かがみの孤城のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
ストーリーはすずめの戸締まりよりよくできていたと思う。いじめられっ子など学校に通えない中学生7人が城に集められ、願いが叶う鍵を探す、という話なんだけど、鍵を見つけるまでに主人公こころの学校での仕打ちが描かれて胸が痛い。
大どんでん返し的に、最後の方で次々と謎が明かされるんだけど、しっくり来なかった。
まず集められた7人の生年が7年おき。この内のアキが、こころが信頼する喜多嶋先生だった。なぜアキが周りから信頼されるような先生になれたのかはよくわからない。
またオオカミさまはリオンのお姉さんだった。何故姉がオオカミさまをしていたのかはわからない。
お姉さんが出てくるのが唐突過ぎなのだが、元々お姉さんは病気で亡くなっているから、不幸な姉を想うと心が揺さぶられてしまう。
最後に狼に皆食べられたのに、何故アキを救ったら皆復活したのか分からなかったな。
映像が映画と思えないくらいにお金をかけていないのが残念でした。
カラフルの制作陣だから期待はしていたけど
弱った心に優しく寄り添う良作
予告でそこまで興味を惹かれたわけではなく、たまたま時間の都合がよかったので鑑賞してきたのですが、思いのほかの良作で、鑑賞後の満足度はかなり高かったです。
ストーリーは、同級生からのいじめで不登校となった中学生のこころが、自室で突然光り始めた鏡の中に吸い込まれると、そこは西洋の城のような場所で、狼の面をつけた少女・オオカミさまから「ここに隠された秘密のカギを見つけた者はどんな願いも叶えてもらえる」と告げられ、先に訪れていた見知らぬ6人の中学生とともにカギ探しに挑む中で、しだいに心を通わせていくというもの。
まずは、開幕早々にこころの置かれた状況、親子関係などをさらっと理解させ、あっという間に鏡の先の城へと場面を移します。舞台のお膳立てまでが早く、訳もわからず不思議な世界に放り込まれ、さまざまな疑問が湧き上がり、観客もこころの心情と同化するような展開がよかったです。その後は、ややゆったりとして少々浸れませんでしたが、中盤で7人の少年少女たちの共通点が明らかになってくるあたりから、この城に隠された謎をめぐってがぜんおもしろくなってきます。
とはいえ、わかりやすいヒントのおかげで序盤で喜多嶋の正体に薄々気づいてしまいました。そうなると、集められた少年少女たちの素性や現実世界で出会えなかったわけにも気づいてしまいます。さらには、リオンの過去が語られた瞬間に、オオカミさまの正体も察しがついてしまいます。おかげで、種明かしで味わう爽快感が薄れてしまいました。ここは、あまり深読みせずに観るのが吉だと思います。
それでも、終盤のさまざまな伏線回収は小気味良く、それとは気づかなかった細かな伏線もあったので、最後まで楽しむことができました。映像的には昨今のアニメにしてはそれほどの魅力を感じませんが、本作はストーリーで魅せる作品なので、とくにマイナスポイントには感じませんでした。
鮮やかな伏線回収も見どころですが、そのあたりの察しがついてなお心に響くのは、悩みや傷を抱える心にとことん寄り添った脚本のおかげだと思われます。不登校が大きな教育問題となり、同じような悩みをもつ若者が多い現代、このような作品が世に出る意義は大きいと思います。本作が、苦しんでいる多くの若者の心に響いてほしいし、周囲の人たちが若者の悩みに気づき寄り添うきっかけになってほしいと切に願います。
キャストは、當真あみさん、北村匠海くん、吉柳咲良さん、坂垣李光人くん、横溝菜帆さん、高山みなみさん、梶裕貴くんらで、タレントさんの脇を一流声優さんが支えるという構図です。全体的には悪くないのですが、中には力不足の方もちらほらいて、劇場版アニメのキャスティング問題は、残念ながら本作でも感じてしまいました。
度肝抜かれる伏線回収とエンドロールのエモさが半端じゃない…
普段涙腺ボロボロの僕が泣くのを忘れるぐらいに引き込まれた…あれ?これ凄くないか?
ざっくり言えば不登校の少年少女が、新学期までに願いを叶えること。
一瞬ペラペラな感じがするが、結構…重い。
虐めに留まらず、現代でも聞くような背景まで彫り込むからしんどい。
…筈なのに。同じ仲間との和気藹々とした空気や、互いを思いあう姿がその空気感を軽くしている。
寧ろ純粋無垢だったり、変わらず大人ぶる某眼鏡君だったり、内気な子だったり、はたまたイケメンだったり…。
大人になってからわかる、「あーいたよなこういう奴」という気持ちと共に、何故かほっこりする。
多分、短い期間で同じ境遇の人達との絆なんだろうなぁ…確かにこれは本屋の大賞取れるわ。
伏線も終盤の短い中でそれなりに掘り下げ、細かいところまでもが伏線だったという凄さ。
アニメになってリアルに描ける分、細かいところまで丁寧に描写されていた。
因みに、タイトルにもある通りエンドロールで帰る人よ。
こればかりは帰っちゃ駄目だ…エモい…エモいぞコノヤロー!
特典も好き…あー、これは小説買っても良いかもしれない…
🔞です。少し刺激が強い。論理の飛躍あり。
40代男性です。こころとアキと訳あり留学生ホティの楽しいラブコメディ。青春時代の甘酸っぱさに社会への風刺が織り込まれた、混沌とした令和時代を象徴する作品。
自分には合わなかった
子どもたちがそれぞれ違う時代を生きてるというのは服装や会話から推測しやすいので、この作品の謎解きのメインではないんでしょう。
オオカミさまの正体ですが、終盤までオオカミさまにスポットが当たることがないので、観ている人の関心を引きづらいと思いました。
もう少し中盤で謎を解こうとする様子が描かれていれば良かったのですが、ギリギリまでほとんど遊んでいるだけなので駆け足感が否めず…
主人公とリオンは同じ時代を生きているので、孤城の記憶を失っても前向きに過ごせそうですが、他の子たちの悩みは解決できているのか疑問に感じました。
リオンだけ記憶が残っているのも都合よく感じて、感動できませんでした。
映画納めに最高の作品をありがとう※若干ネタバレあり、見るか悩んでいる方は参考までにどうぞ
どんな風に映画化するか楽しみにしてた
ガールズガールズ☆
地味っぽいアニメ作品だけど、原監督だし見るかー。
と、チケット売り場へ。
もう日曜朝から、ティーンの女子が映画館前で待ち合わせしてん違和感だったけど、座席着いたら女の子で満席ですよ!
クソみたいなリーマン生活送ってるクソおじさんの前後両脇10代女子のガールズトークに映画泥棒ですよ。
凄えな辻村深月先生ここがファン層だったのかー!!
そしてありがとう辻村先生、おじさん日曜が10代女子に囲まれ、合法ハーレムですよ、あー映画ファンで良かったーー!!
と、映画の中身ですが、10代中学生の世界が描かれる訳です、もうクソみたいな世界と日常。
俺だって思い出しましたよ、あんときのアイツまだ許してねーからな!今なら合法的に対処してやるからな!と。
そう、10代の苦痛はおじさんの恨みと同じなのです、心の痛みは年月を越えるのです。
そんなものを日々浴びる心ちゃん、耐えられる訳無いんすよ。あー名前も覚えて無いけど心ちゃんイジメてたバッカみたい女しばきたい!しばき回したい!!
てもこの映画、復讐じゃ無く救済の物語へ向かうじゃ無いですか、美しくも危ういガラスの階段をピンクのスニーカ踏み越え、自分に取って大切な誰かを救うじゃ無いですか。
そしてその救済が巡り巡って自分の心を救済してくれるじゃ無いですか。
もうね、人が人を思えば人を救えるですよ、ここに真実を見たい。
だからね、俺ん座席の前後両脇の少女達よ、人を思う思いを忘れないでくれ、このおじさんも一生忘れ無いから。
待ちに待った映画化
下手なSF映画よりレベル高い
原恵一監督の新たなる挑戦
原恵一監督といえば
言わずもがな「オトナ帝国」など、
クレヨンしんちゃんやドラえもんなどの
アニメ制作においてその腕が評価され、
しんちゃんを抜けてからは
「河童のクゥ」「カラフル」「百日紅」「バースデーワンダーランド」と、
数年に一度のペースで
主にアニメ映画の監督を務めており、
国内外から多くの授賞経歴を持つ方。
そんな原監督が
今までとは明らかに異なる映画を作ったのが今作。
これまでの原恵一映画は
よくいえば「芸術的な魅力のある作品」が多かった。
しかしそれは悪く言ってしまえば
「誰もが楽しめる作品とは言いづらい」という見方も出来る。
「カラフル」や「百日紅」など、先にも書いたように
国内外から様々な賞を貰えるくらいには
評価されている作品にも関わらず、
そこまで映画に興味のない人、
特に子供には楽しみづらい点を感じていた。
実際、映画館には純粋に原監督の作品を好きなのであろう大人がほとんどだった気がする。
まぁ元々ドラえもんやしんちゃんとは違い、
それらは原作からしてあまり子供に向けられた作品ではないのですが。
しかし、今作「かがみの孤城」は違った。
若者が映画館に観に来ている。
中には子供もいる。もちろん大人もいる。
中身もそこまで難しくなく、
上映後には若い子たちの感想が飛び交う。
端的にいえば、「アノ原恵一監督がガッツリ老若男女に向けた作品を久しぶりに作っている」という事に驚いた。
なによりすずめの戸締まり、スラムダンク、アメコミ映画や福田雄一作品など、
さまざまな話題作が公開されている中で
客席がほぼ埋まっていた事に驚いたし、
原恵一作品好きとして、すごく嬉しい。
原作は辻村先生の人気タイトルなのだが
上下巻二冊分の小説作品という
それなりに長い物語になっており、
これを二時間に収めるのがまず難しいとされていた。
実際に映画公開前は「小説二巻分を二時間に収めるのは難しいから期待できない」
という意見をチラホラ見かけていた。
しかし、そんな難しさを感じさせない位
キレイにまとめられており、
一本の映画としてキチンと完成されている。
原作の良さを崩さず、
「映像作品である意味」も出ていた印象。
キャラクターのトラウマを描く場面では
本当に胸が痛くなるような演出・構成で
映画に引き込まれる。
かつて「カラフル」を観た時にも
そんな感情を持った覚えがある。
悪い人を描くのが上手い人だなぁ、と。
ここにきて原恵一監督は
今までとは異なるアプローチを見せてきており、
なおかつそれが世間から高く評価されている。
同じ所にとどまらず、挑戦し続ける精神に脱帽。
観て損はないかと思います。
劇場で観るなら今年1番かも
ファンタジーだからと敬遠するのはもったいない
予想外にリアル描写が鋭いファンタジー
原作未読でしたので宣伝にあるアニメ絵を拝見した段階では、いわゆるラノベの「なろう系=転生先で無双を尽くす」のアニメ化と思って、あまり期待せず鑑賞いたしました。
物語はラノベ的な唐突な入りで始まります。
周囲が海に囲まれた孤城に全体的に雰囲気おとなしめな7人の男女の中学生がほぼ強制的に各ご家庭に鏡経由で集められてます。そこで狼の仮面を被った子供にしちゃかなり弁がたつ幼い少女(狼様)にいろいろシステム・・・報酬、日々の時間制限、開城される期間、怖い怖い連帯責任?についてなど注意事項を説明されます。
ここから、この孤城に閉じ込められて、皆で協力して謎解きをする脱出ゲーか・・・と思ったらこの孤城への出入りも自由というのだからなんとも緊張感がありません。
しかし・・・この見た目緩いファンタジーと対照的に主人公のこころさんの置かれた境遇が過酷でリアルでした。
こころちゃんはどうも学校に行きたくても行けなくなってしまった様子。最初は断片的にしか語られなかったその詳細が、孤城に集まるメンバーとの交流や関係性の変化によって徐々に明らかになっていく様、リアル世界への影響など、なかなか現実の社会問題に則して上手く描けていたと思います。
たぶん映画の尺の都合で7人のメンバーのすべてのエピソードは語り尽くせなかったのだと思います。唐突な展開、他メンバーの境遇の説明不足感は否めませんが、主人公のこころさんのメインストーリーが丁寧に描けていたので個人的には気に入っております。
読後感も良好、最後に若干のチート設定はありますがラノベのノリで許したくなってしまう良作でした。
では。
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