劇場公開日 2022年6月17日

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「私は、息をしていることではなく、自分らしく在ることを大切にしたいです。」PLAN 75 のりたまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私は、息をしていることではなく、自分らしく在ることを大切にしたいです。

2022年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

どのようなタイミングで、どんな環境のもとに生まれて来るかは選ぶことができませんが、どう生きるのかは、人は自覚的・無自覚的にでも選んでいます。
この作品は、死ぬタイミングや死に方を、自分に決める権利があったら…という想定の映画です。
日本人が苦手な、死について考えることが、テーマです。

私は、以前、富裕層のレジデンスでフロント業務をしていたことがあります。
150名ほどの70歳以上の自立したシニアの方々が、快適に生活できるようにサポートすることが仕事でした。
お金があっても、家族がいても、スタッフのサポートを受けることができる環境にいても、老いは、待ったなしです。
90代になれば、1日をつつがなく過ごすことが一大事業になります。
ここで働いて、私は、持病や常用する薬がないうちに、まとまった時間をとって国内外の行きたい場所に行こうと決めました(今はコロナとロシアの動向を静観中ですが)。
老後が不安だからと70代まで働き続けていたら、やりたいことをする気力体力がなくなっていた…なんて悲惨です。

そして、私は、今まで祖父母、両親、おじおばたちを見送ってきて、日本で老後を過ごすのはイヤだなと思っています。
インドか東南アジアの田舎で、ひとりで暮らして、生活を回していけなくなったらゆっくりと死に向かっていきたいです。
この考えを言うと、ママ友からは、「子どもに迷惑だよ」といさめられますが、最期くらい、多少迷惑かけてもいいかなと私は思っています。
というか、それを「わがままなおかんらしいな、しょうがないな、最後の親孝行だ」ととらえる子どもであって欲しいです(確信犯です)。

息をしていることが生きることではないと、私は思います。
最期の瞬間まで、自分らしく生きていたいです。
そのための努力を、今もしています。
諦めて、プラン75を選択したら、そこが自分にとっての死である気がします。

20年後、70代の私が、この文章を読んだらどう思うのか、それも楽しみです(*^-^*)

のりたま