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映画「人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版」 人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版
劇場公開日:2022年11月25日
解説
日本を代表するクライマー・山野井泰史に密着取材したドキュメンタリー。
世界の巨壁に単独・無酸素・未踏ルートで挑み続け、2021年には登山界最高の栄誉であるピオレドール生涯功労賞をアジア人として初めて受賞した山野井泰史。その後も彼の挑戦は終わらず、伊豆半島にある未踏の岩壁に新たなルートを切り拓くべく奮闘する。
自身もヒマラヤ登山経験のあるジャーナリストの武石浩明が監督を務め、長期に渡る取材を敢行。貴重な未公開ソロ登はん映像や、同じく登山家である妻・妙子さんへの取材、関係者の証言などを交えながらその軌跡を振り返り、“垂直の世界”に魅せられた男の生き様に迫る。ナレーションを岡田准一が担当。2022年3月に開催された「TBSドキュメンタリー映画祭2022」で上映されたバージョンに9分間の新規映像を追加した「完全版」が、22年11月に単独劇場公開。
2022年製作/109分/G/日本
配給:KADOKAWA
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2023年2月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
肉体的にも精神的にも山野井さんの真似はとてもとてもできませんが、生と死がせめぎ合うギリギリな部分に取り憑かれてしまうところ、非常に共感できます。私が映画を好きなのも、生と死の疑似体験が映画によってできるからだと思います。ある人にとっては、一度「生死」に触れてしまうと、中毒になってしまうのかもしれませんし、あの圧巻な景色を前にすると、生きているのが不思議に感じるかもしれません。
妙子さんも凄いですが、お母様も凄いです。「危ないから」とか「お金にならないから」とか、子供のやりたいことを止めていた親御さんだったら、天才は生まれないですね。
2023年2月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
山野井泰史は10歳から登山に興味を持ち、高校の時はアルパイン・クライミング、高校卒業後は、アメリカのヨセミテなどでフリークライミングを行い、その後数々の未踏の山に登攀し、妻・妙子と結婚後も、一緒に新ルートを開拓したりしている。
2002年、ギャチュン・カン北壁の登攀に成功し、下山中、嵐と雪崩に巻き込まれ凍傷になり、両手の薬指と小指、右足の全ての指ほか計10本を切断する重傷を負った。しかしクライミングへの熱意は冷めず、オールラウンドな挑戦を続けている。
2021年にピオレドール生涯功労賞をアジア人として初の受賞した。この人を長年追っかけてきたドキュメンタリー作品。
山登りが好きなので、もちろん山野井泰史さんのことは多少は知っていたが、手足の指をあんなに失ってたのは知らなかった。冬山は八ヶ岳や木曽駒ヶ岳などには登ったことあるが、寒いのが苦手なので、雪山での2日間のビバークなんて想像出来ない。まだ生存されてるのが奇跡のような人だと思った。
凄い人なんだけど、なりたいかと言われれば、なりたくないし、なれるとも思わない。
そんな人だった。
2023年1月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
山野井泰史は世界で13人だけが受賞しているピオドール生涯功労賞(登山界のアカデミー賞とも言われる)の受賞者。アジア人では山野井ただ一人という文字通りのレジェンド。この映画は1990年代から今日に至るまでの彼を追ったドキュメンタリーである。
ヒマラヤなどの氷壁に挑む山野井の姿に胸を打たれるのはもちろんだが、同じ登山家(クライマー)である9歳年上の妻妙子との夫婦としての生活(凍傷で欠損した指での料理や庭いじりなどの何気ない日常、夫婦でクライミングを楽しむ光景、夫のクライミングをフォローする妻…)も僕には興味深かった。
山野井は20代の頃のインタビューで「死ぬかもしれないという危機感を覚えないクライミングには挑戦する気になれない」と発言している。実際映画の中にたくさんのクライマー仲間が出てくるのだが、その多くが山で亡くなっている。常識で考えればまさにクレイジーなのだが、死をも恐れない、その潔い生き様には感動すら覚える。日常で抱えたさまざまな悩み、心配事がすべてちっぽけなものに思えてくる。
また、雪山、断崖絶壁、山から望む絶景(海、空)を写した映像はあまりに美しい。その壮大な景色は、人間なんてちっぽけな存在なんだという事実を我々に突きつける。
2023年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
山野井泰史の内面に迫ろうとするドキュメント。山岳映画だと映像美とかどうしても追っかけがちですが、この映画はあんまりそういう要素はなく、山野井泰史に焦点を当て続けています。これはこれで良いですね。「命の手触りに取り憑かれた男」と言うナレーションが妙に印象に残りました。命を見つめることは死を見つめることと表裏一体であるなら、命の手触りとは生と死の狭間にこそ存在しているのかも知れないですね。彼等の領域ともなると登山やクライミングは、最早情熱を傾ける対象とも違うんでしょう。ある種の「業」と言えるのではないでしょうか。「これでもう登らなくて済むからホッとした、かな」と言う発言も、すごく腑に落ちました。