PLAN 75のレビュー・感想・評価
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ひたすら続く閉塞感、リアル
時間帯のへいか、満席の館内に目立つのはいわゆる高齢者世代。でもこれを本当にリアルに感じるべきは、今の20-40代なんだろうな。
ひたすら続く閉塞感がしんどいし、ラストシーンもそこまで報われない。
老後資産まじ大事、って思わされます。
ファーストカットから、それぞれのキャラクターの背景など、思ってたよ...
ファーストカットから、それぞれのキャラクターの背景など、思ってたより良かった印象。とにかく映像が良かったのと、緊迫感があり、だれなかった。ただ、最後は少し期待し過ぎてしまったのかもだが、少し物足りなかった印象。
倍賞さんの夕日のシーンは生を肯定する印象的なシーンでそれはそれで良かった。
ディストピア?ユートピア?
考えさせられる内容でした。
仕事柄高齢者に関わる機会が多いのですが、要介護状態、認知症の方と接していて、最後は人に迷惑かけることなく、できればお金もかけることなく人生の幕を降ろせたらと考えてしまうことが多くなりました。
年金に関しても、どの年齢で受給しても12年程度で国側はマイナスになる計算であると聞いたことがあります。100歳以上が珍しくない現代において、財源の分配を子育支援や教育にまわす比率を高めるため、未来のために見直す必要があるのではないでしょうか。
主人公は労働意欲もあり、生きることにも前向きな様子がうかがえますが、生活保護を選択するならプラン75を選択するという考えを持つ人も少なくないのではないでは?
最後の解釈には賛否あると思いますが、もう少し突き放した終わり方でも良かったかなと思いました。
只今40代。行きつく未来はいかに。
タイトルなし
上映後、トイレ待ちの高齢女性たちの談笑が聞こえる。「もうちょっとリアルな話かと思ったのに」とのことで、えーっと思った。個人的には、もうすでにそうなっている話。
注目すべきは、高齢者が捨てられるというところだけでなく、若者も、将来捨てられるために捨てる仕事をしている(させられている)ところ。若者だってこのベルトコンベアーに載せられているのである。
ディテールの描写のリアルさ細かさには、なんとも言えない居心地の悪さがあり、そこにこの映画のメッセージがあると思ったけれど、結局最後はヒューマニズムみたいな着地がちょっと物足りない気もした。しかし、機械的組織への一体化を突き破る第一波は、個人がきちんと人間であろうとする衝動ということだろう。適応しないことの大切さ。
考える機会
年老いた叔母がこの映画を観たいと言っていた。一緒に観るかと聞いたら、友だちと一緒に観るからと言っていた。今日一人で観たけど、一緒に観ていなくて良かったと思う。考えがまとまらないので、叔母にはこの映画を観たことはしばらくは黙っておこうと思う。
公開されて約1ヶ月、空席が目立つ劇場で、観客は年老いた人たちばかり、一人で歩くことができない人もいた。いずれの方々も死を意識しての観賞だと思うのだが、いま75歳を過ぎた人たちはこの作品を観て何を思うのだろうか。
少子高齢化が進む近未来の日本における考えさせられる作品だった。倍賞千恵子演じる主人公ミチは、夫と死別した78歳、年老いてはいるものの穏やかで、発する声と話し方に品がある寂しい老婦人を実に見事に演じている。すごく歌が上手いのにカラオケを歌うシーンではあえて歌下手な老婦人を演じるあたり凄みを感じた。
市役所でプラン75の申請窓口に務めるヒロム。75歳の誕生日に市役所へ訪れた叔父に20年ぶりに会った。この叔父と甥のストーリーが老婦人のストーリーと絡んでいく。最後のシーンは、是なのか、非なのか、鑑賞された人たちと議論したいほどです。
PLAN60でも
少子高齢化対策の帰結としてPLAN75が生み出されて有りや無しやが語られていたが、問題はPLAN75ではなく、高齢化社会の雇用や住宅問題なわけで。それとは別に生きるのと同様に死ぬ選択ができてもよいと思っている。死ぬことをいつ死んでもよいと思える時に自分で決められるならこんな幸せなことはないだろう。
逆にできることなら死にたくないと思う人を何らかのロジックで死に追い込む仕組みは特攻と同じだ。
そうではなく自分の死ぬ時を自分で選べることに意味があると思っている。75ではなくもっと早くてもよい。また生きたいひとは好きなだけ生きればよい。もしそれができない社会なら、そもそもPLAN75の問題ではない。そこを一緒くたに語ることに意味はないと思う。
その視点で見ていたので、PLAN75に問題ありきの展開に全く入り込めなかった。むしろもっと別の方法があっただろうと忸怩たる思いで最後まで見た。
脚本、演出、俳優、全て良かった
死をテーマとしたとあり、重い作品となるのは予想していたが、鬱々となるわけではなく、全体を通して目が離せない作品となっていた。
それは、前半での背景説明(少し眠いが)、後半から飽きさせない展開と、現代の課題をSF的かつリアリティある脚本。
カメラワークや多くを語らない演出とそれに応える俳優。
全てがつながり、この作品の雰囲気を見事に作り出していた。
社会的な課題を、映画らしい手法で表現する。大人しいながらも映画館で観て良かった映画であった。
今後の監督の作品が非常に楽しみになった。
暗すぎる
ありえない話だと思うけど、
どこかで、あり得ると思ってしまう。
最期まで救いがない
陰鬱なままエンドロールを
迎える
高齢で介護が必要な自分の
親と重なってしまう
汗水たらし身を削って
高度成長を支え、わずかな
稼ぎから真面目に税金を払ってきた
親世代に対して
年金の減額、医療、福祉の
切り捨てで応える国家
これが国の在り方なのか
現実も映画も
このテーマは救いがない。
心が弱っている人には
おすすめ出来ない。
ゾッとしながら見て、自分事として捉える
将来、自分がその歳になった時には…そう思いながら見た。監督が、余白の多い映画と言っていたが、それでとても良かったと思う。余白があっても見ていて苦しい。でも逃げてはいけない現実だと思う。河村優実さん
邦画とは思えぬ完成度。
凄かった。75歳になったら自分で死を選択出来るPLAN75の利用者と運営者の群像劇です。
余計な会話は無く、絵が、余白が、研ぎ澄まされていて全てを語る。ギリシャのヨルゴス監督思い出した。
誰も泣かず、誰もが熟考し、淡々と死に向かっていく。
社会が、政治が、教育が、経済が人を分断し、さらに孤独が友達となった、、、その究極形がPLANE75かも知れない。
だから僅かな役者の表情の変化が、見る人に伝える情報量は大きい。この無駄の無さは監督が一度このテーマを短編で作っているからなのかも知れない。まだ作品数が少ない監督ではあるが、楽しみ。
出演者も当然ながらレベル高し。
倍賞さんも良い仕事に恵まれて全力投球だ。
高齢者にも若者にも、感情移入できる視点は用意されている。
初めのPLAN75誕生の話はキャッチな要素かも知れないが、、無くても良かったかもしれない。
先生の目線がこちらに向いた時、あなたはどう思う?と振られた気がした。
同じこと考えてた
ある年齢なったら生死を自ら選択できるようにして欲しい。何年も前から同じような事を考えてたことがある。こういう制度を作って欲しいと。わたしはお金持ちではないので、老後には不安しかない。ある年齢まで生きれば死ぬ権利が与えられる。もちろん希望する者だけ。もしこのような制度があったら、将来の不安はとても軽くなる。
わたしにとっては本当に欲しい制度だ。これが映画になるとは驚いた。もし実現すればこんな感じか。というイメージが明確になった。
わたしには全く否定的には感じない。これからこの国で高齢者になる者にとって決して悪ではない制度だとわたしは改めて思った。
主人公の女性はあれからどうしたのだろう?この国でこの先彼女はどんな人生が待っているのでしょう?
ホラーよりリアルな怖さ
映画館だから、観られた映画かもしれない。テレビだったら、途中で挫折したかも。
爽やかなCM、応援して一人前でも出前してくれるお寿司屋さん、若者だけの音楽で埋め尽くされたボーリング場、申し訳なく思いながら測る血圧、支給される額のリアルがどれも今の空気と地続きで、予告のホラー映画『LAMBラム』よりずっと怖い。
倍賞千恵子の声が素敵だった。
おじさんが、あの俳優だと一致しなかった。
エンディングのあとのリアルな感触がまだ続いている。
映画館で見るべき映画を観られてよかった。
身に詰まる思い
法律は架空でも高齢者はリアルで、自分の将来もこうなるのか、こうならない生き方はあるのか
みんな行く先はいっしょなのかね
基本子供いてもいなくとも同じだと思し、お金があれば回避出来るわけでもなかろうよ
だいたいが死を特別にしすぎよね。当たり前のことなのに触れないし準備...
だいたいが死を特別にしすぎよね。当たり前のことなのに触れないし準備もしないし。てことでこのプランは大賛成。はやく現実になってほしい。そのときはあの子たちのように若者に罪悪感持たせないようにしないとなあ。適度に感傷的になりつつ感動ツールにしてくれりゃいい。
この作品、もっと話題になっても良いと思うなあ。
しかしラストの展開がなー。おじさんの意志を冒涜しちゃいかん。あっちもどーすんの。なんも解決してないけど。
駆除される老人
なんだコレ?
新手のホラーか?
見事に誰の得にもならない映画だったなあ。
あのブラジルの女性の役所はなんだったんだろ?
その制度の外側にいる視点だとして…寄付や譲渡が自然に行われる事実を普通と思うか、幻想と思うか、そんな事を問う為の、民意のバロメーター的な事なのだろうか?
常識のあやふやさに笑いはしたけれど…健康診断の時に流れる政府広告なのか啓蒙ビデオなんかは分からんが、おもしろかったなぁ。
一種のプロパガンダなのかな?
こんなに長くやる話しじゃないんだろな、元々。
導入の独白にはドキッとする程の説得力があって煽られもするのだけれど、その後の世界は、その犯罪を肯定したような世界観。いわゆる大麻を合法と認めたような事なのだと思う。経済効果が莫大な為、一転して全肯定的な。
選択権は与えらるものの、ほぼ一択な未来。
自死を推奨する政府。
不必要だと隔絶する社会。
寿命によるコミュニティの崩壊。
降り注ぐ孤独。
いずれ、必ずくる死という未来。
ここが終着。だから死ぬという事が問題ではないのだと思う。問題は「生き辛さ」なのだろう。
作品に出てくる先輩方は、皆さん生き辛そうだ。
同時にプラン75を選ぶ必要がない富裕層の人間も描けばよかったのに。政府関係者とか。
そしたら色んな制度が誰の為であるか、より浮き彫りにもなってくるだろう。
テーマがテーマだけに掘っても掘っても、明るい未来な要素が見つからず…自分達の将来ながら絶望感でいっぱいだ。
安楽死と混同されそうな話だけれど、経済的困窮からの解放を同義としたら、世界中の宗教的な教えは、根底から覆されるような気がする。
総じて、編集は良くないように思う。
これは政府による人殺し映画だ
少子高齢化で、今後の年金が減額されていく可能性が高いため、題材になったと思われます。
あくまでも個人的な感想です。
まず、政府による人殺しについては、劇中のコールセンターの場面で、ある女性がプラン75を申し込んだ人は、思い返して死ぬのを止めるケースが多いので、上手くこのまま死ぬ方向に誘導してねと助言するセリフがありました。
国ではなく政府としたのは、ヒロム(磯村勇斗)がプラン75の看板を立てた時に、誰かから泥のようなものを看板に投げつけます。この状況から、反対派がいる事が推察でき、政府主導による政策と解釈できます。
その他に、死体処理者が死体の眼鏡、時計、お金を盗む行為は、犯罪行為であり不快です。
また、外国人労働者を美化しており、将来、日本を外国人が乗っ取るような感じを受けます。
最後の方に、ヒロムがおじの遺体を車の助手席に乗せて、火葬場に向かうシーンも違和感が残りました。
しかしながら、以上のような点を除けば、映画自体の完成度は高く、終始引き込まれました。ミチ(倍賞千恵子)のラストの行動に救いが残り、ホッとします。
評価の難しい映画だと思います。
自分の老後をイメージ
安楽死の法律ができたらいいな、と考えたのは何年前だったか…
うっすらと未来を想像はしていたものの、この映画でリアルに老後の輪郭が見えました。
つつましやかに、賠償さんの演じた方のように私は生きられるかな。おじさんも誕生日にプラン契約して、腹がキマッテルな。
その時まで、精一杯生きろって結論に着地。
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