭く感じても、そのうちに誰もが映画に引き込まれてしまうのは、登場するキャラクターたちの抱える問題にリアリティがあるからだ。
リアルだから、いつしか観客も、我がことのように心配しながら彼らの行く末を見守る気分になれる。
とくにヒロイン、こころの話は、なかなかに痛々しい。
起きている事象や「敵」のキャラも含めて、羽海野チカの『3月のライオン』に出てくるひなたのエピソードを容易に想起させる内容だが、影響関係がどうのというより、女子(女性作家)にとっては、最も「身近によくあるタイプのいじめ」であり「一番よくいるタイプのいじめの首謀者」なのだろうね。身近だからこそ、エピソードの細部が生々しいわけだ。
フウカのエピソードは『四月は君の噓』の女性版のような感じ、アキのエピソードも最近はよく漫画や小説で見るタイプの話で、それぞれ目新しさ自体はあまりないが、少なくとも説得力のあるキャラ立てにはなっていたと思う。
逆に女性作家原作だからか、男子キャラにはだいぶ「理想化」が入っているような気も……(笑)。もっと男子のヒキニートってのは、生理的な気持ち悪さを内包している生物のはずなんだが。そのなかでは、公立学校にいたら100%いじめられそうな、距離感の測れない人懐こいコデブのウレシノは、いかにもな感じでとてもよかった(ああいうタイプは、気に入っていじってくれる軍師ポジの人間がクラスにいるとうまく溶け込めるんだけど)。

彼らを「社会に戻す」――「少なくとも死なせない」ために必要なのは、家庭以外の「居場所」の確保だ。それから、近しい立場の少人数の構成員によるリハビリ的な交流。そして、長いスパンでのゆったりとした、誰からもせかされない「均し運転」の期間設定。あとは、共同作業としての簡単な「タスク」もあったほうがいい。
そう考えると、「かがみの孤城」は、彼らにとっては、まさにうってつけの場だといっていい。
そこは、二重に守られたフリースクールのようなものだ。
センシティヴな子たちのなかには、学校に行けないのと同様、現実と地続きにあるフリースクールにも、なかなか通えなかったりする子も多い。
その点、「かがみの孤城」は、現実ではない非現実の空間にある、絶対的に安全なRefuge(避難所)だ。かがみの世界に認証された特定の7人しか入れない、究極の「会員制クラブ」。なかにいる全員が「学校に行けていない」子たちだとわかっている、安心できる「秘密基地」。
これしかない、と思えるような理想的な幻想世界をあてがわれて、子供たちはそこで傷ついた心の羽根をゆっくりと癒し、新たな一歩を踏み出すための「はばたく練習」を繰り返すのだ。
一体なぜ、「かがみの孤城」が、そんな機能をもつ場所になっているのか。
それは、最後まで観て、「誰がここに招待する人間を実質的に選んだのか」に思い至ることができれば、おのずと理解できる仕組みになっている。
(多少無理はあるのだが、「かがみの孤城」は「ふたつ」の想いが交錯して成立していることを忘れてはならない。)

正直にいえば、SF的にこの物語がきちんと成立しているのかについては、ちょっと分からない部分もあるし、とあるキャラクターのCVに某人物が当てられているのは、本格ミステリー的には「ズル」だとも思う。なんで「5時を過ぎて狼が出た」あとの城にこころが行けたのかも、僕にはよくわからなかった。他にも、階段をあがるときの3Dが奇妙だとか、音楽があまりに大仰だとか、気になる細部はいろいろあるのだが、全体としてはとても丁寧に作ってあったという印象。さすがは原監督といったところか。
終盤の子どもたちの行動(腰に手を……)や台詞の応酬は、僕にとってはちょっとトゥーマッチというか、サムい感じがしないでもなかったが、「謎解き」をたたみかけるテンポの良さと、それによって生じるカタルシスの大きさのおかげで、とても充実した気持ちでエンドクレジットを迎えることができた。
声優陣も、技術的にはいろいろ拙い部分も多かったけど(とくに泣くのと叫ぶのは、非声優の鬼門だ)、声質自体はこころもフウカもアキも、いい声をあてがえていたと思う。

今年を代表する2本の長編アニメが、かたや「鍵を閉める話」で、もう一方が「鍵を開ける話」だというのは、なんとなくおもしろい符合だよね。

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じゃい

5.0いい出来

2022年12月26日
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画面のけば立たしさがなかった分
こころたちの描写が際立ち感動できました
今年ベストの映画だと思います

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のごま

4.5極上のファンタジー。

2022年12月25日
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原作もよみたくなった。不登校の中学生たち7人それぞれの悩み、語ることの大切さ、人とのつながりの必然性、そして彼らの隠されたつながり、先が読めないのに展開が優しい。極上のアニメーション。

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peanuts

4.5カラフルの制作陣だから期待はしていたけど

2022年12月25日
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2022年劇場鑑賞297本目。
傑作カラフルの制作陣が作るということでその点では期待したのですが、
今年はすずめの戸締まりを筆頭に長編アニメが大量に公開された印象でしたが、ハズレも多く今作も予告の感じだとなんかまたどこか飛ばされる系かとあんまり期待してもだめかもと思っていきました。

しかし序盤でもう7人プラス1人のキャラクターの奇妙な生活に引き込まれていきました。正直話の展開のために不自然に色々話題の制限がかけられていてそこだけ引っかかりましたが終盤の伏線の回収は怒濤の展開でした。まぁちょっと分かりやすい伏線があってある程度予想できちゃったんですが観て損のない秀作でした。

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ガゾーサ

4.0弱った心に優しく寄り添う良作

2022年12月25日
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泣ける

幸せ

予告でそこまで興味を惹かれたわけではなく、たまたま時間の都合がよかったので鑑賞してきたのですが、思いのほかの良作で、鑑賞後の満足度はかなり高かったです。

ストーリーは、同級生からのいじめで不登校となった中学生のこころが、自室で突然光り始めた鏡の中に吸い込まれると、そこは西洋の城のような場所で、狼の面をつけた少女・オオカミさまから「ここに隠された秘密のカギを見つけた者はどんな願いも叶えてもらえる」と告げられ、先に訪れていた見知らぬ6人の中学生とともにカギ探しに挑む中で、しだいに心を通わせていくというもの。

まずは、開幕早々にこころの置かれた状況、親子関係などをさらっと理解させ、あっという間に鏡の先の城へと場面を移します。舞台のお膳立てまでが早く、訳もわからず不思議な世界に放り込まれ、さまざまな疑問が湧き上がり、観客もこころの心情と同化するような展開がよかったです。その後は、ややゆったりとして少々浸れませんでしたが、中盤で7人の少年少女たちの共通点が明らかになってくるあたりから、この城に隠された謎をめぐってがぜんおもしろくなってきます。

とはいえ、わかりやすいヒントのおかげで序盤で喜多嶋の正体に薄々気づいてしまいました。そうなると、集められた少年少女たちの素性や現実世界で出会えなかったわけにも気づいてしまいます。さらには、リオンの過去が語られた瞬間に、オオカミさまの正体も察しがついてしまいます。おかげで、種明かしで味わう爽快感が薄れてしまいました。ここは、あまり深読みせずに観るのが吉だと思います。

それでも、終盤のさまざまな伏線回収は小気味良く、それとは気づかなかった細かな伏線もあったので、最後まで楽しむことができました。映像的には昨今のアニメにしてはそれほどの魅力を感じませんが、本作はストーリーで魅せる作品なので、とくにマイナスポイントには感じませんでした。

鮮やかな伏線回収も見どころですが、そのあたりの察しがついてなお心に響くのは、悩みや傷を抱える心にとことん寄り添った脚本のおかげだと思われます。不登校が大きな教育問題となり、同じような悩みをもつ若者が多い現代、このような作品が世に出る意義は大きいと思います。本作が、苦しんでいる多くの若者の心に響いてほしいし、周囲の人たちが若者の悩みに気づき寄り添うきっかけになってほしいと切に願います。

キャストは、當真あみさん、北村匠海くん、吉柳咲良さん、坂垣李光人くん、横溝菜帆さん、高山みなみさん、梶裕貴くんらで、タレントさんの脇を一流声優さんが支えるという構図です。全体的には悪くないのですが、中には力不足の方もちらほらいて、劇場版アニメのキャスティング問題は、残念ながら本作でも感じてしまいました。

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